スロップシンクとは、英語のスロップ(slop)=汚水を流せる「底が深い流し」のことを指します。戸建て住宅ではパントリーなどの室内に設置されていることが多いですが、マンションでは一般的にバルコニーに設置されていて、図面では「SK」、またはそのまま「スロップシンク」と表記されています。
屋外に水栓が付いていると、室内で洗いにくい外靴や泥汚れなどが付いた服を洗う、またはバルコニーの掃除など様々に使えて便利です。今回はマンションのスロップシンクの便利な使い方と、使用上の注意点を紹介します。
目次
マンションのスロップシンク 便利な使い方
屋外(バルコニー)に設置されている利点を活かした使い方を紹介します。
汚れのひどい服や靴を洗う
育ち盛りのお子様がいるご家庭では、屋外競技のスポーツクラブに入っていたり、外遊びをした後の汚れた服や靴で帰宅することがしばしばあるかと思います。
そんな時は、洗濯の前に泥汚れを落とすのに重宝します。服の浸け置きをする時も、スロップシンクがあれば洗面台が使えなくなる心配がありません。
アウトドア用品の手入れ
休日はキャンプに行ったり山登りをしたりとアウトドアを楽しむのが趣味な方も多いかと思います。
使用したアイテムは一旦はその場で綺麗にしますが、自宅に帰ってからメンテナンスにも手は抜けません。バルコニーでテントや椅子、靴などを水拭きして乾かす時にスロップシンクがあると便利です。
家庭菜園での水やり、収穫した野菜を冷やしておく
朝起きたらまずはカーテンを開けて朝日を浴び、日頃から可愛がって育てているバルコニー家庭菜園を眺めるのも粋ですね。バルコニーにスロップシンクがあれば、キッチンでじょうろに水を入れて何度もバルコニーと往復する……というような手間もなくなり、毎日のお手入れが便利になります。
植物の水やりにスロップシンクを活用するのはもちろんのこと、夏場はスロップシンクを利用して水を張り、氷を入れて、取れたての夏野菜を冷やすという活用方法もあります。
DIY(日曜大工)、バルコニーの掃除
DIYが趣味という方も多いでしょう。室内を汚さないためにも、バルコニーで作業を行うことがあるかと思いますが、その時にちょっとした物や手を洗ったりするのにスロップシンクが欠かせません。
作業後はバルコニーの汚れの掃除も行えて一石二鳥です。
バルコニーは防水処理されていませんので、規約で水を撒くことが禁止されています。掃除の際はご注意ください。
マンションスのロップシンクを使う上での注意点
お湯が出ないことが多い
マンションのスロップシンクはお湯が出ません。中にはお湯の出るマンションもあるかもしれんませんが、施工時の配管の兼ね合いで、多くのマンションが水しか出ない仕様になっています。事前に理解しておきましょう。
泥汚れは、流す前に軽くはたく
マンションのスロップシンクはバルコニーに付いているので、ついついそのまま泥がついている服や靴を洗ってしまいそうですが、固形物などは配管の詰まりの原因となります。あらかじめ泥などの汚れを軽くはたいてから利用するように心掛けましょう。
またスロップシンクは外気で汚れます。排水管が詰まらないよう、定期的なお掃除もお忘れなく。
ペットのシャンプーなどには利用できない
ペットを飼育されている方は「スロップシンクがあれば散歩帰りのペットの足を洗ったりシャンプーができて便利じゃん!」とお考えになるかもしれません。しかしペットの毛で配管が詰まる原因となりますので避けましょう。
またスロップシンクが設置されているバルコニーは共用部分に該当しますが、共用部分でのペットの手入れは規約で禁止されているマンションがほとんどです。
大事な家族です。一緒にお風呂で洗ってあげてください。
スロップシンクが標準仕様でないマンションに、後から追加で付けることは難しい
マンションに設置されているスロップシンクはバルコニーが多く、またバルコニーは共用部分にあたりますので、入居者予定者・入居者が勝手に形状変更をすることができません。
したがって後からスロップシンクが欲しいと思っても、追加で設置することは非常に難しいです。スロップシンクが欲しい方は、購入前に標準で付いているかどうかをしっかり確認しましょう。
まとめ
マンションのスロップシンクはバルコニーに設置されていることが多く、またバルコニーは共用部分となりますので、使用制限に関してはマンション毎の管理規約で決まっております。今回挙げた使い方例はあくまで参考例となりますので、ご利用される際は今一度管理規約をご確認くださいませ。
生活をする上でスロップシンクが必ず必要かと言われればそうではありませんが、使いこなせば便利な設備です。ご自分のスタイルに合わせてスロップシンクを活用してみてはいかがでしょうか。