動物たちは、私たち人間にはない個性で癒しや喜びを与えてくれます。
姿形は違い言葉も通じないのに、何故か心は通じ合う……そんな素敵な家族を、マンション住まいでも迎えたい!と思われている方も多いのではないでしょうか。
一戸建てに比べてハードルが高いようにも感じられますが、一緒に暮らす動物の種類を上手に選んで、マンションのルールをきちんと守れば大丈夫!
家族はもちろん、ご近所にも迷惑をかけずにペットを迎えることができますよ。
目次
マンションで一緒に暮らすなら、どんなペット?
動物のいる暮らしを想像した時、あなたはどんなスタイルを思い描きますか?
一口にペットと言っても、その魅力と暮らしぶりはさまざまです。
部屋で一緒にくつろぎたい
テレビを見ていたらちょこんと膝に乗ってくる、気づくと一緒にソファでうとうと……。
ふかふかの毛を優しく撫でれば、私もペットも気持ちいい~~!
そんな甘い生活をお望みなら、犬や猫、うさぎ、フェレット等のお部屋で放し飼いができる動物がおすすめです。動物との触れ合いを楽しめる年齢のお子様がいらっしゃるご家族にも◎。
筆者はフェレットを2匹飼っており、在宅中はお部屋で自由に散歩させています。
小さなぬいぐるみをベッドの下に運ぶのに夢中だったり、フェレット同士でプロレスごっこをしたり…と、基本的に筆者にはあまり構ってくれませんが(笑)、夜はベッドに潜りこんで一緒に眠ってくれるので、ついキュンとしちゃいます。
“癒しの空間”を眺めたい
あまり多くのスペースをペットに分けることはできないけれど、小さな身体でもぞもぞ動く姿を楽しみたい!手渡しで餌を食べてもらいたい!
そんな方には、ハムスターやデグー、モルモット、小鳥等のケージ飼いができる動物がおすすめです。
ケージの中という限られた空間で飼うので、動物と触れ合うにはまだ早い小さなお子さまがいらっしゃるご家庭にもぴったりですね。
筆者は子どもの頃にハムスターを2匹飼っていましたが、どちらも手のひらの上でくるくる毛づくろいをしたり、手からひまわりの種を食べてくれたりと、小さな身体に負担をかけない範囲で触れ合いを楽しんでいました。
また、インコが大好きな友人宅に行った時、インコさんが肩にちょこんととまってご挨拶してくれて、ちゃんとお友だちになれたのもいい思い出です。
優雅な水中ショーをリビングで
これは割と男性の方がときめくのでは?と思うのですが……。
水槽の中に自分で世界を創り上げるアクアリウムも、マンションで楽しめますよ。水槽の大きさと水の量に気をつけて(マンションの規約に記載されているところが多いです)、自分だけの水中ショーを作ってみませんか?
奥深く追求できる趣味的な要素が強いため、ご自身の時間をたっぷり使える方には特におすすめです!
筆者の友人で、アクアリウムに熱を上げすぎて、自宅のガレージに超巨大水槽&ろ過システムを設置して巨大魚と熱帯魚を飼っていた人がいますが、まるで水族館かアマゾンの川底のようでした。
そこまでせずとも、水槽という限られた空間に岩や水草、流木をレイアウトして自然界を再現するのは、本当にロマンティックですよ!
気分は恐竜観察!?ワイルドなペットたち
こちらも男性が熱を上げやすいジャンルかもしれません。
子どもの頃の恐竜に憧れた気持ちを今でも思い出す…という方は、小型の爬虫類や両生類を飼ってみるのはいかがでしょう?
こちらもアクアリウムと同様、水槽の中に自然を再現するロマンが味わえるので、じっくりと趣味として向き合いたい方にもおすすめです!
筆者の実家ではヒョウモントカゲモドキを飼っていて、帰省の度に水槽を覗いてはそのワイルドな佇まいにため息をついています。岩の上にスッと立ち、遠くを見つめる様は威厳たっぷり!20cm程度の小さな身体ながら、本来砂漠という過酷な環境下で暮らす生物であることを忘れずに(?)野性味をアピールしています。かと思えば人間のようなだらしない姿で眠る等、愛嬌もあり、癒されます♪
ペットを飼う前に確認したい10項目
ペットを家族として迎え入れる前に考えたいことを、10項目にまとめてみました!
さぁ、個性豊かな動物たちと暮らすイメージを具体的に膨らませていきましょう。
1.ペットの種類と大きさ
マンションという特性上、あまり大きくならない種類を選びたいですね。
大きくなればなるほどペットに分けるスペースが広くなるだけでなく、必要な運動量も増えていきますので、要注意です!
案外見過ごしがちなのが、成体になったときのサイズ感。
エレベーターに乗せること等を考えると、成体になっても抱えられるサイズであることが必須です。マンションの規約で、大きさの上限が決められていることも。(例えばアルファマンションでは、ペットのサイズは「体長50センチ以内・体重がおおよそ10kg以内のもの」というルールがあります。)
「思っていたより大きくなった…!?」と慌ててしまわないように、よくリサーチしておくのがベストです。
2.ペットに分けるスペース
普段はお部屋に放しているペットでも、家人が不在の際や眠る時にくつろげる空間を用意する必要があります。また、ペットの安全性や家族の都合を考慮して、フローリングは滑りやすいのでカーペットを敷く、畳は傷つきやすいので和室には入れない…等、家全体での活動範囲と対策も決めておきましょう。
ケージから出さないペットや水槽で飼うペットについては、「暑くても寒くても、眩しくても暗くても、ペットはそこから移動できない」と認識し、動物の種類に合った環境の整備が必要です。ケージや水槽以外の設備(温度調整の器具やろ過システム等)も考慮したレイアウトを考えましょう。電源の位置を確認するのも忘れずに!
3.ルールとしつけ
ペットを迎えると、家族の生活スタイルにも変化が生まれます。
世話の仕方や分担、NGリストを簡単に決めておくと、さまざまな変化を受け入れやすいですよ。
また、世話の仕方や分担はスムーズに決められても、しつけの方針で喧嘩した!という話を聞くことも…。家族で意見が割れそうなことは、基準となる情報元(トレーナーさんや飼育書等の第三者がオススメ!)を決めて、それに基づいて検討すると喧嘩になりにくいかもしれません。
4.動物病院の場所
例えば犬だと、ジステンパーや狂犬病の予防接種、フィラリア駆虫薬の投与等、普段は健康でも病院にお世話になる機会は何度か訪れます。早いうちから、アクセスしやすい場所に複数の候補を探しておくと、慌てずに済みますよ。
特に、フェレットやハリネズミ、モモンガ、爬虫類等のいわゆるエキゾチックアニマルと呼ばれる動物たちは、犬や猫に比べて診てもらえる病院の数が多くありません。連れて行ける範囲に診察可能な病院があるかどうかは必ず把握しておきましょう。
5.餌やペットシーツ等の消耗品の調達先
ペットと暮らし始めると、日々必要な消耗品がたくさんあることに気づきます。パッと思いつくだけでも、餌、トイレの砂・ペットシーツ、シャンプー&リンス、ケージ飼いの場合はそれぞれのペットに合った床材……等々、多くのアイテムがあります。
それらを定期的に買いに行けるお店があるか?通販で安定して手に入るか?を事前にリサーチしておき、メインの店舗に加えて予備の店舗をいくつか控えておくと安心です。
6.消耗品の保管場所
お部屋で放すことのあるペットだと、少し目を離した隙に餌の袋を開けて食べてしまったり、ペットシーツをおもちゃにしてしまう等、人間にとっては好ましくない遊び方をすることがあります。筆者も昼寝中に餌の袋をボロボロにされて、部屋が餌だらけになったことがあります……ペット本人は楽しそうなんですけどね。
消耗品は利便性も考えて、すぐ手に届く場所に置いておきたいですが、コンテナに入れる等の工夫をして、ペットが触れないようにしておきましょう。
7.サークルやケージ、水槽の手入れ
ペットのお部屋とも言えるサークルやケージ、水槽は定期的に大掃除・丸洗いをしてあげたいもの。
ベランダか浴室で手入れするケースが多いと思いますが、運ぶとなると結構大きかったり重かったりするので、設置前にお部屋からの動線も考えておくと便利です。
また、併せて水道の位置、水はけ(排水溝への配慮)についても確認しましょう。特に、体毛が抜ける動物のサークルやケージを丸洗いすると、どうしても毛が排水溝に流れてしまいます。排水溝の上でごみを集められる便利なグッズも市販されていますので、水周りのトラブルになる前に対策しましょう。
8.非常時の対応
意外と忘れがちなのが、ペットのための災害対策。
緊急用として、餌・ペットボトルの水・ペットシーツ・タオル・ビニール袋・おもちゃ等を袋にまとめておきましょう。災害時に限らず、例えば家族全員が風邪を引いた等、何らかの理由で家から出られなくなった時にも役立ちます。
人間の非常食と同様、賞味期限のあるものは定期的に入れ替えるのを忘れずに!
9.ご近所とのコミュニケーション
ご近所の方と日頃から適度なコミュニケーションをとっておくのも、いざという時の安心に繋がります。
万が一、ペットにまつわるトラブルが起きてしまっても、ご近所との関係が良好であれば不要な発展を避けやすくなります。
ご近所の方も同じようにペットと暮らしていれば、散歩コースやペットショップ、病院等“地域のペット事情”を教えてもらえることも!
10.情報収集ができるペット系コミュニティ
ペットの飼い方は子どもの育て方と同様、これが絶対に正解!というものはありません。日頃から活発に意見が集まるコミュニティをwebでチェックしておくと、飼い方や病気・医療等の最新情報をキャッチしたり、便利なアイテムや遊びのヒントを知るきっかけになります。
可愛い写真やほほえましいエピソードも見られて、日々の楽しみにもなります!
★さらに……
マンションによってはペット専用の足洗い場や、ペット同伴専用のエレベーター・出入り口が設置されているところもあります。また、フローリングをペット対応のものに敷き替えられる場合は、防音に関する心配が軽減できるだけでなく、ペット自身にも優しい環境になります。
ペットとの日々を快適に過ごすには、ルールとマナーに配慮することも欠かせません。共用部分でのペットの扱い方や、お友達がペットを連れて遊びにくる際のルール等、マンションごとに規約が定められていることが一般的ですので、トラブル回避のためにも必ずチェックしましょう。
まとめ
上記10項目に加え、「ペット自身を良く知ること」が何よりも大切です。
動物の種類ごとに、必要な生活習慣ややってはいけないこと、食べさせてはいけないもの等さまざまな特徴がありますが、飽くまでも人間とは違う生物だということを念頭におくと、かえって彼らを理解しやすくなります。命を預かるということを念頭におきつつ、最期までしっかりと責任を持って素敵な時間を共有できるよう、理解を深めましょう。
手間や愛情をかけた分だけ、ペットも私たちに大きな喜びを返してくれます。
動物だからこそのいいところ・気をつけるところのどちらもひっくるめて、ペットとの暮らしを楽しんでくださいね!