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お金・住宅制度

最大100万円の補助!新築マンション購入に「こどもみらい住宅支援制度」を利用するには

住宅は大きな買い物。だからこそ使える補助制度は積極的に使って購入したいものですね。代表的な補助制度である「住宅ローン減税制度」は数年継続されることとなりましたが、逆に今しか利用できない制度もあります。

それが2022年3月に申請受付を開始した「こどもみらい住宅支援」です。
この制度は子育て世帯や若者夫婦世帯を対象として、省エネ性能を有する新築住宅取得・省エネ改修(リフォーム)に対して補助金を交付するもので、住宅取得の負担を軽減し、さらに省エネ住宅のストック形成を図る目的があります。

この記事では、新築マンション購入時に「こどもみらい住宅支援」制度を利用する場合の条件や申請方法について解説します。

取得する新築マンションが「一定の省エネ性能を有する住宅」の場合は、2022年6月30日までに不動産売買契約を締結したものに限られます。
また、申請状況により本事業の予算を消化した場合には終了が早まる場合はありますのでご注意ください。

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「こどもみらい住宅支援」制度の目的

この制度の根底にあるものは「子育て支援」、そして「2050年カーボンニュートラルの実現」のふたつです。
その2点を踏まえて「こどもみらい住宅支援」制度では、子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に60万円から最大100万円の補助金を出すことで

  • ⾼い省エネ性能を有する新築住宅の取得
  • 住宅の省エネ改修(リフォーム)等

を促進し、さらに

  • ⼦育て世帯や若者夫婦世帯の住宅取得に伴う負担の軽減
  • 省エネ性能を有する住宅ストックの形成

を図ることを目的としています。
次章以降で、対象となる住宅など各要件について見ていきましょう。


新築マンション購入に「こどもみらい住宅支援」制度を利用する場合の対象要件

「こどもみらい住宅支援」制度を利用するためには、次の各対象要件をすべて満たす必要があります。

【対象者】登録済み事業者からマンションを購入する、子育て世帯または若者夫婦世帯

①子育て世帯または若者夫婦世帯

●子育て世帯

→申請時点において2003年4月2日以降に出生した子を有する世帯
※子どもの年齢条件が合っていれば、親の年齢は関係ありません

●若者夫婦世帯

→申請時点において夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれた世帯
※夫婦のどちらかが満たしていればOKです

②登録済み事業者と不動産売買契約を締結し、新築分譲マンションを購入する

この制度では、あらかじめ登録された「こどもみらい住宅事業者」行い、交付を受けた補助金を購入者​に還元します。
つまり補助の対象となるのは、宅地建物取引業の免許を有したこどもみらい住宅事業者から購入した場合に限られます。

【対象住宅】7つの条件を満たした分譲マンションであること

条件1│購入者自らが居住する住宅である

新築分譲マンションを購入する人自身が居住する住宅であることが条件です。
申請時には、契約時に販売会社と交わす「不動産売買契約書」の契約者名と、「住民票の写し」に記載されている氏名・住所が一致しているかが確認されます。

条件2│新築物件である

購入するマンションが新築物件であることが条件です。
新築物件とは、下記2点の両方を満たす物件です。

  1. 不動産売買契約締結時点において、未完成または完成から1年以内の建物
  2. 人の居住の用に供したことがない(誰も住んだことがない)建物

竣工済みのマンションを購入する場合は、販売会社に該当するかどうかを確認しましょう。

条件3│土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地している

住宅の着工時点で、住宅の全部または一部が土砂災害特別警戒区域外に立地していることが条件となります。

土地(敷地)の一部が土砂災害特別警戒区域内に立地している場合でも、建物が区域外であれば対象となります。購入するマンションが土砂災害特別警戒区域に立地しているかどうかは、重要事項説明書で確認することができます。

条件4│住戸の床面積が50㎡以上である

購入する住戸の床面積が50㎡以上であることが条件となります。
マンションの場合は建物謄本の表題部、専有部分の建物表示の床面積が50㎡以上であるか確認されます。図面の専有面積が55㎡以下の場合は、該当する住戸かを販売会社に確認しましょう。

条件5│販売会社が登録事業者である

購入するマンションの販売会社が「こどもみらい住宅事業者」であることが条件となります。
登録事業者かどうか確認するには、販売会社に直接たずねるか、こどもみらい住宅支援事業のページ(国土交通省)で検索しましょう。

条件6│住宅性能要件を満たしている

住宅性能が下記3つのいずれかに当てはまることが条件です。
性能要件の詳細と確認方法は、次章「【交付される補助の額】住宅性能によって異なる。販売会社に確認を」で解説します。

  1. ZEH住宅
  2. 高い省エネ性能等を有する住宅
  3. 一定の省エネ性能を有する住宅

条件7│交付申請時、一定以上の出来高の工事完了が確認できる

交付申請時に、次の2つのどちらかを満たしていることが条件です。

  1. 基礎工事(杭基礎の場合は杭工事)の完了
  2. 省エネ性能等に応じた住戸あたりの補助額に総戸数を乗じた金額以上の出来高の工事完了
    建築工事の契約金額(税込)×出来高(%)≧ 住戸あたりの補助額(※1)×総戸数(※2)

条件2の場合は建築士による証明が必要
※1:条件6 住宅の省エネ性能等に応じた補助。マンションで住戸ごとに性能等が異なる場合は、最も高い補助額が適用されます
※2:戸建ての場合は1戸。マンションの場合は申請予定の有無・床面積・省エネ性能にかかわらず全住戸の数です

工事出来高確認書の作成は、登録事業者が行います。したがって購入者が確認することは特にありません。しかし制度の対象になるか気になる場合は、登録事業者である販売会社に工事の進捗状況を聞いてみると良いでしょう。

【対象期間】工事・契約・申請が全て対象期間内に行われていること

対象となるためには4つの期間全てを満たす必要があります。また予算が上限に達した場合、対象期限が前倒しになる可能性があることに注意が必要です。

①建築着工の期間

こどもみらい住宅事業者の事業者登録以降に建築着工した物件が対象となります。

②不動産売買契約期間

不動産売買契約の期間は、購入住宅の性能評価によって異なります。

■ZEH住宅・高い省エネ性能等を有する住宅

2021年11月26日~遅くとも2023年3月31日までに不動産売買契約をした人が対象となります。
※2023年3月31日より前に予算が上限に達すると対象期限が前倒しになる可能性があります。

■一定の省エネ性能を有する住宅

2021年11月26日~2022年6月30日までに不動産売買契約をした人が対象となります。

③基礎工事の完了時期

基礎工事の完了時期は、建築着工~遅くとも2023年3月31日までに完了している物件が対象となります。

④交付申請予約時期と交付申請時期

交付申請予約期限は2023年2月28日、交付申請期限は2023年3月31日までが対象となります。


【交付される補助の額】住宅性能によって異なる。販売会社に確認を

補助額は住宅性能によって異なります。販売会社である登録事業者に、住宅性能と補助額を確認しましょう。

ZEH住宅:100万円

強化外皮基準かつ再生可能エネルギーを除く基準一次エネルギー消費量▲20%に適合するもの
ZEH-M、ZEH Oriented、ZEH-M Orinted、ZEH Ready、ZEH-M Ready、Nearly ZEH、Nearly ZEH-Mも対象となります。

確認方法

  • BELS評価書にZEHマークまたはZEH-Mマークが表示されている
  • 設計住宅性能評価書または建設住宅性能評価書で、断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6に適合している

高い省エネ性能等を有する住宅:80万円

認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅

確認方法

  • 長期優良住宅建築等計画認定通知書がある
  • 低炭素建築物新築等計画認定通知書がある
  • 性能向上計画認定通知書がある

一定の省エネ性能を有する住宅:60万円

断熱等級4かつ一次エネルギー等級4を満たす住宅

確認方法

  • こどもみらい住宅支援事業対象住宅証明書がある
  • 省エネ基準への適合性に関する説明書に建物エネルギー消費性能基準への適合性について「適合」が表記されている
  • 設計住宅性能評価書または建設住宅性能評価書で、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4に適合している
  • BELS評価書に一次エネルギー消費量基準・外皮基準ともに「適合」と表示されている
  • フラット35S適合証明書および竣工現場検査申請書・適合証明書の金利Bプランの省エネルギー性にチェックがある

【申請方法】申請手続きは販売会社が行う

申請手続き、および補助金の受取と住宅購入者への還元は「こどもみらい住宅事業者」である販売会社が行います。
住宅購入者は、申請に使用する住民票などの準備をする必要はありますが、基本的な手続きは販売会社に任せることになります。進捗状況が不安な場合は、販売会社に確認してみましょう。

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Q&A

Q1 他の補助金との併用はできますか?

原則として、こどもみらい住宅支援と補助対象が重複する国の他の補助制度との併用はできません。
地方公共団体の補助制度については、国費が充当されているもの以外であれば併用できます。

併用できる補助制度(例)
  • すまい給付金
  • 住まいの復興給付金
  • 住宅ローン減税等の税制優遇
  • 被災者生活再建支援制度   …など

※住宅ローン減税等を併用する場合、住宅の取得価格等から控除する必要があります。詳しくは税務署等にご確認ください。

併用できない補助制度(例)
  • 地域型住宅グリーン化事業
    ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業
    ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化による住宅における低炭素化促進事業 …など

Q2 交付申請に費用はかかりますか?

こどもみらい住宅支援制度の交付申請に費用はかかりません。
ただし申請に必要な証明書類(住民票等)の準備に費用が必要になることがあります。

Q3 シングルマザー、シングルファザーも利用可能ですか?

18歳未満の子(2003年4月2日以降に出生した子)と同居している場合、ひとり親も制度の対象となります。

Q4 分からないことがあったら、どこに相談すべきですか?

購入予定または購入したマンションが対象になるかについては、「こどもみらい住宅事業者」である販売会社に相談しましょう。
制度そのものの仕組み等については、こどもみらい住宅支援事業のWEBサイト「よくあるご質問」で探すか、事務局に相談しましょう。

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