毎日の生活に必要なガスですが、寒い冬の時期は、ほかの季節に比べてガス代が高くなりがちです。
何気なくガス代の請求書を確認したら、請求額が高いことに驚いた経験はありませんか? 私も寒い時期になるとびっくりすることがあります。
なぜうちはこんなに高いの!?他の家庭と比べてどうなの!?と思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、高いガス代の原因として考えられる理由と、日頃の光熱費を抑えるための節約術をご紹介いたします。
ガス代を少しでも節約したい人は必見です。
[世帯人数別]平均ガス代相場はどれくらい?
各家庭におけるガス代の平均は、家族の人数によって大きく差がでます。
自分のガス代が高いのか安いのか知りたい方のために、総務省発表の2018年度の1ヶ月の平均料金を、世帯人数別でご紹介します。
やはり季節によってガス料金は大きく変動しています。
ガスは料理でも使いますが、最も消費量が多いのはお風呂などの給湯だと言われます。冬場(1月~3月)は湯船につかることが増えたり、洗面時などお風呂以外でもお湯を使う機会が増えたり、また給湯の温度が高くなったりと、どうしてもガス代が高くなってしまいます。
1人世帯では、冬場と夏場では1,600円ほど、4人世帯では3,500円ほどもガス代が高くなっていることがわかります。
平均のガス料金と比べて、ご自身の料金が高いと感じた方は、ガス代の節約を心がけてみましょう。
ガス代が高くなる理由3つ
ガスの使用量が多い
ガス代が高いと思うのは、たいてい冬場です。
繰り返しになりますが、冬場はお風呂を溜めたり、洗いもの時にお湯を使ったりと、ガスの使用量が多くなります。一番たくさんのガスが使われるのが水からお湯を沸かすときので、その機会が多くなる冬はガス代が高くなるということです。
ただ、寒い時期の生活でお湯を使わないわけにはいきませんので、ガス使用の無駄をなくす節約を考えましょう。
ガスの節約については、後からご説明します。
給湯器の熱効率が低い
先にもお話した通り、ガスを多く使うことと言えばお湯を作る給湯です。
給湯器の内部ではガスで火を起こし、水を温めてキッチンやお風呂場にお湯を供給しています。このお湯を沸かす給湯器が熱効率が低いものだと、ガスの消費量が大きくなってしまいます。
近年では、「エコジョーズ」と呼ばれる熱効率の良い給湯器が広く普及しています。
従来の給湯器ではお湯を作る際に約200℃の排熱がありましたが、エコジョーズではその排熱も利用して水を温めます。そのため、従来よりも少ないガス消費量で効率よくお湯が沸かせるようになっているのです。
従来の給湯器の熱交率が約80%でしたが、エコジョーズでは約95%まで良くなり、約13%ガスの使用量をカットできます(※西部ガス株式会社調べ)。
ご自宅の給湯器がエコジョーズの給湯器かどうか知りたい方は、給湯器の本体を確認してみてください。エコジョーズの給湯器には、エコジョーズマークが貼り付けられています。
それなら自宅の給湯器をエコジョーズに交換しようと思った方も多いと思いますが、エコジョーズ導入には実はデメリットもあります。
まず、本体価格が一般的な給湯器よりも高いという点です。
エコジョーズの給湯器に交換する場合、ガスをあまり使わない方や、1~2人暮らしの世帯が導入すると、初期費用の回収に時間がかかってしまいます。
また、エコジョーズの給湯器には、従来の給湯器にはなかった排水が発生します。この排水の処理を行わなければならず、工事が必要になってきます。
設置状況などによっては工事自体が難しいということもありますので、購入前に業者へお問い合わせください。
プロパンガスを使用している
ご自宅のガス供給方法がプロパンガスの場合、必ずではありませんが、都市ガスと比較してガス料金が高くなることがあります。同じ条件の都市ガスと比べると約1.8倍にもなるケースもあるようです。その計算だと、都市ガス月5,000円で済む家庭の場合、プロパンガスでは9,300円もの料金を請求されることになります。
それでは、なぜプロパンガスの場合料金が高くなるのか、その理由をご紹介します。
配送コスト・人件費がかかる
プロパンガスが都市ガスと違うのは、「液化したガスを充てんしたボンベ」を各家庭に配送してガスを供給しているという点です。一方都市ガスは、電気や水道と同じように、人の手を介さず、地下の導管を通じて家庭に届けられています。
プロパンガスを家庭に届けるためには、ガスボンベの配送、交換、点検、検査など、都市ガスよりも多く人件費がかかってしまいます。
この配送方法の違いがガスの価格に反映され、プロパンガスが高くなる理由の1つとなっているのです。
設備費用の上乗せ
ガスを供給する際には、設備に必要な初期費用がかかります。
プロパンガスを設置する際、ガス配管工事や給湯器等の設備費用をプロパンガス会社が負担してくれるケースが多く、あまり高額な請求にはなりません。
しかし、この供給設備の費用は単純にガス会社が払っておいてくれただけで、毎月支払うガス代として費用に上乗せされているケースがあります。
各社で自由に価格を決められる
プロパンガスは公共料金である都市ガスと違って、公的な値段の基準がない自由料金と呼ばれる方法で料金を決めています。
それぞれのプロパンガス会社が仕入れ価格や人件費などのコストと自分たちの利益を考えて自由に料金設定ができます。そのため、同じエリアでも会社が違えば料金がバラバラです。
一戸建ての場合は、他に対応している業者があれば問題なく変更ができます。
今のガス代をもっと抑える11の節約法
お風呂やキッチンなど、暮らしに欠かせないガス。毎日の使い方をちょっぴり見直すことで、今のガス代をもっと節約する事ができます。
【お風呂】と【キッチン】で今日からでもできる、ガス代をもっと節約する11個の実践法を紹介します。
※以下で登場するデータは、すべて経済産業省資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約」より引用しています。
1【お風呂で実践】シャワーの使い方を考えよう
シャワーを使う際にはお湯を出しっぱなしにせず、こまめに止めてシャワーを出す時間を短くしましょう。
45℃のお湯を流す時間を毎日1分間短縮した場合、年間でガス12.78㎥の省エネになり、約2,190円の節約になります。
なお、1分間のシャワーのお湯は約12Lで、16分間出しっぱなしにすると浴槽のお湯一杯分(200L)と同じぐらいの量になります。水道代もそれだけ節約できると考えると、こまめにお湯を止める節約の価値が実感できると思います。
2【お風呂で実践】お風呂の蓋をこまめに閉め、追い炊き回数を減らす
お風呂を沸かしている間や、次の人が入るまでの間はお風呂の蓋を開けたままにしないでおきましょう。蓋をこまめに閉めておくことで、お湯の温度が下がるのを防ぐことができます。
お風呂に蓋のないご家庭は保温シートを活用するといいですよ。お湯に浮かべておくだけで、冷たい外気でお湯が冷めるのを防ぐ事ができます。また、入浴は間隔をあけずにすることで、追い炊き回数を減らすことができます。
1日1回、2時間放置により4.5℃低下した湯(200L)を追い炊きする場合、年間で38.20㎥のガスを使用することになります。この分の追い炊きを止めることで、約6,530円の節約となります。(※都市ガスの場合)
3【キッチンで実践】野菜の下ごしらえは電子レンジで
野菜を茹でて熱を通す下ごしらえの代わりに電子レンジを活用すればガス代の節約につながります。
電子レンジを使用すると時間短縮にもつながり、また、ビタミンCなどの水溶性ビタミンの損失が抑えられて栄養が摂りやすくなります。
※以下のデータは100gの食材を、1Lの水(27℃程度)に入れて沸騰させて煮る場合と、電子レンジで下ごしらえをした場合の比較(食材の量等により異なります)(365日、1日1回使用)
葉菜(ほうれん草、キャベツ)の場合
ガスコンロでは、年間でガス8.32㎥ 約1,420円、電子レンジでは年間で電気13.21kWh 約290円と、約1,130円の節約となります。
根葉(ジャガイモ、里芋)の場合
ガスコンロでは、年間でガス9.10㎥ 約1,560円、電子レンジでは年間で電気15.13kWh 約330円と、約1,230円の節約となります。
果葉(ブロッコリー、カボチャ)の場合
ガスコンロでは、年間でガス9.48㎥ 約1,620円、電子レンジでは年間で電気22.01kWh 約480円と、約1,140円の節約となります。
4【キッチンで実践】炎が鍋底からはみ出さないよう気を付ける
調理をするときに、炎が鍋底からはみ出してしまうと、エネルギーの無駄使いになってしまいます。炎がはみ出さないように、強火から中火にすることで、年間でガス2.38㎥ 約410円の節約となります。
※水1ℓ(20℃程度)を沸騰させる時、強火から中火にした場合(1日3回)
また、鍋を火にかける前に、鍋の水滴を拭き取りましょう。鍋が濡れたままの状態だと、水を蒸発させるのに余分なエネルギーが必要となります。水滴を拭き取るだけでガスの節約になります。
5【キッチンで実践】圧力鍋を活用する
冬の人気料理といえば、スープやシチューなどの煮込み料理ですね。温かい料理は冬の食卓には定番の料理ですが、長時間煮込むため、思ったよりも光熱費がかかってしまいます。
そんな時は圧力鍋を活用して効率的かつリーズナブルにお料理をしましょう。
圧力鍋は高温で余熱調理と高熱調理の両方を行うことができます。たとえば、スープやシチューで具材を柔らかくなるまで煮込むためには、焦げつかないようにとろ火で長時間煮込む必要がありますが、圧力鍋なら肉や根葉でも10分~15分の加熱で加圧が始まります。加圧調理の時間を取ったら火を止めてそのまま数十分~1時間ほど放置。余熱だけで、とろ火で2~3時間煮込んだのと同じ効果を得ることができます※。
普通の鍋を使って料理をした場合の2~3時間のガスを節約することが可能です。
※ここで紹介している調理時間は一例です。圧力鍋での調理時間は商品・レシピによって異なります。
6【キッチンで実践】揚げ物はオーブンレンジや、お惣菜を利用
揚げ物は油の加熱時間も含めガスを長時間使ってしまうので、ガス料金が高くなってしまいます。そんな場合は、オーブンレンジを活用して揚げない揚げ物にしてみましょう。
また最近ではスーパーやコンビニのホットスナックコーナーなどで揚げ物が充実しています。お惣菜などを上手に利用することで揚げ物自体の回数を減らすことができ、ガス代の節約にもつながります。
7【キッチンで実践】未開封のペットボトルの水は常温で保存
調理をする際に、ペットボトルの水を使うという方も多いのではないでしょうか。未開封のものは冷蔵庫ではなく常温で保存しておきましょう。沸騰までの時間が短くなるため、ガス代を節約することできます。ただし開封し残った水は菌を繁殖させないよう冷蔵庫で保存してください。
8【キッチンで実践】ガスコンロのバーナー部分の穴を掃除する
ガスコンロのバーナー部分の穴が詰まってしまうと熱効率が落ちてしまいます。定期的に爪楊枝などの尖ったもので汚れを掻き出すようにして掃除しましょう。
綺麗にしておくことでガス代の節約につながります。
9【キッチンで実践】食器を洗う時の給湯器は低温設定に
食器を洗う際の水温にも注意をしましょう。
65Lの水道水(水温20℃)を使い、給湯器の設定温度を40℃にした際と、2℃下げ38℃にして1日2回手洗いした場合(使用期間:冷房期間を除く253日)の比較では、年間で8.8㎥の省エネになり、約1,510円の節約となります。
10【キッチンで実践】食器を洗う時はお湯よりも水を使う
そもそも食器洗いをするときにお湯を使っていると、ガス代が高くなってしまいます。冬場などで水が冷たいのが気になるときはゴム手袋をはめると冷たさを感じにくくなります。
ただ、冬場の冷たい水では汚れが落ちにくい場合もあります。すすぎのみ水にするなどの方法でガスの節約をしてみるのはいかがでしょうか。
11【キッチンで実践】食器洗い乾燥機を活用
食器洗い乾燥機を利用しても、手洗いよりもガス代が節約できます。
手洗いの場合は、年間でガスを81.62㎥、水道が47.45㎥使用となり、ガスと水道料金が年間で約24,780円なります。一方、食器洗い乾燥機の場合は、年間で電気を525.20kWh、水道を10.80㎥使用となり、電気と水道料金が年間で約14,020円となります。食器洗い乾燥機を使用すると、年間約10,760円の節約につながります。
※給湯器40℃、使用水量65ℓ/回の手洗いの場合と給水接続タイプで標準モードを利用した食器洗い乾燥機の場合。手洗い、食器洗い乾燥機ともに2回/日
食器洗い乾燥機を使うと電気料金がかかりますが、水道料金とトータルで考えると1年間で大きな節約となります。
まとめ
ガス代は、都市ガスかプロパンガスかの供給方法や、世帯人数や年代などの家族構成によって金額が変わってきます。それでも、日々の生活の中でちょっとした省エネを意識すればガス代を少しでも節約することができます。
ただガス代を節約するために生活を損なって本末転倒なので、小さなことをちょっとずつ意識して、できる範囲から節約を始めてみてください。
ガスは湯沸かしに使われることが大半なので、節約を意識すると水道代の節約にもつながるのがこの記事でわかると思います。
水道代の節約についても、こちらの記事で解説しているので、合わせて参考にしてみてください。
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