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マンション内で親と近居するという選択。その具体的なメリットとは?
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マンション内で親と近居するという選択。その具体的なメリットとは?

日常的に行き来しやすい距離に親世帯と子世帯が住む「近居」。今では、その近居を同じマンション内で行う家庭も増えてきています。マンション内で別々の住戸に住むという暮らしは、戸建ての二世帯住宅とはまた違う様々なメリットがあります。かくいう筆者も、義理の両親とマンション内近居をしており、すでに10年以上が経ちます。

今回はマンション内近居の利点、近居する上での心得、住戸の選び方などについて、自身の体験を交えながらご紹介いたします。


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マンション内での近居とは?同居との違い

マンション内での二世帯近居とは、同じマンションの建物内(あるいはマンション敷地内の別棟)で親世帯・子世帯が別々の住居を構えることを指します。

一方で「同居」は、戸建ての二世帯住宅やマンションの一住戸で一緒に暮らすスタイルを指します。

近居と同居の大きな違いは、やはり独立性です。近くに住みながらも、各世帯の生活スペースが明確に分かれていることが近居の特徴です。

近くの異なるマンションに住む、数軒離れた戸建てに住むことも近居に含まれますが、マンション内近居はさらに距離を縮めた状態、いわば一つ屋根の下に暮らしている状態です。お互いの家に行き来する際にも傘いらず、上着いらずで、近居の中でも最も気軽さと緊急時の俊敏さが得られます。


マンション内での近居のメリット

マンション内近居の魅力は、至近距離で暮らす安心感がありながらも、プライバシーが保てるというバランスの良さにあります。玄関、キッチン、浴室などを共有する同居とは異なり、それぞれの生活リズムを維持しながら、すぐに会いに行ける距離で暮らすことができます。

また、マンションという居住形態だからこそ生まれるメリットもあります。ここでは、マンション内近居の具体的な利点を見ていきましょう。

独立性を保ちながらも、経済面で支え合える

住居の購入費用の軽減

まずは基盤となる住居の費用面です。都市部で土地を購入し、玄関やキッチンが別々のプライバシーを重視した「独立二世帯」の住宅を建てるのは、かなりの費用がかかります。

しかし、どちらかの世帯が既に住んでいるマンションに別住居を構えることや、中古マンションを購入することを検討すれば、戸建てよりも少ない予算でプライバシーを確保した近居を実現できる可能性があります。

家財の共有による節約

近居をスタートした後は、お互いの家財を共有し合うことで家計の負担を減らすことができます。都心部で代表的なものが車のシェアです。その他、電動アシスト付きの自転車、ミシン、高圧洗浄機、プリンターなど、高価だけど一家に一台というほどではないものがありますね。それぞれの暮らしを楽しみながらも、同じ敷地内の駐車場・駐輪場を介して、あるいは億劫と感じないほどの近距離で貸し借りすることで節約できるところが、マンション内近居の特権でもあります。

筆者の体験談(1)自家用車の共有

我が家であるマンションは駅前にあるため、車を使うことがほとんどなく、大きなものを購入する時の運搬などに、親世帯が持つ車をたまに借りるだけで十分でした。しかし、子供の送り迎えなどで車を使用する頻度が高くなり、自分たちの世帯でもマイカーを購入することに。

ちょうど同じ時期に、親世帯は年齢的に免許を返納する頃合いに差し掛かっていました。そこで、二世帯全員が乗れるサイズの車を購入し、何かあれば我が家が運転する車に親世帯が乗るという方針に切り替えました。

結果的に、二世帯で1台の車を共有することで、だいぶ節約することができたと実感しています。

マンションだからこそ、利便性の高い場所にも住める

二世帯住宅を建てられる広い土地を都心部で探すことは難しいですが、マンションは駅前や商業エリアなど便利な場所にも豊富にあります。子世帯の通勤や通学、親世帯の通院、そして車を手放したあとの交通移動を考えると、やはり利便性の高さは重要です。家族全員が快適に生活できる立地を選択できるところも、マンション近居の良い点でしょう。

生活ペースをあまり変えずに、子育て・老後のサポートができる

マンション内近居でお互いに心強いのが、何かあった時のサポートです。特に子供(孫)が小さいうちは、子世帯夫婦が仕事を休めない時や、親世帯の用事に下の子を連れて行けない場合など、親世帯の助けを借りたい場面があります。

逆に、親世帯が年齢を重ねていくと、介護や通院のサポートが必要になることも。また、ケガや病気をした時には、買い出しや食事の準備が困難になることもあるかもしれません。

マンション内近居であれば、わざわざ相手の家に「出向く」・「通う」・「泊まり込む」というほどの大げさな対応をせずに、支え合うことができます。使い慣れた自宅のキッチンで作った料理をそのまま持っていって食べてもらうなど、お互い普段の生活スペースにいながらサポートできるのは、思っている以上に便利です。

筆者の体験談(2)真夜中の子どもの発熱
生まれて間もない次女が真夜中に高熱を出したことがありました。当時、幼稚園児だった長女はぐっすり就寝中。一緒に夜間診療に連れて行くことをためらい、義母に来てもらうようお願いしました。
寝巻きのままで訪れた母は、長女を起こすことなく、一緒に朝まで就寝してくれたのです。結局、次女はそのまま入院、私も付き添いで病院に寝泊まりすることに。仕事が休めない夫に代わり、両親に長女の面倒を数日見てもらいました。
同じマンション内だったから、ものの2〜3分で駆けつけてもらえ、生活拠点が変わらないので両親の送り迎えのもと長女はいつも通り幼稚園へ通うこともできました。

不要となった住戸を活用しやすい

将来的な話になりますが、親が施設に入居したり、亡くなったりして、親世帯側の住まいが不要となるケースがあります。戸建ての二世帯住宅の場合、親世帯が使用していたスペースだけ切り離すわけにもいかず、その後の活用が難しいと言われています。

しかし、マンションのように独立した住居であれば、売却する、賃貸にして家賃収入を得るなど、有効利用しやすいという特徴があります。さらに、子世帯は住み替えする必要もないため、今までと変わらない環境で生活し続けることもできるでしょう。長い目でみると、こういった点にもマンション内近居の合理性が見られます。


 お互いが気持ちよく暮らせる近居の心構え

当然ながら、マンション内近居は相手への気遣い・配慮があってこそ、上手くいくものです。入居前からルールを確認し合い、お互いが気持ちよく暮らせる心構えをしましょう。

お互いのプライバシーを尊重する

孫に会いたいと両親が頻繁に来る、寝ている時間に訪問されるなどは、近居の不満としてよくあげられること。近居をうまくやっていくためには、相手にも生活のペースがあるということを忘れないことが大切です。

プライバシーを尊重し合うためにも、一例ですが以下のようなルールを検討してみてはいかがでしょう?

  • お互いの家に入るときは、必ずインターホンを使う
  • 出入りする時間帯を決める
  • 留守の間に家に入る時は、事前にひと言メールで連絡する
  • お互いの世帯の生活や方針に口を出さない

不満が溜まり感情的になってしまう前に、お互いが納得できる決まりごとを設けてみてください。

自分たちの世帯で出来ることでは相手を頼らない

近居を始めて時間が経つと、ちょっとしたことですぐ孫をあずける、ついでの買い物を頼みすぎるなど、自分たちでできる範囲のことまでお願いするという甘えが出てくることも。基本的に、自分たちでできることは自分たちで行うというスタンスを心がけることで、よりよい関係を保つことができます。

しかし、無理をすることで事故やトラブルにつながるようなら、きちんと判断した上で相手に頼み、頼まれた側は快く受け入れるお互いの姿勢はとても大切です。


同じマンションでどの部屋を選ぶ?4パターンの特徴

マンション内近居を考えるとき、親子世帯の住戸の位置関係は、おおまかに4つのパターンに分類されます。それぞれの特徴をご紹介しますので、お選びになる際の参考にしてください。

同じマンション内の違う階で離れた住戸

同じマンション内で違う階、さらに縦並びでもない2住戸を選ぶのは、マンション内近居で親子世帯が最も離れて生活するスタイルです。間取りの選択肢が豊富で、各世帯に合わせた予算、購入したい間取り・階数を自由に決めることができます。同じマンション内に住んでいるだけで十分というご家庭であれば、このパターンがおすすめです。

同じマンション内の縦並びで隣同士

縦並びの住戸の良さは、エレベーターを使わず階段で行き来ができる距離の近さ、そして下階への生活音の伝わりを気にするストレスが少し緩和されることでしょうか。

音の感じ方は個人差があるので、気をつけているつもりでも下階の方に不快感を与えてしまうということもあります。特に子供の足音やおもちゃで遊ぶ音は、気をつけても防ぎきれるものではありません。

そういう場合、親世帯に真下に住んでもらうというのはひとつの解決策です。当然、親といえども配慮が必要ですが、家族同士なら言いやすいですし、注意も受け入れやすいでしょう。

ただ、マンションの縦ラインは同じ間取りになるのが基本です。お互いが納得できる間取りであるかがポイントになります。

同じマンション内の横並びで隣同士

4つのパターンで最も至近距離である横並びの隣り合った住戸。気配を感じられるような近さなので、親が高齢であったり、持病を持っていたりという理由で選択される方もいらっしゃいます。また、小さい子供が1人で行き来するにも安心できる距離です。

このパターンでも、隣り合う2住戸が各世帯の希望する間取りであるかがポイントとなります。間取りに対してそれぞれこだわりがあるようでしたら、理想的な物件との出会いには時間がかかるかもしれません。

同じマンション内の同じ階で離れた住戸

同じフロアで離れた住戸に住むというパターン。横隣ほどの近さではないものの、エレベーターや階段を使う必要がないため、お互いの家までの動線はスムーズです。また隣同士という条件を外すことで、各世帯が選べる間取りの幅も広がります。ほどよい距離感を保ちながら、行き来しやすく、好きな間取りを選べる、バランスの取れたパターンでしょう。

筆者の体験談(3)同じ間取りの離れた住戸に居住
子世帯の私たちが新築マンションを購入するタイミングで、両親も同じマンションへの住み替えを検討しました。両家ともモデルルームで見た間取りが気に入ったため、同じ間取りの住戸をで購入することに。
しかし、ほどよい距離を保つためにも縦並び(真上や真下)の住戸にせず、数階離れた住戸を選びました。わざわざ会いに行かなくても、エレベーターの中、娘を送り迎えする時の駐輪場、ロビーなどで元気な姿を自然に確認し合える、ちょうど良い距離だと感じています。

 まとめ

長期間留守にするときに郵便物を受け取ってもらったり、消防点検の日と用事が重なった際は代わりに在宅してもらったり、旅行に行く時は一緒に自宅から出発できたり…。実際にマンション内近居を始めてみると、お互いにとって合理的なことがたくさん見つかるでしょう。

マンション内近居という選択をするのは、やはり多少の勇気が必要いることかもしれません。ですが、お互いが納得できるルールを設け、他の兄弟姉妹ときちんと話し合い、慎重に進めれば、暮らしにとって大きなプラスになる要素がたくさんあります。

筆者の体験談はあくまでも個人的な感想となりますが、みなさまの参考になれば幸いです。

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