日中の気温が上がり、外に出てガーデニングを楽しむのにぴったりの季節になってきました。
マンションでガーデニングを始めるなら、バルコニーの限られた空間を活かして飾ることができるハンギングバスケットはいかがでしょうか。
今回は、本格的にベランダガーデニングをはじめたい人のために、ガーデンライフアドバイザーとして記事の執筆、講習会の講師を務めている畠山潤子さんにハンギングバスケットの寄植えの作り方を教わりました。
目次
STEP1:材料と容器の下準備
ハンギングバスケット用の器材はいろいろなタイプがありますが、今回はスリットバスケットを使用します。
スリットバスケットは完成した時に容器全体が植物で覆われるよう作られた器材で、シーズンごとに植物を植えかえて繰り返し使うことができます。
<材料>
- スリットバスケット
- 培養土(元肥に緩効性肥料を加えておきます)
- 花苗
- 水苔
- S字フック
【容器の下準備】
スリットバスケットの付属スポンジの保護シートをはがし、容器の内側からすべてのスリット部分をふさぐように貼り付けます。
スポンジは粘着力が非常に強いので、手や指につかないように注意が必要です。手袋はくっついてしまうので、素手で行いましょう!
- スポンジを貼り終えたら、外側のベタベタした部分に培養土を少しなすりつけておきます。
こうすることで、花苗を植えこむ時に葉っぱなどが粘着面にくっついてしまうのを防ぐことができます。
一部を固定したあとにシートをはがしながら貼り付けるのがポイントです。
STEP2:花苗のレイアウトを考えよう
容器の準備ができたからといって、いきなり花苗を植えこむのは失敗のもとです。というのも、苗をスリットから出し入れすると植物が傷んでしまうから。
植え込む前に、花の色や形を考えながら、できあがりをイメージしてレイアウトを決めましょう。

図のレイアウト例では最下段に3株(白)、中段に2株(青)、上段に3株(白)、天部(てっぺん)に3株(緑)と全部で11株の植物が入っています。
他にもアイビーのように根鉢の小さいものを入れるときは最下段に2株配置したり、苗の大きさによって一つのスリットに2株ずつ、または3株ずつ配置することもあります。
STEP3:植え込み手順
レイアウトが決まったら、いよいよ植え込みです。
容器の底穴が見えなくなる程度に、培養土を敷きます。
穴から土がこぼれるのが気になる方は、あらかじめ鉢底ネットを敷いておきましょう。
植物は、ポットから抜いたら肩(根鉢の上端)の土を落とし軽く根をほぐして、下の層から順にスリットの間に滑り込ませるように植え込みます。
植物の向きに注意しましょう(一番下の層はやや下向きに、真ん中の層は正面を、上の層はやや上向きに植えましょう)。
容器と根鉢との間に隙間ができないよう、培養土を入れながら植え進みます。
天部まで植え終わったら、土の表面が平らになるように整え、水苔を敷きつめて完成です。

STEP4:上手な管理のコツ
植えた花の種類にもよりますが、上手に管理すれば3か月は楽しむことができます。
そのための3つのコツはこちらです。
植え込みが終わったら、底穴から流れ出るくらいにしっかりと水やりをし、根が落ち着くまで最低2~3日は雨風のあたらない場所で管理しましょう。
- その後は植え込んだ植物の好む環境に置いておきます(たいていの花は、日の当たる、風通しの良いところが適しています)。
- 花が終わったら花がら(咲き終わっても散らずに残っている枯れた花)摘みをし、2~3週間(元肥の効果が切れる頃)したら、液体肥料などで追肥します。
STEP5:さまざまなタイプの容器で季節の花を楽しもう
ハンギングバスケット用の容器は今回紹介した以外にも、天部だけ植え込みができるタイプ、完成するとボール状になるラウンド型のタイプ、リース型のタイプなどさまざまなものがあります。

また植える植物も、春ならパンジー、マーガレット、デイジーといった花のほか、ヘデラ(アイビー)、シロタエギクなど葉物も取り入れてみるとよいでしょう。
器を変えて、季節の植物を使って、オリジナルデザインのハンギングバスケットを楽しんでください!
オリジナルのハンギングバスケットでバルコニーを彩ろう!
今回は市販の花材を使った、ちょっとリッチなハンギングバスケットの作り方をご紹介しました。
失敗なく素敵なハンギングバスケットを作る近道は、植え込み前にできあがりをイメージして計画を立てること。季節の花を容器に合ったレイアウトにして、理想のハンギングを作ってみてくださいね。
なお、マンションのバルコニーは、水の利用や物を置く場所などに規約上の制限があります。
ベランダガーデニングをするときは、まずマンションの利用規約を確認して、ルールを守って楽しみましょう。
バルコニーでのガーデニングのルールについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
畠山 潤子(はたけやま じゅんこ)
肩書きを「ガーデンライフアドバイザー」とし、女性誌をはじめ、住宅メーカーなどのWEBページや、各種機関誌、新聞などでも記事の執筆・監修を行う。
また、地元・岩手県盛岡市の「花と緑のガーデン都市づくり」事業に協力、公共用ハンギングの制作や講習会の講師を務める。
※この記事は、2014年4月に公開されたアルファあなぶきStyle内コンテンツ記事を再編集したものです。