ゆっくりくつろげるお部屋にするためには、家具の選び方にもコツがあります。
インテリアの演出に欠かせない家具は、お部屋のテイストに合ったデザインで、かつ必要な機能を備えているのが理想。
限られたスペースも、家具を上手に選んで使うことですっきり快適な空間にしていきましょう。
知っているだけで大きく差が出る、家具の選び方のちょっとしたコツを、インテリアコーディネーターの小川さんにお聞きしました。
[テーブル&チェア]汎用性のあるテーブルと座りやすいチェアを選ぶ
多目的に使うことの多いダイニングコーナーでは、食事だけではなくほかの作業ができるようなテーブル&チェアを選んでおくことが大切です。引越しやリフォームでインテリア・テイストが変わっても新しいイメージになじみやすい、汎用性のあるものを選びましょう。
テーブルは高さや広さだけでなく、テーブル下のゆとりも重要
脚の形状も使い勝手に差の出るポイント。サイズが同じでも、脚が角についているか内側に入っているかで座ったときのゆとり感が違ってきます。テーブルの下に何かを置きたい時はゆとりがある物を検討したり、あわせるチェアのサイズも考慮したりして、最適なテーブルを選びしょう。
チェアは座りやすさを最優先!自分の体に合ったものを
体を預けることになるチェアを選ぶときには、できるだけ靴を脱いで座り、足が床につくかや背もたれの角度が身体に合っているか、座り心地に圧迫感がないかなどをチェック。
ダイニングでくつろぐことが多い場合はゆったりめのものを選びましょう。来客が多い家庭では、収納のことを考えてスタッキングタイプのものをそろえるといいですよ。
でも、高さやサイズが少々合わなくても、店頭で「欲しい!」と思ったのなら、その気持ちを優先させた方が、後悔のない買い物になると思います。
ただし、高さを合わせようと無理やりテーブルの脚を切ったりすると、デザインが崩れてイメージが変わってしまうことがあるので要注意。座面のクッションを足したり足カバーを使ったりして、使い勝手は補正することもできますので、補正が効く範囲で気に入ったものを選びましょう。
[ソファ]主役級アイテムは長く使える上質なものを
ソファはサイズも大きく、メインカラーを担うインテリアのひとつでもあるので、お部屋の雰囲気づくりの中でも重要なアイテムです。
ソファはお部屋に置くとショップで見たときよりも大きく感じることが多いものです。見た目だけでなく寸法をきちんとチェックして、お部屋においたときのサイズ感を確認しましょう。
リビングダイニングが12畳以上なら、3人がけソファが充分置けます。お部屋の用途や他の家具との兼ね合いを見ながら、必要な数を組み合わせましょう。
ソファはインテリアの主役級アイテム。張り地の素材や内部の構造で大きく値段や品質が変わってきますが、カバーが洗濯できる・作り変えや補修ができるなど、お手入れをして長く使える上質なものを選びましょう。
こんなときはどうする?ソファ選びのQ&A
または、パーツごとに分割・組み合わせのできるソファを選んでおくと、お部屋の状況にあわせて使うことができますよ。
狭い部屋ならサイドテーブルを兼用するという手もありますよ。
またアームレスソファや片肘のソファなどは圧迫感が少ないので、スモールリビングにお勧めです。
※フォーカルポイント…お部屋の中で、視線を集めるよう設定されたポイントのことです。欧米では暖炉ですが…日本ではTVや絵画などでしょうか。
[シェルフ]他機能インテリアの代表格。見せるも隠すも自由自在!
何を収納したいかによって大きく役割が変わるシェルフ。中のものを隠したいときでも、板戸つきのシェルフを壁全面に配置すると部屋が狭く感じる原因になってしまいます。背が高くても、板戸を付けるのは一部だけにしたり、扉や棚板がガラスになっている棚を選べば、重圧感がなくなります。
オープンシェルフで中を見せたいときにも、本や小物をびっしり詰め込まず、所々にオープンスペースを作り、オブジェやグリーンなどの遊び心を取り入れて。
本を並べるときにも、高さや背表紙の色をそろえるだけで、グンと雰囲気が変わります。
シェルフのディスプレイにメリハリをつける方法は、こちらの記事も参考にしてください。
[デスク&チェア]サイズ・機能にこだわって自分に合わせたものを
仕事や勉強・作業用のデスクは、奥行きが40cm以上あるものがベスト。50cmほどあれば使いやすく、70cmあれば本が置ける程度のスペースができます。今使っているデスクを採寸して、どの程度のサイズがどれくらいのイメージなのか、使いやすい大きさはどのくらいなのかをつかんでおきましょう。
デスクは、天板と引き出しを別のものにするなど、各パーツを選んで組み合わせることができるのも魅力。インテリアや部屋の広さにあわせて、素材や大きさ、機能にこだわって、自分だけのデスクを作りましょう。
[ベッド&サイドテーブル]寝心地の良いマットレスとベッド周りの空間にこだわりを
ベッドで一番重要視したいのはやっぱり寝心地です。ついついデザインで選んでしまいがちですが、ベッドを選ぶときは、マットレスの寝心地にこそ細心の注意をはらいましょう。
その上で、大きなスペースを占めるベッドなので、周りの空間の使い方に気を配ったアイテム選びを考えましょう。
マンションなど湿気が少ない条件の部屋であれば、収納付きのベッドを選んで寝具類をすべて保管しても大丈夫です。
また、あると便利なのがサイドテーブル。目覚まし時計やカレンダー、エアコンのリモコンなどの置き場所は、やはり枕元が一番です。ベッドと同じくらいの高さかそれよりすこし高めのものが使いやすいですよ。
安定性のある椅子や棚などでも代用ができるので、スペースを考えて取り入れましょう。
スペースを少しでも有効活用したいワンルームなら、ヘッドがシンプルなベッドがおすすめです。ソファ代わりとしても使いやすく、部屋を圧迫しません。
就寝前に室内の空気を冷やしたり暖めたりしておくと、ベッドの下に冷気や暖気がたまり、夏は涼しく、冬は暖かく眠ることができますよ。
[部屋づくりの考え方]家具の量と配置をコントロールして、すっきり広々した部屋に
いくら素敵な家具を集めても、並べただけではすごしやすくなるとは限りません。
最後に、選んだ家具の配置について、コツを紹介します。
家具が占める面積は、部屋の1/3が目安
部屋の広さに対して、部屋の中に家具が占める面積はどれくらいになっているでしょうか?通常は、部屋の広さに対して1/3が理想だと言われています。
その上で、人がスムーズに動けるように、家具と家具との間隔にも気をつけましょう。
人が楽に通れる、二人がすれ違ってもぶつからない、椅子を引いた時や座る・立つなど、日常の動作をゆったり行えるよう、お部屋に対して余裕を持った配置にするのが大事です。
「何かを囲む」緩やかな家具配置が鍵
家具の配置は何かを囲むという意識でレイアウトすると成功しやすくなります。大きなテーブルを囲む、TVを囲む、など円を描くように緩やかに家具を配置してみましょう。
この意識でレイアウトすると、家具の周囲や壁面との間に適度な空間ができ、部屋全体に余裕が生まれます。
オープンスペースを利用して広がりを
狭い空間を広く見せたいときは、まとまったオープンスペースを確保しましょう。床が広く見えているだけで、部屋そのものが広く感じることもあります。
壁際に家具をまとめて配置したり、兼用の家具などで省スペース化を測りましょう。
まとめ
インテリアアイテムの選び方と、配置のコツを解説しました。
自分の暮らしに合った家具が選べているかどうかと、過ごしやすい配置ができているかどうかはインテリアの両輪。どちらが欠けていても快適なお部屋にはなりません。
この記事を参考に、お気に入りの家具をゆとりを持って配置して、毎日を過ごしやすいベストなお部屋を作り上げましょう!
コーディネータープロフィール
有限会社小川本舗
小川 麻里
インテリアコーディネーター
ダンヒル、エルメネジルドゼニア、フェラガモ、ハンティングワールドなどの専属ディスプレイデザイナーを経て独立。
トータルコーディネートを目指し、町田ひろこインテリアコーディネーターアカデミーでインテリアデザインを学ぶ。
分譲マンションのコーディネートを中心に、店舗デザインや住宅リフォームを手掛ける。
※この記事は、2011年11月に公開されたアルファあなぶきStyle内コンテンツ記事を再編集したものです。
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