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マンションのベランダガーデニングならではの注意点と植物選びのコツ

日々の暮らしの中に、自分の好きな花や緑があると自然と心が癒やされますよね。
「マンションだけどベランダでガーデニングがしたい」「窓から見える景色に花があればいいのに」、もしかしたら、そんな思いでこの記事を読まれているかもしれません。

もちろん、マンションのベランダでもガーデニングはできます。ただし、マンションでガーデニングを楽しむためには、管理規約の確認や近隣への配慮など「マンションならではの注意点」を知っておかなければいけません。加えて、ベランダでも育てやすい植物を選ぶことが大切です。

戸建てにはないルールとマナーをおさえながら、花と緑のある素敵なベランダを目指しましょう!


1. マンションのベランダガーデニングは管理規約とマナーを守って楽しもう

ベランダでのガーデニング

ガーデニングをはじめる前に、「マンションのベランダ」について正しい知識をもっておきましょう。多くのマンションのベランダは、完全なる専有部分ではなく「専用使用権のある共用部分」とされています。つまり、たとえ部屋の住人であっても「好きなようにしていい」というわけではないのです。

ベランダでガーデニングをするにあたり、必ず守らなければいけない管理規約とマナーについて具体的にみていきましょう。

1-1 ガーデニングの前にマンションの管理規約を必ず確認

ここからは、あなぶき興産の一般的なマンションの管理規約を参考に、代表的な禁止事項を紹介していきます。

ただし、管理規約の中身はマンションによってそれぞれです。以下の内容はあくまで参考にしていただき、必ずお住いのマンションの管理規約を確認してください。「おそらく大丈夫」と安易に考えたことが、あとからトラブルにつながることもあります。

もし、管理規約を読んでも分からなかったり、ベランダの使い方で不安なことがあったりするときは、事前に管理組合に聞くようにしましょう。

1-1-1 マンションの構造に手を加えない

ベランダガーデニングをしていると、床にタイルを敷いたり、壁面に植物を飾ったりといった工夫をしたくなりますよね。ベランダの雰囲気が変われば、ますますガーデニングが楽しくなるものです。

ベランダが素敵な空間に生まれ変わるのはいいのですが、このときマンションの構造に手を加えるのはNGです。

例えば、壁面に棚を打ちつけて固定したり、レンガを固めて花壇を作ってみたりといった行為は、ほとんどのマンションで禁止されているはずです。マンションの構造そのものを変形させたり、改造したりすることは絶対にやめましょう

1-1-2 鉢やプランターで避難経路をふさがない

さきほどもお伝えしたとおり、ベランダは専用使用権のある共用部分です。火事や地震といった緊急時には、ベランダがマンション住人の避難経路になります。

ですので、ベランダに置いてある鉢やプランターが避難の邪魔にならないようにしなくてはなりません。有事のときでも、安全かつスムーズに人がとおれるように通路を確保してください。

1-1-3 多量の散水をしない

多量の散水をしない

植物の成長に、水は欠かせません。しかしながら、多くのマンションはベランダでの多量の散水を禁止しています。

たくさんの水をいっぺんに流すと、排水しきれずに隣の部屋や階下にまで水漏れしてしまう恐れがあるからです。排水溝から水があふれるようなら、量が多すぎます。水やりの際は、十分に注意しましょう。

1-1-4 枯れ葉や土で排水溝を詰まらせない

ガーデニングをしていると、土の入れかえ、剪定した葉や枝、つみとった花殻や落ち葉などで、だんだんベランダが汚れてきます。

こういった汚れやゴミを放置しておくと、排水溝が詰まってしまいます。その状態で豪雨になれば、水漏れや汚水の逆流といったことになりかねません。

そうなる前に、鉢の下に受け皿を置いて土が流れにくいような工夫をしたり、排水溝にネットをしたりして詰まるのをふせぎましょう。マンションのベランダは定期的に掃除をして、常にキレイにしておきたいものです。

ベランダ掃除の方法は、こちらの記事をチェック!

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「ベランダの掃除ってあんまり重点的にしたことがないけれど、どうすればいいの?」とお悩みの方必見!お掃除が苦手な方も、またそうでない方も、ベランダを清潔に保つことができる方法をお伝えします。

1-2 マンションのベランダでガーデニングをするときのマナー

管理規約以外にも、マンションのベランダガーデニングでは守るべきマナーがあります。
マンションは、居住スペースが隣接しています。特に隣の部屋や階下の方に配慮し、お互いが気持ちよく過ごせるようにガーデニングをおこないましょう。

1-2-1 虫が集まりやすい・つきやすい植物は対策をしっかりと

虫が集まりやすい植物は対策を

植物を育てていると、自然と蝶や蜂が花の香りに誘われてやってきます。あえて虫が集まってくる花を植えて、生き物との共演を楽しむ「バタフライガーデン」という庭もあるほどです。

しかし、マンションのベランダにバタフライガーデンは向いていません。マンションにはたくさんの人が暮らしています。中には、虫が苦手な人もいるでしょう。

例えば、ゼラニウムの匂いは蜂が好んでやってきますが、ミントの香りは苦手です。飛んでくる虫を完全に防ぐことは難しいものですが、できるだけ周りに配慮した植物を選ぶようにしてください。

加えて、幼虫やカメムシ、アブラムシなどの病害虫も大量発生すると厄介です。植物が混み合って蒸れないように風通しをよくしたり、予防用の薬剤をまいたりして病害虫を寄せつけない工夫をしてください(逆に、強い薬剤を使ったり多量にまいたりして近隣の住人に迷惑をかけない配慮も必要です)。
また、日頃からよく植物の状態を観察するクセをつけておくと、病害虫を早くみつけられるので、大量発生を防ぐことができます。見つけたときはすぐに葉っぱから取り除き、駆除するようにしましょう。

1-2-2 香りの強い植物や肥料は避ける

虫が引きよせられるように、花には香りがあります。花の香りは季節の訪れを感じさせてくれますし、気持ちもリフレッシュしますよね。
例えば、香りの強い植物としてバラやジャスミンがありますが、香りの感じ方は人それぞれです。「好きな香りの花に囲まれたい」と思っても、限られたスペースのベランダで、そればかりを植えるのは近隣への影響を考えて避けたほうが無難です。

また、見落としがちなのが肥料の臭いです。牛ふんや鶏ふんといった有機肥料には臭いのキツイものがあるので、マンションのベランダで使うのは控えたほうがいいでしょう。
肥料を使う場合は、化成肥料を使うようにしてください。

1-2-3 ツルや葉が隣家に飛び出ないように剪定を

植物が大きく育ってくると、枝がのびて隣の部屋まで届くことがあります。特にツル性の植物は壁面をつたって伸びていきますので、注意が必要です。

ベランダでガーデニングをするのであれば、周囲に配慮して植物の成長をコントロールしなければいけません。ツルや葉が敷地を出て隣へ侵入しないよう、こまめに剪定を行うか、あるいはツルの先を上手に誘引するようにしましょう。

1-2-4 土の処分は自治体のゴミ処理ルールを守って

土の処理は自治体のルールを確認

実は土も使い続けているとだんだん弱ってきます。特に鉢やプランターで育てている場合は、定期的に新しい土と入れかえる必要があります。

そのときに、困るのが土の処分です。土の処分については、自治体のゴミ処理ルールによってまちまちです。少量であれば可燃ゴミや不燃ゴミで出せるところもあれば、ゴミとして引き取ってくれないところもあります。

まずは、お住いの地域のゴミ処理ルールを確認してみましょう。もし捨てられないようなら、土を購入した販売店に相談するようにしてください。

また、マンションで土を搬入・搬出する際には、土がこぼれないようにする必要があります。万が一、土で共用部分の廊下などを汚してしまったときは、きちんと掃除をするのがマナーです。

1-2-5 ベランダの外側はNG!鉢は安全な場所におく

スペースがないからといって、柵や手すりを飛び越えてベランダの外側に鉢を飾るのは非常に危険です。万が一、落下したときには人命にかかわる事故につながります。たとえ、管理規約に明記されていなかったとしても絶対にやめましょう。

また、鉢から土や水がこぼれ落ちると、階下の洗濯物を濡らしてしまったり、歩行者に土や水をかけてしまったりといったトラブルになります。鉢やプランターは、ベランダの内側かつ安全な場所に置き、周囲に気を配りましょう。


2. マンションのベランダガーデニングに適した植物選び3つのポイント

ガーデニングをするときには、環境にあった植物を選ぶことが大切です。特にマンションのベランダは、階数や方角によって日の当たる時間や場所が違います。そのため、環境にあわない植物は育たないこともあるでしょう。また、管理規約やマナーを考慮すると、「どんな植物でもいい」というわけにはいきません。

ベランダガーデニングに向いている植物を選ぶのは難しいですが、これからご紹介する3つのポイントを軸に植物を選んでみてください。

2-1 環境(日当たり・風通し・気温)を選ばない

マンションのベランダのように建物で囲まれた空間では、地上より気温が高かったり、風通しが悪かったりします。また、方角によっては強い西日が当たる場所や、長時間日当たりが確保できない場所もあるでしょう。ベランダの環境を見極めるのは、なかなか難しいことです。

そのため、マンションのベランダガーデニングには、あまり環境を選ばないオールマイティーな植物からはじめることをおすすめします。日向でも日陰でも育つ植物や、気温の変化に強い植物ならマンションでも育てやすいでしょう。

2-2 水やりの管理がしやすい

管理規約のところでもお伝えしたとおり、マンションでは多量の散水が禁止されていることがあります。水をほしがる植物もありますが、マンションのベランダで育てるには難しいかもしれません。
乾燥気味に育てても成長する植物であれば、水やりも少なくてすみますよ。

2-3 アブラムシなどの病害虫に強い

マンションのベランダの床は日差しが届かず、蒸れやすいのでアブラムシやハダニといった病害虫がつきやすくなります。病害虫は高温多湿が大好きです。

ベランダガーデニングには、できるだけ病害虫に強い植物を選びましょう。虫がよってこない植物、虫よけ効果が期待できる植物がいいでしょう。


3. マンションのベランダガーデニングにおすすめの植物

ベランダガーデニングに適した植物の選び方をおさえたら、さっそくガーデニングをはじめましょう。

マンションのベランダはスペースが限られているため、四季おりおりの花や緑が楽しめるように、さまざまな種類の植物をバランスよく取りいれると華やぎます。

とはいえ、たくさんの種類があって何から植えればいいか迷いますよね。
ここからは、実際に筆者が育てたことのあるものを中心に、体験談を交えながらベランダガーデニングにおすすめの植物を紹介します。

3-1 多肉植物(セダム、ルビーネックレス)

【特徴】

見た目にも可愛らしく、お世話も簡単な多肉植物はここ数年で人気が高まっています。

サボテンに代表されるように、砂漠などの乾燥地帯でも育ちます。水を蓄えておく性質があるため頻繁に水をやる必要はありません。生命力の強さが特徴です。

さほど環境を選ばず、省スペースで育てられるという点で、マンションでのガーデニングに向いていると言っていいでしょう。

【おすすめの種類】

  1. セダム
    セダム

    丈夫な多肉植物の中でも、セダムは強靭です。ほとんど手をかけなくても育ってくれます
    種類もたくさんあるのでお気に入りのセダムを見つけてみてください。
     
  2. ルビーネックレス
    ルビーネックレス

    名前のとおり、秋になると赤紫に色づいて季節の訪れを感じさせてくれます。
    ネックレスのように垂れ下がっていくので、ガーデニングのアクセントになります。
    ただ、多肉の中でも高温多湿に弱いので水のやりすぎには注意が必要です。

3-2 ハーブ(ローズマリー、ミント)

【特徴】

ハーブ類は、虫が苦手とする植物です。独特の香りは、虫を寄せつけにくいのでベランダガーデニングにおすすめです(香りが強すぎるものは近隣への配慮が必要です)。
育った葉は料理にも使えて便利ですし、野菜を育てるより省スペースで手軽に楽しめます。

【おすすめの種類】

  1. ローズマリー
    ローズマリー

    ローズマリーは常緑のハーブで、爽やかな香りと淡い色の花が楽しめます。品種によって、横に広がるものもあれば、縦に伸びるものもあります。
    害虫に強く、生育が旺盛で環境が合えばどんどん大きくなりますよ。
     
  2. ミント
    ミント
    清涼感のある匂いには、虫除け効果があります。他の植物も虫から守ってくれます。
    ローズマリーと同様に、繁殖力が強いので増えすぎてしまうことがあります。ただ、手間をかけずに育ってくれるのはいいところです。

3-3 つる性(アイビー(ヘデラ)、ワイヤープランツ)

【特徴】

つる性の植物は、寄植えの名脇役です。花々を引きたたせ、プランターに動きを与えてくれます。
マンションの場合、つるの方向に気をつけなければいけませんが、虫もつかず、お手入れもほとんど必要ありません。挿し木で簡単に増やせるので、ぜひ一株育ててみてください。

【おすすめの種類】

  1. アイビー(ヘデラ)
    アイビー

    日向でも日陰でも成長し、1年を通して緑の葉っぱが楽しめます。暑さ寒さに強く、肥料がなくても育つので、筆者はほとんど手をかけていません。それでも枯れることなく、つるを伸ばしています。
     
  2. ワイヤープランツ
    ワイヤープランツ

    ワイヤーのような細いつると、丸くて小さな葉が魅力です。夏には白い花も咲きます。少ない土でも育つので、ベランダガーデニングにはもってこいではないでしょうか。
    筆者は以前、ワイヤープランツの水やりを忘れて枯れそうになったことがあります。
    それでも、水を与えているうちに復活し、今では立派に育っています。とても強い植物です。

3-4 一年草(パンジー、マリーゴールド)

【特徴】

一年草とは、開花から枯れ落ちるまでのサイクルが1年以内の植物をいいます。一年草は、花の色が豊富で、ガーデニングに季節の彩りをそえてくれます。種ができたあとは枯れてしまいますが、種をとって次の季節にまた育てることもできます。

特に今回ご紹介する2つは開花時期が長く、寒い冬でも鮮やかな花をつけてくれますよ。

【おすすめの種類】

  1. パンジー
    パンジー

    寒さに強く、寒くなり始めたころから初夏まで、長い間にわたり花をつけます。園芸店やホームセンターでも手に入りやすく、病害虫にも強いので初めてガーデニングに挑戦するという人におすすめです。
     
  2. マリーゴールド
    マリーゴールド

    とても丈夫なので、放任しても綺麗に咲いてくれます。また、シーズンオフにはたくさんの種がとれ、発芽率も高いので簡単に株を増やせます。
    加えて、マリーゴールドの根には病害虫を抑える性質があります。ベランダガーデニングの味方になってくれるでしょう。

3-5 宿根草(オステオスペルマム、アジュガ)

【特徴】

宿根草(しゅっこんそう)は、植えっぱなしでも毎年花を咲かせて育つ植物です。常緑のものから地上部が枯れてしまうものまでありますが、時期がくればまた新しい芽を出します。

マンションのガーデニングは掃除にも気をつけないといけませんが、宿根草なら毎年植え替えなくていいので、土でベランダが汚れることも少ないでしょう。

【おすすめの種類】

  1. オステオスペルマム
    オステオスペルマム
    春の始まりから初夏まで、次々と花を咲かせます。耐寒性があり冬でも葉は枯れず元気ですが、日当たりのいい場所を好みます。
    花の色も豊富で、花の中央部と花びらのコントラストが印象的です。難しい管理は必要ないため、ガーデニング初心者に向いています。
     
  2. アジュガ
    アジュガ

    日陰のガーデニングに欠かせない、アジュガ。立ち上がった茎に、紫色の小さな花を無数につける姿が可愛らしい花です。
    耐陰性に優れているので、マンションのベランダで日当たりの悪い場所でも育ってくれます。ただし、冬には地上が枯れるので、鉢が寂しくならないように組み合わせを考えて植えましょう

3-6 木(シマトネリコ、ブルーベリー)

【特徴】

ベランダで木を育てるというと、なかなか難しいように思いますよね。しかし、大きくなりすぎないように鉢を選んだり、剪定したりすれば、マンションのベランダでもシンボルツリーを育てることができます。

【おすすめの種類】

  1. ブルーベリー
    ブルーベリー

    半日陰でも育ち、害虫被害もほとんど心配ありません。また、ブルーベリーは酸性の土を好むので、地植えより鉢植えの方が管理しやすいでしょう。成長しても大木にはならないので、ベランダで育てるのにぴったりです。
    春には白い小さな花が咲きますし、実が食べられるのも嬉しいですよね。秋になると紅葉してから葉が落ち、四季の移り変わりを感じられます。
    落ち葉の片付けはこまめに行なって、ご近所の迷惑にならないようにしましょう。
     
  2. シマトネリコ
    シマトネリコ

    こちらも、半日陰でも育つ木です。ブルーベリーとは違い、常緑樹ですので1年を通して緑の葉をつけます。病害虫に強く、シンボルツリーとして人気があります。
    育てやすいのはいいのですが、シマトネリコは背が高くなりがちです。ベランダのサイズに合わなくなる前に、強剪定して成長スピードをコントロールする必要があります

4. まとめ

ベランダガーデニング

マンションのベランダは、植物にとっていつもと違う環境です。日当たりや風通しを考慮し、育てやすいものを選んでも、うまくいかないことがあるかもしれません。しかし、それがガーデニングの難しいところであり、面白いところです。

園芸店やホームセンターでは、実にさまざまな種類があります。あなたのお家のベランダと相性のいい植物が、きっと見つかるはずです。
ベランダでのガーデニングに向く植物は、こちらの記事でも紹介していますので、合わせて参考にしてみてください。

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マンションならではのルールを守りながら、ぜひベランダガーデニングを楽しんでくださいね。

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