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太宰府市五条|福岡随一の観光地・太宰府のなかのオアシス。 街の人に聞いて見えてきた、その魅力

今回ご紹介するのは、福岡県太宰府市五条エリア。“学問の神様”こと菅原道真公が鎮座する、「太宰府天満宮」がある街の一画に位置するエリアです。しかし、どんな街なのかと聞かれると、30年以上も福岡市内に暮らす筆者でも困ってしまいます。そこで、知っていそうで知らない太宰府市五条をめぐり、その魅力をリサーチしました。


西鉄五条駅周辺の魅力

五条は太宰府市の中心市街地であり、西鉄五条駅を中心に広がるエリアです。駅周辺はマンションや一軒家が建ち並ぶ住宅地。筑紫女学園大学や日本経済大学があるため、学生街としての一面もあります。

また、少し視線を広げると「太宰府天満宮」をはじめ、7世紀後半に天智天皇の発願で創建された「観世音寺」、奈良・平安時代に九州を統括していた行政機関跡「大宰府政庁跡」など、古代から続く歴史スポットが点在しています。

福岡市の中心部から電車で約25分

福岡市の中心部に位置する西鉄福岡(天神)駅から西鉄電車で西鉄五条駅までは、二日市駅で太宰府線に乗り換えて1駅目。筆者は普段あまり電車を利用する機会がないのですが、レトロなモスグリーンの車体に乗り、次々と流れ行く車窓からの景色を眺めながら“ガタンゴトン”という規則的なリズムに揺れているだけで、ワクワクしてしまいました。旅気分で楽しんでいるうちに乗り換える二日市駅まで到着し、時計を見れば出発してわずか15分という近さです。

二日市駅周辺の店舗

二日市駅周辺には飲食店や商店、スーパーなどが軒を連ねるほか、大型ショッピングモールもあり、買い物に困ることはなさそうな賑わいエリアです。

そんな二日市駅で、電車を待つこと2~3分。ホームに入ってきたのは、「太宰府天満宮」や「竈門神社」をモチーフにしたイラストがあしらわれた観光列車「旅人」でした。乗っているだけで、なんだかご利益がありそうです。

そして、気づけばあっという間に五条駅。

所要時間は2分程度、待ち時間を合わせても福岡(天神)駅から25分ほどで着くことができました。これなら通勤・通学も苦になりませんし、休日のお出かけも便利。アクセスの良さは、五条の大きな魅力といえそうです。

五条駅周辺

五条駅前は、先ほどの二日市駅周辺とは違ってとても静か。見渡すとコンビニや病院などのほか、鮮魚店や青果店、パン屋など個人店が点在しています。日常生活は駅周辺で困ることがなさそう。落ち着いた環境で、ゆったりとした生活が送れそうです。


地元の方に聞いた「五条の魅力」

街の魅力は、実際に住んでいる方に聞くのが一番!ということで、五条駅周辺のお店に伺い、住みやすさなどについて伺いました。

1.老舗寿司店「すし寅」

「すし寅」店舗

まず向かったのは、駅から歩いて3分ほどの場所にあり、五条で50年以上も続く「すし寅」です。開店と同時に伺ったにも関わらず、出前の電話が次々と鳴って常連さんもご来店。98%が地元のお客さんで、週通いの方も少なくないといいます。その理由を探ると、みえてきたのは徹底した“お客さんファースト”です。

営業が制限されたコロナ禍でも、手土産を持って来店してくれたり、店頭でのお持ち帰りをタクシーから降りてわざわざ買ってくれたりしたそう。地元に支えられたことで、「とことん地域密着でいこうと決めました」と大将の井手幸治さんは話します。

それ以来、修行時代のさまざまな経験を活かし、肉料理やパスタ、皿うどんなども提供するようになったのだとか。とはいえ、何でもありのファミリーレストラン化したわけでなく、大将が“接客のプロ”と一目置く女将さんの“目配り・気配り・心配り”で、お客さんの求めているものを作るのだといいます。

「毎週いらっしゃるお客さんが何気に言ったカルパッチョのワードを女将が聞いていて、翌週提供したらすごく喜んでくれました。もちろん、その時ある食材で作るのでできるものとできないものがありますけどね」。

寿司や会席料理(夜のみ)はもちろん、美味しい食べ物と心地よいサービスで、幸せを体感させてくれるお店。実際、寿司を食べたいからではなく、「すし寅」に行きたいからと来店される熱烈なファンが多いようです。

ちなみに、節分の日になると1日1,600〜1,800本も売れるという巻き寿司は五条っ子の手みやげの定番です。大将考案のネギ巻き、たくさんの海鮮を味わえるちらし寿司とともに、「すし寅」自慢の逸品です。

そんな、五条を愛する井出さんは、街の魅力について「太宰府天満宮がすぐ近くとは思えん、落ち着いた雰囲気が五条らしさやね」と話してくれました。確かに、五条駅の隣駅である太宰府駅は年間200万人が訪れる太宰府天満宮の最寄りのため、周辺は観光客でいつでも大混雑しています。五条エリアは、のどかな時間が流れる別天地と言えそうです。

すし寅
住所福岡県太宰府市五条4-4-31
TEL092-924-5383
営業時間11:00〜14:00
16:00〜22:00
休業日月曜
駐車場なし
サイトhttps://dazaifu.org/introduce/shop353

2.ワイン販売店「Wine House やまつづら」

「Wine House やまつづら」があるアパート

「Wine House やまつづら」の入り口

「Wine House やまつづら」は五条駅と筑紫女学園大学を結ぶ学園通り沿いに立地する、古いアパートの一室にあるワイン販売店です。

筑紫女学園大学現代社会学科の上村真仁教授と学生、そしてワイン専門店が共同して手がけています。

上村教授によれば「ここは、学生の居場所づくりと地域活性化の取り組みを目的として、老朽化したアパートを学生自らリノベーションして営むチャレンジショップです」とのこと。さらに、立ち上げメンバーであり卒業後も運営に携わる増田七海さんと、ワインが大好きだという大学4年生の山田光さんは、次のように話してくれました。

「もともと、天満宮近くの門前町でワイン会のイベントを行なっていたことや、地域のみなさんとお酒を飲みながら繋がれる場があったらいいなとの思いで、ワインショップにしました。ナチュラルワインを中心に世界のワインを取り揃えるほか、不定期ですが角打ちもやっています」

お店をきっかけに「五条を語る会」が発足し、20~70代まで約10名が月1回集まっているのだとか。街について語りながら、新しい繋がりも生まれているようです。

画像提供:Wine House やまつづら

最後に、学生さんから見た五条の魅力を聞いてみました。

「人が温かいところ。このお店も、五条だから成り立っているところは大きいと思います。立ち上げの時も、五条商店街の方がイベントに出店したらどうかと声をかけてくれたり、私たちがマルシェを企画した際にもおつまみを作って提供してくれたり。いつも、何かと気にかけてくれるんです」

写真はマルシェを開催した際の様子。五条は人と人との温かな繋がりが根付く、居心地の良い街といえそうです。

Wine House やまつづら
住所福岡県太宰府市五条4-11-15新崎アパート108号室
営業時間金・日曜の15:00〜19:00(変更あり)
休業日月〜木曜、土曜
駐車場なし
公式サイト店舗の公式Instagram

3.五条マダムの憩いスポット「encoffee」

2階が「encoffee」

学生の間でも大人気だという「encoffee」。太宰府天満宮の参道近くにある、行列が絶えない「coba cafe」の2号店です。

「encoffee」の入り口

古びた佇まいからのギャップに心躍るおしゃれな店内は、大勢のお客さんで賑わっています。

「encoffee」の店内

スタッフの尾崎政哉さんによれば、「地元の人にゆっくり楽しんでもらうため、ゆったりとした空間と毎日食べても飽きないメニューをご提供しています」とのこと。実際に地元の女性客が多く、みなさん3〜4時間の滞在はよくあること。

“ゆっくり”のお供は、旬の食材をたっぷり使い、とことん手作りにこだわった料理とスイーツです。

「encoffee」気まぐれサラダランチ

筆者が頼んだ“気まぐれサラダランチ”は、旬の野菜のグリルに副菜がのったプレートにスープ、パンが付いたボリューム満点メニュー。また、パティシエが作るスイーツに惹かれて、“抹茶とクリームチーズと小豆のケーキ”を追加オーダー。さらに「買ったのは唐辛子だけで、シロップを含めて手作り」だという“スパイスレモネード”まで、スルスルと胃の中に収まってしまいました。

尾崎さんは7年前、奥様のご実家である太宰府に京都から移住されたそうです。住み心地を尋ねると、

「自然が豊かで子育てしやすいですね。福岡市内へはもちろん、空港や博多駅にもアクセスしやすくて利便性もいいですし。何より、太宰府天満宮を毎日散歩するのが贅沢な時間だなと思います」

と話してくれました。子育て世帯にとっても、魅力的な街のようです。

encoffee
住所福岡県太宰府市五条3-1-21マルトマハウス2F
TEL092-600-9699
営業時間11:00〜18:00(夜営業のある週末は11:00〜22:00)
※夜営業日の詳細はSNSを確認
休業日不定休
駐車場なし
公式サイト店舗の公式Instagram

4.生活を豊かにしてくれる「五条商店街」を練り歩き

五条に住む人々の生活を支えているのが、五条商店街です。五条商店街は周辺の個人店約40店からなる組織です。たくさんのお店が軒を連ねるショッピング街を形成しているわけではありませんが、3〜4軒が並ぶ場所が点在しています。実際に歩いてみると、一般的な厚さの2倍はありそうな大ぶりの刺身盛りが魅力的な魚屋さん、100円台のパンが豊富に揃うリーズナブルなパン屋さんなど、日常遣いしたいお店たちに出会えました。また、焼き鳥やもつ鍋、居酒屋、蕎麦屋など、駅から10分歩いただけで色んなジャンルの飲食店があり、食事やお酒を楽しむのにも魅力的なお店がたくさんあります。

駅から徒歩1分ほどの「太宰府市いきいき情報センター」も魅力的な施設でした。トレーニングルームや幼児プレイルーム、市民ギャラリーなどを備えており、ゆず胡椒づくりや蕎麦打ちなどの楽しそうなイベントも、不定期ながら開催されているようです。

五条商店街組合の副会長で「メガネの正美堂」の店主 宮原さん

今回、五条商店街組合の副会長を務める宮原一郎さんにもお話を伺えました。宮原さんは、地元に店舗を構える「メガネの正美堂」の店主でもあります。とっても朗らかで、何でも話したくなる包容力の持ち主。聞けば、おしゃべりを目的に、中にはお弁当を持参してお店を訪れる人もいるのだとか。人生相談や就職相談に訪れる学生も多いそうで、「人はよく来るけど、誰もメガネは買わんのやけどね」と宮原さんは笑います。

そんな街の人気者・宮原さんに五条の自慢は何なのか聞いてみると、次のように答えてくれました。

「商店街のみんなが五条を盛り上げようという意識が高く、街に一体感があることですね。組合員同士でも、同業種だと歪みあうことは少なくありません。でも、うちは一切ないんです。新規参入もウェルカムで、助け合い精神が息づいています」

駅前広場では、マルシェやビアガーデンなどのイベントも開催。いつも多くの人々が訪れ、大盛況となっています、商店街のインスタグラムでは楽しげな様子が投稿されていますので、気になる方はぜひご覧ください。

五条商店街
公式サイト公式Instagram

まとめ

五条を巡ってみて感じたのは、「人と人が繋がる温かい街だ」ということ。頑張って繋がっているという力みは一切なく自然体で、お話を伺った皆さんの五条愛に溢れる空気感も素敵でした。

もちろん、利便性も文句ありません。福岡市の中心部へは電車でわずか25分ほど、高速道路太宰府ICへは車で10分。また、隣の西鉄太宰府駅前から出発するライナーバスを利用すれば、福岡空港やJR博多駅へもすぐにアクセス可能です。

駅周辺には個人商店のほかにスーパーや病院があり、10分も歩けば市役所や図書館など公共施設も揃います。かつての“西の都”であり、さまざまな歴史スポットに囲まれているというのも、唯一無二といえるよさではないでしょうか。一見どこにでもありそうだけど、どこにもない居心地の良い街。それが、五条の魅力といえそうです。

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