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リサーチ・体験談

マンション購入で後悔しないために知っておきたい入居後のトラブルに対する心構え

せっかく購入するマイホームで、他の人に迷惑をかけたりかけられたりするのは、誰もが嫌なはずですよね。最悪の場合、マイホームを購入したことを後悔し手放してしまう人も…。

私が今までに、マンションの営業スタッフとして「体験したことや聞いたこと、失敗したことや成功したこと」を参考に、皆様に「ここだけは後悔しない為に、知っておいてもらいたい!」という内容をまとめてみました。

マイホーム購入で公開しないために知っておきたい6つのポイント

  1. 入居後のトラブルを回避するためには、どんな人が住むのかを理解することが大切。生活スタイルの違う人がお隣さんの場合は要注意!(今回記事)
  2. 住宅ローンの説明が分からない場合は、納得いくまで質問しよう。「ライフスタイルに合った提案をしてくれているのか?」がポイント!
  3. モデルルームは、ハイグレードなオプションや高級感を出す変更工事がいっぱい。間取りや広さ、窓や梁の大きさなどは確認が必要!
  4. 眺望重視の方は、周辺環境(周辺建物、電柱、電線、鉄塔など)をしっかり確認。窓が透明ガラスだけでなく、網入ガラスの場合もあるので要確認!
  5. 営業スタッフの説明だけでなく、重要事項説明書もしっかり確認しよう。重要事項説明書をしっかり聞いていないと、大きなトラブルになる事も!
  6. 請求を忘れがちな「固定資産税」、手続を忘れがちな「すまい給付金・住宅ローン減税」固定資産税は手続なしで請求がくるけど、税金の還付や給付金は手続が必要!

 


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トラブルのキッカケは、入居者の生活スタイルの違い

私はマンション営業スタッフであり3人の男の子の父親です。自社のマンションを購入して、はや10年が経ちました。

検討当初に気にしていたのが「音」でした。その理由は、自社の販売するマンションに従業員が生活するということもあって、「他の入居者の方に迷惑をかけるのだけは避けないと……トラブルにでもなったら大変だ。子供が騒がないようにしておかないと」という思いが強くあったからです。

小さなお子様がいらっしゃるご家庭であれば、私と同じように心配されている方も多いのではないでしょうか?

こちらは平成25年度マンション総合調査によるマンショントラブル発生状況を示したグラフです。

トラブル発生状況

「マンションは音のトラブルが多い」と思っている方が大多数だと思います。私も営業を始めた当初はそう思っていましたが、実は大きな間違いなのです。

トラブルの原因になるのは、音よりむしろ、意外にも入居者間のマナーが一番多かったのです。そして、入居者間のコミュニケーションがとれていない場合にトラブルへと発展します。

トラブルのキッカケは、生活スタイルの違い 

トラブルのキッカケは、生活スタイルの違いです。

(生活スタイルの違う例)

  • 1~2人世帯の周辺に、ファミリー世帯がいる
  • ペットを飼っている人の周辺に、ペット嫌いの人がいる
  • 趣味が楽器演奏、音楽鑑賞の人が周辺にいる
  • 生活リズムの違う人(勤務時間や休日など)が周辺にいる
  • 静かな環境が好きな人が周辺にいる

これらのケースは、あくまでもキッカケです。必ずしもトラブルへと発展するわけではありません。私の経験上では、トラブルへと発展するほうが少ないのがほとんどです。
その理由は自然と「お互いを気遣った行動」を取っているからです。

お互いを気遣った行動とは?

住民間である程度のコミュニケーションがとれていて、なおかつ交流があれば、お互いを思いやる気持ちが生まれます。そうなるとお互いを理解した行動を取るようになり、自然とトラブルは避けられます。

例えば…

  • 子どもが部屋で走り回ってしまっても、音が少しでも響きにくいようにマットや絨毯を敷くなどしている
  • 音を聞く側もたまに聞こえるぐらいの頻度で苦情を言わない
  • 楽器の演奏は時間に配慮している。音楽を聴く時はイヤホンを利用している
  • 無駄吠えをしないように、ペットのしつけをしている
  • ペット嫌いの人も嫌な表情をするなどの態度を取っていない
  • 早朝、夜中に仕事に出るときはドアの開閉に気をつけている
  • 住人同士が笑顔で挨拶ができている
  • 些細なことでもお詫び、お礼の気持ちをきちんと伝えている
  • 生活スタイルの違う人が、周囲に住んでいることをお互いが理解している

我が家もマナーには気をつけて生活していますが、絶対に迷惑をかけていないかというとそうでもありません。
男の子が3人もいますので、大声を出して兄弟げんかをすることもありますし、親の目を盗んでバタバタ走る、兄弟が仲良く遊んでいる時はハイテンションで騒ぐ、といったことは日常茶飯事でした。
家事と育児の全てを妻にまかせっきりとなっているので、どうしても妻一人の対応では限界があります(本当は私も手伝えば一番いいのですが)。
ですので、その分、室内でのできうる限りの対策や、周囲への気づかいは欠かしません。

音が原因のトラブルは、お部屋の遮音性が関係することも

生活スタイルの違いがトラブルのキッカケとなることはご理解いただけたかと思います。
しかし特に音が原因のトラブルに関しては、お部屋の遮音性が低いことで起こることもあります。そこで遮音性についてもご説明しておきましょう。

室内に聞こえてくる音は、大きく3つに分かれます。

隣から聞こえてくる音
隣との壁厚、構造の遮音等級を確認(D値)
上階から聞こえてくる音
上階の床厚、構造の遮音等級を確認(L値)
※重量床衝撃音…重い物体が落下した時の衝撃音
※軽量床衝撃音…軽い物体が落下した時の衝撃音
外から聞こえてくる音
サッシの遮音等級を確認(T値)

それぞれD-○○ 、L-○○ 、T-○ という形式で表されます。
パンフレットで確認することが出来るので、確認しておきましょう。もし記載されていない場合は、販売スタッフに尋ねると教えてくれます。数値によって、どれだけの遮音性が得られるのかは次の表をご覧ください。

遮音等級

D値とL値の遮音等級と聞こえ方

T値遮音等級

T値の遮音等級と聞こえ方
※音の感じ方には個人差があります。※壁の開口部や隙間の有無などの建築条件によって、上記と異なる場合があります。

マンションの場合、利便性の高い立地(駅が近い、商業施設が近い、病院や学校が近いなど)で建設されます。そのため遮音性の高い構造・設備となっているのが一般的です。駅や高速道路、踏み切りのすぐ近くに建設される場合は、より遮音性を高くして静かな生活を維持できるように対応をとっているマンションもあります。


トラブルになってしまった場合は、どうすればいいの?

トラブルになってしまった場合は、どのように解決すればよいのでしょうか?

マンションであれば、やはり管理のプロである管理会社に相談するのが一番です。
明らかなルール(管理規約)違反によるトラブルは管理会社が対応をとります。インフォメーションボードに注意喚起をしたり、違反者に改善要求を行います。

一戸建てでは、自治会での話し合いとなりますが、住民同士の集まりなので解決策を出し実行するまでに、時間がかかったり適切な対応が取れなかったりします。
トラブルの当事者同士だけで話し合うのは、私の経験上ではNGです。お互い感情的になってしまい、話がこじれてしまいます。第三者に仲裁に入ってもらうなどして話し合うのが良いでしょう。


それでもトラブルが解決しないという方に

「トラブルが解決しないなら引越しをする!」……そんな簡単な話ではないですよね。
不運にもトラブルに巻き込まれ、解決の糸口が見出せない人は「賃貸や売却に出すのはイヤ!でもこんな状況がずっと続くのもイヤ!」と思うのが一般的でしょう。そこでひとつの考え方をご紹介しておきたいと思います。

トラブルの内容がどうであれ、良くも悪くもお互いの状況は変化します。何十年と生活をするマイホームだからこそ、同じ生活環境のままではありません。

  • 賃貸や売却に出したら?
  • 転職したら?
  • 子どもが成長したら?
  • 結婚して子どもが出来たら?
  • ペットを飼い始めたら?
  • 親と同居するようになったら?

このようにお互いの生活環境が変われば、トラブルが解消される可能性もあります。


おわりに

冒頭でお話したように、私は自社のマンションを購入するに当たって、「トラブルを起さないようにしないと。音には特に注意しないと。あと、支払いは本当に大丈夫かなぁ、間取りはこれでいいのかなぁ」などなど、いろんなことに敏感になっていました。
そのことばかりに気をとられてしまい、なかなか話が進まなくなっていました。私自身「マンションを何のために、誰のために購入しようとしているのか?」ということが見えなくなってしまっていたのです。

この状況が一転させたのが「モデルルーム見学した時の家族の笑顔」でした。
ある日、一人で考えていても仕方がないと思い、家族をモデルルームに案内しました。そこで、今まで見たことがないような家族の笑顔を見ることができたのです。普通の「笑顔」ではなく「特別な家族の笑顔」だったのです。

うまく表現できませんが、この家族の「特別な笑顔」を見られたおかげで、マイホームを検討しはじめたキッカケである「賃貸生活のストレスから家族を解放し、今より快適な居住空間で妻に育児や家事をして欲しい」という気持ちを思い出すことができきました。
一つのことに囚われすぎて大切なことを見落とし、私自身、本当に後悔してしまうところでした。

今回の記事が、皆様の「満足できるマンション購入」のお力になる事が少しでもできれば幸いに思います。

シリーズ2・資金計画編に続く

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