マンションのモデルルーム見学をとおして、間取り・収納・広さを確認した後、住宅ローンや資金の支払いも確認し、いよいよ購入へ。といった流れが一般的に多いかと思います。
ただ、モデルルームはたいてい1タイプに限定されていますので、実際の購入住戸とは違うケースが大半です。また、そのモデルルームも変更工事やオプション関連などで、実際にあるべきはずのコンセントや引掛けシーリング、扉形状などさまざまな住宅設備や仕様が位置・数ともに異なっている場合があります。
ここで役立つのがお部屋の教科書「図面集」です。
図面集には上述のコンセントや引掛けシーリング、扉形状などの位置・数がすべて載っています。ただ、モデルルームに行った際には全体的に大まかな間取りの説明はあっても、凡例を使った説明まではしてくれないのが多いようです。
そこで今回は、お一人でも出来るように一般的なマンションの図面集の見方についてご紹介します。
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間取り図面は「凡例(はんれい)」記号で読み解く!
そもそも「凡例(はんれい)」ってなに?
図面や図表などで使用する記号の意味を説明するための範囲のことで、またその内容を指します。小学校の社会の授業のときに畑の「V」や、田んぼの「II」など地図記号を習ったと思うのですが、そんなイメージです。
たいてい図面集の最初のページや、間取りの下に載っていることが多いです。
ただし、会社(マンション)によって表記の仕方や、表記の有無も異なってきます。
実際に間取り図面を使って凡例を見てみましょう!
部屋の中でどこに何があってどんな仕様になっているのか?
一戸建ての注文住宅の場合には、すべての住宅設備・仕様に関してひとつひとつ指定していくので把握されていますが、そうでない建売住宅や分譲マンションの場合には細かく見られていない方が実際多いように思います。
下の図面のピンク色で記載されているのが凡例記号となります。
このように図面には凡例記号がたくさん存在していますので、もう少し見やすいように一部分をズームして見てみましょう。
特に注意してチェックしておきたい凡例記号は?
すべての凡例記号と図面とを照らし合わせながら確認しておきたいところですが、特におさえておきたいポイントを3つご紹介します。
【コンセント】の位置と数
日常生活上、想定される必要な数は標準装備されていますが、家具・家電の配置の仕方でコンセントの数が足りない、設置場所が気に入らないなんてこともあるかと思います。
たとえば、「電話アウトレット&テレビ端子&2口コンセント(以下、マルチメディアコンセントという。)」で、通常はテレビとDVDレコーダーで2口のコンセントがあれば十分ですが、たとえばここに〔ゲーム機〕や〔Wi-fiルータ〕などを置かれる場合は、この時点でタップの多い延長コードなどでタコ足配線が必要となってきます。
ただ、施工時期によってはコンセントを増やしたり、設置場所を変更するなど、対応してもらえる場合がありますので、もし希望があれば担当者の人に相談してみましょう。
また、コンセントの設置の高さは床からだいたい20~30cm程度が多いですが、食器棚や冷蔵庫を置くスペースなど、特にキッチン周りは箇所によって異なる場合が多いので、特に注意して確認しておきましょう。
【窓】の形状と種類
窓ガラスには透明と半透明(以下、型板という)、そして網ありと網なしがあります。
また出入りのできる「掃き出し(はきだし)窓」や、腰高ぐらいから窓となる「腰(こし)窓」、そしてサッシュを動かせない固定式の「FIX(フィックス)窓」など形状もさまざまです。
これらにより家具の配置や、部屋の使い方(寝室、収納部屋など)も変わってくるかもしれませんので、念のため確認しておいたほうが良いかと思います。
網ありかなしかは特に気にされる必要はないかと思いますが、火事が起きたときに周囲に飛散しにくいようにガラスの中に鉄線が入っているものを使用するよう、消防法で指定されている場合があります。
ひとつ注意すべきポイントとして挙げるとすれば、紫外線防止やよく西側の窓に貼るような「耐熱シート」を貼付できないことでしょうか。鉄線が入っていることでガラスに熱がこもってしまうため、このような取扱注意が定められています。
引掛けシーリング、ダウンライト照明
分譲マンションは玄関、廊下、収納内、水周りなどの照明(ダウンライト)は標準装備されている場合が多いですが、各居室(洋室、和室など)の照明はご用意いただかないといけません。
多くのモデルルームは引掛けシーリングをなくして、ダウンライトをふんだんに埋め込み、お部屋をすっきりとゴージャスに見せる傾向が多いように思います。ですので、モデルルームを見ただけではシーリング照明がいくつ必要なのか分かりづらく、図面で確認する必要があるかと思います。
こちらも上述のコンセント同様、時期によっては移設や増設が出来たり、モデルルームと同じように引掛けシーリングをなくしてダウンライトの埋め込みが出来る場合がありますので、相談してみましょう。
凡例記号以外で見るべきポイントとは?
凡例にはなく、図面を見るときに確認しておきたいポイントを4つほどご紹介します。
扉の種類
居室の扉には主に「開き戸(ひらきど)」と「引き戸(ひきど)」と「折れ戸(おれど)」があります。
特に開き戸や引き戸には好みがあり、開き戸は扉の開閉時にスペースをとるもののレール音がなくメリットもあります。
一方の引き戸はデッドスペースはとりませんが、レール音が気になったり、扉がゆっくり閉まる「ソフトクローズ機能」が付いている場合は扉を開ける際に多少の力がいることがあります。
こちらも施工時期により変更可能な場合がありますので、念のため相談してみると良いでしょう。
バスルームのサイズ
お部屋の各タイプによってバスルームのサイズが違う場合があり、下図のように「1416」「1418」「1620」と表記されていますが、これは実は寸法を指しています。「1416」でいうと「140(cm)×160(cm)」で、同じように「1418」の場合は「140cm×180cm」となります。
モデルルームはたいてい広いタイプを採用しているため、バスルームも一番大きいサイズとなっていることが多いです。ご自身が検討しているお部屋のバスルームのサイズ感をよく確認しましょう。
システムキッチンの幅(長さ)
システムキッチンの幅は②と同様に、お部屋のタイプによって異なる場合がありますのでよく確認しておきましょう。
下図のように「L(Length):長さ」と表記され、L=2400の場合は長さが2,400mm(240cm)ということです。
梁(はり)や下り天井
床や屋根などの荷重を柱に伝える「梁」や、キッチンやトイレ、バスルームなどの換気扇から外に排気するための「下り天井」の出っ張りが存在する場合があります。
下図のようにお部屋にはいくつかの梁や下り天井などが存在することもあるため、おおよその大きさぐらいは把握しておくようにしましょう。
まとめ
今ではネット環境も充実し、モデルルームに行く前に物件資料請求をする方が増えています。そんな中で、どんな間取りなのかは図面集を見てざっくりと分かる方も多いかと思いますが、より間取りの詳細をご理解いただくために凡例記号を使って今回の記事にてご紹介させていただきました。
また、モデルルームをご覧になられて欲しいお部屋が見つかった場合、こちらの記事を参考にしていただいて、ご自宅で図面を見ながらより知識を高めていただけましたら幸いです。
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