「マンションは何向きに建ちますか?」
住宅営業をしていると、必ずと言っていいほどマンションが建つ方角を質問されます。そこでお客様に希望の向きをたずねると、多くの方が「南向き」と返答されます。
住宅情報誌やインターネットで住まいを探すときにも、立地や価格・間取りに加えて「建物の向き(主にバルコニーが向いている方角」が気になる方は多いのではないでしょうか?
では、なぜ南向きの住宅が好まれるのでしょうか?
答えは南向きの住宅が一年を通して最も日照時間が長いから。日照時間の長さは「日中電気をつけなくても部屋が明るい」「冬暖かい」「洗濯物がよく乾く」「湿気が溜まりにくい」というメリットにもつながります。
そこで今回は
- 南向きマンションのメリット、デメリット
- 南向きマンションがおすすめの方
- 逆に南向き以外のマンションがおすすめの方
をご紹介いたします。記事を読んで南向きのメリット・デメリットを理解し、南向きの住宅が自分に合っているのかどうか判断していただければ幸いです。
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・生活スタイルから考えるお部屋の向き
・家事動線のよい間取りの選び方
南向きマンションの人気の理由は日照時間の長さ
もっとも大きな理由は、一年を通して日照時間が長く、明るいことにあります。
環境工学では壁面方位ごとに可照時間(日光が当たる時間)が算出されています。
壁面の方位と可照時間(北緯35.7度(東京)付近)
夏至 春分・秋分 冬至 南面 7時間0分 12時間0分 9時間32分 東西面 7時間14分 6時間0分 4時間16分 北面 3時間44分 0分 0分 南東・南西面 8時間4分 8時間0分 8時間6分 北東・北西面 6時間24分 4時間0分 1時間26分 出典:中島良明(2019)『建築土木教科書 2級建築施工管理技士 合格ガイド 第2版』翔泳社
筆者注:可照時間とは、雲や山などの影響は考慮せず、太陽方の日照が地表に当たりうるであろう時間のこと。一般的には日の出から日の入りまでの間を指します。この表は、建物のそれぞれの壁面に日照が当たる時間を計算したものです。
夏至では南東・南西面がもっとも長く、北面が短くみえます。しかし一年を通してみると日照時間がもっとも長いのは南面と言うことが分かります。
南向きの住宅に日光が入りやすい理由
ご存知のとおり、太陽は東から昇り南を通り西に沈みます。夏至のときにもっとも高い位置を通り、冬至のときにもっとも低い位置を通りますが、下図のように南向きのお部屋ではどの季節でも一日を通して日が当たる時間が長いのです。
逆に東向きのお部屋なら午後から日が入らない、西向きのお部屋では朝に日が当たらないといったことが起こります。
南向きマンション、4つのメリット
日照時間の長い南向きマンションのメリットをご紹介します。
メリット1.日中電気をつけなくても部屋が明るい
日光が入りやすい南向きの部屋は明るく、日中電気をつけなくても過ごせるということになります。無駄な電気を使わなければ、電気代も安く抑えることができますよね。
また日光を浴びることで体内の生活リズムを整える効果や、骨を丈夫にする効果があるようです。
メリット2.冬暖かい
冬の太陽は低い位置を通過するので、部屋に日光が入りやすくなります。
日光が入ることで、冬場でも部屋が暖かくなりやすいです。日光で部屋が暖かくなれば無駄な暖房費もかからず、光熱費を安く抑えるこができます。
また、日本の気候ですごしやすいと言われているのは、夏涼しく冬暖かいことです。南向きは夏に日照時間が短いので涼しく、冬に日照時間が長いので暖かくなり、理想の向きといえるのです。
メリット3.洗濯物がよく乾く
一日を通して日光が入りやすいということは、洗濯物も一日乾きやすいということです。
最近では部屋干し派の人もいますが、天日干し派の人には南向きが一番好まれます。また家族が多く、一日に何度も洗濯をする方は、洗濯物が乾きやすい南向きがいいでしょう。
メリット4.湿気が溜まりにくい
日光が入りやすければ部屋の湿気も溜まりにくく、カビの発生も抑えられます。カビが生えにくくなれば、食品も傷みにくくなり、病気のリスクも軽減されます
南向きマンション、4つのデメリットと対策
南向きマンションもメリットだけではありません。一年を通して太陽光が入りやすいという点は、デメリットにもつながります。
デメリット1.フローリングや畳が傷みやすい
日差しによってフローリングや畳、家具や壁紙を痛める可能性があります。
俗にいう「日焼け」というものです。色の変色やささむけ、ひび割れといった現象を引き起こします。
日焼けの対策
日焼けの原因である紫外線を遮ることが、日焼け防止に有効です。
窓ガラスに紫外線カットフィルムを張り付けたり、遮光性の高いカーテンを取り付けたりすることで日焼けを抑えることができます。
デメリット2.夏に暑い
一日を通して日光が入りやすいので、夏場は気温が上がりやすく部屋が暑くなる場合があります。
冬は日が入り暖かいというメリットも、夏になればデメリットになってしまいます。しかし、マンションの場合は戸建てに比べ窓面が少なく日光の入る部分も少ないで対策をすることで暑さを抑えることができます。
暑さ対策
窓ガラスに遮熱フィルムを貼ったり、遮光カーテンに変更したりすることで部屋の温度上昇を抑えることができます。
またマンションの場合は、日光がバルコニーにあたり、熱伝導率の高いコンクリートが熱くなってしまいます。ウッドデッキなど断熱効果の良い材質の物を置くことで暑さを和らげてくれます。
※バルコニーは共有部分になっていますので、設置の際は規約の確認が必要です。
デメリット3.マンションの価格が高い場合がある。
南向きのマンションは他の向きに比べ価格は高くなることが多いです。
私たちが販売するマンションでも、同じ敷地に南向きの部屋と東向きの部屋があれば価格に差をつけます。それは南向きが一般的に人気で販売しやすく、均等に販売を進める為に価格を調整するからです。
価格対策
南向きマンションの価格は一般的に東南角住戸が一番高く、次に南西角住戸、最後に中部屋となります。また、上層階に行くほど価格も上昇する傾向があります。
南向きのマンションは少し割高になりますが、住宅の階数や間取りで金額が異なりますので、予算を考えながら自分にあった間取りを見つけることが大切です。
デメリット4.南側に建物が建つと暗くなる場合がある
南向きのマンションだからずっと明るいとは言えません。
南側の敷地に大きい建物が建っている場合は日光が遮られ暗い部屋になってしまいます。また南側に広い空き地がある場合や、古い住宅がある場合は、将来的に住宅が建て替わる可能性もありますので注意が必要です。
建物対策
住宅を購入する前に必ず現地を確認しましょう。またマンションの建つ敷地の情報を営業マンに確認しましょう。
チェック項目は3点。
- 現在の周辺建物
- バルコニーから隣の敷地までの距離
- 現地周辺の法令上の制限(どんな種類の建物・どれくらいの大きさの建物が建てられるか・その他の制限が分かります)
プロの営業マンが特に南向きをすすめる方をご紹介
南向きのマンションのメリット・デメリットをふまえ、特に南向きのマンションをおススメしたい方をご紹介いたします。
子育てファミリーの方
あえておススメしなくても、子育てファミリーの方は南向き住戸を選ばれることが多いです。
それは平日や土日、夏休みといった長期休暇を含め自宅に居る時間が長く、最初にあげたメリット「日中電気をつけなくても部屋が明るい」「冬でも日が入り暖かい」「洗濯物がよく乾く」「湿気が溜まりにくい」をもっとも享受できるからです。
ガーデニングが好きな方
バルコニーでガーデニングやちょっとした家庭菜園を考えている方は南向きがおススメです。
半日影や日影の方が育てやすい品種もありますが、それでも、一日を通して日光が入る南向きは色々な種類の植物を育てることができます。
しかしバルコニーは共有部分になっているのでガーデニングや家庭菜園をする際は管理規約の確認が必要です。
定年し、自宅にいる時間が長い方
子育てファミリーの方と同じぐらい、定年後のお住まいを考えている方も南向きを選ばれる方が多いです。
南向きのメリットはもちろん、趣味のガーデニングや家庭菜園、自宅に居る時間が一番長くなるシニア層の方には明るく快適に過ごせる南向きのマンションがおススメです。
南向き以外をオススメする方を紹介
南向きをおススメしたい人がいるのと同じように、他の向きをおススメしたい人がいます。
朝早くに出社し、夜に帰宅する方は東向きがおススメ
朝早くから昼にかけて日光が当たりやすい東向きのマンションには、朝早くに出社し、夜に帰宅する方におススメです。
朝の日光を浴びることで体の生活バランスを整え、明るい気持ちで出かけることができます。
東向きマンションの詳しいメリットはコチラ
実際に住んでいるからいえる!東向きのマンションをすすめる3つの理由
共働きファミリーの方は西向きがおススメ
日中は学校・仕事やパートに出かけ、夕方ごろの自宅に帰ってくる共働きファミリーの方には西向きがおススメ。帰ってくる時間帯でも部屋は明るく、冬は特に暖かいです。
西向きマンションの詳しいメリットはコチラ
マンションの西向きも安心、マンションの向きはどこでも魅力はある
購入価格を抑えたい方は北向きがおススメ
全方位の間取りがある場合、眺望など変わらなければ北向き住戸の金額が一番安くなる場合が多いです。日光の入る時間よりも、毎月の支払いや初期費用を抑えたい方は北向き住戸がおススメです。
北向きマンションについての詳細はコチラ
北向きマンション、買う?買わない?
まとめ
南向きマンション人気の理由は日照時間の長さです。
南向きマンションのメリットは4つ
- 日中電気をつけなくても部屋が明るい
- 冬暖かい
- 洗濯物がよく乾く
- 湿気が溜まりにくい
南向きマンションのデメリットは4つ
- フローリングや畳が傷みやすい
- 夏暑い
- マンションの価格が高い場合がある
- 南側に建物が建つと暗くなる場合がある
マンションの向きによってメリット・デメリットが違います。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったマンションの向きを選ぶことが大切です。
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