珪藻土の正体は、植物性プランクトンの化石。表面に孔(こう)と呼ばれる無数の細かい穴があることで、瞬時に水分を吸収・放湿するという特徴があります。
その長所を生かしたさまざまな形・サイズの珪藻土グッズが揃っています。しかし使ってそのままでいるとカビが付着したり、吸水性がダウンしてしまうことも。
今回は珪藻土のお手入れ方法や、付いてしまった汚れの落とし方をご紹介。さらに暮らしの中で幅を広げられる珪藻土の活用方法もご案内します。
珪藻土のお手入れ方法
繰り返し使えるからこそ、珪藻土アイテムは定期的なケアが必要。
珪藻土の汚れでもっとも多いのがカビ。続いて埃・石鹸カス・手足で触れた時についてしまう皮脂が続きます。
これらの汚れが付着することによって、見た目の変化はもちろん、吸水の要となる孔が塞がり、吸水性をダウンさせることに。珪藻土アイテムならではのお手入れ方法があるので、ここで整理してみましょう。
基本のお手入れは「月に数度の日陰干し」
珪藻土のお手入れ方法の基本は日陰干しをして、風を通すこと。表面は乾いて見えても、内部に湿気が残っていることがあるので、その水分をしっかり抜くことが大切です。
日陰干しする際は、まず表面の埃が癒着しないように乾いたタオルなどで払います。その後、風通しのよい日陰で壁などに立てかけて干しましょう。マンションであれば、ベランダに日の当たらない時間帯を利用するといいですね。頻度としては月に1〜2回程度が目安。
しかし徹底的に乾燥させたいからといって、直射日光に当てるのは避けましょう。強い日差しは反り返ったり、割れの原因になります。
毎日大量の水分を吸収するお風呂マットなどは、使い終わったら脱衣所の壁などに立てかけておくとよいでしょう。表面に埃を溜まりづらくし、空気に触れる面積を増やすことで、カビの発生を軽減できます。
カビが出てしまった場合は漂白剤で落とす
カビが付着してしまった場合は、塩素系の漂白剤を使います。キッチンで使う泡タイプの漂白剤が便利。
汚れに直接吹きかけて数分放置したら、漂白剤が残らないように水でよくすすぎます。その後は日陰干ししましょう。
泡タイプの漂白剤がない場合は、きれいな布に水で薄めた漂白剤を染み込ませて、珪藻土の汚れた箇所をポンポンと軽く叩きます。その後は上記と同じ工程ですすいで、日陰で乾燥させます。
さらに頑固な汚れは紙やすりで落とす
漂白剤では落ちない汚れがあったり、吸水性が格段に下がったと感じた場合は、紙やすりで表面を削ってみましょう。表面を薄く削ることで、汚れで塞がっていた孔を再度開くことができます。
紙やすりは目の細かいもの(300〜400番)を用意。珪藻土用の紙やすりを販売している100均ショップもあります。
汚れの部分だけを強く擦るとムラや凸凹ができてしまいます。あくまでも表面全体を均一にやさしく削っていくのがポイント。撫でる程度でどんどん削れるのであまり力も要りません。目立つ汚れはもちろん、珪藻土全体がトーンアップします。
普段のお手入れと、汚れの段階にあわせた3つのメンテナンス方法をご紹介いたしました。手間を考えると、やはり事前にカビの発生や落ちない汚れを防ぐことが最善ですね。そのためにも、日陰干し・風通しを普段から意識してみるとよいでしょう。
※メーカーによっては、お手入れ方法が異なる場合があります。取扱説明書などで詳細をご確認ください。
珪藻土アイテムを上手に使おう!場所別の使用例
珪藻土のお手入れ方法を習得したところで、ここからは実際に暮らしの中でどのように取り入れられるかをご紹介します。
王道のバスマット、コースター、歯ブラシスタンドなど使い道を限定した形状のもの以外にも、今ではフリーに使える形・サイズのものが多数あります。使い方の発想をちょっと変えるだけで、湿気取りの機能にプラスして、家の中を整理整頓する役割も果たしてくれますよ。
洗面所:鏡裏に置いて、出しっぱなしのものを減らそう
みなさんのご自宅の洗面台、いつも何が置いてありますか?コップ、歯ブラシ、ハンドソープ…洗面所まわりは日用品が渋滞しがちですね。鏡裏の収納にしまいたくても、あえて出しっぱなしで乾かしておきたいものがあるということも一因でしょう。
そんなときに便利なのが珪藻土の細長いプレート。
鏡裏の奥行きにあったプレートを置くだけで、隠しながら乾かしたいものの居場所が作れます。カミソリ、コンタクトレンズのケース、子供の歯列矯正関連のものなど、日々使うけれど干しておきたいものって意外と多いですよね。
見せずに乾かせるというメリット以外に、単純ですが「使ったあとは、ここに置く」というモノの定位置を家族で共有することもできます。
玄関:傘立て、ブーツや皮靴の中に
特にマンションにお住まいの方なら気になる、濡れた傘の置き場所。玄関前の屋外に置きたくても、共有スペースのため傘を置けないというところも多いのではないでしょうか?
そんな場合も珪藻土のプレートが活躍。濡れた傘の下に敷いておくだけで、玄関内のビショビショ問題を解決してくれます。立体的な傘立てと違って、使わないときは下駄箱内に仕舞える薄さもいいですね。
また珪藻土の無数の孔は消臭の働きもあるので、玄関まわりでは重宝します。
スティックタイプの珪藻土を冬に履くブーツや梅雨に出番の多い長靴の乾燥剤として入れるというアイデアも。調味料(塩入れ・砂糖入れなど)に使う小さな珪藻土は、ビジネスシューズなどの通気性の少ない靴に入れておくと、臭いやカビの防止になるでしょう。
ペットコーナー:水の飛び散り防止、消臭などに
ペットのフードコーナーに珪藻土のマットを敷くという使い方もおすすめ。ペットが水を飲む時に飛び散る水滴、餌のにおいを抑えるのに役立ちます。また、フードボウルを洗ったあとの水切りとして使うことも可能。人が使う食器水切りと分けられるのは衛生的ですね。
珪藻土の吸水マットが1枚あれば、ペット周りでも何通りもの活用方法が見つけられます。お風呂やキッチンの吸水マットを買い替える際に、今まで使っていたものをペット用として再利用するのもよいでしょう。
キッチン:乾きにくいお弁当箱や水筒の定位置としても
水筒やお弁当箱などは、手が届かない底部分やパッキン部分に水分が残りがち。複雑な構造のキッチン用品は、さっと拭いたあとに珪藻土プレートに置いておくことで、より乾燥させることができます。
毎日学校や職場へ持っていく水筒は、夜洗って翌朝すぐ出番が来るので、戸棚に仕舞うまでもないというご家庭も。その際、キッチンのわずかなスペースに珪藻土のプレートを置いて、思い切ってそこを「置き場」にしてしまうという発想もあります。
水切りカゴに一晩置きっぱなしにするよりも蒸れがなく、生乾きの臭いやパッキンに発生しやすいカビを軽減できます。
まとめ
湿気対策をしながらも、デッドスペースを有効利用したり、暮らしの動線を整えてくれる珪藻土。
布製品のように随時洗うという手間もなく、定期的なお手入れをすれば繰り返し長く愛用できます。干す時もベランダの物干しを占有することなく、ちょっとした日陰を利用して短時間で乾かせるという魅力も。
まずは小さいサイズの珪藻土アイテムから試してみて、自分の暮らしに合わせて幅を広げていってはいかがでしょう?
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