マンションのチラシやモデルルームで目にする「ワイドスパン」というワード。具体的に、何がどのようにワイドスパンなのかはよく知らない、という方も多いと思います。
近年では建築費高騰の影響を受けて、新築マンション市場にワイドスパンのお部屋は出にくくなっていますが、魅力やさまざまなメリットのある、人気のマンションの間取りです。
この記事では、ワイドスパンの定義と代表的な間取りの解説、そしてワイドスパン以外の間取りとの違いや、メリット・デメリットを比較をしていきます。実際にマンションを購入するとしたら、どんな間取りが自分には向いているのか。その判断材料にしていただければと思います。
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・生活スタイルから考えるお部屋の向き
・家事動線のよい間取りの選び方
ワイドスパンの間取り=バルコニー側の間口が広いマンションの間取り
「ワイド=幅が広い」
「スパン=構造柱間の幅」
という言葉通り、柱間(マンションにおいてはバルコニー側の間口幅)が広い間取りのことを指します。
一般的には、バルコニーのある側の隣住戸間(間口)の距離が7~8m以上のもので、ワイドスパンではない(間口が7m以下)間取りに比べて、お部屋の配置や窓の数などに差が生まれます。
バルコニーも、ワイドスパンの間取りは幅が広く、さまざまな用途に使えそうです。
ワイドスパンのメリット・デメリット
ワイドスパンは間口が広い間取りということはお分かりいただけたかと思います。では、間口が広いというのは具体的にどういうことなのでしょうか。一般的なワイドスパン間取りのメリット・デメリットを解説します。
メリット
間口が広くなり、窓を多く設置でき採光量が増える。
窓の面積が増える=採光量が増えるので、室内が明るくなります。また窓の数が多いことで、お部屋の圧迫感も軽減されます。
バルコニーの幅が広くなり、開放感が増す
ガーデニングやカフェスペースとしても使えるほどの余裕があります。
間取りのバリエーションが多く、居住性が高い
ワイドスパンでない「たて型間取り」に比べて部屋の配置の自由度が高くなるので、間取りのバリエーションが多くなります。また廊下を短くして部屋間の移動距離を少なくしたり、各部屋の収納スペースを確保したりがしやすいので、居住性の高いお部屋になります。
デメリット
最大のデメリットは、全体の住戸数が減って、一住戸あたりの販売価格が割高になること
一般的にワイドスパンのマンションは価格が高くなる傾向にあります(もちろん例外はあります)。下図は同じ幅・高さのマンションを、ワイドスパン間取り・たて型間取りでそれぞれ分割したものですが、ワイドスパンの場合は分割できる住戸数が少なくなっているのが分かりますね。
分割できる数=全体の住戸数が少なくなれば、必然的に一住戸あたりの販売価格は高くなります。
また住戸数が少なくなれば、一住戸あたりの管理費・修繕積立金・インターネット費用等にも影響が出てくることがあります(※共用設備の大小によるため、必ずしもワイドスパンのランニングコストが高いというわけではありません)。
窓の面積が増える分、外気の影響を受けやすく断熱性が低い
鉄筋コンクリート(断熱材含む)に比べて窓ガラスは熱の影響を受けやすいため、窓の数が増える分、断熱性が悪くなってしまいます。そのため冷暖房費が高くなってしまう可能性があります。
ただし最近ではペアガラスや二重サッシといった、断熱性能の高い窓・サッシが採用されていることが多いので、ワイドスパンの間取り検討する際は確認することをおすすめします。
一般的な間取りに比べてインテリア費用が高くなりがち
たて型間取りに比べると窓の数が増えるので、カーテンの費用がより多く必要になります。
ワイドスパンの代表的な間取り4つ
1.センターリビングタイプ
名前の通り、リビングがお部屋の中心に配置されるタイプでワイドスパンの代表的な間取りです。バルコニー面に3部屋並ぶ形で配置されており、ワイドスパンでなければ作りにくい間取りです。
この間取りのポイント
- 廊下が短く、部屋内の面積を有効的に使うことができる
- 主要採光面(バルコニー面)に面する部屋が多くなる
共用廊下側の部屋は腰窓となるケースが多いためお部屋内の採光は少なめですが、バルコニーに面するお部屋の窓は出入りができるように掃き出し窓が設けられているため、お部屋内にも多く光を取り込むことができます。
しかしリビングを真ん中に挟んで2部屋配置の間取りは、トイレやお風呂に行くときには必ずリビングを通ることになるので、子供が年頃になってくると好まれないかもしれません。
2.キッチン・バルコニー隣接タイプ
たて型間取りではバルコニー面と対面に配置されるケースが多いキッチン。ワイドスパンなら、バルコニー面にキッチンが設置できます。キッチンに立っていてもテレビがまっすぐ見える、人気な間取りです。
この間取りのポイント
- 廊下からLDKに入るときにキッチンを通らないので、シンク部分や洗い物などを見せることなく、生活感を感じさせにくい
- キッチン横に勝手口がつき、バルコニーをごみの仮置きスペースとして使うことができる
- 水回りがまとまっているので、洗濯をするときの動線が良い
- バルコニー側にキッチンがあってもリビングダイニングのスペースが十分に確保でき、家具の配置もしやすく、使い勝手がよい
3.水回り飛び出しタイプ
角部屋に採用されることが多い間取りです。水回りをバルコニー側に出すことによって、家事動線や換気に優れた間取りとなっています。
この間取りのポイント
- 水回りが集約されているので家事動線が良く、生活にゆとりが生まれる
- 洗面室、お風呂に窓ができるので換気がしやすい
一方で…
- お風呂やサニタリースペースは外気の影響を受けやすいため、冬場はお風呂上りが寒い
4.LDK中央配置タイプ
この間取りは角部屋に採用されるケースが多く、ワイドスパンを利用してLDKスペースの奥行をとにかく長くした間取りです。
この間取りのポイント
- LDKが広く、奥行きがしっかりとれる
- バスルームに窓が付き、換気がしやすい
一方で……
- LDKに扉が多くなるので、家具のレイアウトが難しい
- LDKに掃き出し窓が少なく、採光が不十分(暗い印象になる)
ワイドスパンの間取りに向いている人・向いていない人
ワイドスパンの間取りが向いている人
家族とのコミュニケーションを大切にしたい人
ワイドスパンの間取りはリビングを中心とした間取りが多く、リビングを介して居室へ入るといったお部屋のため、子供が学校から帰ってお部屋にこもりっきりといったことが少なくなります。
また、子供の勉強もすぐ近くで見ることができます。
日当たり・風通しを重視する人
窓が増えることで部屋内への日当たりが良くなり、水回りに窓がつく間取りも多いため、
日当たりや風通しを重視したい方にはおすすめです。
ガーデニングなどバルコニーを使う趣味がある人
バルコニーの面積をしっかりとることができるため、バルコニーを使った趣味を充実させることができます。また、洗濯物を干すスペースも増えるためおすすめです。
ワイドスパンの間取りが向いていない人
プライバシー(家族間含む)を重視する人
ワイドスパン間取りはリビングを中心とし、居室から必ずリビングを通らないと家の中を移動できない動線になっていることが多く、子供が年頃になってくると嫌がるかもしれません。
購入費用を抑えたい人
デメリットのところでも解説したように、ワイドスパンの間取りは購入費用が割高になりがちです。
ワイドスパン以外の間取りと比較してみよう
さいごにワイドスパン以外の間取り5タイプの特徴を、メリット・デメリットとともに紹介します。
田の字型タイプ
マンションの間取りでもっとも目にするのが、この「田の字型」と呼ばれる間取りです。
玄関を入って、廊下の両サイドに洋室、廊下を進むとLDKともうひと部屋があるのが代表的な間取り。
間取り図を見たときに、漢字の「田」に見えることが「田の字型」の名前の由来となっています。
メリット |
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デメリット |
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センターインタイプ
センターインタイプは、タワーマンションなどの内廊下設計のマンションで多く採用されている間取りです。
内廊下設計とは先ほどの田の字型とは異なり、玄関側の共用廊下が外に出ておらず、ホテルの廊下のようにエレベーターや廊下などが建物内に収まっているマンションことです。
メリット |
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デメリット |
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PP分離とは
Pulic(LDKや客間などのパブリックな空間)とPrivate(ベッドルームやサニタリーなどのプライベートな空間)を分けた間取りのこと。マンションにおいては、廊下を挟んで左右にパブリックな空間とプライベートな空間を配置した「センターイン型」が代表的なPP分離の間取りです。
角部屋タイプ
角部屋とはマンションの建物の一番端のお部屋で3方向から採光を取り入れることが可能なお部屋です。
角部屋以外のお部屋を中部屋と呼び、比較すると角部屋のほうが面積が広く、さまざまなバリエーションのお部屋があります。
メリット |
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デメリット |
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エレベーター隣接タイプ
マンション共用エレベーターがすぐ横に隣接設置されたプランです。
メリット |
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デメリット |
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バスルーム中心、動線重視タイプ
名前のとおり、バスルームを中心として廊下・LDK・洗面室・居室をぐるっと一周できてしまうタイプです。
メリット |
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デメリット |
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まとめ
日当たりの良い広いリビングで、常に家族集まって過ごしたい。気候の良い季節にはバルコニーでくつろいだり、ガーデニングを楽しみたい。そんな方にはワイドスパンの間取りがおすすめです。
住まい探しにあたっては多くの間取りをみることになり、いったい自分にはどんな間取りが向いているのだろうと悩むことが多くなるかと思います。そんなときは広さや採光、収納や家事動線といった要素から、自分や家族の生活の中では何を優先するかを考え、最適な間取りをお選びください。
それでも選びきれない場合は、当サイトや販売営業所・モデルルーム等の営業スタッフをどんどん頼ってください。きっと解決のヒントを得られるはず。
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