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マンションを買う

「マンションの買い時」を逃さないために知っておきたいこと

マンションを購入するタイミングっていつなのか。購入を検討し始めると、そう考えるかたは多いのではないでしょうか?多くの方にとって一生に一度の大事な住宅購入、そう思うからこそ失敗したくないその購入時期。そんな「マンションの買い時」とはいつなのでしょうか。

マンション営業をしている私は「買い時」のタイミングでマンションを購入したのか?と聞かれると、実は当時は買い時を意識せずに購入を決断しました。しかし今振り返ると正しい選択だったと実感しています。思い返すと当時、意識したのは「買い時」よりも「買う理由」が優先事項でした。希望のエリア内で子供の進学前に生活を始めるという「検討理由」が満たされたことが正しい選択ができたと思えた理由です。

今回は「買い時」を考えるうえで重要になってくる市場環境・個人という2つの視点から「買い時」について考えてみたいと思います。購入時期に悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。

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【市場環境】から考える「買い時」

住宅市場を取り巻く税金制度や金利といった情報を知ることは高額なものを購入するうえで大事な要素のひとつ。年度によって数字は変化しますが、とくに購入する上で押えておきたいポイントを2つ紹介します。

金利面

住宅ローンを利用する方にとっては適用される住宅ローン金利がいくらなのかは非常に大事なことです。月々の支払いを抑えたい場合や、自己資金をあまり使わずに住宅購入にかかる費用のほとんどを借入する場合では金利が低いタイミングで購入することが理想的な「買い時」になります。金利の違いがどの程度支払い額等に影響するのか具体的に計算してみます。

試算条件

マンション価格:3,000万円、借入額:3,000万円、金利1.61%、借入期間35年、ボーナス返済なし
※【フラット35】 2022年2月の最頻金利にて試算

金利が1.61%の場合の月々の支払いは93,480円になりますが、金利が1%アップした2.61%の場合だと同じ借入額でも月々の支払いは109,025円となり、1.61%の時より約15,000円も増加してしまいます。
もし同じ月々の支払い額にしたい場合は借入額を約430万円も少なくしないと同じ支払額にならず、その分自己資金を用意するか購入金額を下げて検討し直す必要があります。納得のいく購入金額(支払い)で購入をするためには金利がいくらなのかは重要な判断基準といえます。

検討中に今の金利がどのくらいなのかを調べたい場合、すでに住宅ローンを利用する金融機関が決まっている方はその金融機関のサイトにアクセスするか担当者に問い合わせて最新情報を取得してみましょう。
どの金融機関にするか迷っている場合はインターネット上の比較サイトで検討する手段もありますが、マンションのモデルルームに行き営業担当者から情報を取得する方法をお勧めします。最新の金利情報を聞くことが出来るだけでなく、それ以外に役立つ情報(付加される保険商品や融資手数料の違いなど)も合わせて取得・比較することができるからです。

税制面

住宅購入に関わる税金で特に注目したいのは「住宅ローン控除」です。
住宅ローンの金利負担を軽減するため、年末の住宅ローン残高等の金額を元に計算した金額を、所得税(一部翌年の住民税)から控除できるという制度です。取得する住宅の省エネ性能によって、控除可能な最大額が異なります。また、この制度の適用を受けるためにはいくつか条件があります。

主な条件

  • 自らが居住するための住宅であること
  • 取得する住宅の床面積が50㎡以上(一定期間に契約した場合は40㎡以上)
  • 合計所得金額が2,000万円以下
    (ただし、40㎡以上50㎡未満については合計所得金額が1,000万円以下)
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上

…など

契約や入居時期によって、控除される条件や内容が異なりますので必ず確認しておきましょう。

住宅の省エネ性能がカギ!令和4年の住宅ローン控除改正点を解説
住宅ローンの残高に応じて所得税・住民税から控除が受けられる住宅ローン控除。消費税が10%にあがるタイミングで制度が一部新しくなりました。控除期間が「10年間」から「13年間」に延長されたことが大きな改正点です。注意点を交え詳しく解説します!

また住宅購入のために受ける贈与資金に関しては贈与税が非課税となる制度もあります。非課税となる金額は、取得する不動産の省エネ性能と契約時によって異なります(令和4年4月1日時点)。大きな金額を贈与する場合は検討すべき制度です。

住宅取得等資金の「贈与税非課税制度」と「相続時精算課税制度」の活用方法
住宅取得を検討し始めた方へ、贈与の非課税制度と、相続時精算課税制度について解説します。

以上のような税制度には適用要件の中に対象期間もあるため、有意義に利用できるタイミングが「買い時」とも言えそうです。


【個人】から考える「買い時」

一般的には住宅購入を検討するきっかけが「買い時」に繋がる傾向にあります。検討のきっかけは人それぞれ異なりますが特に多い検討理由をいくつかあげてみることで「買い時」を考えてみます。

結婚や出産のタイミング

一緒に住む家族の人数が増えるタイミングで検討するかたは多いと思います。特に出産前に購入する場合は、子育ての環境(周辺環境・教育エリア・実家など)をじっくり検討できる点や子供の成長に合わせて住む場所を変えるべきか悩む必要もなくなるといったメリットがあるので購入のタイミングとしては非常に良いと言えます。

子供の進学や転勤のタイミング

子供にとっては転校の不安をせずに友人関係をつくることが出来たり、人気の学校区を選べるなど子供の教育環境を安定させられるメリットがあります。また、転勤を機に購入するケースもあり、場合によっては単身赴任といった経済的なデメリットもありますが長期的にみるとよい購入のタイミングにもなります。

転勤のある家族がマイホームを持つために知っておきたいこと
「転勤があるから」と住宅購入に踏み切れない方は多いもの。しかし、転勤があるからこそ「購入できるタイミング」を逃さないことが大切です。今回は、転勤族でマイホームの購入に踏み切った筆者が住宅購入のタイミングから注意すべき点についてご紹介します。

資金面の充実

家族構成に関係なく共通して「買い時」と思えるタイミングの一つです。
住宅購入には住宅価格以外にも諸費用などの取得費もかかるため、借入せずに購入することはもちろん、住宅ローンを利用して毎月安定して支払いが出来る状態になったときに購入するのも良い判断といえます。


「買い時」=「買いたい理由ができた時」

1章でご紹介した「市場環境」のメリットは「買い時」のタイミングというよりは「買うときに役立つサポート的な要素」が強く、あまりこだわり過ぎても良い結果に繋がらないこともあります。そもそも市場要因は個人の力で制度内容等を変えることは不可能であり、その時期を狙って購入することも大変難しいことです。
年によって内容が変わるような不確定な条件を気にするよりも、住宅を「購入したい・購入すべきと思った理由」を優先させることのほうが重要です。個人の状況であれば自分の意思で(家族がいる場合はみんなの意思で)その時期を柔軟に変更することが可能です。

「待つこと」が買い時を逃すこともある

「いつ購入すべきなのか?」というタイミングばかりに意識と時間をとられ納得できる購入が出来なくなれば本末転倒です。

子供の進学を数年後に控えていることを理由に購入を検討し始め、安定した支払いができるよう資金面の充実と希望価格のマンションが分譲されるのを待った結果、年齢的に住宅ローンを最大限利用することができなくなり、結果的に購入自体を諦めなくてはならない場合もあります。

特に住宅ローンを利用して購入を検討する場合は「何歳で住宅ローンを利用するのか」は大きなポイントになってきますので、注意が必要です。
こちらの記事でも詳しく解説しておりますので、合わせて参考にしてください。

「年齢」は住宅ローン計画の重要ポイント。借りる前に知っておくべきこととは?
住宅ローンを借りるための条件はいくつかありますが、中でも年齢は重要な要素のひとつです。この記事では住宅ローン計画を立てる上で知っておきたい「年齢」の条件や考え方について解説します。

意図があって待つことも重要ですが、購入できるタイミングはいつでも訪れるわけではなく、そのタイミングを逃さないように意識することのほうが重要です。


まとめ

皆さんが思う「買い時」というものはそもそもなく、買うべき理由・目的ができた時にそのタイミングを逃すことなく行動できるかが大事です。もちろん住宅ローンの利用条件が整わず時期を見送る場合など現実的にその時期を遅らせないと難しい状況もありますが、それが「買い時」を逃したことにはならないはずです。
「思い立ったが吉日」という言葉もありますので「時期」ではなく「理由」を優先してみてください。

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マンション購入には、難しい専門用語や複雑な税制、手続きが関わっています。これからの専門知識を正しく理解するためには、日ごろから住宅販売に携わり、最新情報を取り扱っているプロのサポートが有効です。

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