住まいを探す際の条件として、「駐車場があること」をあげられる方は多いと思います。
車を所有されている方は住まい、もしくはその近辺に駐車場があることが条件になるでしょうし、車にこだわりがある方は「平置き」や「屋根付き」といった駐車場の形状が気になるかもしれません。
ここでは分譲マンションを検討する際に、知っておくべき「駐車場の仕組み」についてご紹介します。
マンション購入のキホンを学びたい方へ
マンションに関する知らない用語や分かりづらい制度もラクラク理解。
アルファあなぶきStyleに会員登録して、総合不動産ディベロッパー「あなぶき興産」による住まい購入に役立つ資料・デジタルブックをダウンロードしよう。
分譲マンションの駐車場「権利」の仕組み
「マンションは購入したのに、駐車場は購入できないの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
駐車場まで分譲しているマンションもありますが数は少なく、「賃貸方式」を採用しているマンションがほとんどです。
「賃貸方式」って?
分譲マンションでは個人の所有となる専有部分 と、区分所有者全員の共有となる共用部分とに分けられます。
賃貸方式では、駐車場はみんなの所有となる共用部分となり、マンションの管理組合がその運用・管理を行います。
駐車場を利用したい場合は『管理組合』とマンションに居住している『入居者』との間で駐車場の使用契約書を締結しなければなりません。
「分譲マンションなのに、駐車場代を払わないといけないのはなぜ?」と聞かれることがありますが、上記使用契約の中で「使用料」を支払うように定められているからです。
なお車庫証明についてのお問い合わせも多くありますが、車庫証明を取る際の提出書類である「保管場所証明申請書」への証明印は、管理組合の理事長や管理会社にて押印されるのが一般的なようです。
管理組合によって違いますので、まずは管理会社に問い合わせてみましょう。
それほどお得じゃない!?「分譲方式」
住戸と一緒に駐車場も購入できれば、毎月の駐車場使用料もかからずお得に便利に感じられるかもしれません。
しかしながら駐車場区画の所有権が発生することで専用部分と同じように、駐車場区画の購入代金、登記費用、そして毎年課税される固定資産税などが必要となります。
また駐車場使用料は発生しなくなりますが、共用部分の持ち分が増える分、管理費や修繕積立金の負担が増えることもあります。
「駐車場も購入した」と思っていたのに!多いトラブル
あらかじめ駐車場の位置が決められているマンションを契約した場合、「駐車場も購入した」と誤解されているケースもお聞きします。
「駐車場が自分のもの」となるには、さきほど記述したように駐車場について登記をしたり、固定資産税の支払いがあります。
逆にいうとそれらがない場合、駐車場は「自分のもの」ではなく「共用部分」ということ。将来的に管理組合で駐車場の運営について協議される可能性があることを念頭に置いておきましょう。
駐車場の位置はどうやって決める?
前述しましたように、賃貸方式での駐車場は「共有部分」となります。ではどのように、駐車場の位置を決めるのでしょうか?
使用する駐車場の位置は新築分譲時に決める
決め方は、分譲会社によってさまざまなようです。
分譲会社との売買契約締結時に駐車場を決定する(したがって早い者順)場合や、お引渡しの時期に抽選を行い決定する場合が多いようです。
専有部分を賃貸にする際には、駐車場使用契約は効力を失う
転勤などで専有部分を賃貸に出す場合には、いったん駐車場を管理組合に返却しなければなりません。
その上で、賃貸人が駐車場を使用したい場合には、それぞれの管理組合のルールにしたがって賃貸人と管理組合とで駐車場使用契約を取り交わすようになります。
自分が使用していた駐車場をそのまま賃貸人に貸せる訳ではありませんので注意しましょう。
誰に払う?何に使う?分譲マンションの駐車場代
「マンションを購入したのに、駐車場代を払わないといけないのは勿体ない」というお声を聞きます。駐車場代は誰に支払って、何に使われているのでしょうか?
使用している駐車場区画が共用部分だった場合、駐車場の使用料は管理組合に支払っていることになります。管理組合に支払った駐車場使用料は、管理費もしくは修繕積立金へ充当されます。
どちらの扱いになるかは「管理規約」に記載があると思いますので、確認してみてください。
マンションの敷地外の駐車場を管理組合で一括して借り上げているケースや、販売会社の斡旋で敷地外の駐車場を契約しているケースもあります。その場合の駐車場使用料は、その敷地の所有者(オーナー)に支払っていることになりますね。駐車場使用契約の相手は誰なのか、契約書をチェックしてみましょう。
色々ある駐車場のかたち
一戸建てと違い、マンションの駐車場には色々な種類があります。「とにかく駐車場があればいい!」と安心するのは危険。駐車場によっては、愛車が駐車できない場合もありますよ。
また賃貸住宅と違い、分譲マンションではすべてのメンテナンスを自分たちの費用で実施しないといけないこともポイント。自分が使用していない駐車場のメンテナンス費用も、管理組合みんなで負担しなければいけません。
平置き駐車場
一戸建ての駐車場と同じ形状で「平面駐車場」とも言われます。屋外駐車場が主ですが、建物の1階部分に駐車場を設置した「屋内駐車場」もあります。
機械式駐車場のように操作に時間がかかることもなく、車道から入ってそのまま駐車することができますので便利ですね。特別な形状でない限り、駐車する車の車種を気にする必要もありません。また、平置き駐車場にはメンテナンス費用がほとんどかからないというメリットもあります。
一方で、平置き駐車場を設置するにはマンション敷地の広さがある程度必要です。平置き駐車場だけではマンション戸数分の駐車場を確保できず、駐車場が足りなくなるケースもあります。
都心部では機械式駐車場と併設している場合も多いですが、その場合人気のある平置き駐車場の使用料が高く設定される傾向にあります。また希望者が多数の場合は抽選や入れ替えなどを協議する管理組合もありますので、希望通りに駐車できない可能性もあります。
自走式駐車場
ショッピングセンターなどでよく見かけるタイプの駐車場で、スロープを車で走行して駐車します。
マンションの駐車場台数を多く確保することができますし、屋根がありますので雨の日も乗り降りしやすいですね。また、車の汚れや劣化もしにくくなります。
しかし、平置き駐車場に比べて駐車するのにスロープを上ったり、駐車後建物の中に入るのに時間がかかります。また自走式駐車場を設置するにはある程度のまとまった敷地が必要ですので、大規模なマンションでないと設置は難しくなります。
機械式駐車場
「操作が面倒」「時間がかかる」といったマイナスのイメージを持たれやすい機械式駐車場ですが、メリットもありますし車の使用頻度や用途によっては便利な場合もあります。
イメージだけで敬遠するのではなく、事前に「その駐車場がどんなものか」を把握することをお勧めします。
機械式駐車場の種類
ひとくちに機械式駐車場といっても、その種類はいくつかあります。
マンションでは、都心のホテルなどでも良く見かけるタワーパーキングや昇降方式・ピット式などがよく採用されています。それぞれの種類によって、出庫までの時間やメンテナンスの回数などが違っています。
機械式駐車場のメリット
車両へのいたずらや車上荒らしに対する防犯面では平置き駐車場よりも安心です。また「駐車時に傷つけられたり、ぶつけられる可能性も少ない」「(屋根がある場合が多いため)車が汚れたり、夏場に車内が暑くなったりしにくい」というのも機械式のメリット。
駐車場使用料についても、一般的に比較的安めに設定されています。
機械式駐車場は時間がかかる?
「機械式駐車場は入出庫に時間がかかる」というイメージですが、実際どのくらいの時間がかかるかは機械式駐車場の種類によって異なります。
同じ機械式駐車場の中でも駐車する区画によって時間が違う場合もあり、「お買いものや休日のお出かけにしか車を使わない」という方は意外と気にならないかもしれません。どのくらいの時間がかかるのか、具体的に調べてみた方がいいでしょう。
気をつけておきたい車のサイズ
機械式駐車場では、車長・車高・車幅などの車のサイズに制限があります。「うちは軽自動車だから大丈夫」と安心するのは危険。車高で駐車できない可能性があります。
一方で「ハイルーフ対応」の機械式駐車場もあります。車を買い替える場合も想定して、具体的にどの車種がOKなのかを確認しましょう。
機械式駐車場はメンテナンスが必要
機械ですので、定期的なメンテナンスが必要です。機械式の種類によってもメンテナンスの頻度は違っています。
また将来的には機械式の取り替えについて管理組合で協議するようになります。機械式駐車場も「区分所有者全員の共有資産」となりますので、メンテナンス費などの費用は管理費や修繕積立金から支出するようになります。
機械式駐車場はない方がいい?
「じゃあ、機械式駐車場はない方がいいか?」というと一概にそうとは言えません。
車があるのに駐車場がないと、車を処分するしかありませんよね?そうなると日常生活にも支障が出てきます。
近くに借りやすい月極めの駐車場があればいいですが、あっても駐車場代が高額だったり、満車で契約できない可能性もあります。また駐車場をやめてマンションなどに建て変わることも最近では多くなっています。
車の所有者が多いのに駐車場率が低いと、駐車場の希望者が殺到して駐車場の運営が難しくなってきます。便利な立地の場合、マンションへの引っ越しを機に車を処分される方も多くいますので、自分が車を利用するかどうかだけでなく、そのマンションがどのような立地なのかをよく見極めることが重要です。
近年増加傾向の「空き駐車場」で気を付けるべきこと
分譲マンションを検討する際、住戸に対し100%の駐車場が設置されていることを条件としている方がいらっしゃるかもしれません。しかし最近ではレンタカーに加えて、短時間での利用が可能な「カーシェア」も増加、それに伴って分譲マンションでは「駐車場の空き問題」が見られるようになってきました。
「空き駐車場」の何が問題なのか、またどんなことに注意したらよいのかをここではご紹介します。
空き駐車場の問題点
前述したように、駐車場使用料は管理費や修繕積立金に充当されています。駐車場に空きが出るということは、予定していた管理組合の収入が減るということになります。
「駐車場が空いたら来客用駐車場にしたら?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合も収入が減る対策を考えなくてはいけません。
どんな対策がある?
マンション内に空き駐車場があることをお知らせして、敷地外に借りている人や2台目駐車場がほしい人などの希望者を募集したり、駐車場使用料や管理費を見直すなどの対策をする管理組合があるようです。
またコインパーキングなどマンション外に駐車場を貸すところもあります。
<参考>あなぶきハウジンググループ:もっとわくわくマンションライフ
マンション管理組合必見|マンションの空き駐車場問題対策
「外部貸し」で気をつけるべきこと
通常「管理組合」は営利を目的とした団体ではないため、法人税などの税金が課税されることはありません。
しかし、マンション外の人に駐車場を貸すことで「収益事業を行っている」とみなされ、法人税や事業税、地方法人特別税(一定の要件に該当する場合には消費税など)が課税されるようになります。
また、マンションの敷地内に外部の人が出入りすることでセキュリティ面を心配される方も多く、「外部貸し」は想像以上にハードルが高いのが現状です。
まとめ
見落としがちな「分譲マンションの駐車場」について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
みんな車を持っている時代では、マンションも駐車場が総戸数に対し100%以上あるのが当たり前でした。しかし最近ではマンションの立地によって、どの程度の駐車場が必要かは大きく異なります。
マンションを検討する際には駐車場にも注意してみてくださいね。
マンション購入のキホンを学びたい方へ
マンション購入には、難しい専門用語や複雑な税制、手続きが関わっています。これからの専門知識を正しく理解するためには、日ごろから住宅販売に携わり、最新情報を取り扱っているプロのサポートが有効です。
アルファあなぶきStyle会員に登録すると、総合不動産ディベロッパー「あなぶき興産」が解説する、住宅購入に役立つ情報を定期的にお届けします。
最新の情報を手軽に入手して、マンション購入をスムーズに進めましょう!
その他の記事はこちらをCHECK
https://journal.anabuki-style.com/
編集・発行
<著作権・免責事項等>
【本紙について】
・メディアサイト「アルファジャーナル」に掲載された記事を印刷用に加工して作成しております。
・アルファジャーナルにはあなぶきグループ社員および外部ライターによって作成される記事を掲載しています。
【著作権について】
・アルファジャーナルが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売など二次利用することを固く禁じます。
・アルファジャーナルに登録される著作物に係わる著作権は特別の断りがない限り、穴吹興産株式会社に帰属します。
・「あなぶき興産」及び「α」(ロゴマーク)は、穴吹興産株式会社の登録商標です。
【免責事項】
・アルファジャーナルに公開された情報につきましては、穴吹興産株式会社およびあなぶきグループの公式見解ではないことをご理解ください。
・アルファジャーナルに掲載している内容は、記事公開時点のものです。記事の情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性・信頼性等を保証するものではありません。
・アルファジャーナルでご紹介している商品やサービスは、当社が管理していないものも含まれております。他社製品である場合、取り扱いを終了している場合や、商品の仕様が変わっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。
・アルファジャーナルにてご紹介しているリンクにつきましては、リンク先の情報の正確性を保証するものではありません。
・掲載された記事を参照した結果、またサービスの停止、欠陥及びそれらが原因となり発生した損失や損害について、当社は一切責任を負いかねますのでご了承ください。
・メディアサイトは予告なく、運営の終了・本サイトの削除が行われる場合があります。
・アルファジャーナルを通じて提供する情報について、いかなる保証も行うものではなく、またいかなる責任も負わないものとします。