気に入った間取りで、予算も問題ない。
でもその住戸はエレベーターの真横……。
マンションのエレベーター横の住戸は、音や振動の影響が心配で購入するのをためらう方も多いでしょう。しかしそういったイメージだけでエレベーター横の住戸を検討から外すのは少し早いかもしれません。なぜなら現在のマンションでは、エレベーター横の住戸でも快適に過ごせるように、音や振動を感じないようなさまざまな対策がとられているからです。
今回はエレベーター横の住戸について、採られている対策や生活への影響と、購入前にチェックしたいポイントを、あなぶき興産のマンションを例に解説します。
目次
エレベーター横に住戸がある場合の音・振動対策
時間を問わず稼働する機械(エレベーター)が住戸横にあることで、音や振動が生活に影響するのではないかと心配する人は多いでしょう。しかしそういった不安を払拭すべく、各社様々な対策を採っています。
ここでは、あなぶき興産の音・振動対策について紹介します。
エレベーター周りの壁厚を250mmに設定
一般的な戸境壁では壁厚200mm程度ですが、エレベーター周りの壁厚を250mmに設定しています。通常の壁よりも厚さを持たせることで、音や振動を伝わりづらくしています。
エレベーター周辺には水回り設備や収納を設置
壁の厚みで対策をしても、もちろん音や振動がゼロになるわけではありません。そのためエレベーターの周辺には居室ではなく、水回り設備や収納など、多少の音や振動があっても生活に影響のないスペースを配置するようにしています。
またレイアウト上、どうしても居室が隣接してしまう場合は、防音材のグラスウールを設置するなどして配慮しています。
共用部にエレベーターを配置し、エレベーターが建物から突き出す形になる場合、地盤によってはエレベーター部分の建物を支えるための杭を打つ必要がありますが、エレベーターが建物の中に配置されている場合は、エレベーター部分が建物と一体になるため杭工事の必要がなくなり、その分の材料費をカットできるというわけです。
建築費の高騰はマンションの販売価格にも影響します。住むうえで影響しない範囲で建築費を抑える工夫をし、販売価格への転嫁を抑える狙いがあるのです。
エレベーター横住戸の特徴、生活への影響
エレベーター横の住戸に住むというのは、実際にどのような感じなのでしょうか。エレベーター横住戸の特徴と、生活に及ぼす影響について紹介します。
エレベーターまでの距離が短く移動が楽
エレベーター横の住戸で一番に挙げられるメリットは移動が楽ということでしょう。
私もエレベーター横の住戸に住んだことがありますが、忘れ物をした時や買い物の帰りはもちろん、出かける際には玄関ドアの鍵を閉める前にエレベーターを呼んでおくなど、移動がとても楽で快適に住めました。1日のうちではわずかな時間短縮かもしれませんが、長期間住むことを考えると大きな違いです。
他の間取りに比べて収納量が多い傾向がある
前章の対策で紹介した通り、エレベーター横には多少の音や振動があっても生活に影響のないスペース、つまり収納や水回り設備を配置することが多い傾向にあります。
それはつまり、他の間取りよりも収納量が多いと言うこと。室内をスッキリ保つためにも、収納量が多いのは嬉しいですよね。
エレベーター前に人が溜まり、話し声などが気になる場合がある
エレベーター待ちのために人が溜まり、話し声が気になる場合があります。
ただし共用部にエレベーターがある場合と違い、エレベーターに隣接する住戸は、共用廊下側に居室が配置されていることが少なく、結果として話し声があまり気にならないということも多いようです。
エレベーターのアナウンス音が気になる場合がある
エレベーターはバリアフリーのために「下にまいります」や「ドアが閉まります」といったような音声案内を行います。したがってエレベーター付近の住戸はアナウンス音が聞こえる可能性があります。
しかし私が実際に入居された方に伺った限りでは、慣れてくるとあまり気にならないとの意見が多かったです。
音や振動の感じ方には個人差あり。自分なりのメリットデメリットの比較を
エレベーター横の住戸は防音対策を行っていること、また他の間取りに比べて収納量が多い傾向にあるなどの日常生活に役立つメリットがあります。そのため、あまり音を気にしないタイプの人にはおすすめの住戸と言えるでしょう。
しかし防音対策も完全ではありませんので、自分が音や振動に敏感なタイプだと自覚がある方は検討から外してもいいかもしれません。人の話し声やアナウンス音といった問題も、自分はどの程度許容できるのか、得られるメリットとデメリットの比較を行ってみましょう。
実際にどの程度の音や振動があるのかは、中古のマンションなら実際のお部屋で確認することができますが、新築物件の場合は完成するまでお部屋の中に入れないため確認することができません。その際はどのような対策をとっているのか担当スタッフに確認してみましょう。
一概にイメージだけでエレベーター横の住戸だからダメと考えずに、多角的な判断をもって住宅検討されることをおすすめいたします。