最大3,000万円まで贈与税が非課税に!住宅取得等資金贈与の改正点を徹底解説

住宅取得等資金贈与

住宅を購入する際に、親御さんからの資金援助がある!という方。チャンスです。
親から子への資金贈与は本来であれば、税金が発生します。

しかし、こと住宅購入に関してはその税金が非課税になることがあるのです!これを「住宅取得等資金贈与の特例」と言います。

今まではこの非課税枠が最大1,200万円だったのに対して、消費税増税後はなんと最大3,000万円までが非課税となりました。
今回はこの拡充についてお話していきます。

最大3,000万円まで非課税!住宅取得等資金贈与の特例改正点

「住宅取得等資金贈与の特例」とは、下記の通りです。

平成27年1月1日から令和3年(2021年)12月31日までの間に、父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税となります。(以下、「非課税の特例」といいます。)

なお、非課税の特例の適応を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適応を受ける旨を記載した贈与税の申告書に計算明細書、戸籍の謄本、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。

「国税庁HP No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」より

消費税増税にともなって、この非課税枠が最大3,000万円まで拡充となりました。
非課税限度額は下記のとおり、住宅用家屋の新築等の契約締結日や家屋の種類によって異なります。

※下表(1)は省エネ住宅の場合、(2)はそれ以外の住宅の場合の限度額です。
(詳細は、後述「ここに注目!3つのポイント」をご参照ください。)

住宅取得等資金贈与の特例

住宅取得等資金贈与の特例を受ける条件

住宅取得等資金贈与の特例を受けるためには「人」(受贈者)・「もの」(取得する物件)についてそれぞれ条件があります。それぞれチェックしていきましょう。

特例を受ける「人」(受贈者)の8つの条件

受贈者(贈与を受ける人)の条件が8つあります。この8つ全てを満たす受贈者が特例の対象となります。

  1. 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること
    ※直系卑属・・・子・孫などのこと
  2. 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること
  3. 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  4. 平成21年分~26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと(注1)
  5. 配偶者や親族などから取得、又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をした物件を取得する者ではないこと。
  6. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること(注2)
  7. 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること
  8. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること(注2)

(注1)
平成27年分以降の贈与税の申告で、既に「非課税の特例」の適応を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合には、その金額を控除した残額が非課税限度額となります。ただし、消費税10%が適応される物件の場合は、平成31年3月31日までに住宅用の家屋の新築等に係る契約を締結し、既に非課税の特例の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合でも、その金額を控除する必要はありません。

(注2)
申告期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)までに(1)家屋の新築や増改築工事が完了していない(上記要件6を満たさない)が、棟上げまでは完了している場合や、(2)新築若しくは取得又は増改築等したが、居住できない(上記要件8を満たさない)理由がある場合には、その旨と居住予定時期等を記入した約定書を添付して申告することにより特例を受けることができます。

特例をうける「もの」(取得する物件)の条件

「もの」に関しては「新築又は取得」の場合と、「増改築等」の場合の2つに大きく分けられ、それぞれについて条件が定められています。ただし、どちらの場合も大前提として対象となる住宅用の家屋は「日本国内にあるもの」に限られます。

新築又は取得の場合の要件

  1. 床面積が50㎡以上240㎡以下かつその家屋の床面積の2分の1以上が居住の用に供される
  2.  次の(1)~(4)のいずれかに該当すること

    (1)建築後、使用されたことのない住宅用の家屋
    (2)建築後、使用されたことのある住宅用の家屋で、その取得の日以前20年以内に建築されたもの(耐火建築物の場合は25年以内)
    (3)建築後、使用されたことのある住宅用の家屋で、地震に対する安全性に係わる基準に適合するものであることにつき、一定の書類により証明されたもの
    (4)上記(2)及び(3)のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その住宅用の家屋の取得の日までに、同日以後その住宅用の家屋の耐震改修を行うことにつき、一定の申請書等に基づいて都道府県知事などに申請をし、かつ、贈与を受けた翌年3月15日までにその耐震改修により、その住宅用の家屋が耐震基準に適合することとなったことにつき、一定の証明書等により証明がされたもの

増改築等の場合の要件

  1. 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものであること。
  2. 増改築等に係る工事が、自己が所有し、かつ居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて。「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
  3. 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること
    また、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住の用に供される部分の工事に要したものであること

※詳しくは国税庁HPをご覧ください。

ここに注目!3つのポイント

3つのポイント
3,000万円の非課税枠が適応されるためには、2つのポイントがあります。
また、3つ目のポイントとして、ほかの制度との併用により3,000万円よりもっと多くの非課税枠を受けられる場合があることを押さえておきましょう。この章ではそれら3つのポイントについて紹介します。

POINT1「2020年3月31日までの契約」かどうか

3,000万円の非課税枠が適応されるためには、住宅用家屋の新築等に係る契約締結期間がポイントとなります。

具体的には「2019年4月1日~2020年3月31日の間に新築等の契約を締結すること」です。たとえば、契約時期がこの期間を過ぎると以下のように非課税枠が減ってしまうので、大きな額の贈与を受ける場合には、早い方がメリットがあります。

契約時期 非課税枠
2019年4月1日~2020年3月31日 最大3,000万円
2020年4月1日~2021年3月31日 最大1,500万円
2021年4月1日~2021年12月31日 最大1,200万円

POINT2 「一定の基準を満たす住宅(省エネ住宅)」であるかどうか

3,000万円の非課税枠が適応になるためには、「一定の基準を満たす住宅(省エネ住宅)」であることが条件となります。その省エネ住宅となるための「一定の基準」とは下記のようなものです。

  1. 断熱等性能等級4もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること
  2. 耐震等級2以上もしくは免震建築物であること
  3. 高齢者等配慮対策等級(専有部分)3以上であること

以上のいずれかを満たす住宅用の家屋であることにつき、一定の書類により証明されたものが「一定の基準を満たす住宅(省エネ等住宅)」となります。取得される物件がこのような物件がどうか、確認するようにしましょう。

POINT3 暦年贈与または相続時精算課税選択の特例との併用可能!

住宅取得等資金贈与の非課税特例は「暦年贈与」または「相続時精算課税選択の特例」と併用可能です。
「暦年贈与」とは年間110万円までであれば贈与税が非課税という制度です。つまりこの制度を併用することで、最大3,000万円+110万円=3,110万円までを非課税で贈与することが可能になります。
また、この暦年贈与で非課税となる110万円は住宅取得資金贈与の特例のように使途が限定されないので、計画的に利用しましょう。

「相続時精算課税選択の特例」とは
令和3年12月31日までに、父母又は祖父母からの贈与により、新築等の住宅取得等資金を取得した場合で、一定の要件を満たすときには、贈与者がその贈与の年の1月1日において60歳未満であっても相続時精算課税を選択し、最大2,500万円まで特別控除を受けることができます。
つまりこの制度を併用すると、最大3,000万円+2,500万円=5,500万円までを非課税で贈与することが可能になります。

ただし、前年以前において既にこの特例を利用している場合は、その金額と2,500万円の差額が特別控除の上限となり、それを上回る金額については一律20%の税率を乗じた額が贈与税として課税されます。
また、一度でもこの特例を適用した場合は、その後同じ贈与者から再び生前贈与を受けても、暦年贈与による110万円の基礎控除を利用することはできません。

まとめ

住宅取得等資金贈与の非課税特例について解説してきました。
お子様の住宅取得の際に贈与をお考えの方は今がチャンスと言えるでしょう。また、お子様が住宅を取得するきっかけ作りにもなると思います。ご家族で集まった時など、この機会にお話されてみてはいかがでしょうか。

※この記事は、2019年10月時点の制度を元に執筆しています。

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