分譲マンションを購入したときに、火災保険にはほとんどの人が加入します。
では、地震保険はどうでしょう?
鍵のお引渡前になると、お客様から「地震保険って必要ですか?」と私もよく質問されます。
地震大国と言われている日本。大地震が起きると毎回、取り沙汰される地震保険。
私個人的には、『地震保険は必要!』だと思っています。
これまで「なんとなく加入している方」も、「今までは加入していない方」も、今一度“地震保険”について考えてみてはいかがでしょうか?
今回は分譲マンションの地震保険について、お話します!
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1.そもそも、地震保険って?
あなたは地震保険について、どのくらい知っていますか?まずは地震保険の基本からお話します。
1.1 地震保険の内容はどこの保険会社も同じ!
地震保険制度は、生命保険や火災保険などと異なり「地震保険に関する法律」に基づき、政府と民間の損害保険会社が共同で運営している制度です。
契約募集や損害発生時における、状況の確認や保険金の支払いなどの業務は民間の保険会社が行いますが、大地震発生時には巨額の保険金が必要になるため、保険金の支払責任は政府と民間で負担しています。
保険料は、利潤は一切含まれずに準備金として積み立てられています。
そのため、地震保険の補償や保険料はどこの損害保険会社でも共通しています。
1.2 地震保険は「居住用の建物」と「居住用建物に収容されている家財」が対象!
地震保険の対象となるものは、「居住用の建物 」と、「居住用建物に収容されている家財 」です。
1個または1組の価額が30万円を超える貴金属、宝石、骨董、通貨、有価証券(小切手、株券、商品券等)、預貯金証書、印紙、切手、自動車等は地震保険の対象になりません。
また、地震保険は火災保険の保険金額の30%~50%までの補償がつけられることとなっており、建物:5,000万円まで・家財:1,000万円までの限度額となります。
→地震保険の保険金額は建物:300万円~500万円、家財:150万円~250万円までとなります。
『それだけで足りるの!?』とお思いの方もいらっしゃると思いますが、地震保険は火災保険とは異なり「建物を建て替えるための費用」ではなく「被災者の当面の生活を支えるための費用」という概念で作られている保険です。
そもそもの目的や、性質が違っていることをまずは理解しましょう。
1.3 地震保険は「噴火」や「津波」を原因とする災害も対象!
地震保険では、「地震」だけではなく「噴火 」、またはこれらによる「津波」を原因とする火災、損壊、埋没、流失などの損害も、補償の対象になります。
よって、地震保険に加入していない場合は、地震を原因とする火災はもちろん、噴火や津波による火災の損害も補償されませんが、これらの事故は火災保険でも補償の対象外になります。
ゆえに地震保険には加入したほうがいいと、私は思います。
尚、地震保険は単独での加入はできず 、火災保険に付帯する方式での加入となりますので、火災保険に加入していることが前提になります。
すでに火災保険の加入をしている方は、契約の途中からでも地震保険に加入することが可能です。
詳細については、現在ご加入している火災保険の窓口へお問合せください。
1.4 地震保険の保険料は「建物の構造」と「所在地」によって決まる!
地震保険の保険料は『損害保険料率算出機構』によって算出されており、おもに「建物の構造」および「所在地」によって決まります。
建物の構造などが異なると、地震のゆれによる損壊や火災による焼失などのリスクが異なります。
また、地震発生リスクなどは地域により異なります。
このようなことから地震保険では、建物の構造や所在地などによる地震リスクの差異に応じた区分を設けており、建物や地域によって保険料率が異なります。
ご自宅の地震保険の保険料について知りたい場合は、保険会社へお問合せいただくか、インターネット等で試算することもできますので、ぜひ一度お試しください。
2.分譲マンションの場合の地震保険
分譲マンションの場合は【共同住宅】になりますので、ご存知のとおり「共用部分 」と「専有部分」にわかれています。そのため地震保険も「共用部分」と「専有部分」で別々に加入する必要があります。
2.1 自分で選べる専有部分
専有部分は、お住まいの方々がそれぞれ個人で判断し、地震保険に加入することができます。
前述したように、地震保険では「災害後、もとの生活に戻るための保険」ではなく、「災害後、被災者が生存するための保険」です。そのため、『保険金の使途は自由』です。
例えば、当面の住まいへの引越費用や家賃、ホテルへの宿泊費、食料品などでも使用することが出来ます。
分譲マンションを購入した人の多くは、住宅ローンを利用されていると思います。
万が一、被災したときに生活再建の負担に加え、住宅ローンの支払いが続くという二重の負担を考えると、地震保険も役に立ってくれるはずです。
よって、私個人的には『自分で選べる専有部分の地震保険は加入したほうがいい!』と思います。
反対に、“住宅ロ―ンは完済しているし、被災したあとの生活も問題ない”というような方は、加入しなくても問題ないでしょう。
2.2 管理組合で加入する共用部分
共用部分については、最近の新築分譲マンションの場合には地震保険に加入していることが多いようですが、管理会社の考え方や、地域によっても異なるようです。
共用部分の地震保険については、地域や構造・規模にもよりますが、安価ではありませんので、入居後の管理組合でのお話合いではずすケースもあるようです。
しかし最近は地震も多くなっており、古いマンションの場合だとこれまで加入していなくても、最近では加入したほうがいいというケースも増えてきています。
分譲マンションの場合、共用部分については、なにごとも管理組合での決議が必要になります。
すでに分譲マンションにお住まいになっている場合には、まずは管理組合で加入しているか、どうかを確認しておくとよいでしょう。
新築分譲マンションの場合には、管理会社か営業担当者へ確認してみるとよいでしょう。
3.地震保険の保険金が実際に支払われるには
3.1 損害の程度に応じて保険金額が決まります!
保険の対象である建物や家財の損害の状況に応じて、損害の程度を『全損』、『大半損』、『小半損』、『一部損』に分類します。その損害の程度によって、支払われる保険金が決まります。
損害の程度 | 建物・家財 |
---|---|
全損 | 地震保険金額の100% (時価が限度) |
大半損 | 地震保険金額の60% (時価の60%が限度) |
小半損 | 地震保険金額の30% (時価の30%が限度) |
一部損 | 地震保険金額の5% (時価の5%が限度) |
(上記は地震保険期間の初日が2017年1月1日以降の場合の金額です)
※損害の程度の認定は「地震保険損害認定基準」に従います。
※損害の程度が一部損に至らない場合は、補償されません。
※損害の程度が全損と認定された場合、地震保険の補償はその損害が生じたときに遡って終了しますので、終了後に発生した地震等による損害は補償されません。
※主要構造部に該当しない部分のみの損害は補償されません。
3.2 地震保険を申請するときの注意点
地震による被害にあった場合、加入している保険会社への申請が必要になります。まずは保険会社へ報告をしましょう。
被害の状況によっては連絡ができないケースも考えられますが、地震保険の請求期限は被災時から3年になりますので落ち着いてからでも大丈夫ですのでご安心ください。
ただし、ご自宅の被害の状況を正確に保険会社へ伝えるため、被害状況を残しておくことが最も実害を伝えやすいとは思いますが、そのままにしておくと危険な場合もあります。
その場合は、片づけや修理をする前にまずは写真をとりましょう!
写真はスマートフォンの写真でも大丈夫です。
また、被害にあった際に保険証券を紛失した場合でも、運転免許証やパスポートなどの本人確認ができるものがあれば、保険金の請求をすることは可能です。
加入している保険会社へお問合せください。
4.地震保険料も控除の対象!
2007年1月より「地震保険料控除」が創設され、地震保険へ加入することで所得税と住民税において、税制上のメリットが受けられるようになりました。
払込保険料 | 控除額 | |
---|---|---|
所得税 | 50,000円以下 | 払込保険料全額 |
50,000円超 | 50,000円 | |
住民税 | 50,000円以下 | 払込保険料×1/2 |
50,000円超 | 25,000円 |
地震保険の保険料を支払うと1年間に支払った保険料に応じて、一定額をその年の所得から控除することができます。所得控除のひとつで、これが「地震保険料控除」です。
地震保険料控除が適用になることで、安心を手に入れることができるだけではなく、家計の負担も軽減されます。加入されている方は年末調整・確定申告で申請をしましょう。
尚、控除は居住用の住宅や家財を保険の目的とした、いわゆる「地震保険」の契約が対象となります。
地震保険は火災保険とのセット契約になりますが、火災保険料部分は地震保険料控除の対象となりませんのでご注意ください。
5.まとめ
今回は分譲マンションの地震保険について、お話させていただきました。
「防災グッズ」を避難するときの備えとして当たり前に用意するように、「地震保険」は経済的な備えとなります。
これまで加入していなかった方も、この機会にぜひ一度、ご自宅の地震保険についてご検討いただければ幸いです。
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