間取り図はお部屋の教科書~入居後に後悔しないためのマンション図面集の見方(1階共用部編)

マンションのモデルルーム見学では、そのモデルルームはたいてい1タイプに限定されているため、実際のご購入されるお部屋は図面集に掲載されている間取り図や縮尺模型などで確認することが多いです。
〔参照:H29.3.9掲載「図面集はお部屋の教科書」~入居後に後悔しないための図面集の見方

図面集には各部屋の間取り図の他に、建物の外観である「立面図」や、全体フロアの「各階平面図」、そして1階の共用部分にどんなものがあるかを現した「敷地配置図」などがあります。

今回は前回に引き続き、1階の「敷地配置図」をピックアップして、図面集の見方をご紹介させていただきます。


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1.まずは実際の図面集を使って「敷地配置図」とはどんなものか見てみましょう!

(図1)

ご覧のとおり、敷地配置図はかなりゴチャゴチャした感じになっていますので、思わず目を背けてこのページを飛ばしてしまっている方も多いのではないでしょうか。でもこちらには共用部分として重要なポイントが含まれていますので、必ず確認するようにしましょう。
少し見づらいので重要なポイントだけ色付けして見てみます。

(図2)

それでは、部分別にどのような機能を備えているかご案内致します。


2.風除室&エントランスホール

 
まずマンション内に入るには主に3つの進入経路があります。

1つは屋外階段、もう1つはサブエントランス、そして最後はメインのエントランスホール(以下「メインエントランス」という)からとなります。

最近の分譲マンションにおいては屋外階段の扉にもオートロックがかかっていて、お部屋の鍵でしか解除できないようになっています。図①を見ていただきますと、駐車場はメインエントランスの反対方向に位置しておりますので、車で帰宅した場合にはぐるりと回ってメインエントランスから入るというよりは、駐車場に近いサブエントランス、もしくは屋外階段の扉から建物内に入るほうが多いでしょう。

車寄せで家族の方が先に降りるケースや、徒歩圏内に商業・医療・教育施設などが揃った利便性の高いマンションの場合、メインエントランスを使う頻度は高くなります。

メインエントランスの風除室にある「操作盤」で、4ケタの暗証番号でオートロックを解除、鍵の差込口にお部屋の鍵を差し込んで解除、そして部屋番号を押して家族の方が部屋内から解除、主にこれら3つのパターンで建物内に入ります。

(操作盤)

 
ただ最近ではキーレスも多く存在し、カードやタッチキー等でオートロックを解除できる分譲マンションが増加傾向にあるようです。


3.管理事務室

 

(管理事務室)
 

分譲マンションには管理会社から管理人さんが派遣されます。

管理人さんの待機・作業場所として管理事務室がありますが、受付業務以外にも「清掃・巡回(点検)」業務等で管理事務室は意外と不在であることが多いです。

お昼休憩である12時前後や、出勤、終業時刻の前後は管理事務室にいることが多いので、何かご相談があればこの時間を狙って行ってみると良いでしょう。でも、管理会社やコールセンターに電話するほうが解決は早いかもしれませんね。


4.メールルーム(郵便受け)

(メールルーム)

 

郵便物はそれぞれお部屋ごとに決められた集合のメールルームのメールボックスに届きます。オートロックのため、配達側と受取側とに分けられています。

受取側は暗証番号形式のダイヤル式になっている場合が多く、中央上のくぼみに「右へ2回【8】、左へ1回【3】」を合わせてダイヤルを回すとメールボックスの扉が開くといった感じです。こちらの暗証番号はお部屋ごとに異なっています。

 

余談ですが、マンション管理組合と新聞会社と提携することで、オートロックをタイマーで一定時間開放し(例えば朝5時30分から6時までの30分間など)、その時間に新聞を部屋の前まで運んでもらうといったサービスがあるようです。
その時のために、最初からお部屋の玄関前に「新聞受け」が設けられているマンションもあります。

(新聞受け)


5.宅配ボックス

(宅配ボックス)

 

宅急便が届けられたものの、家に不在であったときは「不在連絡票」をもとに再配達を電話でされているかと思います。
【宅配ボックス】が装備されている住宅は、不在の時には宅配業者はそちらに入れて帰られます。

メールボックス同様に暗証番号(個人設定)で扉を開けて荷物を受け取れるようになっています。ただし、生鮮食品は腐ってしまうため持ち帰られてしまいます。またボックスに入らない大きなものも同様です。この場合は今までと同じように再配達を電話でする必要があります。

ネットショッピングユーザーや、日中仕事で家にいない方にとっては、とても便利なアイテムです。


6.防災倉庫

(防災倉庫)

 

(防災倉庫の備蓄品例)

最近では防災意識の高い方も多く、そのニーズに合わせてマンション専用の防災倉庫が設置されている場合があります。

こちらにはレスキューライス(お米)や乾パンなどの食料や、飲用水、救助工具などが備蓄されています。食料や飲用水などは世帯分を用意されていて、決して起きて欲しくないですが、万一被災にあったときのために準備しておこうというものです。


7.トイレ(共用)

(共用トイレ) 

 

マンション専用の共用トイレが1階に設けられていますので、間に合わない場合は利用されると良いでしょう。こちらは関係業者や管理人さんが利用されることもあります。
ただし、管理人さんが不在の時にはロックしているマンションも多いようです。


8.自転車置場

(平面)

(ラック式)

自転車置場は平面とラック式の主に2種類となります。
これまでの経験上、料金は0~500円程度で駐輪位置はフリーであるところが多いように思います。ただ、有料の場合や、ラック式などの場合は駐輪位置が部屋ごとに指定されているマンションもあります。


9.バイク置場

(バイク置場)

 


 
バイク置場は駐輪置場ほど台数が設けられておらず、区画の大きさによってバイクの大きさもある程度制限されます。原付、中型、大型といったバイクの車種というよりは、ハンドルを含めたバイクの寸法がその区画の白線以内に納まるかどうかが問題となります。

バイクの大きさで確認するよりは、区画の大きさを確認するようにしましょう。


10.タイヤ置場

(タイヤ置場)

山陰地方ではよく見られますが、雪が降る地域のマンションにはこの「タイヤ置場」が共用部に設けられている場合があります(※スペース上、設けられていないこともあります)。
こちらは各世帯分用意されていて、写真のようなラック式になっており、部屋ごとに場所指定されています。
料金は無料のところが多いようです。


11.ペット足洗い場

(ペット足洗い場)

 


 

昨今の新築分譲マンションはペット飼育可になっているところが多く存在します(飼育細則あり)。
〔参照:H28.4.27掲載マンションでペットと暮らそう!飼う前に確認したい10項目

共用部分ではペットは抱きかかえるか、専用のカゴに入れなければいけないことになっています。
散歩から帰って来て抱きかかえると、着ている服が汚れてしまうため、これに配慮してペットの足を洗えるように1階共用部分に「ペット足洗い場」が設けられています。


12.受水槽

(受水槽)

水道本管からの水を受水槽で受け、各お部屋に加圧ポンプ方式や直結増圧ポンプ方式などで加圧・増圧供給するための設備となります。


13.キュービクル置場

(キュービクル)

 

正式にはキュービクル式高圧受変電設備と言われますが、簡単に言うと、発電所から変電所をとおして送られてくる高圧電気を低圧に変える設備のことです。つまり、電力会社のトランスを通さずに電気を利用するため、安い単価で電気を使用出来るようになっています。

LEDやエコ給湯器、電気・ガス使用量(料金)の“見える化”、そしてキュービクル採用マンションも増加傾向にあり、地球環境に配慮しながら家庭の毎月のランニング費用を抑える仕組みが全国的に広がっています。


14.ゴミ置場

(ゴミ置場)

ゴミ置場でチェックすべきポイントは屋根の有無と回収方式(ゴミ出し)ぐらいでしょうか。
回収方式は自治体に則った方式もあれば、民間業者による回収などで24時間ゴミ出し可能とさまざまです。
ただし、図面では分かりかねる為、担当者に確認すると良いでしょう。


15.エレベータ

(エレベータ)

エレベータはマンションによって1基のところもあれば、規模の大きいところは2基、3基あるマンションも少なくありません。また、スピードも毎分60メートルもあれば90メートル、9人乗りもあれば13人乗りとさまざまです。たいていは図面集の【物件(設備)概要】のページに記載されていますので、ご興味あれば一度のぞいて見て下さい。たいていは最終ページにございます。

(物件概要の参考例)


【まとめ】

今回は、前回に引き続き、図面集にも掲載のある「敷地配置図」を参考に共用部分のご説明をさせていただきました。
ご自身が住まわれるお部屋のみならず、1つのお住まいとしてこれら共用部分にも理解・知識を深めることが必要です。

これからマンションを検討しようと思われている方、現に検討されている方にとってこの記事が参考になりましたら幸いです。

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