住宅を検討されているみなさま。
「気になっている物件があるけど北玄関なのがネック」とお悩みではありませんか。北玄関間取りの住宅は、南玄関に比べると嫌う方が多いのが現実です。
あまり好まれない北玄関ですが、実は南玄関には無いメリットがたくさんあります。たとえば南玄関間取りのメリットのひとつとしてよく聞く「日当たりが良い」という点も、土地の形状によっては北玄関間取りの方が効率よくメリットを享受することができるようになります。
北玄関間取りのメリットを知ることで住宅検討において選択肢が広がり、より良い物件選びができるのではないでしょうか。
本記事では北玄関間取りのメリットを実際の間取りとあわせてご紹介していきます。
ぜひ北玄関の魅力を知っていただき、みなさまの物件選びのお役に立てれば嬉しく思います。
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1.メリットを取り入れた北玄関間取り
ではさっそく、北玄関だから実現できる間取りをいくつかご紹介していきましょう。
次にあげる3つの間取りは、南玄関間取りにはない北玄関ならではの良さがあります。
1-1 【広い間口の2階建て住宅】玄関・水廻り・階段を北に、日当たり最高のリビング・居室
北側に玄関をとることで、階段・廊下や水廻りのほとんどが北側に配置されるので、1階の南側はほとんどのスペースをリビングとして利用できます。また、2階に居室を3部屋とる場合、3部屋とも全て南向きにでき、明るく日当たりの良い部屋が多い間取りになります。
1-2 【狭い間口の平屋建て住宅】玄関を北に、東南の日当たりの良い場所にリビングを
間口が狭く細長い敷地では、南北関係無くお部屋の配置が難しくなります。ですが、この間口の狭い土地こそ北玄関間取りが最適なのです。
図面のように玄関を北に、東南の角にリビング、直接屋外に出られるデッキを取り入れると、狭い土地でも日当たりのいい場所に家族だけのプライベートガーデンが叶えられます。
1-3 【マンション中部屋】効率のよい北玄関間取りの縮図
集合住宅であるマンションは、大きく間取りを変更することができません。また、南側にリビングやバルコニーを設計するケースがほとんどで、自ずと玄関が北に配置されています。
マンションは一戸建てに比べると面積が小さくつくられますが、3LDKなどの部屋数を小さい面積の中で効率よく確保しているのが特徴です。
上の図のように北側に玄関をとり、南側はリビングがメイン。一戸建てに比べるとコンパクトではありますが、リビング隣の洋室を個室としたり扉を開放し広いリビングとして利用したりと工夫を凝らしていて、限られた面積内で南側を柔軟に使うことができるのが北玄関マンションの魅力です。
2.北玄関間取りだから叶う、3つのメリット
北玄関間取りが嫌われるからといって、すべての住宅が北玄関を避けた設計にできるわけではありません。土地に接する道路が北側にしかない場合や、建売住宅や集合住宅などで設計の変更ができない場合は、北玄関間取りを受け入れることになります。
ですが北玄関になるからといって悲観的になることはありません。北玄関間取りには、南玄関間取りではできないことがたくさんあります。
ここでは、北玄関間取りだから叶えられるメリットを中心にご紹介していきたいと思います。
2-1 明るくて広々したリビング
玄関を北側に配置すると、南側は広く使えるようになります。1-1の間取りのように、南側は広々としたリビングをメインにした間取りにすることができます。
特に間口が広めの土地(東西に長い土地)ですと、南側に面した部屋をリビング以外にも確保することができるので、家族の居室を明るい南向きにすることも可能です。
2-2 リビングからつながる庭は家族だけのプライベートガーデン
南側に広くリビングをとれると、ウッドデッキなどを利用してリビングと庭をつなぐことができます。
道路が北側にしかない場合は、南側は車や人が通らないということですので家族のプライバシーも守られることになります。南道路のように、バルコニーや庭などに洗濯物を干したときに「洗濯物が道路から丸見え…」なんていうこともありません。
2-3 コンパクトながらも無駄の少ない効率のよい動線
間口が極端に狭いような狭小地の場合は、特に効率のよい間取りが求められます。
北玄関間取りの場合、1-2の間取りのように廊下やホールといった場所の面積を極力少なくし、各居室や水廻りへの動線をとることができます。また、1-3のマンションの間取りは、限られた面積の中で必要な部屋をとることができる代表的な間取りといえます。
3.北玄関間取りのデメリット解消方法
北玄関最大のデメリットは、「玄関の日当たりが悪く日中でも暗い」ことです。北向きですので玄関に日当たりのよさを求めるのは難しく、南向き玄関に比べると暗い玄関になります。
ですが暗さを解消する方法はいくつかあります。日当たりを良くすることはできませんが、北玄関でも明るくなる解消方法をご紹介していきます。
あかりとりの窓を設ける、採光タイプの玄関ドアにする
玄関ホールに小窓やスリット窓など、あかりとりの窓を設けることをおすすめします。スペースの問題もあるかと思いますが、そう大きくない窓なら面積もとりません。採光目的であれば開閉ができないFIX窓が色々なデザインがありコスト的にも安価です。
また、玄関にそこまでスペースがない場合は、採光タイプの玄関ドアで検討してみてはいかがでしょうか。玄関ドア自体から光をとりいれることができるので、少ないスペースでも明るい玄関が可能です。
玄関ホールに吹き抜けをとりいれる
一戸建ての場合ですが、玄関に思い切って吹き抜けにするのもひとつの方法です。
2階建て住宅の場合、玄関を吹き抜けにすると5メートル以上の天井高になります。高い位置に窓を設けたり、吹き抜け用の照明を取り付けるとさらに明るく開放感のある玄関にできます。
照明のデザインや数を工夫する
照明器具を全方向に光が広がるデザインのものを選ぶ、照明の数を増やすというのも玄関を明るく見せられる方法です。
また、照明の光が反射することを考えて、壁や床、インテリアを白っぽい色にすることも効果的です。
シューズボックス下部に照明をとる
マンションなどの集合住宅の場合、完成前だとしても窓を増やしたり吹き抜けをとるなど自由に間取りを変えることはできません。
大きな変更ができない場合は、シューズボックス下部に照明をとるだけでも玄関の雰囲気が変わります。
4.北玄関間取りが嫌われてしまう日当たり以外の原因
みなさまは「鬼門」という言葉を聞いたことはありませんか?
現代の生活ではあまり馴染みのない言葉ですが、鬼門は中国から伝来した家の場所や方向、間取りなどで吉凶を判断する「家相」に基づく言葉です。
では住宅における鬼門とはどこを指すのかと言うと、家の中心からみたときに北東側と南西側のそれぞれ45度の範囲のことを指します。北東45度の範囲を「表鬼門」といい、この表鬼門に玄関や水廻りなどを配置することは良くないとされています。
古来より伝えられてきた家相に基づく開運方位へのこだわりも北玄関間取りが好まれない理由のひとつです。
5.まとめ
北玄関間取りのメリットや、北玄関になったときに検討してほしいデメリット解消法についてご紹介しました。
検討している物件を購入するか躊躇している理由が「北玄関だから」という方。
デメリットだけではなく、メリットもあると思っていただけましたか。ぜひ今後の物件検討の参考にしてください。