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印紙税
お金・住宅制度

意外な経費のひとつ、マンション購入には「印紙税」の準備が必要!

マンション購入には、さまざまな税金がかかります。
登記時に必要な「登録免許税」やマンション取得後に課税される「不動産取得税」、購入後所有者に毎年課税される「固定資産税」「都市計画税」などはご存じの人も多いと思います。
意外と意識していない人が多いのが「印紙税」。マンション購入時には、複数の場面で印紙の貼付が必要となります。

こちらの記事では、マンション購入時に必要となる印紙税について詳しく解説します。税金というフレーズが出るだけで難しそうと思われる方も多いと思いますが、印紙税は、比較的理解しやすい内容です。マンション購入時に多くの皆様が負担する税金となりますので、きっちり理解して手続きを進めていきましょう。

この記事では、契約書等の課税文書への貼り付けをする印紙の金額や消印の仕方が分かるようになります。

こちらの記事は、2023(令和5)年3月時点での税制を元に執筆しています。
詳しくは、国税庁サイトにてご確認ください。

↓記事の内容を動画で分かりやすく解説しています↓


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1 印紙税は、国税。貼り忘れると過怠税の徴収あり

印紙税とは、不動産の譲渡に関する契約書・建物の建築請負契約書・領収書・住宅ローン借入れをする際の金銭消費貸借契約書などの課税文書を作成した場合に課税される国税です。

印紙の種類は、1円から100,000円まで計31券種あり、通常、対象となる課税文書の取引内容や金額に応じて決められた金額の印紙を貼り、それを消印することにより納付が完了します。

もし契約書等に印紙を貼ることを忘れてしまった場合には、納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額(つまり当初の印紙税額の3倍)に相当する過怠税を徴収されることになります(ただし一定の場合は1.1倍に軽減されます)。また、貼り付けた印紙を所定の方法によって消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税を徴収されることになっています。

2 不動産の譲渡に関する契約書に必要な印紙税

2-1 不動産の譲渡に関する契約書に必要な印紙税額 早見表

契約書 記載金額本則軽減後の印紙税額※
10万円以下200円200円
10万円超50万円以下400円
100万円以下1,000円500円
500万円以下2,000円1,000円
1,000万円以下1万円5,000円
5,000万円以下2万円1万円
1億円以下6万円3万円
5億円以下10万円6万円
10億円以下20万円16万円
契約金額の記載がないもの200円200円
※10億円超える金額は、国税庁サイトでご確認ください。

※記載金額が10万円を超えるもので、2014年(平成26年)4月1日から2024(令和6年)年3月31日までに作成された契約書は、契約書の作成年月日や契約金額に応じて税額が軽減され、「軽減後の印紙税額」が適用となります。

2-2 印紙税の負担者と税額は不動産会社に確認しましょう。

一般に契約書は売主と買主が1通ずつ所持するため、2通必要となります。このとき、契約書(原本)を2通作成する場合には、それぞれの契約書に印紙の貼り付けが必要となります(2枚必要)。しかし、作成する契約書(原本)は1通で、一方はそのコピーを保存することとした場合には、1通原本で1通はコピーである旨を契約書に記載の上、原本に印紙を貼った後コピーすれば、印紙税は原本に貼る1枚分のみとなります。(ただしそのコピーに原本証明をするなどした場合には印紙税の課税文書となる場合もあります。)

では、印紙税の負担者は一体誰なのでしょうか? 印紙税は、課税文書の作成者が納税義務を負うとなっていますが、契約者のうちどちらが負担するかは、明確に定められておりません。つまり双方の話合いにて決めることとなります。

不動産業界の慣習としては、契約書2通作成の場合には各々負担が多く、1通作成の場合には折半の場合が多いです。もちろん業者によって負担割合は違う可能性はあります。不動産契約時には、金額と負担割合の確認を合わせて行いましょう。


3 領収書に必要な印紙税

3-1 領収書に必要な印紙税額 早見表

領収書 記載金額印紙税額
5万円未満非課税
5万円以上~100万円以下200円
100万円超~200万円以下400円
200万円超~300万円以下600円
300万円超~500万円以下1,000円
500万円超~1,000万円以下2,000円
1,000万円超~2,000万円以下4,000円
2,000万円超~3,000万円以下6,000円
3,000万円超~5,000万円以下1万円
5,000万円超~1億円以下2万円
受取金額の記載がないもの200円
※1億円を超える金額は、国税庁サイトでご確認ください。

3-2 領収書の印紙負担は発行する方

領収書の印紙を負担するのは、領収書を発行する方(金銭を受け取る側)となります。
また、不動産に係わる金銭のやりとり(例:手付金等)の場合、高額になるため、ほとんどの場合、金融機関からの振込みになります。この場合は金融機関が発行する振込み控えが、領収書の代わりになるため、金融機関が印紙を負担することとなります。現金の場合でも、振込みの場合でもいずれにしても大切な書類になりますので、大切に保管しておきましょう。

なお、受け取った金銭などがその受取人にとって営業(一般に、営利を目的として同種の行為を反復継続して行なうこと)に関しないものである場合には、非課税となります。つまり一般の方がご自宅を売却して領収書を発行する場合には通常印紙税は非課税となります。


4 金銭消費貸借契約書に必要な印紙税

金銭消費貸借契約に関しては、こちらの記事をご覧ください。

金消契約(金銭消費貸借契約)について分かりやすく解説-住宅ローンの手続き-
住宅購入で金融機関で融資を受ける場合の契約「金銭消費貸借契約」。聞きなれない言葉に不安を抱いてないですか。金銭消費貸借契約をどこよりも分かりやすく解説します。

4-1 金銭消費貸借契約書に必要な印紙税額 早見表

契約書 記載金額印紙税額
1万円未満非課税
10万円以下200円
10万円超~50万円以下400円
50万円超~100万円以下1,000円
100万円超~500万円以下2,000円
500万円超~1,000万円以下1万円
1,000万円超~5,000万円以下2万円
5,000万円超~1億円以下6万円
契約金額の記載がないもの200円
※1億円を超える金額は、国税庁サイトでご確認ください。

4-2 金銭消費貸借契約書の印紙負担は、お金を借りる人

金銭消費貸借契約書の印紙の負担は、お金を借りる人が負担するケースが多いです。

  1. 契約の当日までにお金を借りる人が購入し持参する場合
  2. 銀行側が準備し、お金を借りる人は当日銀行へ印紙代を支払う場合

があります。こちらも手続きの前に確認しましょう。


5 印紙税の記載金額の判断について

消費税の課税事業者が課税対象取引に当たって課税文書を作成する場合に課せられるべき消費税額等が明らかとなる場合には、その消費税額等は印紙税の記載金額に含めないこととされております。

具体例として、「契約金額●●●●万円うち消費税額等●●●万円」と記載がある場合には、税抜きの金額に対して印紙税が課されます。しかし、「契約金額●●●●万円(消費税10%含む)」や「契約金額●●●●万円(税込)」の様に消費税額が明確に記載されていない場合には、消費税額を含めた税込みの金額に対して印紙税が課されます。


6 消印は、印紙の再使用を禁止するもの

最後に消印の仕方についてご紹介します。

印紙を貼り付けた場合、作成文書(契約書等)と印紙の彩紋とにかけて判明に印紙を消します。
消す方法は、文書の作成者又は代理人、使用人その他従業員の印章又は署名によって消すことができます。この消印作業をもって印紙税を納付したことになります。貼り付けだけでは納付は完了しない点に注意してください。

消印は、印紙の再使用を防止するためのものなので、氏名・名称などを表示した日付印や、役職名・名称などを表示したゴム印のようなものでも可とされております。署名は自筆であれば、氏名を表すものでも通称、商号でも可ですが、単に「印」と表示したり、斜線を引いたりしただけでは消印したことにはなりません。鉛筆等で署名したような簡単に消し去ることができるものはもちろん不可です。複数の人で共同して作成した文書に貼り付けた印紙は作成者のうち誰か一人が消印すればよいとされております。


7 まとめ

不動産取引の印紙税の金額について紹介しました。
マンションを購入する時に皆様が負担する主な印紙税は、不動産の譲渡に関する契約書用の印紙税、金銭消費貸借契約書の印紙税になります。

購入の際の経費としては見落としがちな印紙税。負担者と金額、納付方法をきちんと確認・準備をしておきましょう。

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