キャッー ゴキブリぃー!!
突然、出てきた虫によって、せっかくの家族団らんは乱されてしまいます。あの虫の存在感ときたら、かなりの衝撃がありますよね。
コンクリート造のマンションは、木造の建物と比べて外部からの侵入箇所が少ないため、室内での虫の発生率は少ないとされており、虫嫌いのため、マンションを選ぶ人もいるようです。
しかし、戸建てと比較してマンションの方が虫の発生頻度が少ないとはいえ、それでもやはり虫に出くわしてしまうことはあります。
マンションでは、対策次第で最小限に食い止める事ができます。というのも、マンションで見かける虫の種類は一戸建てと比べて限定的なので、虫対策や有効な退治方法もある程度限られるからです。また、マンションは一戸建てに比べて、窓などの開口部が少なく気密性が高いため、侵入口が限られることも大きい理由でしょう。
この記事では、市販の防虫剤等を有効活用し、マンションで無理なくできる対策と駆除方法を私の実体験を元に紹介します。
これからマンションを購入しようと思っている方も対策の参考にしてください。
虫が「出やすいマンション」と「出にくいマンション」の違い
一口にマンションといっても、虫が出やすいマンションと出にくいマンションがあります。
最初に、虫の出やすいマンションと出にくいマンションの違いから解説しましょう。
多くは、そのマンションの築年数や階数、周辺をとりまく環境が影響してきます。
虫が出やすいマンションの特徴
具体的に虫が「出やすいマンション」とはこのような特徴があります。
- 築年数が古い
鉄筋コンクリートの構造とはいえ、マンションでも老築化すると建物自体の外壁に湿気が溜まったり、経年劣化によるコンクリートのひび割れの隙間が発生したりします。また住戸内では換気扇排出口のフィルターや網戸の劣化で虫が侵入しやすくなることもあります。
長年人が居住していると、生活スタイルによっては虫が発生する確率が高くなります。
- 1階に飲食店やコンビニエンスストア等の食品を扱う店舗が入っている
1階に飲食店やコンビニエンスストアなどの食品を扱う店舗が入っていると、虫が大好きな油や残飯があったり、調理等で蒸気が出るため虫が好む湿気が多かったりするため、そうでないマンションに比べると虫の発生率は高くなります。
- 近くに山や川、池、公園がある
近くに草木が生い茂っている場所や川沿いで土手が近くにある場合などは、窓などの開口部を通してコバエや蚊などが侵入してくる可能性は高くなります。
虫が出にくいマンションの特徴
逆に虫が「出にくいマンション」はこのような特徴があります。
- 新築である
新築の場合は建物内部の虫の付着率が少ないので、虫の発生率はかなり少なくなります。 - 日当たりがよく風通しがよい
虫は湿気が多い所を好みます。日当たり、風通しが良い所は虫の発生が少なくなります。マンションは気密性が高い建物ではあるものの、上層階に行くほど、窓を開ければ風が通りやすい構造でもあります(※)。(※)強風時の窓の開放には注意が必要です。
- 高層階である(6階以上)
虫にとって高所は生育に適さないため、高層階になれば虫との遭遇率はかなり下がると言われています。株式会社オウチーノが首都圏に住む20歳~69歳の男女を対象に行なった調査によると、1~2階・3~5階に住んでいる人のゴキブリの年間平均遭遇回数が3.39回・3.61回と3回を越えていたのに対して、6~10階に住んでいる人は1.28回と大きく下がるようです。さらに11階以上だと0.07回と激減します。
出典:「住居内の「虫トラブル」 に関する実態調査」(住宅・不動産専門サイト「オウチーノ」調べ、2013年)
蚊が自力で飛べるのは2階くらいまで、ゴキブリなどが排水口や壁を登ってくるのも限界があります。高層階は虫の生育する草木やゴミ捨て場等から離れていたり、排水口等が遠くなったりするので、虫が出にくくなるのです。
このように、虫が出やすい・出にくいマンションはありますが、虫が出やすいマンションであっても、最小限まで防ぐ方法はあります。
次章ではマンションで見かける虫の具体的な対策について解説します。
入居時にあらかじめ対策しておくことで、長期的に虫の発生を防ぐ方法もご紹介していますので、これからマンションに住もうと考えている方もぜひ参考にしてみてください。
[虫別対策]マンション生活で主に見かける虫の種類と対策
マンションでの生活で出てくる不快な虫は主にこの4種類です。
「ゴキブリ」「蚊」「ハエ・コバエ」「カメムシ」
これらの虫の生態と、防虫対策・駆除方法をそれぞれ解説します。
「ゴキブリ」対策は巣ごとベイト剤で駆除
ゴキブリの生態
ゴキブリは虫の中でも多くの人が嫌う虫です。2億5千年前には既に存在していたと言われる最古の有翅昆虫であり、繁殖率は高く、生存率も高いのが特徴。集団で群居し夜行性です。
ゴキブリは湿気や保温性のある場所を好み、そこへ卵を産み住処にして驚異的な繁殖率で放っておくとどんどん増えていきます。
ゴキブリはどこに出る?
マンションでも低層階だと戸建てと同じくらいの発生率と考えてもよいかもしれません。
普段は隠れていますが、よく出てくる場所として考えられるのはキッチン廻りです。
食べ残しの食品、洗っていない食器や水分を求め、主に寝静まった夜間に出てきます。
食べかすは勿論の事、髪の毛やフケ、埃、段ボール等も食べて生き延びるので、キッチンだけでなくテレビやパソコン、冷蔵庫裏等の埃が溜まりやすい場所も要注意です。
ゴキブリを避ける対策と具体的な駆除方法
日頃の室内の掃除や、生ゴミや食べ残しは密閉できるゴミ箱にすて早めに処分するといった、室内環境を整える対策は必須です。
「ゴキブリを1匹見つけたら30匹いると思え」という言葉通り、見かけたゴキブリだけ退治していても根本的な駆除にはなりません。
巣ごとの駆除が必要なので、ベイト剤(置き型の毒餌)を水廻りやゴキブリが歩きそうな場所に貼っていきます。
「蚊」は室内に入れない対策を
蚊の生態
蚊は水たまりがあればきれいな水であろうと汚い水でも卵を産み付けます。
また、空き缶や空き瓶のわずかなたまり水でも蚊は発生します。
蚊はどこに出る?
蚊は高さでいうと自力では2階から3階くらいまでしか飛べないといわれていますが、まれに高層階でも蚊に遭遇することがあります。
高層階に現れる蚊は、自分自身の衣服に付着してきたり、エレベーターや外気の風の吹上によって上がってきて玄関やバルコニーから入ってくるものがほとんどです。
蚊を避ける方法と具体的な駆除方法
無駄に玄関やバルコニーの窓を開けっぱなしにしない等、蚊が入ってこないようにする事が重要です。しかし、廊下の照明に集まった蚊が玄関を開けたときに入ってくるのは完全には避けられません。
そのため、事前に寄って来にくくさせる虫除けなどの対策を行いましょう。
廊下の壁は共用部にあたるので、管理会社・アフターサービス部門や管理組合に確認して許可を取っておきましょう。
「ハエ・コバエ」は発生させない対策が肝心
ハエ・コバエの生態
ハエは自然環境ではほとんど存在しない害虫です。主に家屋内に生息します。
ハエ・コバエはどこに出る?
家屋内に発生し、特にキッチンやトイレ、居室等室内で見られます。
ハエ・コバエを避ける方法と具体的な駆除方法
食べ残しや生ごみの出し忘れ等、主に生活の中の養分から発生するので、掃除を徹底し、生ごみ等はこまめに処理しましょう。部屋の中で飛び回るものは殺虫剤で駆除してください。
「カメムシ」は静かに逃がそう
カメムシの生態
1年を通して発生します。雑草がある茂みが主な発生源であり、特に4月から10月にかけての梅雨明け、夏後半にかけてたくさん発生してあらゆる植物に寄生します。また、カメムシにはあまり天敵がいないため、大量発生するのが特徴です。
カメムシはどこに出る?
カメムシ自体は軽いので、外部からでもマンションの吹上の風に乗って上層階に上がってきます。主にバルコニーの洗濯物に付着して、洗濯物の取り込み時に室内に一緒に入ってきます。
カメムシを避ける方法と具体的な駆除方法
刺激を与えると外敵から身を守るために刺激臭を放つので、見つけたらなるべく驚かせない様にティッシュペーパー等でふんわりと被せて外へ出すか、チラシ等にスッとのせて外に逃がすのが良いでしょう。
間違っても撃退しようと掃除機で吸い込んだり、叩いてつぶすのは止めましょう。匂いが部屋中に充満し、なかなか取れなくなってしまいます。
[場所別対策]室内への虫の侵入ルートを潰そう
室内で発生するハエ・コバエを除くと、害虫は外部から入ってきます。
そのため、お部屋の中で虫の侵入経路になる場所に虫避けを施すことが、もっとも効果的な虫対策です。
この章では、虫の侵入経路の分析と侵入を防ぐ対策を解説します。
「窓や網戸」は隙間をチェック!開けっぱなしにしないよう注意しよう
窓を開け網戸にしている場合、その隙間や網目(標準の網戸の網目は1.15㎜)から入ってくることがあります。ちなみにコバエはこの網戸の網目も通る全長1~2㎜程度です。
網目を通り抜けてくる虫に対処しようとすると網を細かいものなどに替えるしかありませんが、窓と網戸の隙間から入ってくる虫は日頃の注意で防ぐことができます。
一般的な網戸には引き違う部分に隙間を埋めるためのモヘア(モール・ゴムひれ)がついています。このモヘアは窓を全開したときのサッシの隙間を埋めるためのものなので、窓を半開きにしていると、虫が入る隙間ができてしまいます。
※正確には、網戸側の窓を全開または完全に締めていれば、室内側の窓を半開きにしても隙間はできません。
また、バルコニーから洗濯物を取り込むときなどに、少しの時間だからと網戸を開けっぱなしにしておくのも虫が入り込む原因となります。
網戸を開けたままにせず、窓を開けるときは半開きではなく全開にするよう心がけましょう。
「玄関扉」からの侵入は、事前に殺虫剤を吹き付けて防ごう
夜間は特に、廊下の照明に虫が集まってきます。集まった虫は、玄関を開けると風圧で室内に侵入してきます。風圧がなくても、玄関口から部屋に入る時、衣服に付着してそのまま一緒に入ってくることも多いです。
その虫の大半は廊下の照明や壁に張り付いている虫です。事前対策として、外壁用殺虫剤※を予め吹いておきましょう。それだけで虫は寄ってきにくくなります。
廊下の壁は共用部にあたるので、管理会社・アフターサービス部門や管理組合に確認して許可を取っておきましょう。
「給排気口、換気扇」からの侵入はフィルターをチェックして防ぐ
マンションには玄関上部、バルコニーの上部にそれぞれ換気扇の排出口があります。
ここには虫の侵入防止の網(フィルター)を備え付けていることが多いですが、中には網目が大きく虫が侵入しやすいものもあります。
より網目の小さい市販の専用のフィルターやストッキングを利用して侵入を防ぎましょう。
フィルターを替えたりストッキングを併用しても問題ないか、管理会社・アフターサービス部門に確認しておきましょう。
「放置した段ボール箱」は虫の温床!なるべく早く処分しよう
宅配便で送られて来るものや購入した家電等は、大抵段ボール箱で梱包されているかと思います。
その段ボール箱にはゴキブリなど虫の卵が付いてくることがあり、気付かずに放置していると、そこから孵化してゴキブリ等を増やすこととなります。引越し時の荷物に付いてくる事も少なくありません。
「エアコンの排水ドレン」からの侵入は防虫キャップで防ぐ
エアコンの室外機のドレンのホースから虫が侵入することもあるようです。この部分は湿気が多く、温かいので虫にとっては快適な環境です。ここから侵入した虫は、室内のエアコンの吹き出し口から出てきたりします。
このように、ホースの先に差し込むだけで、ゴキブリなどが入り込む隙間をなくしてくれます。
[ガーデングを楽しむ方に]バルコニーで虫が嫌う植物を育ててみよう
虫はニオイに敏感です。バルコニーに虫が嫌う香りを出すハーブを植えて、ガーデニングを楽しみながら防虫する方法もあります。ゴキブリやカメムシもハーブの匂いを嫌うと言われています。
ここでは筆者がおすすめする、虫よけに効果があるとされる植物を3種類紹介します。
ガーデニングが趣味の方は、ぜひバルコニーに取り入れてみてください。
※ただし、マンションのベランダでのガーデニングは、管理規約の範囲内で楽しみ、周辺の住民に迷惑がかからないよう配慮しましょう。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
[1]ミラクルニームの木(インドセンダン)
木全体に虫が苦手とする成分を含むことから、夏の蚊よけとして最近人気なのが「ミラクルニームの木」。原産国のインドでも、畑の周りなどに植えて虫よけに使われているのだとか。
剪定した葉っぱを乾燥させたものを衣類の防虫剤として使うこともできるそうですよ。
インドが原産なので寒さと湿度には弱いのが特徴です。冬は室内で育てましょう。
詳しい育て方は購入店などで確認してください。
[2]除虫菊(シロバナムシヨケギク)
蚊取り線香の原材料としても知られ、見た目はマーガレットのような可憐な花です。
ピレトリン・シネリン・ジャスモリンなどの天然の殺虫成分が含まれ、植えているだけでも虫よけ効果が期待できます。
日当たりが良い場所を好むので、日光が当たりやすいように配置に気を配りましょう。
詳しい育て方は購入店などで確認してください。
[3]レモンマートルの木
爽やかなレモンのような芳香があり、香料としても人気です。レモンマートルに多く含まれている「シトラール」は虫が嫌う香りだといわれています。
葉はハーブとしてお茶や料理にも使用できます。
レモンマートルも寒さに弱い植物です。冬は室内で育てましょう。
詳しい育て方は購入店などで確認してください。
[番外編]ハエトリソウ
ハエトリソウは虫よけができるわけではありませんが、虫が捕まる様子を目で確認できることができる食虫植物です。
大きな口を開けたような見た目が少しグロテスクに感じるかもしれませんが、慣れると葉が閉じて動く様がとてもかわいいので個人的におすすめします。ただし、無理に動作させると株が疲れて弱ってしまうので注意してください。
ハエトリソウは熱さに弱いので、夏場は風通しがよく半分日陰になるような場所で育てましょう。
詳しい育て方は購入店などで確認してください。
なるべく育てやすい植物をご紹介しましたが、ガーデニングは少なからず手間がかかります。
植物の分量はバルコニーの広さや世話ができる範囲を見ながら、少しずつ増やしていくと良いと思います。
植物を枯らして放置してしまうようなことになると、逆に虫がわく原因となってしまいます。無理のない範囲で、楽しみながら虫よけをしてみましょう。
面倒だったりバルコニーにスペースがなかったりする場合は、ミントやレモングラスなどのスプレーを網戸に吹きかけるだけでも多少の効果があるかと思いますよ。
まとめ
マンションによく出る虫の対策と駆除方法をまとめてみました。結構たくさんの対策方法があるのが実感いただけたのではないでしょうか。
比較的虫が出にくいマンションといえども、虫は出てきます。
外部照明の多いマンションの廊下や水気の多い場所に集まったり、風に乗って飛んできたりする虫を100%シャットアウトすることは残念ながらできません。上層階であっても、条件によっては虫が発生しやすくなることもありますので、上層階でもしっかりと対策をしておくことがベストと言えるでしょう。
ただ、ひと昔前に比べると効果が高い忌避剤や殺虫剤の種類も豊富になっています。駆除したい虫に合ったものを使えば大きな効果は期待できると思います。間違った使い方では十分発揮出来なかったり効果が得にくかったりするので、使用方法をよく確認して用法の通りに使うようにしましょう。
そして、併せて日頃の室内の掃除も心掛けてみてください。
この記事がお住まいのマンションでの虫対策の第一歩になればと思います。
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