1枚5役!? 機能満載手ぬぐいの使い方再発見

タオルやハンカチを使うように、古くからある手ぬぐいを普段の生活に取り入れるのはいかがでしょう?
手ぬぐいは日本の気候に合った、機能性抜群の拭い物。ですが、拭うだけでなく、多彩な使い方ができる実用性に優れた便利グッズでもあります。センス次第で活用の幅が利く、手ぬぐいの魅力をお伝えします。


タオルよりハンカチより手ぬぐい! その長所

昔ながらのぬぐいもの「手ぬぐい」。その使い勝手の良さとデザインの豊富さから、昨今愛用者が増えています。

起源は諸説ありますが、その原形は奈良時代とも言われます。当時は祭儀に用いられる神聖なものだったそう。
生活必需品としての手ぬぐいが生活に根づいたのは、江戸時代に入ってからのことです。木綿の着物が庶民に広まるのとともに、着物を作る際に出た反物の切れ端を有効活用した文化から派生しました。

その後、明治時代(1870年以降)の産業革命によって染色技術が向上し、繊細な模様が可能になると、そのデザインの自由度の高さから、開店記念やイベントのノベルティ、新築記念などに使われるようになります。

日本のお祝い事には欠かせないおめでたい商品として活用され続けている一方で、その高い機能性とサステナビリティの観点から昨今再注目を集めています。Japanese Handkerchiefと訳されることもある手ぬぐいですが、ハンカチとは一味違った長所を追ってみましょう。

軽くてコンパクト

反物発祥ということで、手ぬぐいは大きさがほぼ決まっています。その平均サイズは33~36cm×90cmとなかなかの大判。
とはいえ一枚布なので畳めば手のひらサイズに。普段の持ち運びはもとより、収納もかさばらず、そろえてしまっておくことができます。

吸水性と保水力の良さ

一般的に手ぬぐいの原料は綿100%。綿の特徴そのままに、吸水性と保水力に優れています。
よくお風呂の御供として手ぬぐいを携帯するシーンがありますが、入浴の際には冷たい水を含ませて頭に乗せてのぼせ防止にし、湯上りによく絞って体を拭う、という江戸時代の理に適った使い方が今に生きているからなんですよ。

丈夫で毛羽立ちが少ない

手ぬぐいで使われている生地は、経糸1本と横糸1本を交互に交差させておられた平織り。糸の交差する点(組織点)が多いので、やや硬くハリがあり、摩擦に強く丈夫な耐久性の高い生地に仕上がることが特徴です。
そのため、使えば使うほど繊維が絡まって毛羽立ちせず、しなやかさが増して肌触りがよくなります。

速乾性

手ぬぐいの両サイドが切りっぱなしになっていることにお気づきでしょうか。こうすることで、繊維の端から揮発して乾きが早くなっているんです。
高温多湿の日本の気候において「速乾によって雑菌を繁殖させづらくし、清潔を保つ」という先人の知恵が生きています。

デザイン性の高さ

手ぬぐいで使われる染色法は大きく分けて注染・捺染・顔料プリントの3種類。注染はグラデーションの美しさ、捺染は型紙の精巧さと色の重なり、顔料プリントはパキッとした濃色の良さ、とそれぞれに特徴があります。
そうした個性とパターンとが出会い、高いデザイン性を発揮して多様な絵柄で楽しませてくれます。


ポテンシャルを活かしたシーン別手ぬぐいの使い方と活用法

一枚布と言うだけにはとどまらない、高い機能性を秘めた手ぬぐい。その実力をいかんなく発揮させる使い方の実例をシーン別にご紹介します。

「包む」——小粋なラッピングに

色柄ともに豊富な手ぬぐいは、ちょっとした贈り物のラッピングとしても使えます。手ぬぐいの柄で季節感や贈り手の気持ちなどを添えられて、印象深い贈り物になるはず。
粋な包装としてだけでなく、布で包むことで、持ち運びの際の緩衝材効果があるのも嬉しいポイントです。

プチギフト

ちょっとした贈り物も、包装紙やショップバッグで簡単に包むよりグッと印象的に。
手ぬぐいを広げ、中心に包みたいものを手ぬぐいに対して斜め45度に置き、手ぬぐいの上下を対象物に被せ、両サイドを結ぶだけ。結び口のほつれがきになるようなら、内側に織り込んでふっくらとさせると仕上がりがきれいになります。

ワイン

パーティーの差し入れで大きな飲み物を持っていくときなど、ちょっとボトルにもおめかしを。
手ぬぐいを広げ、ワインの首の辺りを片側の両隅で固結びをします。底の辺りで1度縛り、残った部分をひねり上げ、最初に作った固結びの下をくぐらせて結んだら出来上がり。
持ち手があって携行しやすく、冷えたワインなどの結露防止にもなります。

ビール缶

ゴロゴロと動きやすい飲料缶も、手ぬぐいにかかればピタッと持ち運びが簡単に。
手ぬぐいを広げ、中心からそれぞれ底面ひとつ分空けたところの手前側にそれぞれ缶を倒し、ぐるりと巻き、缶を立たせて、左右の余り布を結んだら出来上がり。
地ビールとご当地の手ぬぐいと合わせたら、素敵なお土産になりそうですよね。

ご祝儀袋

ご結婚やご入学など、一封包む際に必ず使うご祝儀袋ですが、手渡した後は得てして捨ててしまうもの。手ぬぐいで包めば、その後も使って思い出と一緒に残せるお祝いにできます。

用意するのは、手ぬぐい・水引・祝い熨斗。お金は懐紙か吉事の無地封筒に入れておきます。
手ぬぐいを切り口を合わせるように半分に折り、輪を下にして中央に封筒を配置。右側を畳み、左縁を2cmほど折り返してから畳みます。ひっくり返して、上側を折り、下を折り上げて、水引で留めて完成。
最近では、手ぬぐい専門店ですべてがそろった状態のものが販売されているので、気軽に選ぶこともできますよ。

「濡らす」「巻く」——スポーツシーンを快適に

保水性が高くしなやかな手ぬぐいは、スポーツシーンや夏場の屋外での作業にもオススメ。軽く水で濡らした手ぬぐいを頭や首に巻くと、気化熱で涼しさを得られるんです。

日よけ

お祭りでよく見かける手ぬぐいの使い方。特に夏場の炎天下では、通気性を遮ることなく、直射日光から頭部を守るのに日常でも大活躍します。

その際は、熱を吸収しない白地のものが特に最適です。帽子でも日よけになりますが、使わないときには畳んでおけるので、かさばったり落としたり……といったリスクも回避できます。

ヘルメットインナー

剣道で防具の面を被る前に手ぬぐいを頭に巻いていますよね。あれは、頭部から出る汗が目に入るのを防ぐのと、ズレ防止の意味合いがあるんです。

この効果は、サイクリングやトレッキングのヘルメットにも応用可能。頭部を手ぬぐいで巻いてからヘルメットを被ると、汗の滴りやズレを防ぎつつ、ヘルメット内の蒸れも解消してくれます。
また巻く前にサッと濡らして硬く絞ると、気化熱が作用して、より快適な装着感になりますよ。

ネッククーラー

保水性が高いため、気化熱による冷感が適宜保持できる濡らした手ぬぐいは、ウォーキングなどの際に首に巻いてネッククーラーとしても使えます。
保冷剤を入れなくても、風を受ければ十分に清涼感を得られ、必要以上に体を冷やすことなく快適に過ごすことができます。

「拭く」「磨く」——清潔で拭き跡ゼロのお掃除に

毛羽立ちが少なくて丈夫な手ぬぐいは、お掃除にももってこい。平織りのため、簡単に手で割くこともできるので、お掃除の場所によって適当なサイズにして使い倒してしまいましょう!

食卓のふきん

食卓の上は清潔に保ちたいですよね。吸水性が高いうえ、熱にも強い手ぬぐいは、台布巾として最適なんです。
うっかり水気の多いものをこぼしてもサッと拭き取れ、さらに煮沸消毒ができるので、きれいな状態で繰り返し使うことができます。柄物を使えば、テーブルのアクセントにもなって華やかさもプラス!

金属やガラス製品のお掃除

毛羽立ちが少ないことに加え、木綿の特性である「化繊に比べて油汚れを吸着する」という点も、手ぬぐいがお掃除に重宝する理由のひとつ。
特に、拭き跡や手垢が気になるドアノブなどの金属の磨き掃除や、窓や鏡などのガラス部分の掃除に威力を発揮します。クリーナー等で拭いた後、畳んで乾いた面で仕上げ拭きをすれば、拭き跡も残らずピカピカに!タオルやマイクロファイバーではなかなか出せない輝きが現れますよ。

「被せる」「濾す」——調理器具としてキッチンに

キッチン周りは使い捨てのものも多く、何かとかさばりがち。そこに手ぬぐいを1枚常備しておくだけで、料理の幅が広がります。調理用にする際は、必ず水通しをして糊や染料を落としてから活用しましょう。

製パン発酵時の乾燥防止

ステイホームを機に、自宅でパンを作る方も増えたのでは?手ごねでパンを作る際、ベンチタイムや発酵時、生地の乾燥を防ぐために被せる濡れ布巾に、手ぬぐいがピッタリ。
キッチンペーパーを濡らして~というレシピもありますが、手ぬぐいなら湿度を適宜調節し、生地に触れてもくっつくことがなく、手際よく作業に移れます。

濾し布

ヨーグルトや大根おろしの水切り、カッテージチーズの凝固、出汁濾し……など、熱や酸にも強く、食品への影響が少ないので、さらし同様に調理にも使えます。使用後は、食器用洗剤で揉み洗いし、煮沸消毒すれば臭いも気になりません。

煮沸消毒の方法も簡単。手ぬぐい1枚程度なら、直径18cm程度の片手鍋にたっぷりお湯を沸かし、沸騰した状態で5分ほど茹でればOK。

蒸し料理の水滴落下防止

加熱調理の中で「蒸し」は最も栄養価を損なわない調理法と言われています。ただ、調理の際、蓋に付着した蒸気が水滴となって素材に落下すると、せっかくのお料理が水っぽくなったり、仕上がりが悪くなったりと残念なことに……。
蒸し調理の鍋蓋に手ぬぐいを巻いて持ち手部分にゴムでくくれば、手ぬぐいが水分を吸ってくれて、滴りを防いでくれます。

「飾る」「隠す」——華やかさのあるインテリアに

デザイン性の高い手ぬぐいは、最近はインテリアに取り入れるのも人気。伝統的な文様やモダンなテキスタイルなど多様なデザインは、お部屋の雰囲気によりいっそう彩りを加えてくれます。

額装して壁面装飾に

染めの美しい手ぬぐいは、額装にするとその美しさが一段と映えます。サイズがほぼ決まっているため、メーカーを問わず簡単に入れ替えができるのは大きな利点。季節やイベントごとに変えるのも手軽で楽しいですね。

テーブルコーディネート

鮮やかな色合いは、テーブルランナーとして卓上のコーディネートの一役を買ってくれます。うっかり汚れてしまっても、気軽に洗濯できるので安心。また、揃いの柄や同系色でおしぼりを用意すれば、統一感が出て素敵なおもてなしになりますよ。

ティッシュボックスカバー

既製品のカバーはずっとそのまま……ということも多いはず。クッションやカーテンを替えるのに合わせて変えてみてはいかがでしょう?鮮やかな色味にすればお部屋のアクセントに、定位置周辺の家具と同系色にすれば目立たず収納できます。

中心に合わせて両サイドを折り、ティッシュボックスを中心に置きます。輪部分を取り出し口の端に合わせ、片手で押さえた状態でヘリを取り出し口に合わせます。反対のヘリも同様に。両端にできた飛び出した部分をそれぞれ1度結び、張り具合を調整したのち、固結びにして出来上がり。
鮮やかな色味にすればお部屋のアクセントに、定位置周辺の家具と同系色にすれば目立たず収納できます。

ほこりよけや目隠し

日用品やちょっとしたものを置きっぱなしにしていませんか?ボックスや籠に入れて手ぬぐいを掛けておけば、ゴチャゴチャした印象を隠してくれます。急な来客でも、これなら安心。ほこりよけにもなって一石二鳥です。


まとめ

機能性が高く、それでいてデザイン性の高い手ぬぐい。手ぬぐい愛好家の間では、使い込むことを「育てる」といった言い方もするそうです。今回ご紹介した使い方は、ほんの一部。使えば使うほどに利便性を実感できるだけでなく、愛着も湧いてくると思います。
粋な遊び心を生活に取り入れて、心も体も爽やかに過ごしたいですね。

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