観賞魚として人気のメダカは、飼育が容易なことからアクアリウム初心者にもオススメの魚。また比較的小さな水槽でも育てることができるので、スペースに限りのあるマンションでも飼いやすいのも魅力です。
かくいう私も、メダカを飼い始めてまだ2年のアクアリウム初心者です。しかも転勤族なので、多いときには1年に5回もの引越しをすることがありますが、そのたびに車に乗せて連れていくメダカは元気そのもの。忙しい日々の合間の癒やしになってくれています。
今回はメダカの楽しさをお伝えしながら、マンションでの飼育方法について紹介したいと思います。
メダカの楽しさって?
メダカの魅力はなんといっても飼いやすさ。屋外でも屋内でも大丈夫で、器や水槽にこだわらなければどんなところでも飼育することができます。また繁殖も簡単で、特別なことをしなくても産卵し、気がついたら稚魚が泳いでいることもあるほどです。
小さな魚なので環境の変化や水質の変化に弱いのではと思われがちですが、かなり変化には強いのです。今は見かけることも少なくなりましたが、昔は用水路や田んぼにも生息していたので、どんな環境でも逞しく生きていける魚です。
また最近では、品種改良で様々な種類のメダカが誕生しています。真っ黒やラメが入っているなどの色や、真ん丸なダルマのようだったりヒレが大きいなどの姿形……といった風に、数多くの品種が存在するので、好みの見た目のメダカを選んで飼うこともできますよ。
しかもメダカは人に懐くんです。慣れてくると水面に寄ってきて口をパクパクするのは、とても愛らしく感じます。犬や猫と違って直接触れることはできませんが、帰宅して水槽の前に立つと寄ってきてくれる姿は最高に癒やされます。
メダカを飼うための準備
メダカは非常に飼いやすい魚。でも実際にゼロの状態から初めて飼うには、事前の準備が欠かせません。
飼い方を決める
ざっくり分けると、ビオトープのように睡蓮鉢で飼うスタイルと、アクアリウムを楽しみながら水槽で飼うスタイルがあります。
睡蓮鉢の場合
睡蓮鉢で飼うのは、人間はメダカを上から見ることができるので楽しく、メダカは本来の生活環境に近い状態になるのが魅力です。またエアレーションなどの空気を送る設備を準備する必要もありません。睡蓮鉢を置くスペースを確保できる戸建て住宅の方など、屋外でメダカを飼いたい方にはオススメです。
ただし夏場は水温が急激に上昇することがありますので、水温調整には注意してください。また鳥による被害(水浴びやフンによる水の汚染、メダカを襲う)もありますので注意してください。
水槽の場合
水槽で飼うのは、メダカの行動をよく見ることができるのが魅力です。産卵した、怪我をしたといったメダカの状態をよく確認できるのも良いところです。
屋内で飼いたい、水槽内のレイアウトに凝ったアクアリウムも楽しみたいという方には、こちらがオススメです。またマンションでは、管理規約でバルコニーで生物を飼育しないよう定められているので、マンションにお住まいの方も水槽での飼育をオススメします。
準備するもの
共通して必要なもの
- メダカの餌
- 底砂
- メンテナンス用の長いピンセット・網・ライト
- 水替え用のバケツ・ホース
- カルキ抜き
底砂は、微生物が住み着いて水質を安定させたり、水草を固定させたりする役割があるので、入れることをオススメします。またメダカのフンや餌の残りのような、小さなゴミが目立たなくなるというメリットもあります。
睡蓮鉢の場合
鉢の中で育てる水草(メダカの産卵場所、鳥などの被害から身を隠す場所)と水温計、夏場に水温調整をするための日よけがあれば十分です。
水槽の場合
エアレーションまたは、ろ過装置(水流を作るため)が必要です。エアレーションを設置しない場合は水草が必要です。酸素を作ってあげないとメダカも窒息します。
長く飼っていると、水槽の中に土管などの置物や、水草・流木を置きたくなってきます。また、よく水槽見えるように照明も設置したくなってくると思いますので、徐々にものを増やしていくと良いでしょう。
レイアウト例はSNSや動画サイトによく投稿されいるので、そちらを参考にしてもいいかもしれません。
思い通りに作り上げた空間でメダカを飼うと、満足度も癒され度も上がります。
自分のイメージ通りに出来ることもあれば、思い通りにいかずに色々と悩む事もありますが、それもひとつの楽しみですし、水替えの時に手直しも可能です。
ちなみに私は最近、滝を作りました。水槽のレイアウトを変えると、さらに見る楽しみが増えますよ。
メダカの入手経路
メダカを飼うための準備ができたら、次は本命のメダカを準備しましょう。
野生のメダカを見つけるのは難しい
私が子供のころは、田んぼの横にある川や用水路など様々なところで見かけましたが、今はなんと「絶滅の危険が増大している」とされる絶滅危惧2類に指定されています!
どうしても野生のメダカを入手したいのなら、地道に川を覗き込んで見つけるしかないわけです(採取自体は禁止されていません)。
ショップで購入するのが確実。雌雄で購入したいなら専門店で
品種改良により様々な種類のメダカが誕生している今では、ホームセンターやペットショップ、アクアショップで購入する方が確実でしょう。私が本格的に飼い始めようと思い立った時に行ったのは、メダカ専門店でした。
ちなみに専門店でないショップでは、販売スタッフがメダカに詳しくないことが多いので、雄雌を分けての販売していないことが多いです。運良く雌雄の両方を入手することもできますが、確実ではありません。したがって繁殖して増やしたいと思っている方にはオススメしません。
一方で専門店は多くの品種を育てているので自分好みのメダカに出会える可能性が高い上、雌雄を分けて購入できることが多いです。また自分の好みを伝えるとぴったりの品種を教えてくれたりもするので、特に初心者の方こそ専門店で購入するのがオススメだと思います。
さらにメダカの飼い方、推奨の環境、病気のことなども教えてくれますよ。もちろんペットショップでも教えてくれますが、専門店ならではのメダカ愛が感じられ、個人的にはとても楽しくメダカ選びができました。
道の駅でも売ってる
各地にある道の駅でもメダカを販売していることがあります。ショップよりも低価格で販売されていることが多いので、たくさんのメダカを飼いたい方にはオススメの購入先です。
もちろん、どこの道の駅でもメダカを販売をしているわけではありませんのでご注意を。
ちなみに私はメダカの販売をしている道の駅を見つけるために、転勤で赴いたエリアの道の駅には必ず訪れることにしています。昨年9月には、栃木県にある「道の駅にのみや」で楊貴妃メダカとパンダメダカを購入しました。
普段の手入れと飼育方法
餌のやり方
基本的に餌は1日に1回で大丈夫です。
メダカは餌をやればやるほど食べてしまう生き物です。あまりにメダカが餌を気持ちよく食べてくれるので、ついつい餌をやりたくなりますが、食べ過ぎはどの動物も危険です。
私は飼い始めたばかりのころに1日3食あげて、メダカのお腹がパンパンになり、メタボメダカにさせてしまい反省しました。餌のやり過ぎには注意ですね。
また餌を入れる量にも注意です。食べ残しが多く出ると水の汚れにつながります。
水替えをするときは
私はマンション住まいなので水槽で飼っていますが、水槽の汚れが目立ってくる2週間に1回の頻度で水を替えています。睡蓮鉢のような環境なら1か月に1回程度ででしょうか。
ただしこれはあくまでも目安で、飼育しているメダカの数や水草の有無、水槽の大きさ(水量)、季節によって最適な頻度は変わってきます。普段から水の様子をよく観察しておきましょう。
水替えの際に気を付けておきたいのは、事前のカルキ抜きと水温の調整です。
カルキ抜きをしておく
カルキとは「次亜塩素酸カルシウム」のことで、水道水の消毒のために使われています。水道水に含まれる量なら、人間の身体にとってはごく微量なので影響はありませんが、メダカや底砂につく微生物にとってはダメージの原因になることがあります。
そのダメージの避けるために、水替えの前には水道水のカルキ抜きを行う必要があるというわけです。
カルキを抜く手段は様々あり、バケツなどに水を汲んで日向に数時間〜数日(水量による)放置する方法などもありますが、市販の中和剤=カルキ抜きを使うのがもっとも手軽で確実でしょう。
カルキ抜きには液体と固形がありますが、液体ならすぐに溶けるのに対して、固形は溶けるまでに時間を要し、特に水温が低いと時間がかかることに注意が必要です。また薬剤が溶けたらすぐに水替えをせずに、その後1時間程度放置した水を使った方がメダカの調子も良いようです。
水温に注意
特に冬場など、水温が低いときは温度に注意が必要です。急に冷たい水を入れるとメダカも驚きますし、最悪の場合はメダカが死ぬこともあります。私自身もはやく水替えをしたいがために、カルキ抜きを入れてすぐの水道水を水槽に入れたところ、メダカが大変なことになりました。
一気に全量を入れ替えるのではなく半分〜2/3程度ずつ水を入れ替える、水温が低いときは日向に置いて水を温めておく、そもそも寒い時期には水替えをしないなど、様子を見ながら行いましょう。
新しくメダカを迎えるとき
メダカは基本的には丈夫な生き物ですが、急激な環境の変化にはストレスがかかって死んでしまう場合もあります。新しくメダカを迎える際には水質合わせを行いましょう。
水温を合わせる
まず、バケツなどに自宅の水槽と同じ水を用意してください。そこに新しく買ってきたメダカの入ったビニール袋を浮かべて、自宅の水槽の水と新しいメダカの入った水の温度を合わます。
季節にもよりますが、30分から1時間程度でだいたい温度が同じくらいになります。
水合わせをする
水温が同じくらいになったら、メダカを買ってきた水ごとバケツに入れ、そこに、その水の半量程度の水槽の水を入れます。さらに30分から1時間程度放置して、メダカが新しい水(自宅水槽の水)に慣れてきたなと思ったら水合わせは完了です。
新しいメダカを迎え入れることに慣れてくると、メダカって意外と丈夫なんだなと思ってしまって水合わせを怠りがちになるかもしれませんが、絶対にこの手順は必要です。
私自身、メダカの水槽に入れるミナミヌマエビを買った時に、早く水槽に入れたい気持ちが勝ってしまって水合わせを怠り、半分以上が死んだという失敗体験があります。
どんな生き物も環境が急激に変わるとストレスや環境変化でダメになってしまいます。人間だってストレスで体調を崩すこともありますからね。水合わせには毎回丁寧にやりましょう。
メダカと同じ水槽で飼える生物
水槽のレイアウトに凝ると、メダカ以外の生物も水槽の中に入れたくなります。
そこでオススメなのが「ミナミヌマエビ」。メダカを飼っていると、食べ残した餌やコケで水槽の中が汚れてきますが、ミナミヌマエビはそういった原因を食べて掃除してくれます。
また動きも可愛らしく、餌をやると餌を抱えながら食べている姿は見ていて飽きませんし、愛おしくてたまりません。繁殖も簡単で、ウィローモスという水草と一緒に飼うと繁殖しやすいです。
逆に、メダカと同じ水槽で飼えるけれども、個人的にあまりオススメできないのは、ヤマトヌマエビとシマドジョウです。
ヤマトヌマエビは、ミナミヌマエビと同様に水槽内の水質維持に貢献してくれるエビですが、大きさが3〜5㎝とメダカと同じくらいの大きさになるので、主役のメダカが目立たなくなってしまいました。
シマドジョウは小さく可愛いのですが、常に動いていて砂をまき散らすなど、水槽の水を汚す原因になってしまった点であまりオススメではありません。
まとめ
とても飼いやすくて可愛いメダカの魅力は伝わったでしょうか?度重なる引越しについてきてくれるだけでなく、なついて寄ってきてくれる姿は本当に可愛いので、ぜひ皆さんにも体験していただきたいです。
なお、私はメダカ歴2年の初心者です。専門店で教えてもらったとはいえ、飼育方法については私見が多い部分があることをご承知おきください。
<2024/06/19更新>
メダカを飼い始めたらいちどは体験してみたい、メダカの産卵と稚魚の育て方を紹介する記事を公開しました。ぜひあわせてご覧ください。
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