シロップを作るのは、とても簡単です。材料はたった2つ、それだけでできてしまいます。
筆者は梅シロップをつくりはじめて今年で3年目ですが、最初は「そうは言っても面倒そうだな」と思っていました。しかし、はじめて作った梅シロップが美味しくて、それからは毎年、梅仕事を楽しんでいます。
今回は、そんな筆者の経験談もまじえながら、ビギナーさん向けの梅シロップの作り方をまとめました。できるだけ簡単に、準備や作り方を説明していきますね。
材料は青梅と氷砂糖だけ!梅シロップの作り方
まずは、必要なものをそろえましょう。
使う材料は青梅と氷砂糖だけと、とてもシンプルです。道具は、保存容器、竹串、消毒用のアルコール(熱湯消毒も可)、でき上がったシロップを入れる容器を準備してください。
それぞれのポイントをおさえながら、より美味しい梅シロップを作りましょう。
用意するもの
青梅 1kg(大きさは2L以上)
主役である梅は、新鮮な青梅1kgを使います。皮にハリがあり、キズやシワのないフレッシュなものが最適です。
黄色の梅でも作ることはできますが、実が柔らかくキズつきやすいため難易度があがります。初心者の方には、あまりおすすめしません。
サイズは2L以上の大きさを選びましょう。梅のエキスがたくさん出て、風味豊かな梅シロップに仕上がりますよ。
今回紹介する作り方では、梅1kgと氷砂糖1kgを使います。これで約800mlの梅シロップができあがります。
筆者が初めて梅シロップを作ったとき、この800mlがあっという間になくなりました。
梅ジュース1杯を作るのに30ml(大さじ2杯)のシロップを使うと、800mlで約27杯分です。飲むペースや量にもよりますが、家族3人で毎日飲むと10日足らずで飲みきってしまいます。
初めてつくるときは、まずは青梅1kgからでかまわないと思います。ただ、出来上がりの量が800mlであることは覚えておいて下さい。
梅の旬は短いですが、冷凍すれば季節を問わずいつでも作ることができます。加えて、凍らせると細胞が壊れて早くエキスが出るので、短期間で仕上がります。
ただし、冷凍梅は風味が落ちます。梅の香りを楽しみたいのであれば、そのままの梅を使う方がいいでしょう。
800mlの梅シロップでは少ないと感じた筆者は、次の年に2kgの梅を購入しました。半分の青梅は冷凍し、タイミングをずらして梅シロップを作りました。飲みたいときにシロップが作れたのは良いのですが、そのままの梅を使ったシロップの方がやはり美味しかったです。
冷凍梅はメリット・デメリットを知ったうえで、うまく取り入れてみてください。
氷砂糖 1kg
もう1つの材料は、氷砂糖です。青梅と同じく1kgを用意してください。甘さ控えめなら、800~700g程度におさえましょう。
氷砂糖は、砂糖の中でも純度が高くクセもありません。そのため、梅の風味を損なわずにシロップを仕上げることができます。上白糖やグラニュー糖でも梅シロップは作れますが、はじめてのときは、王道の氷砂糖で作ってみて下さい。
4リットル以上の密封保存容器
1kgの梅で梅シロップを作るには、4リットル以上の保存容器が必要です。プラスチック製やガラス製のものがありますが、保存のことを考えると空気を通さないガラス製がいいでしょう。
容器のデザインは、好みのものを選んでもらってかまいません。ただし、蓋がしっかりと密閉できるものを選んでくださいね。
保存容器で気にかけておきたいのは、使い終わったあとの収納場所です。4リットルの保存容器は、思いのほか場所をとります。
筆者の使っているものは、高さ約30cm、底の直径は約20cmでした。梅シロップを作り終わったあと、空っぽの容器を出しっぱなしにしているわけにもいかず、しまう場所を見つけるのに苦労しました。
あらかじめ、キッチン収納を整理しておくと保存容器もスムーズに片付きますよ。
ヘタをとるための竹串
梅のヘタをとるときに、竹串を使います。何本か用意しておくと安心です。
金属製のピックは梅の強い酸性と反応してしまうおそれがあるため、できるだけ竹串を使うことをおすすめします。
もちろん、爪楊枝でも代用はできます。しかし、爪楊枝は竹串よりも細いので折れやすくなります。
作業効率を考えると、竹串を使ったほうがベターです。
消毒用のアルコール
梅シロップをつくるときには、雑菌をとりのぞく消毒が肝心です。食品にも使えるアルコールスプレーなどを使うと、手軽に消毒することができます。
仕上がった梅シロップを入れる容器
でき上がった梅シロップは、保存容器から小さめの瓶や容器などに移しかえて冷蔵庫で保管します。その際、800mlのシロップが全量入るものを用意しておきましょう。
でき上がった梅シロップを入れる容器にも、消毒は必要です。熱湯消毒する場合は耐熱性のものを選んでください。
作り方・手順
材料と道具がそろったら、さっそく梅シロップの作り方をみていきましょう。
保存容器はしっかり消毒&乾燥まで
作りはじめる前に、保存容器を清潔な状態にします。雑菌が残っていると梅シロップが発酵したり傷んだりしますので、消毒は念入りにおこなってください。
まず、保存容器を食器用洗剤で洗います。内側、外側、フタの部分も忘れずに洗いましょう。洗い終わったら、口を下にして乾かします。このとき、水分が残らないよう十分に乾燥させてください。水分があると、消毒の効果が十分に得られません。
容器が乾いたら、アルコールスプレーを吹きかけます。キッチンペーパーに含ませて拭きとってもいいでしょう。
アルコールがない場合は、熱湯消毒をします。容器が耐熱性であることを確かめてから、熱湯を回しかけて下さい。その後、しっかりと乾燥をお願いします。
保存容器の消毒は、梅シロップの仕上がりにも影響しますので、手を抜かずに行いましょう。
キズはNG!青梅は丁寧に洗ってから水分を拭き取る
次に、青梅を洗います。ボウルなどにいれて流水で洗うといいでしょう。梅が傷つかないように、優しく丁寧に洗うのがポイントです。
洗い終わったら、清潔なふきんやキッチンペーパーなどで梅についた水気を拭きとってください。水分が残っていると、カビの原因になります。特にヘタのくぼみには水分がたまりやすいので、気をつけましょう。
余裕があれば、青梅をザルやキッチンペーパーのうえに広げて乾燥させると、なお良いでしょう。直射日光をさけたところに、1時間ほど乾かしておくと、しっかり水分をとばせます。
青梅のヘタを1つずつとりのぞく
青梅を洗って水気を拭いたら、次はヘタをとりのぞいていきます。たこ焼きをひっくり返すようなイメージで、ヘタの凹みに串の先を添わせて回してみてください。
このとき、なるべく梅を傷つけないようにします。竹串で少し引っかいてしまった程度なら大丈夫ですが、果肉が見えるようなキズはNGです。梅シロップが濁ったり、傷んだりする原因になるのでキズついた梅は避けた方が無難でしょう。
青梅と氷砂糖を1/3ずつ交互に入れたら冷暗所へ
ヘタが取れたら、いよいよ浸けていきます。保存容器に、青梅と氷砂糖を1/3ずつ交互に入れます。きっちり1/3ずつでなくても構いませんが、偏りがないように気をつけてください。
乱暴に入れてしまうと、せっかくの青梅がキズついてしまいますので、最後まで優しく扱うように心がけましょう。
フタをしたら、直射日光の当たらない冷暗所に置きます。冷暗所といっても、部屋の中で問題ありません。筆者は常温のまま、キッチンに置いています。
逆に冷蔵庫のような温度変化がない場所に置くと、梅のエキスの出が悪くなり、琥珀色になりません。直射日光が当たると、極端に保存容器の温度が上がってしまいます。その点には気をつかって下さい。
毎日1~2回、容器をゆすって砂糖をとかす
梅シロップが出来上がるまで、1日1~2回ほど容器をゆすって砂糖をとかします。底にたまってしまいがちな砂糖をしっかり行きわたらせることで、梅の実からエキスを十分に抽出することができるからです。
梅がシロップに浸かりきっていないと、顔を出している梅にカビが生えたり傷んだりする恐れがあります。それを防ぐためにも、梅と砂糖を混ぜておくのは大切です。
この一手間で、梅シロップが美味しく仕上がります。砂糖が早くとけるように、毎日続けましょう。
発酵しても慌てずに!加熱して対処
梅シロップの仕上がりを待っているあいだに、いつの間にかフツフツと泡がたまっていることがあります。これが、発酵です。
消毒が行き届かなかった、水分が残っていた、梅がシロップに浸からないままだったなど、その原因はいくつか考えられます。しかし、気をつけていても発酵してしまうことはあります。
少しの泡ならそのままでもかまいませんが、発酵が進んで泡が溜まっていると見た目にも心配になりますよね。しかし、慌てずに対処すれば大丈夫です。
まず、容器から梅を取り出してシロップだけをホーロー鍋にうつします。もし、溶け切っていない氷砂糖があれば一緒に入れましょう。沸騰させないように弱火にかけながら、加熱します。
途中、アクが出てきたときは丁寧にすくい取ってください。10分ほどして、アクが出なくなったら火を止めます。粗熱がとれたら、シロップを別の容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
梅の香りが弱くなってしまいますが、加熱すれば安心して飲むことができます。
梅がシワシワになって10日程で飲み頃◎長期保存なら加熱して
砂糖が溶けて梅からエキスが出ると、シロップは琥珀色に色づき、梅の実はシワシワになります。仕込みから10日ほどすれば、梅シロップの出来上がりです。
保管するときは、保存容器から梅の実を取り出します。夏の間に飲みきるのであれば、消毒した容器に移しかえて冷蔵庫にいれましょう。
もし、長期保存したいなら加熱しておくと安心です。発酵したときと同じ要領で、シロップを鍋にうつし、沸騰させないように弱火で温めます。アクをとりのぞきながら、10~15分程度加熱してください。粗熱がとれたら清潔な容器にうつしかえ、冷蔵庫で保管しましょう。加熱処理した梅シロップは、1年ほど保存できます。
子どもが喜ぶ!梅シロップを使ったアレンジレシピ3つ
梅シロップが出来上がったら、まずはジュースにして飲んでみましょう。梅シロップを4~5倍に水で薄めていただきます。炭酸水で割ってもいいですし、暑い季節はカキ氷のシロップとしても活躍します。
梅シロップの楽しみ方は、それだけではありません。今回は、子どもと一緒に作ることができる、ごくごく簡単なアレンジレシピを3つご紹介させていただきます。ぜひ、梅シロップの爽やかな香りと味を堪能して下さい。
梅ゼリー
梅ゼリーは、夏のおやつにぴったりです。フォークでクラッシュさせれば、キラキラとして見た目にも楽しめますよ。
材料
- 梅シロップ 100ml
- 水 200ml
- 粉ゼラチン 5g
※メーカーによって固められる水分量が違います。パッケージも一読してください。
作り方
- ボウルに梅シロップと水をあわせる
- ゼラチンを分量外の水(大さじ2~3杯)でふやかす
- 2.をレンジ(500W)で40~60秒ほど温め、ゼラチンをとかす
溶け切らないときは、様子を見ながら10秒ずつ加熱する - 1.にゼラチンを入れてまぜ、型に流し込む(梅の実を入れてもOK)
- 3時間ほど冷蔵庫で冷やし、ゼリーが固まれば完成
梅ジャム
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梅シロップを浸けたあとの梅の実を使うレシピです。梅のエキスが出てしまったとはいえ、そのまま捨てるのはもったいないですよね。ジャムにして、余すところなく梅を味わいましょう。
材料
- 梅シロップの梅 1kg分(種をのぞいて350~400g)
- 砂糖 140~200g(種を除いた梅の40~50%)
- 梅シロップ 大さじ2~3杯
※メーカーによって固められる水分量が違います。パッケージも一読してください。
作り方
- 梅の実をほぐして、中の種をとりのぞく
- 実を細かく刻むか、フードプロセッサーにかける(食感はお好みで)
- 鍋に果肉と、材料が少し出る程度のひたひたの水を加える
- 鍋を弱めの中火にかけ、果肉が柔らかくなるまでコトコト煮る
このときアクがでてきたらすくいとる - 3に砂糖を2~3回に分けて加え、焦げつかいないように木べらなどで混ぜる
- 15~20分ほどで煮詰まったら梅シロップを加え、さらに5分ほど煮る
- 熱いうちに清潔な容器にうつしかえ、粗熱がとれたら冷蔵庫へいれる
梅シロップラッシー
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梅ジュースに飽きてしまったら、梅ラッシーはいかがでしょうか。梅シロップを牛乳で割るだけの、簡単レシピです。
牛乳に梅の酸味が加わって、飲むヨーグルトのような味になります。栄養価も高まりますので、ぜひ試してみて下さい。
材料
- 梅シロップ 大さじ2杯強
- 牛乳 200ml
作り方
牛乳に梅シロップをいれて、まぜれば完成。梅の酸で牛乳が固まってしまうことがあるので、飲む前にはよくかき混ぜましょう
まとめ
梅シロップは、少ない材料でできるうえに作り方も簡単です。また、梅酒のように長く寝かせることなく、短い期間で仕上がるのもいいところです。
日々、砂糖が溶けてシロップが出来上がっていく様子、梅がシワシワになっていく姿は見ているだけでも楽しめます。子どものいるご家庭であれば、一緒に季節の旬を感じる、良い機会になるのではないでしょうか。
梅の実がスーパーなどに並ぶ時期は、ほんの数週間です。「やってみようかな!」という気持ちがしぼまないうちに、ぜひ梅シロップ作りにトライしてみてください。
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