部屋の中のさまざまな場所で発生するカビ。見た目が悪いだけでなく、住まいのあらゆる場所に悪影響を与える可能性があります。しかし、カビの予防方法がわからない方も多いことでしょう。
そこで今回は、カビの原因や予防方法、じめじめした季節を快適に過ごすためのアイデアを紹介します。大切なわが家を守るための方法を知り、梅雨を快適に過ごしましょう。
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予防が大事!部屋のカビが引き起こす問題
カビによる被害が広がると、住まいに損傷を与え、住宅としての価値が下がる可能性があります。放置して根強く繁殖したカビは、取り除くために多額の費用がかかったり、リフォームが必要となったりするケースもあります。
こうした事態を避けるためには、カビの発生を予防することが不可欠です。
住まいへの影響
室内や家具にカビが発生すると、外観が損なわれたり、不快なにおいを発生させたりすることのほか、建材に付着することで建物全体の劣化を早めてしまいます。例えば、窓周りや浴室のゴムパッキンは、カビを無理に取り除こうとすると傷めてしまうことがあります。壁紙やフローリングにまでカビが広がると、薬剤では除去できなくなり、貼り替えが必要になります。
マンションなどの気密性の高い住宅でカビが発生すると、空気中のカビ胞子が外に出にくく、住まい全体に広がりやすくなります。早期に適切な対策を講じることが必要です。良好な状態で住まいを維持するためにも、カビ対策は欠かせません。
除去にかかる出費
一度カビが発生すると、除去には薬剤が必要です。初期の段階であれば、市販のカビ取り剤で対応できますが、広範囲に広がった場合は、壁紙やフローリングの張り替え、カーテンの取り替えが必要になる場合もあります。
その場合、数十万円以上の費用がかかることもあります。多額の出費を抑えるためにも、カビ予防は重要です。
カビの原因と発生しやすい場所
カビの原因は、高温と湿度です。これらの条件が揃い、カビの原因菌が付着し、栄養源があると繁殖が進むと言われています。
また、発生しやすい場所もあるため、本格的なカビのシーズンが始まる前に、家の中のどこが当てはまるのかをチェックしておきましょう。
カビの発生条件は湿度・温度・栄養源
文部科学省の「カビ対策マニュアル」によると、カビが生育する最適な温度は25℃から28℃、湿度は60%以上です。浴室では石けんのカス、リビングやダイニングでは手アカや食べかす、ホコリなどの日常生活から出るものが栄養源となります。
最も発生しやすい時期は、梅雨時と冬です。乾燥した冬の季節にカビが増えるのは不思議に思われるかもしれませんが、冬のカビの原因は主に室内外の温度差による結露です。高温多湿で発生する梅雨時のカビとは異なるため、それぞれに適切な対策を講じることが重要です。
冬のカビ対策でお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。

カビが発生しやすい場所
以下のような場所で、カビは増殖しやすくなります。
- 風通しが悪い場所
- 日当たりが悪い場所
- 湿度が高い場所
- 結露しやすい場所
それぞれの場所について原因を見ていきましょう。
風通しが悪い場所
風通しが悪い箇所ではカビが生えやすくなります。例えば、押し入れやクローゼットなどです。このような場所は室内の空気がうまく循環しないため、湿気がこもります。
部屋の隅や家具の下、壁との隙間など、普段見過ごしがちな場所でもカビの繁殖が見られます。
日当たりが悪い場所
日光があまり当たらない北向きの部屋や、目の前に建物がある部屋では湿気がこもりやすく、じめじめとします。窓のない納戸も、日差しが入らないことで湿気がたまり、カビが繁殖しやすい環境となります。
カビは、紫外線に弱い性質があります。太陽の光が当たる場所ではカビの発生を抑えることができますが、日当たりの悪い部屋では繁殖しやすくなります。
湿度が高い場所
お湯を使う浴室や風呂上がりに着替える洗面所は一時的に湿度が高くなり、適切に換気ができないとカビが発生しやすくなります。特に浴室の隅や天井、ドアのゴムパッキンやタイルの目地、浴槽周りやカウンターの下などは、カビの温床となりやすい場所です。
水廻り以外では、室内干しをする部屋は湿度が高く、注意が必要です。
結露しやすい場所
サッシや壁に発生する結露もカビの原因となります。室内外の気温差と湿度によって結露が生じますが、結露に含まれる埃などが栄養源となり、放置するとカビが発生します。暖房によって室外との気温差が大きくなるリビングや、人の呼気で湿度が上がる寝室は、他の部屋より結露が生じやすくなるため注意が必要です。
コンクリート造のマンションは気密性が高く、結露が生じやすくなります。特に外気の影響を受けやすい角住戸では、結露が発生しやすいため適度な換気が必要です。
部屋のカビを予防する基本の5ステップ
カビは発生を予防することが重要です。以下の5つのステップでカビが増えにくい環境を整え、一年中クリーンなわが家を目指しましょう。
ステップ1|室内の物を少なくする
家具が多く、床に物を置きやすい部屋では、掃除が行き届かない場合があります。特に、壁と家具の間の狭い場所にホコリがたまることがあります。
このホコリもカビの栄養源になりますので、日常から生活習慣を見直し、不要な家具や日用品を処分して物を少なくすることが大切です。
ステップ2|定期的に換気する
定期的に窓を開けて換気をすることで、湿気を逃がすことが重要です。新しい空気を入れることで、室内に漂うカビの胞子が戸外に出ていきます。対角線上にある窓を少し開けると、空気の循環がしやすくなります。窓が一つしかない場合は、換気扇を回したりドアも開けたりすると良いでしょう。
ただし、梅雨時や真夏は逆に湿気が入ることがあるので注意が必要です。
また、24時間換気システムを利用した換気を併用するのも有効です。24時間換気システムは1時間あたりに部屋の空気の半分が入れ替わる換気設備で、シックハウス症候群の対策として建築基準法で設置が義務付けられています。自動で新しい空気を入れられるため、効率的に換気をすることができます。
ただし、24時間換気システムは温湿度を制御するものではありませんので、窓を開けての空気の入れ替えも行うようにしましょう。
24時間換気システムの仕組みや電気代、お手入れについてはこちらで詳しく解説しています。

ステップ3|こまめに掃除する
カビの胞子は空気中を漂っており、条件さえ整えばどこでも増殖します。目には見えませんが、胞子や栄養源が色んな場所に存在しているのです。さらに、カビはホコリや人の垢、髪の毛や食べかすなどさまざまものを栄養源としています。カビの増殖を抑えるには、こまめに掃除機やフロアワイパーを使い、拭き掃除を行うことで栄養源となるホコリやごみを取り除くことが重要です。また拭き掃除の後は乾拭きするなど、水分が残らないように注意しましょう。
ステップ4|結露を防ぐ
結露を防ぐために、使用していない部屋やクローゼットなども含めて、小まめに換気を行いましょう。また、暖房器具は水蒸気が発生しないエアコンや電気器具を使用することも結露予防となります。さらにサーキュレーターで室内の空気を循環させるのも有効です。
ただし部屋の環境によって結露そのものを完全に防ぐことが難しい場合もあります。結露が発生した場合は、濡れた部分をこまめに拭き取りましょう。
ステップ5|湿度を60%以下にする
カビが生えやすい時期には、室内の湿度を60%以下に保つようにしましょう。前述のカビが発生しやすい場所では、湿度計を設置して室内の湿度をチェックすると良いでしょう。
注意したいのは室内干しを行う部屋です。エアコンの除湿機能や換気扇を活用して湿度の上昇を抑えましょう。光熱費は発生しますが、カビ除去にかかる手間や費用を考えれば、衣類乾燥機を使うのも一つの手です。
【部屋別】カビの予防方法
次に部屋ごとのカビ対策を検討していきましょう。
まず、どの部屋でも共通する対策として、家具を壁から離して設置することが挙げられます。すき間ができることで、空気が循環し、風通しが良くなります。
目安は数cm以上ですが、掃除道具が入る空間を確保できると良いでしょう。新しい家具を購入する際は、脚付きのタイプを選ぶのも一つの方法です。
部屋ごとの対策について詳しく見ていきましょう。
浴室
浴室は石けんカスや皮脂などの汚れが多く、特にカビが発生しやすい場所です。入浴後、浴室の壁に約50℃のシャワーをかけて汚れを落とし、水分を拭き取り、換気扇も回しておくことがカビの発生を抑える方法です。
日常的な掃除で石けんカスや汚れを定期的に取り除くとともに、浴室の隅々に行き渡らせられるくん煙剤タイプのカビ予防剤を活用すると良いでしょう。
キッチン・トイレ
キッチンのシンクは常に濡れているので、カビが増えやすい場所です。一日の終わりには、スプレータイプの漂白用洗剤を排水口に吹きかけ、乾いた布でシンクの水滴を拭き取ることでカビの繁殖リスクを減らすことができます。
また、トイレも便器の中に水が入っているため、カビが発生しやすくなります。使用後に重曹スプレーを拭きかけると、アルカリ性の重曹がカビの発生を抑えます。トイレの床掃除ではホコリや汚れを除去した後、防カビスプレーを使用したり、トイレタンク専用の漂白剤を設置したりすることも有効です。
寝室・リビング
布団やマットレスは人の寝汗などが染み込みやすく、カビができやすい部分です。布団はベッドメイキングや収納の前に、一度広げて空気に触れさせて乾燥させましょう。定期的に日光に当てて乾燥させたり、ベッドフレームの下のホコリを取り除いたりすることで、湿気がこもりにくくなります。
リビングでも、床掃除だけでなく、テレビボードやソファ、チェストの背面部分などの隠れた部分もこまめに掃除しておきましょう。ラグやカーペットは、時々天日干しすることで、畳や床にカビが生えるのを防ぎます。
玄関・クローゼット
靴箱やクローゼットなど、普段から締め切った狭い空間も、湿気がこもりやすい場所です。靴や衣類は汗を吸収するため、使った後すぐに収納するとカビの原因になることがあります。少し乾かしてから収納するか、お出かけ前に扉を開けておくのも良い方法です。靴箱は定期的に扉を開けて換気し、中のものを取り出してエタノールを含ませた雑巾で棚板を拭き上げましょう。
玄関やクローゼットのカビ対策には、設置タイプの防カビ剤が便利です。天井に貼ったり、吊るしたりできるタイプもあります。
靴箱の掃除方法は、こちらで詳しくご紹介しています。

畳の部屋
い草を使用した天然素材の畳には調湿作用がありますが、湿気を含んだ状態で長期間放置するとカビが発生します。畳のカビを予防するためには、こまめに掃除し、定期的な換気が重要です。掃除機をかける際は、畳の目に沿ってゆっくりと時間をかけて行うとホコリが取り除きやすくなります。
畳に布団を敷いている場合は、床との間に除湿シートを挟むことで湿気を吸収してくれます。敷物がある場合は、この時期だけ外してしまうと良いでしょう。畳の部屋での室内干しは、避けることをお勧めします。
畳の掃除方法はこちらで詳しくご紹介しています。

梅雨の湿気を解消!部屋のカビを予防するアイテム4選
梅雨の時期のカビ対策には、次にご紹介するアイテムが便利です。
除湿機・除湿剤
除湿機を使って部屋の湿度を下げることで、結露やカビを予防できます。部屋干しが多い場合は、衣類乾燥除湿機もおすすめです。洗濯物を乾かすだけでなく、湿気も取り去ってくれます。梅雨時は戸外に干せない日が多く、生乾きの嫌な匂いに悩まされる方も多いはず。短時間で洗濯物が乾き、除湿も実現できるので、一石二鳥です。
置き場所が限られている場合には、除湿剤も便利です。設置タイプや吊り下げタイプなど、様々な形状があるので、場所に合わせて使ってください。
サーキュレーター
サーキュレーターは、風通しが悪い部屋の空気を循環させてくれるアイテムです。大型ファンとは異なり、強い風を狭い範囲に直線的に送ることが特徴です。家具と壁のすき間や押し入れなどの湿気がたまりやすい場所に向けて使用することで、カビの防止に役立ちます。
湿度を下げる除湿機と併用することで、部屋の空気が循環しやすくなります。サーキュレーターの使い方や活用法については、次の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

調湿機能のあるラグやマット
ウールのラグは天然素材で調湿効果があり、梅雨時にじめじめ感を抑えるほか、冬の乾燥も防いでくれます。吸湿性能のあるシリカゲルや調湿性を持つ珪藻土を使用したマットも効率的にカビを予防しつつ、洗面所などで足を拭くのに便利です。
天日干しすれば繰り返し使えるのも魅力的です。
すのこベッド
布団を床や畳に直に敷くと湿気がたまってしまいます。そんな場合には、木製のすのこベッドを試してみてください。すのこは木材間に隙間があるため、通気性に優れています。
脚なしタイプでも気軽に取り入れられます。ベッドを購入する予定がある方は、脚付きタイプも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
梅雨を快適に過ごすためのアイデア
毎日雨が続くと憂うつな気分になりがちです。そこで、カビを予防しつつ心地よく過ごすためのアイデアもご紹介します。
防カビ効果のあるアロマを活用する
カビには、抗真菌性のある精油が有効です。ティートリー、ラベンダー、シナモンやユーカリ、タイム等のアロマで抗真菌性の効果が期待されています。水にクエン酸を混ぜたクエン酸水に精油を加え、カビが発生しやすい部分に吹きかけます。
天然成分なので、小さなお子様がいても安心です。カビ予防と同時に、さわやかな香りで気分もリフレッシュできます。
通気性のよい素材の寝具を選ぶ
就寝時には通気性の良い天然繊維の寝具を使用することをお勧めします。特に羽毛(ダウン)や羊毛(ウール)製のものが最適です。これらは吸放湿性に優れ、マットレスや畳に湿気がこもりにくくしてくれます。
寝ている間の発汗による湿度を、布団の中で適切に調整してくれる作用もあるため、ぐっすりと眠れる利点があります。
涼しげなインテリアを飾る
カビ対策が整ったら、お部屋を涼しげに見せるインテリア雑貨を取り入れ、じめじめした季節を快適に乗り切りましょう。すがすがしい雰囲気を演出するために、さわやかなブルー系の布小物やラタンのかごなどの雑貨を取り入れると良いでしょう。
まとめ:部屋のカビを予防して梅雨を快適に過ごそう
本格的なカビのシーズンが到来する前に、部屋のカビを予防しておけば、梅雨に入っても安心して日々を過ごせます。心に余裕が生まれれば、読書をしたりハンドメイドをしたり、趣味の時間が増えるかもしれませんね。涼しげなインテリア雑貨を飾れば、より楽しい気分でおうち時間を楽しめます。
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