白米に比べると食物繊維が豊富で栄養価も高いと言われている玄米。実際に玄米食にチャレンジしたいと思っていても、独特なかおりや食感に抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
きちんとした手順で炊き、玄米の特徴を生かせるレシピでアレンジすれば、白米にはない魅力を堪能することができます。
今回は、玄米だからこそ美味しく食べられるレシピ、そして知っておきたい基本の炊き方などをご紹介します。
玄米を使ったアレンジレシピ7選
プチプチとした食感、お米本来の甘み、素朴な風味が玄米の醍醐味。この特性を引き出す7つのレシピをまずはご紹介します。
子供でも食べやすいメニューをチョイスしているので、ぜひ家族で玄米のおいしさを共感してみてください。
おやつにも夜食にも「ねぎ味噌の玄米焼きおにぎり」
表皮がある玄米は、焼くことでさらにパリッとした食感が生まれます。玄米の風味と相性がよいお味噌で焼きおにぎりを作ってみてはいかがでしょう?
玄米はエネルギーになるので子供の補食としてもぴったり。習い事の前や夜食につくってあげると喜ばれます。
材料(小さめ6個分)
- 炊いた玄米・・・・・・1合分
- 刻んだネギ・・・・・・大さじ1
- 味噌・・・・・・大さじ1
- みりん・・・・・・小さじ1/2
- 砂糖・・・・・・小さじ1/2
作り方
- 味噌、ネギ、みりん、砂糖をしっかり混ぜ合わせる
- おにぎりを6つにぎって、その片側に1を塗る
- 魚焼きグリル(トースターでもOK)にアルミホイルを敷き、1を塗った方を上にして弱火でじっくり、焼き目が付くまで焼く
子供にも食べやすい「玄米タコライス」
白米だとタコミートの肉汁を吸って、べちゃっとなってしまうこともあるタコライス。少し硬さのある玄米を使うとお米の歯応えを残したまま、最後までおいしく食べられます。
野菜、肉、穀物、乳製品を一度に食べられるタコライスは、おかずなしでも満足できそうな料理ですね。今回は子供でも食べやすい味付けにしました。
材料(2人分)
- 炊いた玄米・・・・・・1合分
- 牛豚合い挽き肉・・・・・・200g
- 玉ねぎ・・・・・・1/4個
- レタス・・・・・・2枚
- ミニトマト・・・・・・2個
- サラダ油・・・・・・小さじ1
- ケチャップ・・・・・・大さじ3
- ソース・・・・・・大さじ3
- 塩、コショウ・・・・・・適宜
- シュレッドチーズ・・・・・・適宜
- サルサソース・・・・・・適宜
作り方
- 玉ねぎはみじん切り、レタスは千切り、ミニトマトは半分に切る
- フライパンにサラダ油を入れ、中火で玉ねぎを炒める
- 玉ねぎに火が通ったら、合い挽き肉を入れて、肉に火が通るまで炒める
- 弱火にし、肉をフライパンの片側に寄せ、余分な脂をキッチンペーパーで吸い取る
- 塩、コショウ、ケチャップ、ソースを入れ、炒めながら味を馴染ませる
- お皿に玄米を盛り、その周りに水気を切った千切りレタスを散らす
- 玄米の上に炒めたタコミートをのせ、その上にシュレッドチーズ、サルサソースをかける
- 最後にミニトマトを飾ったら完成
食感が楽しい「高菜としらすの玄米チャーハン」
高菜のシャキシャキ感、玄米のプチプチ感、そこにしっとり目に仕上げた卵を加えることでおもしろい食感のハーモニーが。
メインのおかずが餃子やシュウマイのときは、お肉の入っていないこの玄米チャーハンがちょうどよく感じることも。ちょっと和食に近いチャーハンが食べたい時におすすめの一品です。
材料(2人分)
- 炊いた玄米・・・・・・1合分
- 刻んだ高菜・・・・・・大さじ4
- しらす・・・・・・大さじ2
- 卵・・・・・・2個
- 長ネギ・・・・・・1/4本分(200g)
- 砂糖・・・・・・小さじ1
- ごま油・・・・・・大さじ1
- 和風だし・・・・・・小さじ1
作り方
- 長い高菜であれば、細かく刻んで汁気を切っておく。長ネギはみじん切りにする
- 卵を割り、砂糖を入れて混ぜる
- フライパンを中〜強火で温め、ごま油を熱する。そこに卵を入れ、一気にかき混ぜる。半熟くらいで一度お皿に取り出す
- フライパンを洗わずに、残っているごま油で長ネギ、しらす、高菜を炒める。火力は中〜強火のままで、長ネギが焦げないように気をつける
- 具材にある程度火が通ったら、玄米を入れ、和風だしを振り入れる。全体が混ざるように炒める
- 最後に半熟の卵を戻し、卵を木べらで刻むように混ぜ合わせたら、火を止めて完成
お刺身をハワイ風に「ブラウンライスのポケ丼」
ハワイの名物・ポケ丼(ポキ丼)。醤油や明太子などのタレに漬け込んだお刺身をごはんにのせて食べる料理です。
アメリカでも玄米を好んで食べる人が多く、実際にハワイでもホワイトライス(白米)とブラウンライス(玄米)を選べるお店が結構あります。
今回はきゅうりも加えて、さらに食感の幅を利かせたレシピをご紹介。
材料(2人分)
- 炊いた玄米・・・・・・1合分
- 刺身用マグロのさく・・・・・・100g
- 刺身用サーモンのさく・・・・・・100g
- アボカド・・・・・・1個
- きゅうり・・・・・・1/4本
- しょう油・・・・・・大さじ3
- みりん・・・・・・大さじ1
- ごま油・・・・・・大さじ1
- 白ごま・・・・・・適宜
作り方
- 刺身のサク、アボカド、きゅうりを1センチくらいのダイス状に切る
- しょう油、みりん、ごま油を混ぜ合わせて、1の具材全てを漬け、30分ほど冷蔵庫で寝かせる
- 玄米を器に盛り、その上に汁気を切った具材をのせ、白ごまをかけたら完成
トマトジュースで作る「舞茸の玄米リゾット」
トマトジュースで簡単にできるリゾットのレシピです。玄米を使うことで、食感に少しエッジのあるリゾットになります。トマトジュースのあっさり感に、舞茸の香りを入り込ませるような気持ちで作ってみましょう。香り豊かなきのこ類は、玄米によく合う食材です。
材料(2人分)
- 炊いた玄米・・・・・・1.5膳分
- 舞茸・・・・・・80g
- ベーコン・・・・・・4枚
- トマトジュース・・・・・・200cc
- コンソメ・・・・・・小さじ2
- オリーブオイル・・・・・・大さじ1
- シュレッドチーズ・・・・・・大さじ2
- 塩・・・・・・適宜
- パセリ・・・・・・適宜
作り方
- 舞茸を1センチ幅、ベーコンを5ミリ幅くらいに切る
- 鍋(少し深めのフライパンでもOK)を温め、オリーブオイルを入れる。オリーブオイルが温まったら中火で舞茸、ベーコンを炒める
- 具材に火が通ったら、トマトジュース、コンソメ、玄米を入れる。玄米全体にトマトジュースが馴染むように混ぜながら弱めの中火にかける
(無塩のトマトジュースを使用した場合は、味見をしながら塩を足す) - ある程度水分が飛び、玄米にトマトジュースが染み込んだら火を止め、シュレッドチーズを入れる。やさしく混ぜながらチーズを溶かす
- 器に盛り、パセリをかけたら完成
玄米がつなぎの「玄米ハンバーグ」
パン粉ではなく、玄米をつなぎにしたハンバーグ。パテの表面に出てきた玄米は、焼き目をつけるとおこげのような食感に。
大人はおろしポン酢、子供はソースなど、お好みの味で食べてみてください。
材料(小さめ12個分)
- 炊いた玄米・・・・・・100g
- 牛豚合い挽き肉・・・・・・360g
- 玉ねぎ・・・・・・1/4
- しいたけ・・・・・・2個
- ひじき(水で戻したもの)・・・・・・大さじ1弱
- 卵・・・・・・1個
- ナツメグ・・・・・・適宜
- 塩、コショウ・・・・・・適宜
- サラダ油・・・・・・適宜
- ケチャップ・・・・・・大さじ2
- ソース・・・・・・大さじ3
作り方
- 玉ねぎ、しいたけ、ひじきをみじん切りにする
- 挽肉に1、玄米、溶いた卵、ナツメグ、塩、コショウを入れ、手でしっかり混ぜ合わせる
- 12等分して、ハンバーグの形に丸める
- 熱したフライパンにサラダ油をひき、中火で片側5分くらいずつ、フタをして焼く
- 両面に焦げ目がつき、中まで火が通ったらハンバーグを取り出す
- フライパンに残った肉汁にケチャップとソース入れる。弱火にかけながら混ぜ、グツグツと泡が出てきたら、火を止める
- ハンバーグをお皿に盛り、6をかけたら完成
レモン風味で爽やか「玄米の彩りサラダ」
サラダにもキヌアなどの穀物をメインにしたものがありますね。こちらは玄米を使ったレモン風味のあっさり前菜。穀物系のサラダを食べたことがない方には抵抗があるかもしれませんが、意外とハマってしまう味と食感です。
サラダのレパートリーを増やしたい方に、ぜひ試していただきたい一品。多めに作って、ランチプレートの主役にしてもいいでしょう。軽めの食事がしたいというときにも、ぴったりなメニューです。
材料(2人分)
- 玄米・・・・・・1/2合
- 水・・・・・・135cc
- 鶏のささみ・・・・・・1本
- きゅうり・・・・・・1/2
- パプリカ・・・・・・1/4
- 紫たまねぎ(普通の玉ねぎでもOK)・・・・・・1/4
- コンソメ・・・・・・小さじ1/2
- オリーブオイル・・・・・・大さじ1
- レモン汁・・・・・・大さじ1/2
- クミン・・・・・・適宜
- 塩、コショウ・・・・・・適宜
作り方
- 研いだ玄米に水135ccを入れ、6時間以上浸水させる。
- 炊き始める直前にコンソメを入れてかき混ぜる。そこにささみをそのまま1本のせて一緒に炊き上げる
- きゅうりは縦十字に切ってから5ミリくらいの幅でカット、パプリカと紫たまねぎは粗めのみじん切りにする
- 玄米が炊き上がったら、ささみをしゃもじなどでほぐして玄米に混ぜ込み、ボウルやバットに移して冷ます
- 玄米が冷めたら、カットした野菜と混ぜる
- オリーブオイル、レモン汁を入れ、玄米に染み込むように混ぜる。
- クミン、塩、コショウで味を整えたら出来上がり
玄米の種類・研ぎ方・炊き方
料理に玄米を使うことをためらう多くの方が懸念するのは、ぬか臭さやボソボソとした口当たりです。
しかし実は、玄米の種類によっては、手軽に白米に近い感覚で食べられるものもあります。また下準備をきちんと行うことで、白米にはない美味しさを引き出すことができたり、炊く道具によっても食感に変化が生まれたりするんです。
玄米の基本や炊き上げるまでのポイントを、一度ここで整理してみましょう。
玄米の種類(5分づき、7分づき、発芽玄米)
そもそも玄米とは一番外側の籾殻を取っただけで、ぬかや表皮が残っている状態のもの。この玄米を精米して、ぬか、表皮、胚芽を取ったものが白米です。
実はこの玄米から白米へ精米する過程でできる「分づき米」というものもあります。その他、玄米を少しだけ成長させた「発芽玄米」なども。それぞれの特徴をまとめました。
【5分づき】
ぬか層を5割ほど落とした分づき米で、見た目は少し黄色味があります。栄養成分がぎゅっと詰まった胚芽が残っているので、栄養価は白米より高いままです。玄米よりもボソボソした食感が少ない一方で、プチプチした噛み応えや風味が残っています。
【7分づき】
ぬか層を7割ほど落とした分づき米で、胚芽が少し欠けている状態。白米と比べると少しクリーム色っぽく見えます。白米に近い柔らかな食感なので、初めて玄米にチャレンジする方は、この7分づき米からスタートするのがおすすめです。
【発芽玄米】
玄米を少しだけ発芽させた状態のもの。発芽させることで表皮が柔らかくなり、白米の食べやすさに近づきます。玄米が持っている栄養をそのまま引き継ぎながらも、発芽時に必要な養分をさらに溜め込むので、より高い栄養価があると言われています。真空パックで売られているのは、発芽状態をキープするためです。
玄米や発芽玄米はスーパーのお米売り場でもよく見かけますが、5分づきや7分づきはお米屋さんや農家さんの直営所などで購入し、その場で精米してもらうというのが一般的。ネット販売しているところもあります。
玄米の研ぎ方(研ぎ方、水加減、浸水時間)
玄米は、研ぎ方や浸水させる時間が、白米とちょっと違います。難しくはありませんので、美味しい玄米ご飯を食べるためにも、玄米にあった下準備をしてみてください。
【研ぎ方】
玄米は表面のぬか層をきちんと落とすことで、水が入り込みやすくなり、炊いたあとのボソボソ感がなくなります。
玄米を一度水に潜らせ、金属製のザルに入れて水気を切ります。次に玄米を網目に擦り付けるように研ぎます。あるいは両手で擦り合わせて研いでもよいでしょう。全体を研いだら、水洗いで米ぬかを流します。
これを2〜3回ほど繰り返したらOKです。
【水加減】
炊く時の水は玄米の1.5倍の量が基準になります。しかし、何度か炊いているうちに「もう少し硬めがいい」「柔らかめにしたい」と好みが出てくるので、1.2〜1.8倍くらいの範囲で調整してみてください。
【浸水時間】
玄米は6時間以上しっかり水に浸け、内部まで水分を行き渡らせることが大切です。また玄米2合に対し、小さじ1/2の塩を入れると、さらにぬか臭さが無くなり、ふっくらとした炊き上がりになります。(塩を入れたまま、炊飯まで行って大丈夫です)
玄米の炊き方(炊飯器、圧力鍋、土鍋)
さて、最後に「炊飯器」「圧力鍋」「土鍋」の3つについて、それぞれの炊き方の特徴と順をご紹介します。
【炊飯器】
特徴
とにかく手軽なのが炊飯器。玄米を朝食にしたい方、お弁当に入れたい方には、やはり炊飯器が便利でしょう。
炊き方
ほとんどの炊飯器には玄米モードが付いていますし、お釜には玄米用の水量の目盛もあります。夜にセットすれば、浸水時間も十分足りて、朝には炊き上がっている状態に。
【圧力鍋】
特徴
玄米そのものの美味しさをしっかり味わいたいなら、圧力鍋がおすすめ。粘りが強くなり、もっちり感が出ます。
炊き方
- 中火にかけて、沸騰してから蓋をする。
- 蓋をした後は中火のまま2〜3分炊き、さらに弱火にして25分炊く。
- 火を止めて10分間蒸らす。
【土鍋】
特徴
土鍋を使うと、粘りの少ないさっぱりした炊き上がりになります。
炊き方
- 中火にかけて、沸騰してから蓋をする。
- 弱火で50分間炊く。
- 火からおろして15分間蒸らす。
まとめ
白米にない甘みや食感を味わえ、さらに新しいレシピとの出会いをつなぐ玄米。玄米の魅力を一度知ってしまうと、もう白米には戻れないという人も。
今回ご紹介したようなレシピをゼロから始めてみるだけではなく、いつも白米で食べていた炊き込みごはん、お粥、納豆ごはんを玄米に変えるだけでも、食の領域がグンと広がります。
体が喜ぶものを、美味しく食べられる…なんとも嬉しいことですね。まずは少量の玄米を用意して、ちょっとずつ取り入れてみてはいかがでしょう?
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