マンションの1階住戸についてどんなイメージをお持ちでしょうか?
マンションならではの眺望の良さがない、災害や防犯面で「本当に大丈夫なのか」という心配があるマイナスイメージの一方で、戸建て感覚でマンションに住めるので「戸建て住宅とマンションの良いとこどりができる」というプラスイメージを持たれている方もいらっしゃいます。
実際、筆者は賃貸マンションの1階住戸に住んだことがありますが、結論から言うと、ポイントさえ押さえておけばマンションの1階は住みやすい住戸でした。また新築マンションの営業スタッフとして何組ものお客様の担当をしてきましたが、積極的に1階住戸を選択する方は何組もいらっしゃいました。
今回は、マンションの1階住戸がなぜ選ばれるのか、どのような人が1階を選んでいるのかをご紹介します。
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1階住戸を購入するのはどんな人?マンションの1階を選ぶ理由
ここからは、1階住戸を購入された方の購入理由や住み心地についてご紹介します。
家族数には関係なく、満遍なく様々な世帯から選ばれている
あなぶき興産では新築マンションの販売をしておりますが、そのすべてのマンションに1階住戸が設けられているわけではありません。
ここでは穴吹興産株式会社が2020年~2024年に販売したマンションのうち、1階住戸を購入した365名の家族数(入居人数)を見てみましょう。
家族数には関係なく、満遍なく様々な世帯から選ばれていることがわかります。
選ばれた理由もさまざま——ご購入者様の声を紹介
続けて、アルファマンションの1階住戸に住むオーナー様からいただいたお声を紹介します。
アウトドアを楽しむ家族が語る1階住戸の魅力
家族でよくキャンプに行くので、荷物の出し入れがしやすい1階を選びました。
テラスには勝手口があり、部屋の目の前にある専用駐車場までスムーズにキャンプ用品を運ぶことができて、とても満足しています。またテラスは2階以上のバルコニーよりも広いので、持ち帰ったキャンプ用品を洗って干せるので便利だと感じています。
スーパーでの買い物の荷物もエレベーターを待つことなく運べるので、戸建て感覚で過ごせるのがとても嬉しいです。40代・4人家族
こちらのご家族ではテラスを有効活用できているようですね。テラスに勝手口があればアウトドア用品のような大きな荷物だけでなく、日常の荷物の出し入れもできて便利です。その他にも、テラスでは洗濯物を広々と干せたりガーデニングが楽しめたりと活用方法はたくさんあります。
エレベータ―不要で庭も楽しむ70代夫婦の声
妻は足が悪く、車いすを使うこともあるため、一戸建てからバリアフリーなマンションへ住み替えをしました。
エレベーターがあるので上層階でも生活はできるとは思いましたが、1階には庭がついており、これまで通り趣味の盆栽や花を置くことができるので1階を選びました。晴れの日には庭に出て、日に当たることもできて夫婦でゆっくりとした時間を過ごしています。長年住んだ一戸建てのような生活ができなくなると覚悟していましたが、終の棲家として今のマンションをとても気に入っています。
70代・2人家族
マンションの1階は、バリアフリーで庭なども楽しめるとあって、まるで平屋のような生活を送ることができます。車いすが必要になった時にも対応できるため、年配の方からも多くの支持を集めています。
エレベータ―の待ち時間から解放された購入者の声
仕事柄、家への出入りが多いので1階住戸が希望でした。
以前はマンションの8階に住んでいてエレベーターの利用が必須だったため、無駄な時間をとられている気分でした。今は家への出入りに待ち時間がないことで自由な時間が増え、ストレスから解放されました。30代・単身
マンションの戸数によってはエレベーターが1基しかない場合があります。混雑する時間帯は多くのフロアに止まるので、エレベーターに乗るのにも降りるにも時間がかかる場合があります。1階であればエレベーターを使う必要がなく出入りもスムーズです。単身者が1階住戸に住むことに抵抗がある方も多くいますが、先ほどの1階住戸を購入した人のグラフで見ると、単身者は全体の15%が1階住戸を選んでいます。防犯カメラなどセキュリティ対策もあるので、設備を確認して検討するのも良いでしょう。
子育てファミリーが感じる1階住戸の安心感
子どもが生まれてから家が少し手狭になったこともあり、マイホーム検討を始めました。
賃貸に住んでいたころは自分たちの足音がどれだけ下階に聞こえているか不安だったので、子どもも生まれたら戸建かマンションの1階にしようと思いました。
共働きなので、将来子どもが家に帰った時のことを考えてマンションを選びましたが、同じ学校のお友達も同じマンションにいるので安心して過ごせています。30代・3人家族
マンションは集合住宅なので、1階だからといって必ず足音などで迷惑をかけないわけではありません。マナーとして気遣いはしなければいけませんが、1階は下階に住戸がないのでファミリーからは根強い人気があります。 マンションの営業スタッフとして購入を検討しているお客様と話をしていると、上階からの音を気にする方よりも、自分たちが下階に迷惑をかけないか気にする方の方が多くいます。自身の家族形態や生活に応じて検討するのも良いでしょう。
マンションの1階住戸が選ばれる6つの理由
ご購入者の声を前章でご紹介しましたが、ここでは1階住戸が選ばれる主な理由を紹介します。全体的に「他のフロアに比べて長けているポイント」が支持されている傾向にあります。
検討したいマンションに1階住戸がある場合は、これらのポイントがどれくらいあるのか見てみましょう。
下階への気づかいをしなくて良い
1階住戸の最大のメリットとも言えるのが、マンションなのに下階に住戸がないことです。
共同住宅であるマンションは周りの住戸に対して気づかいが必要ですが、1階住戸であれば下階に対する足音などを気にする必要がありません。子どもが家の中で走る音が迷惑になるのではないかと心配している方から選ばれるポイントのひとつとも言えるでしょう。
ただし、周囲に他の住戸があるのは2階以上と変わらず、気づかいが全く不要というわけではないことに注意しましょう。
駐車場までの出入りがしやすい
1階住戸は駐車場までの移動がしやすいのもポイントです。
マンションによりますが、1階住戸には住戸近くに専用駐車場が設けられていることもあり、その場合は車と住戸間で荷物が運びやすく、戸建て感覚で過ごすこともできるのです。
住戸の近くに駐車場があれば、車の様子も確認しやすく嬉しいポイントです。
エレベーターや階段を使わずに生活できる
マンションは集合住宅なので、朝や夕方のラッシュ時にエレベーターが混雑していたり、エレベーターに乗ろうとしたときに限って離れた階にエレベーターがいたり等、ストレスに感じることが多いのも事実です。
しかし1階住戸ではエレベーターや階段を使う必要がないので、荷物が多い時や急いでいる時など、いつでもスムーズに出入りが可能。毎日をストレスなく過ごすための大きなポイントです。
庭・テラス付きの住戸なら、楽しみが広がる
1階住戸にバルコニーではなくテラスや専用庭など広めのスペースが設けられている場合、そのスペースを活用して様々なことができます。
例えば、広々と洗濯物を広げたり、ガーデニングを楽しんだり、小さなテントを広げてキャンプ気分を味わったり……と、自分らしく幅広く活用できるのが2階以上の住戸にはないポイントです。
ただし、2階以上の住戸のバルコニーと同じように共用部分にあたるため、利用方法にはマンションの規約があります。できること・できないことは予め確認するようにしましょう。
販売価格が安い
分譲マンションは、一般的に周囲の建物の有無など立地条件に応じて、上階になるほど価格が高く設定されていることが多いので、1階住戸は2階以上の住戸に比べて価格が低く設定されています。
しかしマンションによっては、専用駐車場が設けられていたり専用庭があったりと、1階ならではの特典がある住戸になっていることがあります。その場合は1階住戸の価格が高く設定されていることもあるので、事前に確認しておくようにしましょう。
天井高が2階以上の住戸より高いことがある
マンションの1階には玄関口であるエントランスホールが設けられており、その天井高は2階以上の住戸に比べて高く設定されていることが多いです。そのため1階住戸のお部屋も天井高が2階以上に比べて高くなっている場合があります。
天井高が高いと開放感が出るので、同じ広さの間取りでもお部屋の空間を広く感じることができるのがポイントです。
1階住戸だからこそ、購入前に確認しておくことと対策
ここからは1階住戸だからこそ確認をしておきたい事項をご紹介します。
マンションの外塀の高さ
マンションの目の前を通行する人がいる立地であれば、1階住戸は周囲からの目線が気になるところです。
このことから、1階住戸は2階以上に比べてバルコニー面の手すりが高く設けられている場合が多いですが、具体的にどのくらいの高さになっているのかを確認しておきましょう。
これは過去にあなぶき興産が供給したとあるアルファマンションの事例で、マンションの前面道路から、バルコニー仕様の1階住戸がどのように見えるかの図解です。

外からの視線イメージ
敷地外の歩道を歩く身長約1,700mm(約170cm)の人が、高さ約2,155mmの塀越しに部屋の方を見たとき、リビングにいる身長約1,700mmの人や子どもの姿は見えていないことを示しています。
この図ではバルコニーですが、1階住戸専用のテラスや庭がある場合、目隠しフェンスが設置されている場合などで見え方は変わります。1階住戸を検討する時は、営業スタッフに図面を見せてもらう等して、外からの見え方を確認しておきましょう。
塀の高さというと「部屋への侵入のしにくさ」が重要だと思いがちですが、外から中を見たときにどれくらいの範囲が見えるのかという観点も重要です。事前にどの程度見えるかを知っておくと、見えにくいカーテンを選ぶなどの対策をとることができます。
主開口部(バルコニー側)前面の環境
1階住戸の主開口部(バルコニー)側前面の環境は、住み心地の良さに影響を与えます。特にテラスや駐車場などがなく、道路との距離が近い場合はその影響が大きいため、事前に十分確認することをおすすめします。
可能であれば事前に現地に行って、こちらの内容を確認しておきましょう。
- バルコニー前面に人がどのくらい通るのか
- 話し声の聞こえ方はどうか
- 交通量はどうか、騒音は問題ないか
- 外部からの部屋の見え方はどうか
日当たりの確認
バルコニーやテラスの前面に建物がある場合、日当たりの確認をしておきましょう。前面に建物がある場合でも、1階住戸の日当たりにどの程度影響するかは、建物との距離や形状などで大きく変わってきます。可能な限り、実際にマンションが建つ場所に行ってどれくらいの日当たりがあるかどうか確認するのも良いでしょう。
1階ならではのプラス要素があるか
2階以上住戸に比べて天井高がある、バルコニーよりも広いテラスや専用庭が設けられている、など1階住戸には2階以上住戸とは異なる仕様が設けられている可能性があります。
ただし図面やパンフレットでは分からない情報もあるかもしれません。2階以上の住戸と比べてプラスになる要素があるかどうか、担当スタッフに聞いてみましょう。
マンション周辺の環境
マンションの1階住戸に関する質問で多いのは「虫が出やすいかどうか」です。
上層階に比べると虫が飛んで来やすい高さのため、部屋の中に虫が侵入してくることもあります。またマンション周辺に川や水路など水辺がある場合や、公園など多くの木や草がある場合は虫の発生も多く、そうすると上層階に比べて虫は出やすいと言えるでしょう。
虫が苦手な方はマンション周辺を実際に見に行き、虫の量などを予め確認しておきましょう。
マンションの防犯対策
2階以上の住戸に比べて、外部から侵入しやすいのが1階住戸です。どこに防犯カメラがあるのかなど、マンション共用部の設備や仕様について事前に確認しておきましょう。
防犯について確認しておいた方が良いのは以下の項目です。
- どこに防犯カメラが設置されているのか
- 前面道路からの塀の高さはどれくらいか
- 侵入可能な窓はどこにあるか
- テラスや専用庭に照明はあるか
水災のリスク
マンションは鉄筋コンクリートでできているので、一般的な木造の戸建て住宅に比べると建物の強度があり、地震などの災害に強いと言えます。
しかし水災が発生した場合は、同じマンションでも階数によって状況が変わります。具体的には2階以上の住戸と比較すると、1階住戸は浸水するリスクが高くなるのです。
したがって、マンションの1階住戸を検討する場合にはまずハザードマップを確認し、水災リスクがどの程度ある場所なのかを確認する必要があります。

なお、火災保険には1階住戸用に水災リスクのついた商品があります。しかし、まずは水災のリスクを確認することが重要でしょう。

「マンション1階」の購入がおすすめできる理由
マンションの1階は、セキュリティや管理の面などのマンションらしさと戸建てらしさの両方を兼ね備えている点がおすすめできる最大の理由です。
また地震などの災害でエレベーターが止まっても避難が可能という点で1階住戸を選ぶ人もいます。日常生活においても、バルコニー側に勝手口がついている場合はアウトドア用品や買い物をした荷物の出し入れが楽になるのが魅力的ですね。
物件によって1階住戸の特徴は異なりますが、専用駐車場や庭など2階以上にはない特典となる仕様があるマンションの場合は、ぜひ特徴に注目してみてください。
まとめ
マンションの1階はこんな方におすすめ
マンションだからこその眺望はないものの、その他の多くのメリットで1階住戸は支持されています。
子どもの足音が気になるファミリーの方や、家の出入りが頻繁にありエレベーター等を使いたくない方、庭やバルコニーを活用したいという方に特におすすめです。
マンションによっては1階住戸そのものがなかったり、お部屋の条件も物件ごとに異なります。気になる物件があれば、ぜひ多くの視点で2階以上と比較し、検討してみてください。
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