いつ遭遇するか分からない地震の被害。その備えとして地震保険に加入する世帯は年々増加しています。
せっかく加入するなら、複数の会社を比較して、少しでも補償の手厚い地震保険に入りたいと考えますよね。でも地震保険の保険内容は、どこの保険会社を選んでも同じなのです。つまり比較は意味がないということ。
なぜ同じなのか。同じなら何を選んでも大丈夫なのか。
地震保険の加入を検討している人に向けて、解説してまいります。
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地震保険の内容は、どこの保険会社を選んでも同じ
火災保険など他の保険と違って、地震保険はどこの保険会社で加入しても補償内容・保険料ともに同です。なぜ「どこも同じ」なのでしょうか?その理由は3つあります。
理由1:国の法律に基づいて、政府と民間の保険会社で共同運営している保険だから
巨大地震が発生した場合、損害額は甚大になり、民間の保険会社では保険金の支払いに限界が生じることが考えられます。そこで、民間の保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険することで、巨額の保険金支払いにも対応できるようにしています。
理由2:公共性の高い保険だから
火災保険など通常の保険とは異なり、地震保険料には保険会社の利潤は一切含まれません。保険会社ごとに独自で保険料を設定することはできず、支払った保険料は地震発生時の保険金支払いにのみ充てられるようになっています。
理由3:保険料が建物の構造と所在地ごとに決まっているから
地震発生時の損害程度や地震発生の危険度は、建物の所在地や構造によって異なります。そのため所在地や構造に見合う基本料があらかじめ設定されており、保険会社が独自で保険料を設定できない仕組みになっています。
地震保険契約金額100万円あたりの基本保険料は、以下のようになっています(表はタップで拡大します)。
「地震共済」とは?
地震共済は、地震保険と同様に政府と共同運営しているものや、それぞれの共済が独自に運営しているものがあります。したがって掛金や保障の範囲・内容が共済によって異なります。共済によっては、掛金が地震保険に比べて抑えられていたり、発生した損害が少ない場合には掛金が割戻金として還元されたりするケースもあります。
しかし地震保険と比較すると、保障の範囲・内容が充分でない場合もあります。掛金の安さだけで判断するのではなく、自分たちの住まいに向いているかをしっかり確認しましょう。
加入を検討する時に押さえておきたいこと
契約は火災保険への付帯が原則
地震保険は単体で契約することはできません。火災保険への付帯契約が原則になっています。火災保険の契約時に地震保険を付帯しなかった場合は、途中から新たに付帯することが可能です。
保険金額の設定には制限がある
保険金額は、自分の住まいの状態に合わせて設定する必要があります。また設定できる保険金額には一定の制限があります。
契約できる保険金額の割合
主契約となる火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定します。
例えば建物の火災保険金額が2,000万円、家財の火災保険金額が1,000万円の場合、地震保険の保険金額は下記の表のようになります。
火災保険の保険金額 | 地震保険の保険金額 | |
---|---|---|
建物 | 2,000万円 | 600万円〜1,000万円の範囲で設定 |
家財 | 1,000万円 | 300万円〜500万円の範囲で設定 |
限度額
建物の場合は5,000万円、家財の場合は1,000万円を上限に保険金額を設定することができます。
損害程度が一部損に満たない場合は保険金が支払われない
地震保険で支払われる保険金額は、損害程度に応じて算出されます。
損害程度は、全損・大半損・小損・一部損の4つ(保険始期が2016年12月31日以降の場合は3つ)に分類され、それぞれで支払われる保険金が異なります。ただし一部損に満たない場合は保険金が支払われません。
① 損害程度の認定
建物・家財ともに、地震保険損害認定基準に従って損害の程度が認定されます。
建物の場合は主要構造部の損害額・焼失・流失した床面積等の損害の程度が、家財の場合は損害額が、それぞれ認定の基準になります。
② 保険金の算出
①で認定された区分に応じて、支払い保険金が算出されます。
加入後にしておきたいこと
「地震保険料所得控除制度」を利用する
2007年1月より地震保険料が所得控除の対象になりました。申請をすれば、1年間(1月1日~12月31日)に支払った保険料に応じて、一定額が所得税(および住民税)から控除される制度です。保険料の負担を軽減するための制度なので、ぜひ利用しましょう。
※旧長期損害保険料についても一定の要件を満たす場合は地震保険料控除の対象とすることができます。詳細は国税庁のサイト(タックスアンサー>No.1145地震保険料控除)をご参照ください。
地震保険料の控除額
所得税
年間払込保険料の全額(最大50,000円)
住民税
年間払込保険料の2分の1(最大25,000円)
控除申請の方法
申請の方法は、給与所得者のみの人(年末調整または確定申告)と、それ以外の人(確定申告)の場合で異なります。
控除を受けるための条件と申請方法は、アルファジャーナルの記事「記入例付き!地震保険料控除を受けるための条件と基礎知識・控除額」で解説しています。ご参照ください。
保険の契約内容を見直す
地震保険の契約の仕方には
- 建物のみ
- 家財のみ
- 建物+家財
の3通りあり、自身の住まいに合った契約方法を選択することができます。また、保険金額も限度内であれば自由に設定することができます。
しかし「実際持っている家財よりも多くの保険をかけていた」というケースもあるので、定期的に見直して見ましょう。
実際に支払われる保険金の額は、損害程度に応じて決定されます。かけすぎている内容がないか、保険会社に相談してみるのも良いでしょう。
火災保険の加入先を見直すと、保険料が下がることも
地震保険を付帯する「火災保険」の加入先を見直すことで、保険料を抑えることができます。
まとめ
地震保険は民間の保険会社と政府が共同運営している保険であるため、どこの保険会社で加入しても保険内容は同じです。
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