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住宅取得等資金贈与
お金・住宅制度

最大1,000万円までの贈与が非課税に!住宅取得等資金贈与を解説

住宅価格の上昇に伴い、親や祖父母からの資金援助を受けてマイホームを購入する人が増えています。
資金援助で気になるのが、贈与税。実は住宅取得のための資金贈与には非課税制度があります。
ただし制度の特例を受けるには、贈与を受ける人や取得する住宅に条件があり、さらに非課税枠を超えた場合も他の制度を併用できるなど、知っておきたいポイントがあります。

今回は、住宅取得等資金贈与の非課税についてお話していきます。
※この記事は、2025年1月時点の制度を元に執筆しています。


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最大1,000万円まで!住宅取得等資金贈与の非課税とは

「住宅取得資金贈与の非課税制度」とは、父母や祖父母などの直系尊属から、自己居住用の住宅の新築、取得、増改築するための資金を贈与された場合、以下の金額を上限に贈与税が非課税となる制度です。

 質の高い住宅一般住宅
贈与税の非課税限度額1,000万円500万円
適用期限令和6年1月1日~令和8年12月31日までに贈与

令和5年までの時限立法でしたが、令和6年度の税制改正により、適用期限が3年間延長されています。
制度を利用するには期限以外にも、取得する住宅の床面積や贈与を受ける人の所得などの要件を満たす必要があります。


住宅取得等資金贈与の特例を受ける要件

住宅取得等資金贈与の特例を受けるためには「人」(受贈者)・「もの」(取得する物件)についてそれぞれ条件があります。それぞれチェックしていきましょう。

特例を受ける「人」(受贈者)の8つの条件

受贈者(贈与を受ける人)の条件が8つあります。この8つ全てを満たす受贈者が特例の対象となります。

  1. 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(子・孫など)であること
    ※配偶者の父母や祖父母は該当しませんが、養子縁組をしている場合は「直系卑属」となります。
  2. 贈与を受けた年の1月1日において、18歳以上であること
  3. 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(ただし、住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は、1,000万円以下)であること
  4. 平成21年分~令和5年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと
  5. 配偶者や親族などから取得、又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をした物件を取得する者ではないこと。
  6. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること(注)
  7. 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること
  8. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること(注)

(注)
以下の(1)(2)の場合には、申告期限(贈与を受けた年の翌年3月15日)までに居住予定時期等を記入した約定書を添付して申告することにより特例を受けることができます。

(1)家屋の新築や増改築工事が完了していない(上記要件6を満たさない)が、棟上げまでは完了している場合
(2)新築若しくは取得又は増改築等したが、居住できない(上記要件8を満たさない)理由がある場合(※) 
※ただし、翌年12月31日までには入居する必要があり、入居できない場合は修正申告をしなければなりません。

特例を受ける「もの」(取得する物件)の条件

「取得する物件」については、「新築又は取得の場合」と「増改築等の場合」の2つに大きく分けられ、それぞれについて条件が定められています。ただし、どちらの場合も大前提として対象となる住宅用の家屋は「日本国内にあるもの」に限られます。

新築又は取得の場合の要件

  1. 家屋の登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、なおかつその家屋の床面積の2分の1以上が居住のために使われるものであること
  2.  次の(1)(2)のいずれかに該当すること

    (1)建築後、使用されたことのない住宅用の家屋
    (2)建築後、使用されたことのある住宅用の家屋で、新耐震基準に適合しているもの
     (登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅用家屋とみなされる)

増改築等の場合の要件

  1. 増改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積が40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住のために使われるものであること。
  2. 増改築等に係る工事が、自己が所有して居住している家屋に対して行われた工事であり、一定の工事に該当することについて「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。
  3. 増改築等に係る工事に要した費用の額が100万円以上であること
    また、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住のために使われる部分の工事に要したものであること

※詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。


住宅取得資金贈与の非課税制度のポイント

3つのポイント
住宅取得資金贈与の非課税制度を利用する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。

省エネ等の基準を満たす住宅では非課税枠が大きい

「質の高い住宅」では、非課税限度額が1,000万円となります。質の高い住宅とは一定の省エネ基準をクリアした住宅のことです。具体的には以下の要件を満たすことが求められています。

【質の高い住宅の要件】以下の1~3のいずれかの条件を満たすこと
新築住宅の場合1. 断熱等性能等級5以上(ただし、結露の発生を防止する対策に関する基準を除く)、かつ一次エネルギー消費量等級6以上
※ただし、令和5年末までに建築確認を受けた住宅または令和6年6月30日までに建築された住宅は『断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上』
2. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上、または免震建築物
3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上
既存住宅、増改築の場合1. 断念等性能等級4以上、または一次エネルギー消費量等級4以上
2. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上、または免震建築物
3. 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上

新築住宅の場合、建築年月日等によって基準が異なりますので注意しましょう。
該当する場合には、住宅性能証明書などの証明書類が申告時に必要となります。

暦年課税または相続時精算課税選択の特例との併用ができる

住宅取得等資金贈与の非課税限度額を超えた贈与を受けた場合でも、「暦年課税」または「相続時精算課税選択の特例」を併用することが可能です。

暦年課税への併用

「暦年課税」とは年間110万円までであれば贈与税が非課税という制度です。つまりこの制度を併用することで、最大1,000万円+110万円=1,110万円までを非課税で贈与を受けることができます。
ただし、この暦年課税で非課税となる110万円は住宅取得等資金贈与の特例のように使途が限定されないので、計画的に利用しましょう。

相続時精算課税制度との併用

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母から18歳以上の子または孫に対して贈与を行う場合に、2500万円までは贈与時に贈与税が課税されず、相続の際に贈与額と相続財産を合計して相続税を計算、納税する制度です。住宅取得のための資金贈与の場合は、「60歳以上」という贈与者の年齢制限がなくなります。
また、年110万円の基礎控除とも併用ができるため、最大1,000万円+2,500万円(※)+110万円=3,610万円までを贈与税が課税されずに贈与を受けることができます。 ※贈与者が1人の場合

※相続時精算課税制度を利用するには、贈与時にこの制度利用を選択し、書類を提出する必要があります。また、相続時に相続税が課税される可能性があります。

住宅取得資金贈与の非課税制度と相続時精算課税制度の併用については、こちらで詳しく解説しています。

住宅取得等資金の「贈与税非課税制度」と「相続時精算課税制度」の活用方法
住宅取得を検討し始めた方へ、贈与の非課税制度と、相続時精算課税制度について解説します。

まとめ

住宅取得等資金贈与の非課税制度について解説してきました。
ただし贈与額が限度額の範囲内で非課税となる場合でも、申告手続きが必要ですのでご注意ください。

※この記事は、2025年1月時点の制度を元に執筆しています。

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