2018年、各地で大きな被害をもたらした豪雨災害や2019年の台風による災害など、大きな災害がクローズアップされる昨今、どのような防災対策を行えばいいか不安に思っている方は多いと思います。
万が一、災害が起きてしまったとき、事前の準備ができているかどうかが、身の安全の分かれ道にもなります。
そこで今回は
- 家庭で行うべき防災対策
- 用意しておくべき備蓄品
- 災害時の避難行動の確認方法
を、首相官邸など公的機関から発表されている情報をもとにご紹介します。
末尾には、行うべき防災対策一覧をまとめた「災害対策のチェックポイント」も用意しました。
ぜひ最後までお読みいただき、災害に備えてどの様な対策を行うべきかを確認して、大切な家族を守る防災の備えを進めていただければと思います。
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1 家庭で行うべき身の回りの防災対策
1-1 地震へ備えるための4つの対策
1995年阪神淡路大震災、2011年東日本大震災、2016年熊本地震などの大きな地震災害では、ケガをした理由の30~50%程度が家具類の転倒・落下等によるものでした。
ケガだけでなく命に関わることにもなりますので、しっかりと対策を取りましょう。
- 家具の向きや配置を工夫する
地震発生時には、まず身の安全を確保することが大切です。
続いて行うのは出口の確保です。家具が倒れて出入り口をふさぐことのないように工夫しましょう。
- 家具等の転倒・落下防止対策をとる
割れたら危険なテレビや冷蔵庫、家具がストーブに転倒・落下することで火災が発生するなど家の中には第二次災害になりえるものがたくさんあります。
つっぱり棒などを使って家具を固定し、割れたら危険な家具にはガラス飛散防止フィルムを貼るなど、それぞれの部屋でしっかりと対策をとりましょう。
- 寝室や子ども部屋には、できるだけ家具は置かない
人が1日8時間睡眠をとるとすると、1日の3分の1は寝室で過ごしていることになります。つまり寝ている間に地震が起こる確率は高く、しかもその間はとてもは無防備です。
ですので、寝室に家具を置くことはできるだけ避けましょう。どうしても必要な場合は、なるべく背の低い家具にし、固定するようにしましょう。
- 懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを構える
停電時に使用する懐中電灯や割れたガラスでケガを防止するスリッパ、救助を求める為のホイッスルなどは、手の届くところに備えておきましょう。
1-2 台風に備えるための3つの対策
2018年には、日本で年間29回も発生した台風。雨による災害は一番身近なものだといえます。
年/月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | 1 | 1 | 1 | 4 | 5 | 9 | 4 | 1 | 3 | 29 | |||
2017 | 1 | 1 | 8 | 5 | 4 | 3 | 3 | 2 | 27 | ||||
2016 | 4 | 7 | 7 | 4 | 3 | 1 | 26 | ||||||
2015 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 4 | 1 | 1 | 27 |
気象庁「台風発生数」より抜粋(2019/10/29時点の情報)
突然起こる地震に比べ、台風や大雨などの水害はある程度予測が可能です。情報をしっかりキャッチして早めの対策を考え、迅速に行動しましょう。
- 家の周りで飛ばされそうなものが無いか確認する
台風は雨以外にも強風での被害が予想されます。家の周りで強風によって飛ばされる可能性のあるものは家の中にしまうか、しっかりと固定するようにしましょう。
また、雨水をしっかりと流せるよう、雨どいや雨水ますの上の清掃を行いましょう。
- 窓ガラスの破損対策
強風で吹き飛ばされた物が当たって窓ガラスが割れる場合があります。飛散したガラス片でケガをする危険がありますので補強しておきましょう。
一番簡単なのは布テープを窓ガラスに対してバッテンと十字(米という文字になるように)貼り付ける方法です。
万が一、窓ガラスが割れたときのために、カーテンは閉めておきましょう。
- 雨戸が閉まるか確認しておく
雨戸は、使用頻度が少ない為、長時間使わないと錆びなどによって上手く閉まらない場合があります。雨戸があるご家庭は事前に閉まることを必ずチェックしてください。
マンションでの台風対策について気になる方はこちらの記事もご覧ください。
2 用意するべき備蓄品
2-1 飲食物の備蓄品の準備
大災害発生時、電気、水道、ガスといったライフラインは停止し、利用が困難になります。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアにも人が殺到し、商品がすぐになくなる可能性もあります。普段から飲料水や飲食物を備蓄しておきましょう。
食料・飲料・生活必需品などの備蓄の例(人数分用意しましょう)
- 飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
- 非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
- トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ など
※大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
※飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用品も必要です。
日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておく、などの備えをしておきましょう。首相官邸「災害に対するご家庭での備え~これだけは準備しておこう」より引用
2-2 非常用持ち出し品の準備
自宅が被災したときは、安全な場所に避難し避難生活を送ることになります。
最低限必要なものを中心にリュックサックなど両手が使える袋に入れて、すぐに持ち出せるよう玄関近くの場所に置いておきましょう。
- 飲料水(500mlペットボトル2~3本)
- 非常食(ゼリー状の食品、菓子類、バランス栄養食品など)
- 現金(公衆電話用に10円玉や100円玉を多めに)
- 救急用品(絆創膏、包帯、消毒液、常備薬など)
- ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手・懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器・替えの下着、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯用トイレ
- その他(眼鏡、補聴器、持病の薬など)
※乳児がいるご家庭は、ミルク・紙おむつ・ほ乳びんなども用意しておきましょう。
※印鑑、預金通帳、免許証、保険証も持ち出すようにしましょう。免許証、保険証につきましてはコピーをして非常用持ち出しバックに入れておくといいでしょう。
非常持ち出し袋は「避難を確実に行うため」のセットですので、1日分以上の水や食糧は不要です。その点はしっかりと抑えておいてください。
3 災害時の避難行動を家族みんなで確認しましょう
いざという時に備えて防災グッズを備えておくことも大切ですが、それ以上に大切なのは、家族での話し合いです。被災した時の避難場所、安否の確認方法などを事前に確認しあっておくことで、慌てず対応することができます。
いざという時のことを普段から考えておくこと。それが防災の基本です。
3-1 避難場所・経路を確認
災害が起きた後に避難場所が決められるわけではありません。予め、各自治体で避難場所は決められています。
避難勧告や避難指示が出たときに、速やかに避難場所にできるよう、自分の住む市町村のホームページや配布しているパンフレットなどを家族全員でしっかりと確認しておきましょう。さらに、避難場所までの経路で危険な場所がないかも必ず確認しましょう。
【避けるべきポイントの例】
- ブロック塀
- 河川
- 大きな看板
- 古い建物
- ガラス張りの建物(ビルなど)
- 道幅の狭い道
- がけや落石の恐れがある場所
さらに詳しく避難所、避難所の検索方法を知りたい方はこちらもご覧ください。
3-2 家族の安否を確認する方法を決めておこう
家族全員が同じ場所にいるときに災害が起きるとは限りません。災害が発生した際に、お互いの安否が確認できるようその確認方法や集合場所を家族で共有しておきましょう。
【安否情報の確認方法 例】
- 災害用伝言ダイヤル「171」
災害発生時に提供される「声の伝言板」。局番なしの「171」に電話をかけると音声ガイダンスに従って安否などの伝言を1伝言あたり30秒以内で音声録音できます。固定電話、携帯電話、公衆電話から利用でき、家族でその伝言を再生し安否を確認できます。安否確認をしたい人の電話番号(例えば自宅)を家族で決めておきましょう。
- 災害用伝言板
携帯電話会社が提供するサービスで、自分の安否について文字情報によって登録することができます。各会社によって若干使い方が違います。予め使用方法を確認しておきましょう。
◆災害用伝言ダイヤルと災害用伝言板についての詳細は総務省のwebサイトをチェックしましょう。
- SNS
インターネットが使用できる場合、TwitterやFacebookなどのSNSが代替手段として役立つ場合があります。メールなどが混雑で送信しにくいときは、SNSのメッセージなどを使って連絡を取るといいでしょう。
4 チェックリストで最終確認をしましょう
最後に、下記のチェックリストを使い、家庭での防災対策を確認しましょう。
【家の安全対策】
5 まとめ
自然災害はいつどこで発生するかわからないので、いつ自分が被災してもおかしくはありません。
災害時には、ひとつの対策、ひとつの行動が身の安全の分かれ道となります。一度家族で防災対策について話し合ってみてください。
年末年始など長期休暇で家族が集まるときが、防災対策の確認のちょうどよい機会です。
大切な家族の命を守る為に、家庭でしっかりと防災対策をしておきましょう。
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