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レトロキュートな雑貨が魅力!東欧風のお部屋とインテリア

少しシックで、他の人とはちょっと違うインテリアにも挑戦してみたい。でも素敵な家具やインテリア雑貨を買い揃えるにはお金がかかるし、今持っているものを取り替えてしまうのはもったいない気がする。

もしそんなふうに考えているのなら、北欧系インテリアブームの次に”来る”とウワサされる「旧東欧」風インテリアはいかがでしょう。旧共産圏とも呼ばれるこの国々、実はとても可愛い雑貨や素敵なインテリアの宝庫なんです。私たちのよく知っているフレンチシックやスカンジナビアンモダンとはテイストがまるで違う、どこか懐かしいレトロキュートなファブリックや雑貨を用いたインテリアはレア度も満点。

また、物資不足の社会主義時代を知恵で乗り越えた東欧の人たちのインテリア術は「今ある物を活かした部屋づくり」に取り入れたいヒントがいっぱいなんですよ。

インテリアの配色を決める色彩計画

「旧東欧風インテリア」再現ポイント4点

このインテリアの元となる旧東欧諸国とは、冷戦時代における「鉄のカーテン」の東側にあった共産圏の国々、例えば東ドイツやポーランド、ルーマニア、ハンガリーなどのこと。社会主義体制下の当時は物資が乏しく、豪華な家具や調度品はすべて(旧)ソ連に運ばれるなど、生活用品、特にインテリアに関するものが常に不足していました。
そんな歴史を背景にして、私たちの知っているインテリア術とは少し違うテクニックが生まれました。

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Budapest, Hungary

例えば小ぶりな家具や雑貨を長く大事に使うこと。
壊れたから捨てる、飽きたから取り替える、なんてことは気軽にできません。壊れれば修理をし、こまめに手を入れてひとつの物を使い続けます。だからこそ生まれる穏やかな統一感、そして家族の絆を感じられるような暖かな空間を大切にしてきました。そのスピリットは、質素ながらもカラフルで可愛らしい空間づくりに現れています。
ポイントを4つに分けて見ていきましょう。

ポイント1.壁の色や模様で雰囲気を変える

社会主義体制下の当時は物資が乏しいだけではなく、手に入る家具も簡素な量産品、しかも皆と同じデザインのものでした。そんな状況だと、どうにかしてオリジナリティを出したくなるのが人情というもの。

そこで壁の色や柄を変えることでお部屋の雰囲気を変えるワザが生み出されました。
カラフルな色でペインティングしたり、その一部に花柄のタイルを使ったりと、一般の家庭でもかなり華やか。また一度塗ったらそのままというわけではなく、模様替えをするように、気軽に何度も色を変えていたそうですよ。

photo by Wesley Carr

photo by Wesley Carr
赤い壁とブルーのソファの対比が印象的なお部屋。
「壁を赤く塗る」と聞くと尻込みしますが、意外と派手にならずに可愛く仕上がります。

photo by Dennis Jarvis

photo by Dennis Jarvis
こちらは落ち着いた木目の家具を引き立てるようなグリーンの壁。
家具と壁がうまくリンクするように、色調の橋渡し役になっているファブリック類や絵画の使い方が素敵ですね。

お部屋の中でも大きな面積を占める壁の色を変えるのは、模様替えをするよりも劇的に雰囲気が変わるし、家具を入れ替えるよりもお手軽。思い立った時にDIY(Do It Yourself)できるのも利点ですね。
ただし日本の住宅、特に賃貸のお部屋で、それを真似するのはハードルが高め。そこでペイントのかわりに貼ってはがせる壁紙ウォールステッカーの活用をおすすめします。

壁紙を変えるだけでお部屋の雰囲気は変わる

地を痛めない糊を使ったタイプのものなら原状回復もラクラク。数回なら貼りなおせるので、慣れないDIYでも失敗しづらいのが嬉しいですね。賃貸のお部屋にありがちな味気のない真っ白な壁に貼るだけで、空間がパッと華やぎます。お気に入りの家具が引き立つようなコーディネートを考えるのも楽しそう。

もっとお手軽さを追求したい人には、マスキングテープがオススメ。インテリア向けの幅広のものや、順番に貼るだけで素敵な配色になるセットになったものが発売されているので、お好みのものを探してみてはいかがでしょうか。ただし壁や元々の壁紙の種類によっては、貼ったものを剥がす時に糊が残ったり地が剥がれたりすることもあるので、注意が必要です。

ポイント2.絨毯を敷いて雰囲気を変える

お部屋の中で壁と同じくらい広い面積を占めるもの。それは床です。
壁のように手軽に色を変えることはできないので、絨毯を敷いてお部屋の雰囲気を変えます。例えば、ベッドルームにシックな赤の絨毯を敷けば、重厚でありながらも暖かな雰囲気に、シンプルな家具を置いた部屋に柄のある絨毯を敷けば、単調なイメージのインテリアに動きを出すことができますよ。

photo by Dennis Jarvis

お部屋の床全体でなく、アクセントラグをポイントで使っても素敵。壁の色柄とコーディネートするとさらに良いですね。

ポイント3.部屋の照明は暖色系を使う

日本の家屋では一般的な蛍光灯の明かり。昔から慣れ親しんだ青白い光は明るいのですが、可愛い部屋を目指すには不似合いかも。
そこで、思いきって白熱灯色の照明に変えてみましょう。白熱灯色の暖かな光はお部屋の雰囲気を変えてくれるだけではなく、壁や絨毯の色柄を引き立たせリラックス感を演出してくれます。

いきなり全ての照明の色を変えてしまうことに抵抗があるのなら、まずは間接照明から取り入れてみて。間接照明はお部屋の雰囲気が変わるだけでなく、奥行きを演出したりお気に入りの家具を引き立たせる効果もありますよ。

ポイント4.家具にひと手間かけてオリジナリティをプラス

旧東欧の人たちはものを長く大切に使う生活をしてきました。家具が壊れても、替わりのものはすぐに手に入りませんから、すべて自分で修理をします。
その際に色や柄を変えることで、皆と同じデザインの量産品家具にオリジナリティを演出しました。例えばテーブルの脚のデザインや色、椅子の座面のクッションの柄、ソファの色柄……そんな小さな部分に凝ることで、没個性なありふれた家具調度品を愛着のわく素敵なひと品に変身させたのです。

このスピリッツを取り入れるべきは、間に合わせで買った(そしてあまり気に入ってはいない)シンプルな家具。大人可愛い部屋にはそぐわないけれど収納力などの機能面は問題ないだけに、なんとなく捨てづらいなんてことはないですか?そんな時はDIYでリメイクしてしまいましょう。

もっとも簡単なのは、壁用のクロスを貼ってしまうこと。平滑面の多い家具なら必要な道具や材料も少なく、水性ニスなどで塗り直すよりもお手軽に作業できます。クロスなら手直しもできますし、種類も豊富なので壁の色柄や絨毯とコーディネートもしやすいですね。
もちろん、大胆に色を塗り替えてもOKです。塗り替えた色に合わせて、元々ついている素っ気ないデザインの取っ手を好みの物に取り替えるのも素敵。


素朴で可愛いアイテムで温かみをプラス

旧東欧の雑貨は、西欧や北欧の雑貨にはない素朴な愛らしさがあります。洗練され過ぎていないデザイン、明快な色使い、そしてどこか有機的な温かみを感じるような不揃いさ。
近年では当時に製造された雑貨類が「アンティーク」として、インテリアショップで販売されています。近くのショップで扱っていなくても、オンラインでお買い物できるシステムを採用しているショップもありますので、探してみてくださいね。思わぬ掘り出し物が発見できるかも。

ファブリック

繊細なレースやカラフルな糸で刺繍をほどこしたような伝統的なものや、レトロポップな柄がプリントされたクロス……東欧の国々にはたくさんの素敵なファブリックがあります。それらをテーブルクロスやクッションのカバー、カーテンなどに仕立ててきました。

photo by eliza mougel

photo by eliza mougel

特別に豪奢なものである必要はありません。例えばテーブルのセンターに小さなクロスを敷いて、その上にちょっとしたお花を飾るだけで、じゅうぶん素敵な空間を作ることができるのですから。

ポーリッシュ・ポタリー

東欧の雑貨といえば、ポーリッシュ・ポタリーを真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれません。
ポーリッシュ・ポタリーとは名前のまま、ポーランドの陶器の食器のことです。スタンプ押し、あるいは絵筆での手描きという手作業によって絵付けされたカラフルで愛らしい見た目と、オーブンやレンジ、食洗機に入れてもOKという丈夫さで日本でも人気がありますね。

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photo by Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Poland
ポーリッシュポタリーといえば、代表的なこちらの柄を思い浮かべる方が多いのでは。

近代化された工業製品とは違って、昔ながらの手法でひとつひとつが手作業でつくられているため、高台部分が完全な水平になっていなくてテーブル上でガタついたり、同じ柄でも職人によって色の出方や柄の揃い方が違ったりと、独特の味わいがあるのも魅力です。ポッテリ厚地で丸いシルエットのポーリッシュ・ポタリーは、東欧風インテリアのアイコンとして、お部屋の雰囲気をさらに底上げしてくれますよ。

photo by Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Poland

photo by Ministry of Foreign Affairs of the Republic of Poland
ポーリッシュポタリーの制作風景。
石膏型に入れて整形するので、型のつなぎ目や、それを均した跡があるのもこの陶器の持ち味。
絵付けは海綿のスタンプか絵筆での手作業。同じ図案を描いても、海綿へのインクの付き具合や職人の癖によって少しずつ仕上がりが異なります。お気に入りの一品を探すのも楽しいですね。

インテリアの配色を決める色彩計画

【まとめ】制約を超えて”可愛いを作る”

制約があったからこその東欧風インテリア術。
お部屋が狭い、賃貸だからできることが限られる等々……制約の多い日本の住宅で暮らす私たちが真似したくなるようなポイントがたくさんあったのでは。それに手持ちの家具を捨てることなく使い回せて、ちょっぴりエコな気分も味わえるかも!? 自由な発想でお部屋づくりを楽しんでみてください。

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