ちょっと飾るだけでいつもの空間を魅力的にしてくれる生花。「花のある生活を始めてみたい」と考えたときに、まず必要になるのがフラワーベース(花瓶)ですね。しかし見た目や好みだけでフラワーベースを購入してしまうと、実際には使いにくいということも。
フラワーベースの選び方でポイントとなるのは、サイズ・素材・形の3つ。サイズは花の量や置き場所、素材はお部屋との調和、形は花の生けやすさに反映されます。
今回はこの3つのポイントに分けて、特徴や使いやすさをご紹介。あなたのご自宅に合う、長く愛せる花瓶を導き出してみましょう。
サイズ別での選び方!フラワーベースの大きさで飾れる花が変わる
お稽古事の発表会などでボリュームのある花束をもらう機会があるならば、大きめのフラワーベースが必要。また、近所のお花屋さんで定期的に少量の花を買ってきて飾りたいのであれば、中サイズのもので十分。
フラワーベースのサイズによって、飾る花の量はもちろん、置き場所も決まってきます。まずは大きく3つのサイズに分けて、それぞれの特徴を見てみましょう。
初めて買うなら、高さ15cmくらいの万能サイズ
テーブルやキッチンのカウンターに置いても邪魔にならず、切り花を1〜3本でもバランスよく飾れる中サイズは、まさに普段使いにぴったりな万能サイズ。目安としては高さが15cmくらいのものです。
実際に「生花は安くはない」というのが正直なところ。1〜2週間のサイクルで入れ替えるとすると、ボリュームのある花ではかなりのコストがかかることになります。しかし1〜3本程度であれば、だいたい1000円以下の予算でも購入できるので、花を飾る生活を持続しやすいでしょう。
そのためにも、普段使い用であれば、数本だけでも映える中サイズのフラワーベースがかなり便利。はじめて購入する花瓶としてもおすすめの大きさです。
花束も枝ものもOK!存在感を出せる高さ30cmくらいのサイズ
花束をもらったときにパッと生けられる器が欲しいというのであれば、高さ30cmくらいの大きめのフラワーベースがよいでしょう。ちょっと大きすぎると感じるかもしれませんが、長めの花束でもアレンジを崩すことなく、そのまま生けられるサイズになります。
大きめのフラワーベースがあれば、さらに楽しめるのが「枝もの」。大ぶりな枝ものは、しっかりと支えられる深めの花瓶が適しています。コデマリ、ミモザ、ドウダンツツジなど枝ものにも種類が多く、その存在感を利用してお部屋の印象をダイナミックに変えることができますよ。
また、枝ものには季節を味わえるものが多いのも特徴。ひな祭りに桃、七夕の時期には笹…というように、イベントにちなんだ植物を飾ると子供も喜んでくれるでしょう。
さらにずっしりとした安定感を活かして、床に直接置いて観葉植物のように飾れるところも、このサイズならではのおもしろさ。家具のない、少し寂しいスペースを生花でおしゃれに彩ることができます。
どこにでも飾れる!少量の花でも楽しめるミニサイズ
一輪挿しや手のひらサイズのフラワーベースは、ごく少量のお花でも絵になるところが魅力。子供が摘んできた野花を飾ったり、中〜大サイズの花瓶で飾った後に、きれいに残っている部分を再度生ける場合などにも活用できます。
とにかく場所を取らないサイズなので、狭いスペースでもワンポイントとして空間に色を添えられます。
洗面台、トイレ、玄関などはもちろん、棚の中段など高さが限られているところにもぴったり。ちいさな花を生けた小瓶がひとつあるだけで、無機質な場所もパッと明るくさせることができます。
素材ごとの選び方!ガラス?陶器?それぞれのメリット
続いてフラワーベースの素材について見てみましょう。
花瓶の代表的な素材といえば、ガラスと陶器。それぞれに特有の魅力があります。
使いやすさ◎!オールマイティなガラス製
ガラスの魅力はやはりその透明感。水のゆらぎ、光の透過は、部屋にみずみずしさや潤いを与えてくれます。
また器がクリアな分、主役である花を十分に引き立ててくれる効果も。機能面としては、水の量が一目瞭然なので、「水が無くなっていたことに気付かなかった」というトラブルを防ぐこともできます。
特に色の付いていないガラスは、どんな部屋にも、どんな花にも合わせやすいという柔軟さがあります。
洋室にも和室にも合いますし、日本や南国のイメージが強い種類の植物を生けても馴染むという万能さ。無色のガラスのフラワーベースは、まさにどんなシチュエーションにも対応できるオールマイティな素材でしょう。
お部屋のテイストをさらに引き立てたいなら陶器
一方、陶器のフラワーベースは、その質感や豊富なカラー、デザインを上手に取り入れることで、お部屋のテーマを強調したり、差し色として空間にアクセントを加えることができます。
例えば、北欧スタイルの部屋なら食器と同じブランドで揃えてより部屋全体の統一感を出したり、日本の古家具にあえて洋風のフラワーベースを使うことで和モダンに寄せたり。お花を飾りながら、お部屋のトーンを微調整してくれる繊細な役割も担ってくれます。
種類が豊富な陶器のフラワーベースですが、迷ったときは無地のホワイト系がおすすめ。白い花瓶はあらゆる色の花に合い、ほとんどのお部屋のスタイルに溶け込むことができます。
また、たまにお花を飾る程度であるのならば、そのまま置いていてもオブジェになるようなフラワーベースにするという考え方も。ただ個性が強すぎると、主役の花が映えない、飾れる花が限定されてしまう…ということもあるので、機能とデザイン性のバランスがほどよく取れたものを選ぶのがポイントです。
テクニックがなくても大丈夫!初心者でも扱いやすい形の選び方とは?
フラワーベースの形には、花を飾るのが難しいタイプも。
しかし飾りやすい形状のものをきちんと見極めれば、たとえテクニックがなくても見栄え良く花を生けられます。特に初心者におすすめしたいのは以下のような形のフラワーベースです。
花が寄りかかれるくびれがあるもの
くびれのあるフラワーベースは、茎がもたれかかれるので、花をピンと立たせることができます。また複数の花を飾る場合は、狭くなった部分で広がりをキュッと束ねてくれる効果も。
花の長さの調節さえすれば、あとは挿すだけで纏めてくれるくびれのあるフラワーベースは、初心者でも非常に飾りやすい形です。
口が適度な大きさのもの
口が広すぎるフラワーベースは、花が器の中で動いてしまったり、余白を埋めるために多めの花が必要だったりします。しかし逆に口が狭すぎると、細めの花を1本しか入れられなかったり、花瓶の内側が洗いにくいことも。
花を生けたときにある程度固定でき、なおかつ茎の太さを限定しない「適度な口径サイズ」であるかどうかは、花瓶選びの際に必ずチェックすべきポイントです。
ある程度重みがあるもの
薄いガラスなど、フラワーベース自体に重みの少ない場合は要注意。シャクヤクやアジサイのような花部分が重いものを生けたとき、花瓶ごとパタッと倒れてしまうことがあります。
花瓶にある程度の重みがあるか、底側に重心となる厚みがあるかなど、できれば店舗で手に持って安定感を確認した方が間違いないでしょう。
シンプルなデザインのもの
あまりにも個性的な形であったり、いろんな素材を合わせた複雑なフラワーベースだと、花を生けたときに植物の自然の美しさを十分に発揮できません。
花の印象を引き出せるようなシンプルなデザインのものほど、長く頻繁に使えます。花屋に並ぶいろんな生花を想像しながら、どんな花にでも対応できるデザインのものを見つけてみましょう。
まとめ
フラワーベースの選ぶ時には、大きさ・素材・形に注目してみましょう。
たとえ見た目が好みであっても、実用性も大切なポイントになります。ぜひ自宅にお似合いのフラワーベースを見つけて、花のある暮らしを楽しんでみてください。家の中で生花と目が合うたびに心が潤いますし、子供たちにも特別感を与えてくれます。
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