病気が原因で住宅ローンの審査が通らず、お困りではありませんか?
住宅ローンを考えている人の中には、持病や病歴があり団体信用生命保険(団信)の審査が難航する方もいます。そんな方は住宅ローンを組むことができないのでしょうか。
いいえ!諦めずに審査することで、通る可能性は十分にあります。
今回は、住宅ローンの団信に加入できなかった場合の4つの対処法をご紹介します。
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住宅ローンが病気で組めないケースとは
住宅ローンの借入れは、基本的に団信への加入が必須です。
団信とは、住宅ローン返済期間中、万一の病気や事故で亡くなった場合に、住宅ローンの残高が保険で支払われる保障制度のことです。団信への加入は、生命保険と同様に健康状態の審査が入ります。一般的な団信の場合、保険料は住宅ローンの金利に含まれており、別途にかからないことが多いです。
まず初めに、団信に加入できないケースを見ていきましょう。
団信への加入は年齢制限があり、20歳以上、71歳未満と設定されていることが多いです。
団信に加入できないケースとして考えられることは、持病や病歴があることです。
住宅ローンを組む際は、ローン審査の手続きに加え団信審査も行なうことが一般的で、持病や病歴などの「告知事項」の申告が必要になります。
告知事項の内容や年齢などを保険会社が総合的に判断し、加入できるかできないかが決まります。それでは、一般的な告知事項をご紹介します。
団体信用生命保険(団信)の3つの告知事項
告知事項1:直近3ヶ月以内の病歴
告知事項の1つ目は「告知日より過去3ヶ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるかどうか」です。
病名や審査を受けた日、投薬の期間の記入など、詳しく告知する必要があります。(ただし、かぜ、インフルエンザ、花粉症、虫歯の治療については告知不要。)
告知事項2:対象疾患による手術、投薬・治療等の履歴
告知事項2つ目は「告知日より過去3年以内に対象の疾患で手術を受けたこと、または2週間以上にわたって医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがあるかどうか」。
対象の疾患を、こちらの表にまとめています。
【対象疾患の例】
心臓・血圧 | 高血圧・不整脈・心房細動・狭心症・心筋こうそく・心臓弁膜症・先天性心臓病・心不全・心筋症・心筋炎 |
脳・精神・神経 | 脳卒中・脳動脈硬化症・能動脈瘤・精神病・うつ病・神経症・てんかん・自律神経失調症・アルコール依存症 |
胃腸 | 胃かいよう・十二指腸かいよう・かいよう性大腸炎・クローン病 |
肝臓・すい臓 | 肝機能障害・肝炎・肝硬変・すい炎 |
腎臓 | 腎炎・ネフローゼ・腎不全・のう胞腎 |
内分泌・代謝異状 | 糖尿病・甲状腺の病気・脂質異状症 |
目 | 緑内障・網膜の病気・角膜の病気 |
がん・しゅよう | ポリープ・上皮内新生物・がん・肉腫・白血病・しゅよう・悪性リンパ腫 |
その他の病気 | 肺結核・肺せんい症・肺気腫・ぜんそく・慢性気管支炎・白板症・リウマチ・こうげん病・貧血症・紫斑病 |
女性の病気 | 子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣のう腫・乳腺症・じゅうもう性疾患 |
病名、投薬の期間、手術を受けた日、入院の日数、現在の状況など、詳しく告知する必要があります。
告知事項3:手足の欠損、機能の障害など
告知事項3つ目は『手足の欠損または機能に障害があるか。または、背骨・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるか。』
こちらも、病名やいつ頃からか、投薬の有無、現在の状況などを詳しく告知する必要があります。
上記3つの告知事項に当てはまるものがある場合は、住宅ローンの審査が難航するかもしれません。しかし、病気に関する告知事項があるからといって、必ずしも団信に加入できないわけではありません。マンションの販売を担当している筆者のお客様では、緑内障や脂質異状症で審査が通った事例もありました。
無理だと諦める前に、まずはご自身の病歴と告知しなければいけない事項に当てはまっているかどうかを確認し、一度審査されることをオススメします。
- 正式名称の病歴を知っておきましょう。
- 手術を受けた日、入院日数などを把握しておきましょう。
- 投薬名や治療期間を把握しておきましょう。
- 場合によっては、診断書の提出が必要です。
団信に加入できなかったときの4つの対処法
住宅ローンの審査を受けてみて、病気が原因で審査に通らなかった場合は、住宅ローンを組むこと自体が難しいのでしょうか?いいえ!団信の審査に通らなかった場合でも、組むことは可能です。団信の審査が通らなかった場合に、ぜひ試していただきたい対処法4選を、オススメ順にご紹介します。
対処法1:他の保険会社で再チャレンジする
初めに試して欲しい対処法がこちらです。団信に加入できるかできないかは、保険会社が総合的に見て判断しますが、この判断基準は保険会社ごとに少し変わってきますので、A保険会社では落ちたけど、B保険会社では受かったという事例も当然あります。告知事項のある疾患が軽度の場合、保険会社を変えて、再チャレンジすることをオススメします。
銀行によってはいくつかの保険会社を取り扱っている場合もありますので、まずは担当者に相談してみましょう。銀行を変更すれば、取り扱っている保険会社が変わる場合もありますので、他の銀行に相談することもオススメです。
- どの保険会社で審査を出したのか確認しておきましょう。
- 銀行員や、住宅の営業マンに他の保険会社を取り扱っていないか確認しておきましょう。
対処法2:ワイド団信を利用する
次に、ワイド団信で試してみることをオススメします。ワイド団信は、普通の団信と比べ引受条件が緩和されており、金利は少し高くなるものの、比較的審査に通りやすくなっています。
告知事項2の表内にある病気でも、ワイド団信であれば通る事例はよくあります。引受条件が緩和されている代わりに、ワイド団信は一般の団信に比べ、住宅ローンの金利に+0.3%前後の金利が上乗せされます。
また、加入できる年齢が、50歳未満と設定されていることが多いです。そして、ワイド団信はどこの銀行でも取り扱っているとは限りませんので、確認が必要です。
対処法3:配偶者に団信をつける
配偶者も仕事をしていて収入がある場合は、配偶者に住宅ローンを組んでもらい、団信をつけるというやり方があります。配偶者の年収だけでは希望額が借り入れできない場合は、収入合算という形でローンを組むやり方もあります。
例えば:夫(年収400万円・団信に入れない)、妻(年収400万円・健康に異常なし)の場合
妻:債務者(団信に加入) 夫:連帯保証人 とすることも可能です。
この場合、奥様に保険が掛かっていますので、ご主人様に万が一のことがあっても保険適応にはなりません。ご自身では加入することが難しい場合、配偶者に収入があるのであれば、この方法を試してみることをオススメします。
- 配偶者の収入額を確認しておきましょう。
- 配偶者に持病や病歴の告知事項がないか確認しておきましょう。
- 配偶者名義で借入れがある場合、その借入れ内容の確認も必要です。
対処法4:フラット35で団信に加入しない
フラット35とは、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携している長期固定金利の住宅ローンです。フラット35では、団信に加入しなくても住宅ローンを組むことができます。万が一の保険がついていないので、保障が付かない分、金利は-0.2%安くなります。
とはいえ、保険に入れないので、ご自身に万が一のことがあった場合は、負債が相続されてしまいます。他の生命保険等で住宅ローン分を補えるような方にはオススメですが、民間の生命保険への加入も難しい場合は、最終手段と考えておいた方がいいですね。
- 万が一の事故があった場合、現在の保険でどこまで補えるかを確認しておきましょう。
~フラット35には金利が安くなるプランもあります~
対象住宅によっては「フラット35S」といって、金利が安くなるプランに対応しているものがあります。購入希望物件が「フラット35S」に対応しているかどうかも合わせて確認しておくといいですね。
まとめ
まずは、諦めずにいろいろなやり方で試してみてください。審査が通る保険会社が見つかるかもしれません。
審査の結果は、持病や病歴が軽度なのか重度なのかによって、当然変わってきます。
軽度の場合は、「いろいろな保険会社の審査を受けてみること」、重度の場合は、「ワイド団信から受けてみること」をオススメします。
対処法をどの順番で試すかについても、住宅の営業担当と相談してみましょう。
なお、告知事項の虚偽が発覚した場合は、保険契約の解除や、保険金が支払われなくなるという罰則がつくこともあります。告知事項は、正しく申告しておきましょう。
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