野菜の切れ端を水に浸して栽培する「リボベジ(=リボーンベジタブル)」。調理時に廃棄される部分を活用し、再び野菜を収穫できるリボベジは、とってもエコな家庭菜園。土を使わずに室内のちょっとしたスペースで行えるので、マンション暮らしでも気軽に始められるところが嬉しいですね。
リボベジの魅力、リボベジのやり方を知って、家の中での野菜収穫にチャレンジしてみませんか?
リボベジの魅力とは?
リボベジには、生活に潤いを与えてくれるようなメリットがたくさんあります。まずはリボベジの4つの魅力をご紹介しましょう。
エコロジーで家計にも優しい
リボベジでは、調理過程で捨ててしまうようなヘタや根を使って、野菜を栽培します。つまりリボベジすることで、生ゴミを減らしながら再び食材を得るというエコなサイクルを描くことができるわけです。食品ロス対策にも繋げられ、家計にもやさしいところが、リボベジの大きな魅力でしょう。
家にあるもので始められ、省スペースで行える
リボベジはプランターも土も不要、わざわざ種や苗を購入する必要もありません。野菜の切れ端、水道水、容れ物の3点があればすぐに始められます。使用する容れ物も、家にある食器、使わなくなったトレイや空き瓶などで十分です。
また、キッチンのカウンターなど、ちょっとしたスペースに置いて栽培できるので、庭のないマンションでも気軽に行うことができます。
観賞して楽しむこともできる
野菜の一部分から新しい葉が生えてぐんぐん育っていく姿を見届けることは、毎日の楽しみにもなります。特に畑に触れる機会の少ない都市部で生活していると、野菜の成長を目の当たりにすること自体が新鮮にも感じるでしょう。「食す」という最終目的だけに留まらず、成長の過程を観賞できるところも、リボベジの面白みです。
さらにおしゃれな容器を使えば、観葉植物のようにインテリアとして楽しむこともできます。暮らしの空間にグリーンがあるのは、気持ちがいいものですね。
子供の食育にも繋がる
現代の子供たちにとって、自分で育てた野菜を収穫するということは特別なことですね。リボベジで野菜の切れ端に残る生命力を知り、成長していく様子を実際に見るという体験は、大きな学びにもなるでしょう。また苦手な野菜も、自分で育てることで印象が変わり、好き嫌いを減らすきっかけに繋げられるかもしれません。
リボベジで気を付けること
簡単に始められるとは言っても、リボベジを成功させるためには、いくつかの注意点があります。始める前に、どの野菜にも共通して言える“気を付けるべきポイント”を把握しておきましょう。
直射日光を避けて、明るい部屋で行う
リボベジは明るい部屋で行います。ただし、直射日光を当てることは厳禁です。強い日差しは、葉枯れや、水温の上昇による腐食の原因になるからです。直射日光が届かない家具の上、レースのカーテン越しの窓辺などを利用してみてください。
水は野菜が触れる程度にし、毎日水替えをする
水の量が多すぎると、野菜が腐る原因になります。野菜の切り口や根元が水に触れる程度で十分です。
また、水は毎日替えるのが鉄則です。雑菌を繁殖させないためにも、容器や野菜の切り口に付いたヌメリを取り除いてから、新しい水を注ぎましょう。
再生は1〜3回、収穫時期を見極める
リボベジは、野菜に残った養分が成長の糧となります。繰り返し再生すると養分が尽き、育つ速度が遅くなる、あるいは全く成長しなくなっていきます。だいたい1〜3回の再生が目安です。
また1度目の再生でも、購入したときほど大きくは成長しません。成長を待ちすぎて、収穫するタイミングを逃してしまわないように気をつけましょう。小ぶりでも、青々としてピンと張りのある時期が食べ頃です。
野菜によっては、栽培の途中でつぼみを付けることもあります。開花の準備に入ると、養分が花や種子へ回ってしまうので、つぼみを摘むか、野菜を収穫してしまいましょう。
食べるときは加熱調理する
リボベジは市販の野菜のように衛生管理は十分とは言えません。念のため、茹でる、炒めるなど、火を通してから食べるようにしましょう。
リボベジのやり方とおすすめ調理方法
注意点を押さえたところで、いよいよリボベジのやり方を見ていきましょう!今回は野菜5種類のやり方、そして収穫後はどういった料理に使えるのかについても軽くご紹介いたします。
※野菜の成長のスピードは季節や環境により異なります。収穫のタイミングは目安としてご参考ください。
豆苗
リボベジ初心者におすすめなのが、安価で成長も早い豆苗です。スーパーでもスポンジに根と豆が張り付いたままで販売されており、自立しながらぐんぐん伸びてくれます。
育て方
- 豆苗の根元の部分に脇芽(これから成長していく小さな葉)があるのを確認する。
- 確認できたら、その脇芽を残すように、根元から3〜4cm上の部分をカットする。
- 浅めの容器に豆苗を立たせ、根が浸るくらいの水を入れる。豆まで水に入れると腐りやすくなるので注意する。
- 7〜10日ほどで芽が十分に伸びてくるので、収穫する。
おすすめの調理方法
豆苗は少し青臭さがあるので、苦手な方はしっかり目の味付けしてみてください。肉巻き、チヂミ、炒め物などがおすすめです。
ニンジン
葉付きのニンジンというのは、なかなかお目にかかれませんね。実はニンジンの葉には栄養がぎっしり詰まっています。リボベジでニンジンの葉を育てて、ぜひ食卓に並べてみましょう。葉が付いていた部分が少し盛り上がっているものが再生しやすいので、購入するときに注目してみてください。
育て方
- 皮付きのままで、ヘタの部分の厚さが2〜3cmくらいになるようにカットする。
- 切り口を下にして小皿などに置き、切り口が浸る程度に水を入れる。
- 2週間ほど栽培し、葉が15cmくらいに成長したら収穫する。
おすすめの調理方法
ニンジンの葉は天ぷらにするのがオススメです。油で揚げるとパリッとした食感になり、パセリに似た風味が口に広がります。スナック感覚で食べられるので、子供ウケもいいですよ。
大根
ほどよい苦味が特徴的な大根の葉。単品でも1品が出来る便利な食材なので、ぜひ栽培してみてください。大根もヘタの部分を使ってリボベジします。
育て方
- 大根の葉を3cmほど残し、ヘタから下の部分も皮付きのままで2〜3cm残るようにカットする。
- 切り口を下にして容器に置く。水は切り口が浸る程度に入れる。
- 葉の内側から新しい葉が生えてくる。元々あった葉は抜け落ちていくので、取り除いていく。
- 2週間ほど栽培し、葉が15cmくらいになったら収穫。
おすすめの調理方法
大根の葉はごま油との相性が抜群です。刻んだ大根の葉をごま油で炒めて甘辛く味付けすると、ごはんのお供にぴったり。お好みで、ちりめんじゃこまたは挽肉をプラスすると食べ応えが出ます。
ネギ
さまざまな料理で活躍するネギは、自宅で育てておくと重宝します。長ネギ、万能ネギも育て方は同じです。ネギは根の部分から水を吸い上げて成長させるので、根がついたものを用意しましょう。
育て方
- ネギの根元から5cm上のあたりをカットする。
- ネギが立てかけられるような瓶やコップを用意して、ネギを入れる。数本まとめて栽培する場合は、輪ゴムで束ねる。
- 根だけが浸る程度に水を入れる。
- 1週間ほどで、ネギ内側の青い部分が倍くらいの長さに伸びてくるので、シャキッとしているうちに収穫する。
おすすめの調理方法
冷奴などの薬味に使いたいところですが、衛生面を考えると加熱したほうが安心です。味噌汁、鍋料理、チャーハンの具などに使用してみてください。
小松菜
小松菜は今回ご紹介するリボベジの中でも1番使い道が豊富な野菜でしょう。根元を切ると中央部分に小さい若葉があることに気づいたことはありませんか?この若葉を成長させていきます。
育て方
- 根元の部分を3〜4cm残してカットする。
- コップや瓶など少し高さのある容れ物の底に、直立するように並べる。
- 根元が触れる程度の水を入れる。
- 20日ほどかけて、15cmくらいになったら収穫。
おすすめの調理方法
野菜炒め、お味噌汁、お浸し、ナムル…あらゆるメニューで利用できます。家の中で行うリボベジだからこそ、採れたてのフレッシュな小松菜で調理できますよ。
まとめ
マンション暮らしで諦めていた家庭菜園も、リボベジであれば気軽に叶えられることができます。ぜひリボベジのやり方をマスターして、ご家族でいろいろな野菜の成長と収穫を楽しんでみてくださいね。お子様の自由研究にもぴったりですよ!
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