これが生死の分かれ目に!今すぐ実践したい、マンション管理者のための防災対策

ここ10年のうちに、東日本大震災や熊本地震などの巨大な地震が起こったこともあり、一昔前よりも防災意識は高まりつつあるといえます。とはいえ万が一、今災害が起こった場合、果たして本当にスムーズに乗り越えられるだけの備えをしているのでしょうか。
災害は、いつ起こるか予期できないので、事前に準備・対策をしているかどうかが生命を左右するといっても過言ではありません。
特に、マンションでは多数の世帯が集まって生活しているので、いざという時には団結力がカギになってくるはず。

そこで、今回はマンション管理者がすべき防災対策についてご紹介します。この記事を参考に、今日からさっそく防災対策をしてみてくださいね。

住人の安全のために!まずすべき対策はコレ!

マンションの管理者は、自分たちの家族だけでなく、住人全員の安全を考えて防災対策をする必要があります。では、具体的にどんな対策を行なえばいいのでしょうか。

本当に作動する?「消火器」の点検

阪神大震災の二次災害でも大きな被害と言われたのが火災。マンションでの火災は避難が大変ですので、初期段階で消化しなくてはなりません。そのために必要なのが、消化器。マンションでは建物内に消火器設置が義務づけられていて、具体的には「歩行距離20m以内の設置」と消防法で定められています。この消火器、最低でも半年に1回は点検をする義務があるのをご存知でしょうか?というのも、消火器には「使用有効期限」というものがあり、ノズル栓が外れたり本体がサビついたりしているときちんと使えないことがあるからです。点検項目はいくつもあるので、業者に依頼するのが安心でしょう。
また、火災発生時に住人がすぐ使えるよう、講習会を開いて消防士に消化器の使い方をレクチャーしてもらったり、住人に自宅から最も近い設置場所はどこなのかを把握してもらったりしておくことも大切。加えて、地震が起きたら火を消してガスの元栓を閉める必要性も周知しましょう。
余談ですが、筆者のマンションで先日防災訓練が行われ、そこで消化器の使い方のレクチャーがありました。試しにマンションに設置してあった消化器を使おうとしたところ、かなり大きな爆発音のような音が!!どうやら長年使っておらず、ホコリかなにかが詰まっていたことが原因だったようです。定期点検は非常に大切だと実感した瞬間でした。

スムーズな避難のために「避難経路」の共有

マンションでは、災害時に大勢の住人がスムーズに避難する必要があるので、住人には避難経路を把握しておいてもらわなくてはなりません。避難の際はミーティングルームに集まるのか、外に脱出してマンション内の公園やエントランスに集まるのかを、事前にきちんと決めておきましょう。また、玄関ドアが開かない場合などはバルコニー経由での避難になるので、全住人に最寄りの避難ハッチの場所を知っておいてもらわなくてはなりません。それとともに、災害に備えて日ごろから蹴破り戸のそばや避難ハッチにモノを置かないように徹底する必要があります。最近はバルコニーでご飯を食べたりするスタイルが流行しているので、インテリアなどを置いている人もいるかもしれません。今いちど防災の観点で見直してもらいましょう。

「安否確認」システムの確立

管理者は、災害時に自分の家族の安否だけでなく、マンション住人の安否も把握する必要があります。このとき、安否確認に時間がかかっていると避難が遅れたり、助けが必要な人が手遅れになってしまいます。そこで、事前に安否確認のシステムを作っておくことが大切。管理組合のメンバーで見回る階の分担を決めておくと、いざという時に混乱することなく安否の確認ができます。その際、各住人に避難したことが分かる目印をつけてもらうように徹底しておくと、見回りがなおスムーズです。
私が住むマンションでは、「避難しました」と記載されたハガキ大くらいのマグネットが配られていて、災害時に玄関のドアに貼り付けてから避難するというルールになっていますよ。

全住民へ周知を。災害時にパニックにならないための心構え

災害は、突然私たちに襲いかかってくるもの。しかも、頻繁に経験するものではないため、いざとなるとパニック状態になる可能性が高いかもしれません。そうならないためにも、災害時のシミュレーションをして心構えをしておくことが大切です。ここでは、マンションの災害講習会や防災マニュアルで住民に共有しておきたいことをご紹介します。

揺れが大きく感じても慌てない

建物は、上に行けば行くほど揺れが大きくなります。上層階だと、実際の震度以上の揺れが体感としてある場合が多いので、『このまま崩れてしまうのでは……』という恐怖を感じて慌ててしまうかもしれません。しかし、1981年以降に建てられた建物は新耐震基準に従って作られているので、震度6~7クラスの地震でも倒壊しない設計とされています。パニック状態では適切な判断・行動ができないので、“マンションは大きく揺れるもの”と腹をくくっておくのも良いかもしれませんね。

エレベーターに閉じ込められる可能性も

現在、日本国内の約7割のエレベーターが、地震発生の際に自動的に最寄りの階でストップして扉を開き、中にいる人を解放できるように設計されています。とはいえ、住んでいるマンションのエレベーターにこの機能が備わっていないかもしれませんし、備わっていたとしても作動しないケースもあり得ます。なので、エレベーター内で揺れを感じたら、手当たり次第に各階のボタンを押して中から脱出しなくてはなりません。
万が一、エレベーターに閉じ込められたら、慌てずに「緊急ボタン」を押して救助を要請します。この緊急ボタンは、停電しても管理センターと繋がることを知っておいてもらいましょう。
なお、揺れが収まって外に避難する際、仮にエレベーターが作動していたとしても、いつストップしてしまうかわかりません。危険ですので、利用するのは絶対にNGです。

階段の混雑で避難に時間がかかることも

上記のように、地震が起きるとエレベーターがストップしてしまうので、外に避難する際は階段を利用することになります。となると、住民が一気に階段に押し寄せ、非常に混雑することが予測できます。押さず、慌てず、冷静に行動することはもちろん、日ごろからマンションの避難マニュアルを確認してもらったり、避難訓練で実際のシミュレーションをしておけば、スムーズな避難に繋がりますよ。

避難所ではなく自宅避難になってしまったら……

先にも少し触れたように、マンションは耐震性に優れているので、大きな地震が発生した場合でも建物が倒壊しにくいといわれています。ですので、地震が起きた際、マンションが無事だと居住者は「自宅避難」となるケースも。なぜなら、避難所のスペースは限られているため、建物が倒壊して住む場所を失ってしまった人が優先されるからです。
そこで問題になるのが、電気や水道などのライフラインのストップ。高層階の人はエレベーターが使えないと外への出入りも不便で、“缶詰め状態”になってしまう可能性もあるのです。
マンション住人全員となると人数が多いので、管理組合としては食料や水・生活必需品などは個々で準備してもらう必要があると事前に伝えておくことが大切。では、自宅避難を想定してどのような家庭では備蓄があればいいのでしょうか?

<食料>

乾パンやレトルト食品などの食べ物と水を、できれば1週間分、最低でも3日分。エレベーターが止まっていると、外から水を運ぶのは非常に大変なので、水だけでも1週間~10日分確保するのが望ましい。

<トイレ>

災害用の携帯トイレを一人あたり1日5回として1週間分。仮設トイレがマンション敷地に設置されたとしても、階段で行き来するのは大変なので、自宅で乗り切れるだけの備蓄をするのがおすすめ。ちなみに、水を流せる状態でも、地震で配管が破損していると下の階に水漏れしたり逆流する可能性もあるので、注意が必要。マンションの防災マニュアルに記載されているケースもあるので要確認。

一方、上記以外の個々で準備が難しいものは、管理組合で備蓄しておかなくてはなりません。

  • メガホン…避難を誘導する際などに必要。
  • 簡易担架…エレベーター停止時は階段で運ぶため、軽くてスペースの取らないものを。
  • ヘルメット…救助活動の際に使用。
  • 発電機…停電時の電源確保に便利。
  • 災害用マンホールトイレ…簡易トイレが無くなった家庭など、予備の備えとして。

もちろん、これら以外にもマンションの造りや規模によって必要なものはまだまだあると思いますので、管理組合でシミュレーションしながら準備することが大切です。
こうして見ると、自宅避難は不便に思うかもしれませんが、なによりプライベートな空間を確保できますし、精神的にゆとりができるというメリットがあります。特に筆者のように小さい子供がいる場合は、大勢が集まる避難所では気を遣うことも多く、自宅避難の方がありがたかったりもします。いざという時に自分たちの力で乗り切れるよう、しっかりと備蓄をしておきたいですね。

日ごろから防災意識を高めよう

ここまで、マンション管理者としてすべき防災対策をご紹介してきました。
住人みんなができるだけ安全に災害を乗り越えるためには、各家庭でも防災意識を高めてもらうことが大切。今いちど家庭での防災対策にも目を向けてもらいましょう。

倒れたら危険!「家具」の配置の見直し

地震が起きた際は、“家具が凶器になる”とはよくいわれるもので、特に棚やタンスなどの大型家具が倒れてきたら非常に危険です。寝室や小さな子供・お年寄りがいる部屋ではなおさら危ないので、できる限りこれらの家具を置かないことがベター。大きな家具は1つの部屋に集中させて、「家具部屋」を作ってしまうのも手ですね。
また、重心を下げることで家具が倒れにくくなるので、重いものはできるだけ下の方に収納するようにしましょう。

破片でのケガ防止!「割れ物」対策

家具の転倒も危険ですが、物が割れた場合に破片が散らばるのも危険です。家具の上など、頭より高い場所には割れやすい物を置かないようにしましょう。また、窓ガラスも大きな地震の際に割れて散らばる可能性が……。割れた破片が飛び散るのを防ぐのに有効なのが、実はカーテン。昼間はカーテンを開けているという人も多いかもしれませんが、防災の観点からいうと薄手のレースカーテンなどをしておくことをおすすめします。もちろん、夜は防災・防犯のためにも、しっかりとカーテンを閉めてくださいね。
なお、地震の際は停電になることもあります。そうなると、掃除機が使えないので、散らばったガラスの破片を処理できません。そこで常備しておきたいのが、粘着式のローラー。これがあれば、とりあえずの応急処置は可能です。できれば先に大きな破片をほうきとちり取りで掃除してローラーを使うと効率的ですよ。

避難訓練に積極的に参加

東日本大震災や熊本地震が発生した影響で、マンションの管理組合は以前に増して防災意識が高まっているところもあり、避難訓練や防災に関する講習が開かれる所が多いかもしれません。比較的新しいマンションにお住まいの人は、『うちは耐震性バッチリだし』と安心しているかもしれませんが、油断は禁物。災害は実際に起きてみないとどんな被害があるか予測できませんし、いざとなると慌てて身動きできなくなることも考えられるので、一度は避難訓練に参加してシミュレーションをしておくことを強くおすすめします。
なお、マンションで実施されていない場合でも、地域で開催していることもあるのでそちらをチェックしましょう。

まずは挨拶から。ご近所とのコミュニケーション

マンションの避難マニュアルなどを見ても、災害時は隣近所と声を掛け合ったり、管理組合などの役員たちがそれぞれの世帯を回って安全確認をしたりする、といったフローになっている場合が多いです。この“共助”の姿勢が強いのが、集合住宅であるマンションの強みといえるのではないでしょうか。
とはいえ、人づきあいが苦手でご近所との交流がほとんどないという人もいるかもしれませんね。防災のためとはいえ、急に積極的にコミュニケーションを取りにいくのも難しいでしょうし、まずは挨拶を交わすことから始めましょう。いざという時に顔見知りの人たちが近所にいたら助けを求めやすいですし、避難がスムーズになりますよ。

まとめ

マンションの防災対策についてお話しましたが、いかがでしたか?災害による被害は、実際に起こるまでわからないので未知数ですが、事前の対策・準備があるとないとでは全然違ってくるはず。
マンション住まいをしている筆者は先日、管理組合が実施している避難訓練に初めて参加しました。これまではあまり意識していなかったのですが、子供ができた今は、自分だけでなく子供の身も守る必要があるので、防災に対する関心も高まっています。
避難訓練では、マンション自体にどのような備蓄があるのか、災害時はどのようにして乗り越えていくのかをシミュレーションし、詳しく知ることができたので、参加して本当に良かったです。実際に話を聞くことで、防災に対する意識がより高まったのも収穫でした。

9月は防災月間とされる月。この機会に、わが家の防災対策を見直しませんか?

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