日中の気温がぐんぐん上がってくると、恋しくなる冷たいビバレッジ(飲み物)。
今年は話題の「コールドブリュー」で淹れたビバレッジを試してみませんか。
コールドブリューとは、いわゆる「水出し」と呼ばれる低温抽出方法(=cold brew)のこと。コーヒーや緑茶を、お湯ではなく水でじっくり抽出することによって、雑味や苦みの少ないまろやかな味わいに仕上げるものです。その今までにない味わいは人気上昇中。特にコールドブリューコーヒーは、カフェのみならず一般小売店の店頭にも商品が並ぶなど、ここ数年ですっかり定着した感があります。
そんなコールドブリュー、実は自宅で簡単に楽しめます。難しい手順もなければ、特別な器具を用意する必要も一切なし!唯一の難点は、少しばかり時間がかかることですが、夜寝る前にセットしておけば、朝にはできたてを飲むことができますよ。
コーヒーと緑茶のコールドブリューの基本の作り方、そしてアレンジのアイデアを紹介します。
はじめに│コールドブリューの2種類の抽出方法
ひとくちに「コールドブリュー」といっても、抽出方法には大きく分けて「滴下式」と「浸漬式」の2種類があります。ポイントはコーヒー粉(コーヒー豆を挽いたもの)や茶葉と水の混ざり方の違い。
「滴下式」は、近年のコールドブリュー流行のきっかけとなった、ニューヨークのカフェでも採用されているスタイル。専用の器具を使って、コーヒー粉に上部からポタポタと少しずつ水を落として浸透させ、抽出する方法です。一方の「浸漬式」は、コーヒー粉や茶葉を水に漬け込んで抽出する方法。「水出し」といえば誰もが思い浮かべる、ごく一般的なやり方ですね。
自宅でチャレンジするなら、手軽な浸漬式がオススメ。
浸漬式の抽出に使う器具は、実売価格が1,000円程度からという手軽な価格帯。最近では雑貨店でも取り扱っていることが多いので、入手も簡単です。もし専用の器具が揃わなくても、手持ちのアイテムで代用することだってできますよ。
コールドブリューした飲料は、煮沸したお湯を使用しないため、雑菌が繁殖しやすいと言われています。
(1)抽出が終わったら豆や茶葉は水から引き上げる
(2)冷蔵庫で保存し24時間以内を目安に飲みきる
の2点を心がけてくださいね。
コーヒー編│豆本来の味と爽やかな風味を楽しむ
コーヒーの苦みや雑味は、お湯で抽出する際に溶け出すタンニンやカフェインのせい。だから、お湯で抽出し急冷したアイスコーヒーには、「いかにもコーヒー」といった深い味わいがあります。
しかし低温下ではこれらが溶け出しにくいので、コールドブリューコーヒーはスッキリまろやかな仕上がりに。またじっくり時間をかけて抽出することから、豆本来の旨みを楽しめるともされています。
基本の作り方
- 水出し専用ポット
- コーヒー豆
- 水
コーヒー豆の種類はお好みでOK。ただし豆の風味がストレートに出やすいことから、あまりにも安価なものは避けたほうがベターでしょう。また、酸味の強い浅煎りよりは、アイスコーヒー向けに深煎りしたもののほうが向くようです。様々な種類の豆を試してみる、お店の人に相談してみるなど、好みのものを探してみてくださいね。
お水は常温のものを用意します。水温が低すぎるとうまく抽出できません。
また、お水の味がそのままコーヒーにも反映されることから、浄水器を通すなどした「おいしい水」を使うこともポイントです。ミネラルウォーターを使う場合は硬度に注意を。コーヒーには硬水より軟水が向くとされています。
- 専用ポットのストレーナーにコーヒー粉を入れる
- 粉全体が湿るように、少しづつ水を注ぎ入れる
- ストレーナーが浸る程度に水を注いだら、冷蔵庫に入れて8時間ほど抽出する
コーヒー粉の分量は、水1リットルに対して80グラム~100グラムが適量。好みや豆の種類、挽き方(中挽き~中細挽きが適しています)によって増減すると良いでしょう。
水を注ぐ時は、一気に注がずに少しずつ。こうすることで水とコーヒー粉が馴染み、味や香りが出やすくなります。またこの注ぎ方だと、水とコーヒー粉をマドラーなどで攪拌したり、ボトルを揺すったりする必要もないので、透き通った美しい仕上がりになります。
抽出後はストレーナーを引き上げて、冷蔵庫で保存。24時間以内を目安に飲みきってください。
なお、ストレーナーを引き上げる時は、軽く水を切る程度に。もったいないからと、中のコーヒー粉をギュウギュウと押して水を切ると、濁りやエグみが出てしまいますよ。
冷蔵庫に入る程度のポットにコーヒー粉を直接入れ、上から水を注ぎます。そのまま冷蔵庫に入れて8時間。あとはフィルターやストレーナーでコーヒー粉を濾し取ればOK!
もっと手軽にしたい場合は、お茶パックやだしパックのような紙パックにコーヒー粉を詰めて、常温水を入れたポットに放り込む方法も。ただしこの場合は、他の方法に比べてコーヒー粉が水に触れる面積が少ないため、抽出時間を少し長めにとる必要があります。最初は1時間ほどから。味を見ながら、ちょうどよい抽出時間を見つけてみてください。
温めてもOK!フルーツやハーブでコーヒーをアレンジ
コールドブリューしたコーヒーは、そのまま氷を浮かべてアイスコーヒーとして楽しむほか、温めても美味しくいただけます。お湯でドリップしたものよりもスッキリした飲み口の温かいコーヒーは、普段とは少し違う新鮮な味わいです。
また、コーヒーと意外と合うのがシトラス(柑橘系)のフレーバー。特にコールドブリューした雑味のないクリアなコーヒーには、爽やかなシトラスがベストマッチ。
オレンジやレモンをスライスして漬け込めば、シトラスコーヒーの出来上がり。酸味の強いシトラスを使うとコーヒーの苦味が気になることがあるので、その場合はシロップを入れて味を調整すると良いでしょう。シトラスと一緒に、シナモンやミントなどのスパイスやハーブを漬け込んでもGOOD。グラスやボトルにコーヒーとともに注ぐと、見た目も可愛いですよ。
ハーブやフルーツを用意できない場合は、フレーバーシロップを利用する手もあります。
甘みも同時に加わるので、コーヒーは必ず甘くして飲むという人にはこちらのほうが手軽かもしれませんね。フレーバーシロップは、コーヒーチェーン店や輸入食材店、またはオンラインストアで購入することができます。
緑茶編│まろみと翡翠色の水色を楽しむ
コールドブリューした緑茶は翡翠色の水色が美しく、まろみと旨みを感じるのが特長です。これは低温下では、渋みや苦みの成分であるカテキンやタンニンが抽出されにくいから(タンニンが空気に触れて酸化することで、緑茶の水色は変化します)。逆に旨みや甘み成分であるテアニン(アミノ酸の一種)は水温に関わらず抽出されるので、お湯で淹れた緑茶に比べて茶葉本来の味わいが楽しめるのです。
また緑茶葉に豊富に含まれるビタミンC。これは熱に弱い性質のものですが、コールドブリューなら成分を壊すことなく抽出できます。ビタミンCは夏バテに効果アリとされるもの。ますます夏向けのビバレッジになりますね。
基本の作り方
- 水出し用ポットや急須など
- 茶葉
- 冷水
茶葉は旨みの多い、少し高級な煎茶が適していますが、基本的には緑茶であればOKです。また「水出し用」として細かく砕かれたものも市販されていますが、時間をかけて抽出するのであれば、特に専用の茶葉を使う必要はありません。
お水は冷水を使います。夏場などに触ってみて「温いな」と思うときは、冷たいと感じる程度まで氷で冷してください。また、コーヒーの時と同じく、お水の味がそのままお茶に反映されることから、湯冷ましや浄水器を通すなどした「おいしい水」を用意しましょう。
- ポット・急須に茶葉を入れる
- 冷水を注ぐ
- 茶葉全体が水に触れるように、ポット・急須を軽く揺する
- 冷蔵庫に入れて3〜6時間程度抽出する
茶葉の分量は、水1リットルに対して10グラム程度。お好みでもう少し多めでもOK。
冷水を注いだら、軽く揺すってから冷蔵庫へ。好みの濃さになったら出来上がりです。飲む前に再度軽く揺すって濃さを均一にし、茶こしで茶葉を漉しながらグラスに注ぐと良いでしょう。水出し緑茶用のフィルター付きポットを使うと、さらに手軽です。
出来上がったものは冷蔵庫で保存し、24時間以内を目安に飲みきってください。すぐに飲みきらない場合は、茶葉を出しておきましょう。
フルーツやハーブと組み合わせて、フレーバー緑茶に
水出し緑茶にお好みのフルーツやハーブをつけ込めば、爽やかなフレーバー緑茶に早変わり。
実は緑茶は意外と包容力が高く、さまざまな香りや味と組み合わせ可能。巨峰やキウィなど華やかな香りのものを加えれば、一気に夏向けのおしゃれなビバレッジに。フレッシュミントで爽やかさをプラスしても素敵です。
涼しげな翡翠色と鮮やかな果実の組み合わせは、見た目も可愛くておしゃれ。お気に入りのグラスやボトルに入れて、舌だけでなく目でも楽しんでくださいね。
涼し気な見た目も味も◎の「氷出し」
さらに緑茶の甘みや旨みを追求したいのなら、ぜひ試してみたいのが「氷出し」。氷が溶けたしずくでお茶を抽出する、究極のコールドブリューです。
作り方は至って簡単。急須やポットの底に茶葉(水500ミリリットルに対して10グラム程度。水出しの時より分量が多いことに注意です)を敷き詰めたら、その上から容器がいっぱいになるまで氷を入れるだけ。あとは氷が溶けるのをひたすら待ちましょう。氷が溶けたら軽く揺すって、濃さを均一にしてからグラスに。
通常の急須で入れるお茶と同様に、氷出しのお茶も一煎ごとに注ぎきります。残った茶葉は冷蔵庫に入れて保管(24時間以内が目安)しておけば、五煎目くらいまでは楽しめますよ。
またこの抽出方法にオススメしたいのが、ガラス製の急須やポットを使うこと。
茶葉の緑やキラキラした氷が見えて涼しげなだけでなく、氷が溶けていく様子・その水に緑茶が溶け出していく様子が見て取れて、とても美しいんですよ。単にお茶を飲むだけでなく、その過程もゆったり楽しんでみてはいかがでしょうか。暑い時期のおもてなしとしても◎です。
さいごに
温度調整が必要ないことから、実はお湯で淹れるよりも簡単なコールドブリュービバレッジ。
今年の夏はぜひチャレンジしてみてくださいね!
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