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くらしのヒント

短冊、吹き流し…七夕飾の意味とは?七夕を彩るお飾りの作り方10種

日本の四季を彩る五節句のひとつ七夕。別名「笹竹の節句」とも呼ばれる夏の節句です。
時期になると街中や施設などで飾られる笹飾りで、風物詩として目にしてはいるものの、その由来や、色とりどりの飾りをなぜ笹に掛けるのか、知っている方はそう多くないはず。

七夕飾りには、一つひとつ意味があります。この記事では、七夕飾りの由来とそれぞれの意味について解説。さらに子どもと一緒に作れる七夕飾り、飾るタイミング、片付けのポイントを紹介します。
今年の夏は、心を込めて手作りした七夕飾りを、お部屋や軒先にしつらえてみませんか?


夏の行事七夕 由来と七夕飾りを笹に飾る意味

七夕といえば、笹に短冊をかけてお願い事をする日……と漠然と思っている方も多いでしょう。
しかし、そもそもなぜ7月7日に笹に飾りつけをするのでしょうか?まずは、その由来について紹介します。

七夕は中国伝来の「乞巧奠(きこうでん)」から

七夕というと織姫彦星の伝説が有名ですが、七夕の風習は日本古来の文化と中国の文化の融合なのをご存知でしたか?
古代の日本では、7月7日(旧暦)に、若い女性が前日夜に織った織物を神棚に捧げて五穀豊穣を願う「棚機津女(たなばたつめ)」という宮中行事がありました。

その後、奈良時代に入り、中国から「乞巧奠(きこうでん)」という行事が入ってきます。
牽牛(けんぎゅう)・織女(しょくじょ)の二星が天の川を渡って1年一度の逢瀬を楽しむという伝説(いわゆる織姫彦星の伝説)から、機織りの名手という織女にあやかって、機織りや裁縫といった技芸の上達を祈る行事です。

これが宮中の儀式として取り入れられると、古くからの棚機津女と相まって、星を愛で、祈りを捧げる7月の夕方に行う祭事「七夕」として定着していった、といわれています。

ただ、民間に普及したのは江戸時代になってからのこと。
江戸幕府が七夕を五節句のひとつとしてお触れを出したことで、広く庶民でも七夕という風習が定着しました。これが今も七夕まつりとして伝わっているものです。

七夕飾りは神様へのお願いを込めたもの

七夕では、竹や笹を用意してその葉に七夕飾りを飾ります。これは、竹や笹の葉がとても神聖なものと考えられていたため(諸説あります)。

古来より笹団子やちまき・笹寿司など、笹の葉に含まれる殺菌作用を利用した調理法がありますが、そうした食品が腐りづらくなる様子から「笹の葉には清浄でけがれがない」と考えらていました。また、生命力にあふれていてまっすぐに伸びることも、神聖なものと考えられた理由のようです。

願いごとを書いた短冊や願いを込めた七夕飾りを、天からもよく見えるように……という気持ちをこめて清らかな竹や笹の葉にに掛けた、というわけです。


色とりどりの七夕飾りそれぞれの意味と、簡単な作り方10種類

「願い事が天から見えるように」……七夕飾りにはそれぞれ願い事となる意味が込められています。

そんな飾りに込められた意味を紐解きながら、願いを込めた手作りの七夕飾りで節句を祝ってみませんか?
定規不要で簡単に作れて、廃棄の時には分別不要の七夕飾りの作り方をご紹介します。

作り始める前に準備しておくもの

難しい道具は使いません。お家にあるもので進めていきます。
材料も、素材にこだわればより美麗になりますが、100円均一で簡単にそろえることができます。

道具

  • ハサミ
  • カッター
  • のり

材料

  • 折り紙(15cm×15cm)
  • 封筒

下準備

紐の代わりに折り紙を細く切って使います。16等分したものを何枚分か用意しておくと便利です。

短冊

♪五色の短冊~ と童謡で歌われるとおり、短冊は赤、青、黄、白、黒(あるいは紫)の5色があります。これは陰陽五行説からきていると言われていて、各色に意味があります。

  • 赤…「おばあちゃんが長生きしますように」といった、先祖や親への感謝まつわること
  • 青…「朝ちゃんと起きられますように」といった、人間力を高めること
  • 黄…「お友達と仲良くできますように」といった、人をおもんばかること
  • 白…「遅刻をしませんように」といった、規則や義務にまつわること
  • 黒/紫…「テストで100点がとれますように」といった、学業にまつわること

色に合ったお願いごとを書くと叶いやすいそうですよ。

材料

  • 折り紙

作り方

1.折り紙を半分に切る。

2.端1cmのところを1cm残して切る。

3.上に織り上げて、出来上がり。

ポイント

細く切った場所を笹に結び付けて飾ります。

吹き流し

吹き流しは、織姫に供えた織り糸を表しています。
かつては5色の糸を針に通したものを飾っていたそうですが、風に揺れる吹き流しに姿を変えて今に息づいています。もともとが糸であったように、裁縫が上達するよう願いが込められた飾りです。

材料

  • 折り紙……1枚
  • 紐用紙……1本

作り方

1.折り紙の上部を1cm程度折る。

2.折り返したところの手間1cmまで、1cm幅ほどハサミで切れ込みを入れる。

3.折り返しの片方の隅にのりを塗り、反対側に差し込むようにして付ける。

4.紐用紙の両端にのりを塗り、輪の内側に貼り付ける。

ポイント

吹き流しだけではちょっと寂しい場合は、簡単くす玉を手順4の際に付けると素敵に変身!
縦8等分に切った折り紙3つを輪にして重ね、紐用紙を吹き流し用と笹に掛ける用でもう1本通して輪を丸くなるようにずらせばOK。

折り鶴

長寿の象徴の鶴も七夕の飾りとして彩られます。長寿や家内安全の願いが込められています。

材料

  • 折り紙……1枚
  • 紐用紙……1本

作り方

1.紐用紙の片端2cmほどにのりを塗り、1cmほどを残して反対側を張り付ける。

2.折り紙を裏返してひし形に置き、上下を併せて三角形にする。

3.左右を合わせる。

4.袋になっているところ広げ、潰すようにして四角形にする。裏側も同じに折る。

5.ばらけているほうを下にし、下側面を中心線に合わせて折って折り目をつける。裏側も同じに折る。

6.折り目の頂点を起点に下から広げて折る。裏側も同じに折る。

7.下側面を中心に合わせて折る。裏側も同じに同じに折る。

8.追った部分を内側にし、下を折り上げる。裏側も同じに折る。

9.内側にしていたものを元に戻す。裏側も同じに折る。

10.片側の先を折り、頭を作る。

11.背中の真ん中に手順1の紐を貼り、やさしく開く。

網飾り

網目が美しい網飾りは、魚を取る網で大漁を願う飾り。また、幸せを絡め取るという意味もあるそうです。

材料

  • 折り紙……1枚
  • 紐用紙……1本

作り方

1.折り紙を裏側にし、下から上に頂点を合わせて三角形に折る。

2.左右の隅を合わせて三角形に折る。

3.左右から互い違いにハサミで切れ込みを入れる。

4.破かないようにやさしく開く。

5.紐用紙の片端2cmほどにのりを塗り、1cmほどを残して反対側を張り付ける。

6.手順4の中心に手順5の紐を貼って90°折り曲げる。持ち上げて、やさしく広げる。

くずかご

「網飾り」をアレンジした飾りの「くずかご」は、清潔・倹約、そして整理整頓の心を育む意味が込められています。
七夕飾りを作るときに出た紙くずを入れて作るので、始末としてもいいですね!

材料

  • 折り紙……1枚
  • 紐用紙……1本
  • 工作で出た紙くず……適当

作り方

1.網飾りの手順4まで進んだら、裏返しにする。

2.中心にゴミを置く。

3.四隅を重ね、紐用紙を通してのりで輪にする。

紙衣(かみごろも)

お人形のような形の紙衣は、作った人の身代わりに病気や災難といった悪い出来事を受けてもらおうという厄除けと、着物をかたどっていることから裁縫の上達の、2つの願いが込められています。

材料

  • 折り紙……1枚
  • 折り紙を縦に1/6に切り、横半分にしたもの(帯)……1本
  • 紐用紙……1本

作り方

1.折り紙を縦に2等分する。

2.手順1で作ったうちの1つを縦三等分に折り目をつける。

3.裏返し、上2cmくらいを折り返す。

4.上に白い線が見える程度に折り返す。

5.裏返し、左上隅を右側の折り目の1~2mm手前で折り、左側を折り目に沿って折る。

6.右側も同様に折り、襟の端は左側に入れる。

7.襟下の空いた部分に軽くのりをし、帯用の紙を襟の下に合わせて乗せて巻き、上に来る側にのりをつけて帯を止める。

8.手順1の残りを横半分に折る。折った輪が上になるように置く。

9.縦3等分に折り目をつける。

10.手順7で作った襟と手順9の上部を合わせて重ね、帯の上部分に合わせて印をつける。

11.折り目から若干内側を印まで切り、中心を印から1.5cmほど残して切り落とす。

12.手順9の帯と本体の間に手順11を差し込む。

13.紐用紙の片端2cmほどにのりを塗り、1cmほどを残して反対側を張り付ける。

14.手順12の本体に手順13で作ったものを貼り、その上に袖をのり付けする。

ポイント

千代紙で作るとぐっと着物感が出て、よりきらびやかに。
13~14の工程を省けば、しおりとしても活用できます。外国の方へのプレゼントに喜ばれますよ。

提灯(ちょうちん)

夕方の祭事であるため、短冊を見えやすくするように、という願いが込められている提灯。心を明るく照らすという意味もあるそうです。

材料

  • 折り紙……1枚
  • 紐用紙……1本

作り方

1.上下を1cmずつ折り返す。

2.半分に折る。

3.1cm間隔に、折り返したところまで下から切れ込みを入れる。

4.やさしく開き、片側の折り返した箇所に上下それぞれにのりを付けて、反対側に差し込んで固定する。

5.紐用紙の両端にのりをつけ、手順4の上部内側に付ける

輪飾り

とっても簡単でどんどん長くしたくなる輪飾りです。
「輪をつないでいく」ということから、調和や人との縁がつながっていくように、という意味が込められています。
お好みの色でも構いませんが、短冊の残り紙で作れば陰陽五行の魔除けの意味も足されるそうですよ。

材料

  • 折り紙を縦に8等分したもの……好きなだけ

作り方

1.紙の片側にのりを付けて輪を作り、その中に次の紙を通してのりで止める、を繰り返す。

菱飾り

菱型は星の形をかたどっているそう。その星が連なる様から、菱飾りは天の川を表現しています。
輪飾りと同様、長さが調節できて風にもよくなびくので、見栄えがする七夕飾りです。

材料

  • 折り紙を4等分に切ったもの……好きなだけ
  • 紐用紙……1本

作り方

1.折り紙の裏返し、隅1箇所にのりを塗って表の折り紙の下隅に貼る、を繰り返す。

2.紐用紙の片端2cmほどにのりを塗り、1cmほどを残して反対側を張り付ける。

3.手順2で作ったものの先頭の上部裏に貼る。

巾着

ぷっくりした形がかわいい巾着。地域によっては本物の財布を下げることもあるそうです。
巾着は財布として使われていたことから、金運の上昇や財運向上などを願います。

材料

  • 封筒(A4三つ折りサイズ)……1枚
  • 紐用紙……2本

作り方

1.封筒の下1/3のところで切る。

2.縦3等分の箇所に、2cmほど切れ込みを入れる。

3.内側を開き、真ん中部分の切れ込みの中心寄りにのりを塗り、それぞれの切れ込みの反対側を寄せて貼る。裏側も同じ。

4.紐用紙を結ぶ。バランスを見て、長ければ短く切る。

5.手順4の片側にのりを付け、手順3で作った巾着の表側正面に貼る。

6.紐用紙の片端2cmほどにのりを塗り、1cmほどを残して反対側を張り付ける。

7.手順6紐を、手順5で作った巾着の後ろ側の内側に張り付ける。表側の口付近の内側にのりを付けて、つまむように後ろ側と貼り合わせる。


七夕飾りいつ飾る?どう片付ける?

飾りも用意し、これで準備万端!
でも、いつからいつまでに飾っておけばいいのでしょう。気になる飾るタイミングと片付けのタイミングも知っておきましょう。

飾るのは6日の夜に

カレンダーには7月7日が七夕と書いてあるけど、有名な仙台の七夕行事は8月。不思議に思ったことはありませんか?これは行事を旧暦の日付で行うか、新暦の日付で行うかの差。仙台の七夕祭りは旧暦で行うので8月なのです。
地域差がありますので、行事をする日はお住まいのエリアに合わせると良いでしょう。

ちなみに家庭で七夕飾りをしつらえるときは、前日の夜に飾りつけを行うのが通例です。
これは冒頭で触れた「棚機津女」の行事に倣っています。前日の6日夜に支度をして、7日当日朝には整っているようにしましょう。

片付けは7日夜中に

「七夕」の名前の通り、7日の夕方で行事はおしまい。
七夕飾りは正月飾りとは違って、終わったらすぐに片付けることになっています。そのため7日の夜のうちに片付けは済ませましょう。

せっかく作ったのに1日だけしか飾らないのはなんだか残念な気もしますが、しっかり写真に収めておいて、また来年、新たにつくって楽しみましょう。

かつては、飾り終わった七夕飾りは当日の夜に笹ごと川に流したり、お焚き上げしたりしていました。現代では不法投棄になりかねませんので、自治体の分別に合わせてゴミの日に出すのが最善策です。

近隣の社寺仏閣でお焚き上げを受け付けている所があれば、お願いするのもいいかもしれません。


まとめ

あえて細かく計測せずに作ることで風合いのある仕上がりになるこの七夕飾りは、リビングや軒先をやさしい雰囲気とともに清々しく彩ってくれます。
それぞれの幸せを願いながら、家族みんなで楽しむ手作りの七夕――ご家庭らしさあふれる夏のひとときを、ぜひ楽しんでみてくださいね。

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