毎年、どのくらいの住宅が「空き巣被害」に遭っているかご存知ですか?
2017年4月の警視庁発表による、2016年の侵入窃盗による被害件数は5,230件となり、その内約52%が住宅を対象とした侵入窃盗被害となっています。
年々、防犯対策への関心が高まり被害総数は低くなっていますが、以前として毎年多くの住宅が空き巣被害に遭っています。
私たちは、空き巣被害は決して他人事ではなく、自宅が空き巣被害に遭う可能性は十分にあるという認識を持ち、防犯対策を講じることでより被害に合う可能性を大きく下げる事が出来ます。このコンテンツでは「住宅の空き巣被害」の内、約半数を占める住宅玄関からの侵入手口について、またその対策を詳しく紹介していきます。
1.空き巣泥棒の2大常套手段!ピッキングとサムターン回し
1-1. ピッキングとは
鍵を使わずに特殊な器具等を使って解錠する方法です。
ドラマや漫画などでもよく見かけるもので、それぞれの鍵タイプに合わせて2つの器具を使い、実際の鍵を使わずとも解錠を可能にします。有事の際はとても役立つ鍵の解錠方法ですが、悪用される危険性も極めて高い為、法律で一般の人はこのピッキングに必要な器具を所持する事を禁じられています。
しかし、いくら法律で禁じても鍵の種類によってはものの数秒~1分で解錠可能な難しい技術を必要としない為、代用品等を使い簡単に不正解錠され、空き巣被害に合うケースが多々あります。
ピッキング被害にあわない為に大切なのは、非常に時間のかかる耐ピッキング性能の高い鍵を選ぶ事です。
2-1にて現在普及しているシリンダー錠の解説とその防犯性を紹介しますので参考にして下さい。
1-2. サムターン回しとは
ドアの内側に鍵を開け閉めする際、操作するつまみがありますがこのつまみを「サムターン」といいます。
サムターン回しとは、この内側のつまみを新聞受けの隙間や、ドアスコープの穴から、強引にドアに穴をあけて工具を差し込み、ドアの内側からつまみを回し不正解錠することを指します。この方法では2-1にてご紹介する、耐ピッキング性能の高いシリンダー錠をとりつけても、ダイレクトにこのつまみを操作されてしまい、ピッキング対策は無意味なものとなってしまいます。
サムターン回し防止にはサムターン(つまみ)にカバーを施す方法もありますが、完璧な対策方法とは言えません。可能であれば、空転する対策がとられているサムターン商品や、室内からも鍵で開け閉めするような商品へ交換するなどの対策商品を取り付けるのがオススメです。さらに、鍵を1つにせず、シリンダー錠の増設、補助錠の設置をするといいでしょう。
2.様々な住宅用鍵
2-1. シリンダー錠
現在住宅や建物で使用されている鍵の主流はシリンダー錠と言うものです。
シリンダーとは、錠前を操作する「鍵穴」・「円筒」を指し、太い円筒(外筒)の仲に細い円筒(内筒)が入っており、鍵を差込み、内筒を回転させて開閉する構造になっています。
外筒と内筒の中は複数の障害(タンブラー)があるので、鍵がない状態では内筒は回転せず開錠できません。鍵のくぼみとタンブラーが一致すると内筒を回転させることができ、施錠、開錠が可能となります。
シリンダー錠は大きく分けて5種類あります。
- ディスクシリンダータイプ
ピッキングに極めて弱く安全性の低い鍵と位置づけられています。
ディスクタンブラーというシンプルな障害物を使用した鍵です。 - ロータリーディスクタンブラータイプ
ディスクシリンダータイプよりも、防犯性を強化した鍵です。
ピッキングの耐性はディスクシリンダータイプより勝りますが、現在のピッキング技術、防犯対策用として考えると不十分なものといえます。 - ピンシリンダータイプ
シリンダー錠の中で近年一般住宅用として多く用いられている鍵です。
鍵の左右どちらかにギザギザの加工があり、内筒内にはピン状のタンブラーが一直線に配列されています。
価格も安価であり、複製も作りやすいことから近年多く普及していますが、ピッキング被害にあいやすく防犯面では脆弱です。 - マグネットタンブラーシーリングタイプ
磁石が同極同士で反発する特性を利用した鍵です。正しい鍵を差し込むことで、タンブラーの磁石と鍵の磁石が反発します。これによって鍵を回すと内筒が回転して開錠となる仕組みです。
防犯面では低くないものの、経年劣化により鍵が差し込みづらい、解錠・施錠がしにくくなる不具合がおこる可能性があります。 - ディンプルシリンダー錠
複数のピンが多方面から配置され、鍵がギザギザしておらず、小さな丸いくぼみが特徴の鍵です。非常に複雑な内部構造となり、防犯性の高いタイプとなります。
ピッキングを予防する為に造られた鍵の為、ピッキングによる解錠はかなりの時間が必要となり現時点ではトップクラスの防犯性をもっている鍵です。
住宅用だけでなく、金庫や店舗の鍵としても使用される信頼度の高いものです。
しかし、他のシリンダー錠に比べ高価であり、紛失の際町の鍵屋さんでは複製が作れないケースもあるデメリットもあります。
2-2. 電子錠
電子錠とは、その名のとおり電気で開錠施錠する鍵です。
2-1で紹介した金属のシリンダー錠の代わりを担うものですが遠隔操作によって施錠忘れのリスクを回避することや暗証番号や指紋認証など開閉方法を選べる、ピッキング被害に会わない等のメリットがある事から企業だけでなく家庭からも高い注目を集めています。
しかし、メリットも多い反面、シリンダー錠に比べコストが高くなる点や電気で動く為、電池切れや停電、誤作動、故障などが起こるデメリットもあります。
- リモコン、カード型
リモコンの場合は車のように一定の距離に近づくと解錠操作ができます。
カードの場合は扉側に設置した錠前に磁気カードを通したり、ICカードをかざすことで解錠します。
メリットはピッキング被害にあわない点やリモコンの場合、扉から離れていても解錠可能な点、カードキーはお財布や定期入れなど収納に場所を取らない点等があげられます。デメリットは破損すると使えなくなる。電池切れや停電すると使用不可となる点です。 - 暗証番号型
あらかじめ設定した暗証番号を入力することで解錠するのが、暗証番号型です。
メリットは、鍵を持ち運ぶ必要がないので紛失の心配がない点や利用者が増えても合鍵を作る必要がない点等です。デメリットとして第3者に知られると防犯性が著しく低下する点や、停電など電源が落ちた場合機能しない点です。 - 指紋認証
登録した指紋を読み込み解錠するものです。
紛失や暗証番号忘れの心配がなく、防犯面も極めて高いですが、指紋登録者以外解錠できない為万一の解錠の必要がある際などは大変な手間が必要です。
3.鍵の交換が必要なタイミングと業者の選び方
3-1. 鍵の交換を必要とするタイミングは大きくわけて2つ
鍵を紛失した時
鍵を無くしてしまった際、戻ってきさえすれば交換の必要はないと考えがちです。
しかし、これは大きな間違いです。一旦誰かの手に渡った可能性のある鍵は合鍵を作られている可能性があるからです。
現代では、いとも簡単に合鍵が作られてしまう為たとえ知り合いが鍵を拾っていてくれていたとしても油断するのは危険ですので、鍵を交換される事を強くオススメ致します。
防犯性を高めたい時
2000年に入って、鍵を新しいものへ交換するご家庭が増えてきました。
これは古い鍵を使っているとピッキング被害にあう可能性が高まった為です。
ピッキングは犯行時間が短い上に使用する道具も目立たない為、泥棒がよく使う手口です。古い鍵はもはや鍵ではなくなっているのが現状です。20年以上鍵を変えていない場合は取替えや鍵の追加を検討することをオススメします。
3-2. 鍵を交換することは自分でも可能?
インターネットなどでも多数紹介されていますが、あまりオススメできません。もし失敗してしまった場合二重に費用が発生する可能性や、上手く鍵が機能しない場合は逆に防犯性を損なってしまう場合がある為です。
ぜひ、専門の鍵屋さんへ依頼することをオススメします。
業者さんを選ぶ上では「防犯整備士」の資格を持っている業者さんがいいでしょう。
防犯設備機器に関する専門知識や技術をもっているスペシャリストに認定される資格です。ぜひ判断材料の1つにして下さい。
また、しっかりとした実店舗やホームページ、料金案内があるか等も注意深く確認して下さい。また、事前の見積りも必ず確認し気になる業者さんと比較して決定することもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。普段何気なく、毎日使っている鍵ですが、自分の資産や家族をピッキングやサムターム回し被害から守る為には非常に重要なアイテムです。
基本的に泥棒は狙いを定めた建物へ5分以内に侵入できなかった場合、高確率で犯行を諦めると言われています。
大切な資産や家族を守る為、今一度、鍵から始める防犯対策を検討されてはいかがでしょうか。
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