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くらしの歳時記【2026年5月・皐月】
くらしのヒント

くらしの歳時記【2026年5月・皐月】

5月の和名「皐月(さつき)」は、早苗を植える時期「早苗月(さなえづき)」を略したもの。
「早苗」とは稲の苗で、苗代から田に移し植える頃の大きさのものを指します。皐月の「皐」には「神に捧げる稲」という意味があることから、この字が当てられたと言われています。

気温もぐんぐん上がり、暦の上では初夏を迎える5月。新緑が目に眩しく、爽やかな風が心地よい季節です。そんな5月のくらしと風情を、歳時記とともにお届けします。


5月のこよみ

5月2日「八十八夜」(雑節)

八十八夜は、立春から数えて88日目。唱歌「茶摘み」で「♪夏も近づく八十八夜」と歌われるように、徐々に気温が上がり、春から夏に移り変わる節目の日です。

新茶の季節

茶畑

かつて茶農家は、この日に新茶となる新芽を摘み取りました。
長い冬の間にじっくり養分を蓄えて出てきた新芽は、風味が豊かなだけでなく、苦み成分であるカテキンが少なく、旨み成分のテアニンが豊富。そんな新芽からできる新茶は、古来から不老長寿や無病息災の縁起物とされています。

夏支度の目安

また、この日を目安に住まいの夏支度を始めます。
かつては「夏座敷」といって、襖や障子を簾戸(簾をはめ込んだ建具)に変更するなど、室内や調度品を風通しのよい夏向けのものに取り替え、気温と湿度の高い夏を凌ぐしつらえに調えていました。

現代の住まいで同じことを再現するのは難しいですが、エッセンスを取り入れることはできます。例えば部屋の見た目をすっきり整えたり、風の通り道を作って涼しさを感じられるようにしたり。ラグやクッションカバーの色や素材を夏向きのものに変えるのも良さそうです。

涼を感じる。五感で楽しむ。夏を快適に過ごすアイデアとインテリア
初夏の爽やかな風を感じると、夏のインテリアに模様替えしたくなります。楽しみな一方で、高温多湿で過酷な日本の夏。うまく乗り切るためのワザとヒントを解説します。

5月4日「春土用明け」(雑節)

5月4日、約18日間続いた春土用が明けます。
土用は、土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、期間中は土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を避けるべきとされてきました。

土用が明ければ、ようやく土に触れる作業が解禁されます。庭仕事や畑仕事、家の基礎工事など、春から初夏に向けて準備を始められる日。長い禁忌の期間を終え、大地が再び動き出す節目です。
2026年の春土用は4月17日に始まり、5月4日に明けます。

5月5日「立夏」(二十四節気)

立夏は、暦の上で夏が始まる日。新緑の季節の本格的なスタートです。

蛙の声が聞こえてくるようになるのもこの頃ですが、本格的な夏の暑さが始まるのはまだ少し先。日差しが強く気温が高くなる日もありますが、基本的には過ごしやすい気温と低い湿度で、爽やかな日が続きます。

木々の緑が日に日に深まり、風に初夏の香りが混じり始める季節。春の柔らかさから、夏の力強さへと移り変わっていく過渡期といえるでしょう。

5月21日「小満」(二十四節気)

小満は「陽気がよくなり、草木などの生物が次第に成長して生い茂る」時期のこと。秋に蒔いた麦の穂がつき、初夏の風物詩である梅が実をつけ始めます。

青梅

梅の実は6月初旬頃に収穫の時期を迎え、梅干しや梅シロップ・梅酒などの保存食を作る「梅仕事」が始まります。
万物が成長し、命が満ちていく季節。小満という名には、少しずつ満ちていく自然の豊かさが込められています。


5月の年中行事とイベント

5月5日「端午の節句」

端午の節句は、五節句(伝統的な年中行事を行う節目となる日)のひとつ。古く奈良時代から伝わる風習です。
もとは魔除けのために葵や菖蒲を飾るものでしたが、江戸時代の頃に「菖蒲」と「尚武(武道を重んじること)」の音が結びつき、男の子の節句として定着しました。

鯉のぼりに込められた願い

鯉のぼり

鯉のぼりを飾るのは、鯉が清流ではない池や沼でも生きていける生命力の強い魚であること、また「登竜門」の故事(竜門の滝を登り切った鯉は竜になる)になぞらえて、子供の成長と立身出世を願うためです。
青空を悠々と泳ぐ鯉のぼりには、どんな環境でも力強く生きていける子に育ってほしいという、親の願いが込められています。

5月10日「母の日」(5月第2日曜日)

母の日は、日頃の母の苦労を労り、感謝の気持ちを表す日。この「母の日」に該当する日は世界各国に存在しますが、その由来も日付もそれぞれ異なります。
日本における母の日は、アメリカから伝わったもの。その起源は1907年にまで遡ります。

母の日の由来

母の日のイメージ

南北戦争中に活躍した社会活動家であった母親を追悼するために、娘が教会でカーネーションを配ったのが始まりです。これをきっかけに母親に感謝するムーブメントが全米に広まり、1914年に米国議会が祝日に定めました。

日本に伝わったのは1913年、大正時代のこと。しかし全国的な行事として定着したのは、もう少し後の時代のようです。
カーネーションに感謝の気持ちを込めて——シンプルだからこそ、心に響く一日といえるでしょう。


5月の自然を表す「ことば」

上旬:新緑がほどけ、初夏の光が立ち上がるころ

風薫る│かぜかおる

薫風のイメージ

若葉を吹き渡る爽やかな風を「風薫る」と呼びます。漢語の「薫風(くんぷう)」の訓読みで、初夏を象徴する風です。冬の重さから完全に解放された空気を運び、青葉を揺らしながら吹き抜ける爽やかさは、季節の転換点を実感させるもの。

この風が強くなってくると、その表情は大きく変わります。青葉を激しく揺すって吹く強い風は「青嵐(あおあらし/せいらん)」と呼ばれるようになり、初夏の力強さを象徴するのだといえるでしょう。同じ風でありながら季節とともに役目を変えていく——そうした微妙な変化を敏感に感じ取った古人たちは、この風を数多くの俳句に詠みました。

青嵐│あおあらし

青嵐のイメージ

青葉をざわりと揺すって吹き抜ける、少し強い初夏の風を「青嵐」と呼びます。穏やかな「風薫る」に比べ、風の力が増し、木々の輪郭がいっそうくっきりして見える日があるもの。同じ季節の風でありながら、その表情は季節とともに大きく変わってゆくのです。

初夏が深まるにつれて、緑は「静かに香る」段階から「勢いよく鳴る」段階へと移ろっていきます。穏やかさから力強さへと変わりゆく、その微妙な段階の変化こそが、季節の進みを最も敏感に感じさせてくれるのだといえるでしょう。

若葉│わかば

若葉のイメージ

芽吹いたばかりの柔らかな葉を「若葉」と呼びます。新緑よりもさらに瑞々しく、光を透かすと輝くもの。風に揺れるたびに、季節の新しさが伝わってくるのです。

5月に入ると、初夏の光がこの若葉を通して一層明るく見えるようになります。景色全体を柔らかく照らし、空気さえもが清々しく感じるのは、若葉のこの透明感があってこそなのだといえるでしょう。五月晴れの爽やかさも、五月雨の潤いも、この瑞々しい若葉の色が映し出しているのかもしれません。

中旬:うっすら暑くなり、雨が緑を濃くしていく

薄暑│はくしょ

薄暑のイメージ

5月上旬から中旬にかけて、少し暑さを感じ始める時期を「薄暑」と呼びます。「夏」と言い切ってしまうほどの日射しではないものの、歩いていると肌にうっすら汗ばむ——そうした季節の微妙な段階を表現した言葉です。

この時期、日中の日差しは確実に強まってくるのに、朝夕の風は涼しく、日影を求める心地よさが残っているもの。強い陽射しと爽やかな風が同時に存在する、初夏から盛夏への確実な移ろいを肌で感じさせるのだといえるでしょう。
季節の変わり目をこれほど鮮烈に感じることができるのは、この薄暑の時期ならではなのです。

翠雨│すいう

翠雨のイメージ

新緑の時期に、青葉に降る雨を「翠雨」と呼びます。「翠」は草木の緑のことを指すため、「緑雨」と呼ばれることもあるもの。日ごとに色を深めていく若葉が初夏の雨に濡れ、瑞々しさをさらに増していく——そうした情景を表現した美しい呼び名です。

若葉が最も輝く5月に降るこの雨は、濡れた青葉をより一層鮮やかに見せます。雨に打たれた青葉は色を深め、日を増すごとにその濃さを増していくもの。そうした季節の移ろいを最も敏感に感じさせるのが翠雨なのだといえるでしょう。

夕薄暑│ゆうはくしょ

夕薄暑のイメージ

日中の熱がゆっくりと引き、夕方になってもほんのり暑さが残る時間帯を「夕薄暑」と呼びます。
昼の明るさから夜の涼しさへと移る途中、空気だけが少しだけ夏寄りになるもの。昼間全体を指す「薄暑」とは異なり、夕暮れのこの限定された時間にのみ感じられる微妙な季節感を表現した言葉です。

5月中旬の夕暮れに漂う「季節のひと足早い気配」。日中の蒸し暑さと夜の爽やかさが同時に存在するこの瞬間は、季節の確実な移ろいを肌で感じさせます。初夏へ向かう大地の歩みを、これほど鮮烈に教えてくれるのが夕薄暑なのだといえるでしょう。

下旬:梅雨の気配がにじみ、雨が季節を押し進める

走り梅雨│はしりづゆ

走り梅雨のイメージ

梅雨に入る前の時期に、数日間ほど天気がぐずつく現象を「走り梅雨」と呼びます。「走り」とは「先駆け」を意味し、梅雨入りするには少し早い5月下旬から6月上旬、本格的な梅雨に先駆けて梅雨を思わせるような雨天が続く様子を表現したもの。「迎え梅雨」「梅雨の走り」とも呼ばれます。

初夏の爽やかさに包まれていた5月も下旬に入ると、空気が少しずつ重くなり始めます。本格的な梅雨はまだ先のはずなのに、季節は確実に次の段階へ向かっているのです。こうした季節の微妙な転換を感じさせるのが、走り梅雨なのだといえるでしょう。

卯の花くたし│うのはなくたし

卯の花くたしのイメージ

5月下旬から6月上旬ごろ、しとしと降り続く雨を「卯の花くたし」と呼びます。これは走り梅雨の別名で、この時期に咲く「卯の花(ウツギ)」を散らし、腐らせてしまいそうに思えることから生まれた言葉です。

4月に白く可憐に咲いていた卯の花が、初夏への歩みの中で散っていく——その様子を見守るようなしとしとした雨。春から初夏へ移ろう季節の中で、花は消え、やがて深い緑が支配していくのだといえるでしょう。季節の終わりはけれども、次の季節への確実な始まり。こうした季節の循環を静かに示しているのが、卯の花くたしなのです。

迎え梅雨│むかえづゆ

迎え梅雨のイメージ

本格的な梅雨を迎える前触れとして降る雨を「迎え梅雨」と呼びます。走り梅雨と同じく季節の過渡期の雨ですが、晴れと雨が交互に訪れ、空の匂いが少しずつ湿り気を帯びていくもの。季節が確実に次の段階へ進んでいくのを肌で感じさせるのです。

梅雨の入口に立つこの時期、天気は定まらず、景色全体が湿度を増していきます。初夏から梅雨へ向かう季節の微妙な変化が、最も敏感に感じられるのだといえるでしょう。


今月のアンケート

くらしのアンケート

わざわざ聞くほどでもない。でも聞きにくい。そんな日常生活のちょっとした疑問——「そういえば、みんなどうしてるんだろう?」。
気になっているけど誰にも聞けなかったアレコレを、リサーチしてお届けします!

今月のお題は「ネットショッピング」

ネットショッピングイメージ

日々の買い物の中で、ネットショッピングを利用する機会が増えている人は多いのではないでしょうか。重いものを自宅まで届けてもらえたり、好きな時間に注文できたりと便利な一方で、受け取りの時間指定や梱包材の処理など、ちょっとした不便を感じることもあります。また実物を見ずに購入することへの不安や、送料の負担なども気になるところです。
あなたは普段、どのくらいネットショッピングを利用していますか?皆さんの利用状況や感じていることについて、教えてください。

回答期限:2026年5月25日(月)
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前回の「衣類クリーニング」の集計結果をみる

クリーニングイメージ

最近は、生活のちょっとした出費も見直す場面が増えてきました。
そこで今回は、クリーニング店の利用頻度や衣類の種類、気になっているサービスについてお伺いしました。

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※2026年1月27日~2026年2月24日に実施した「衣類クリーニング関するアンケート」のお届けいたします。

前回の「ご近所付き合い」の集計結果をみる

ご近所付き合いイメージ

同じ建物や地域で暮らすご近所の方々との関係は、日々の安心感や住み心地にもつながる大切な要素のひとつです。挨拶を交わす程度の関係が心地よいという方もいれば、いざというときに助け合えるつながりを求める方もいるでしょう。また、できるだけ距離を保ちたいという方もいらっしゃるかもしれません。

ご近所付き合いに対する考え方は、ライフスタイルや価値観によって様々です。あなたは普段、ご近所の方々とどのように関わっていますか?皆さんが思う理想の距離感について伺いました。。

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※集計結果の公開日が変更になり「回答締切日の翌月10日頃」となりました。今月は2026年2月25日~2026年3月30日に実施した「手帳に関するアンケート」のお届けいたします。

次回は6月・水無月編。
雨に洗われた緑がいっそう濃くなり、しっとりとした空気に初夏の気配が満ちる頃の、やわらかな光と季節の移ろいをお届けします。
どうぞお楽しみに。

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