「SDGs」という言葉、よく耳にしますよね。環境問題をはじめとする社会的な問題に取り組むことでしょう?となんとなく理解していても、規模が大きすぎて、どこか自分事ではないように感じていませんか?
実は、よい世界を目指す国際目標であるSDGsは、日々の生活の在り方でも実践することができます。
今回は、SDGsの中でも特に環境面に注目し、家庭とエコについて掘り下げていきます。オンラインで気軽に自宅のエコ度を可視化できるエコチェックや具体的な方法を通じて、地球にやさしく、お財布にもやさしい生活、始めてみましょう!
「SDGs」ってなんだろう?エコとは何が違う?
最近よく見聞きする「SDGs」というワード。地球環境に関連する言葉……?そんな漠然とした印象の方も多いのではないでしょうか。
知っているようで詳しく知る機会の少ないSDGs。その内容をおさらいしていきましょう。
環境問題だけじゃない。SDGsとは「より良い暮らしを続けていくための17の目標」のこと
2030年までに目指すべき「持続可能な開発目標」
SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略称。
17の大きな目標(ゴール)と、それに含まれる全169のより具体的な達成目標(ターゲット)からなる「持続可能な開発目標」のことです。
「持続可能な(Sustainable)」というのは、「今だけでなく、自然環境に負荷をかけず、ずっと長期にわたって続けていけること」という意味。つまりSDGsを分かりやすく表現すると「環境問題や、貧困・飢餓・暴力といった課題を解決し、環境や資源を損なうことなく経済を発展させ、今の暮らしをより良い状態にするための目標」ということになります。
2015年9月の国連サミットで採択され、この目標を2030年までに達成しよう!と国連加盟国193ヵ国がSDGs活動に取り組んでいます。数年前からよく耳にするようになったのは、この達成目標まで残り10年という節目を迎えたからなのです。
17の目標(ゴール)ってどんなもの?
では、SDGsの肝となる17の目標。その全種は以下のとおりです。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
つまり人類を取り巻く状況には、これだけの問題が潜んでいるということ。自分は平穏に暮らしていると感じていても、目標達成のためには、これらに対する問題意識を持つことが大切です。
事実、国内外の企業では、各社の経営理念や商材に則した上記の目標を選び、その達成のためにさまざまな活動を続けています。
暮らしに身近な自然。SDGsの中にあるエコロジーにまつわる8つの目標
人の暮らしに密接にかかわる、環境。昨今の異常気象や気候変動も、これまで人が生活の安定や豊かさを求めて地球の環境に配慮することを欠いた結果、温暖化が加速して生じたともいわれています。
2015年の国連サミットでもこの点を注視して、SDGsの中に環境にまつわる目標を設定しました。
先に挙げた17の目標のうち、環境に関連するのは以下の8つ。
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに(エネルギーを使う人の不均衡がなく、有害物質が出ない安全で持続可能なエネルギーを確保する)
- 産業と技術革新の基盤をつくろう(安全かつ安定したインフラで、持続可能な産業と技術を開発する)
- 住み続けられるまちづくりを(安全で長く住み続けられる都市づくりをする)
- つくる責任つかう責任(製品を作る人は持続可能な生産を行い、買う人も使い捨てではなく持続可能な製品を選ぶ)
- 気候変動に具体的な対策を(気候変動やその影響を小さくするための対策を講じる)
- 海の豊かさを守ろう(海の環境や資源を保全しながら利用する)
- 陸の豊かさも守ろう(土地の砂漠化や過剰な森林伐採などを阻止し、環境を守って生態系を回復する)
- パートナーシップで目標を達成しよう(それぞれの国が協力、連携しながら、持続可能な開発をする)
8つというのは、掲げた目標の約半分にあたります。それだけ地球環境に対する意識が重要ということですね。
小さなことでもコツコツと!家庭のエコな取り組みがSDGs達成につながる
地球を守り、環境への負荷をできるだけ軽くするための活動が大切、という話ですが、これは企業に限った話ではありません。家庭でも地球環境に配慮した生活をすることで、SDGs達成につなげることができます。
そこで切っても切れないのが「エコ」。こちらも日常的に聞く言葉ですよね。
エコとは、人間生活と自然との調和・共存をめざす考え方・自然環境保護運動を意味するエコロジー(ecology)と、経済を意味するエコノミー(economy)の両方の意と共通する冒頭2文字から生まれた言葉で「環境にやさしく、また環境に配慮しながら経済活動を行う」という意味があります。
たとえばSDGsの「つくる責任つかう責任」のターゲット(具体的な達成目標)のひとつに
「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する」
というものがありますが、まさにこのエコの考えそのもの。
環境省の公表によると、国内の1年間のゴミ総排出量は4272万トン。1日にひとりあたり918グラムのゴミを出していることになります。
そこで各自が出すゴミを100g減らせば、単純計算で毎日1万2580トンものゴミが削減されることに!100gくらいなら、減らすことはできそうですよね?
家庭でエコを意識した暮らしや購買活動を行えば、それが直接環境保全になるだけでなく、企業経営や経済にも影響して、より大きな規模での目標達成も期待できるのです。
【住まい編】我が家は何点?エコチェックで暮らしのエコ度を調べてみよう
家庭でエコな活動といっても、ピンとこないかもしれません。
具体的な活動を始める前に、まず現状を知ることから始めましょう。それには状況を可視化することが一番手っ取り早い方法です。
SDGsのひとつ「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に直結する「家庭の中のエネルギー」にまつわるエコレベルを確認してみましょう。無料で使える便利なサイトを紹介します。
自宅のエコレベルをチェック「うちエコ診断」(環境省)
うちエコ診断(環境省)
URL:https://webapp.uchieco-shindan.jp/
環境省が提供するオンラインサービスで、暮らし全般に関するエコレベルを調べられます。
質問に沿って、光熱費、住宅の種類と住宅での機器の使い方を入力すると、年間のCO2排出量が算出され、全国平均と比較できます。
また「おすすめの対策(機器の使い方)」の項目で具体的にどんな対策を講じるかを選択すると、現状から年間CO2排出量、月額光熱費がどれだけ減らせるのか、グラフで比較できるのも特徴。エコな取り組みといっても、どれほどの効果があるのかイメージしづらいものですが、「これならできそう!」と思える、やってみたくなるようなヒントも紹介されています。
家電の省エネレベルを知る・省エネ製品買い替えシミュレーション「しんきゅうさん」(環境省)
しんきゅうさん(環境省)
URL:https://ondankataisaku.env.go.jp/shinkyusan/shindan/
環境省が提供するこのチェックでは、主力の家電である冷蔵庫・温水洗浄便座・エアコンの3種で、現在使っている機種と、購入を予定している最新機種を比較した場合の消費電力やCO2排出量を見ることができます。
家庭の中で最もエネルギーを消費する家電ですが、省エネ化の日進月歩ぶりにちょっと驚きますよ。買い換え予定がない人も要チェックです。
調べ方は「かんたん比較」「くわしく比較」「まとめて比較」の3つ。
「かんたん比較」では、家電の種類別で現在のものと希望機種との比較を。
「くわしく比較」では、「かんたん比較」に設置状況や利用状況などの情報をプラスしてさらに詳しく比較。
「まとめて比較」では3種の家電の比較をまとめて調べることができ、すべて買い替えた場合の全体的な省エネ化を見ることができます。
照明やテレビなどの買い替えによる利点も、具体的な値付きで解説しているページもあるので、電気代が気になるご家庭では特に活用していただきたいウェブサイトです。
【食品ロス編】我が家は何点?エコチェックで暮らしのエコ度を調べてみよう!
まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」も、昨今の大きな問題です。
環境省の資料によると、日本国内では1年間に600万トンの食品ロスがあり、そのうちの約半分である276万トンが家庭から出ているのだとか。
SDGsの目標「つくる責任つかう責任」のターゲットのひとつには、「2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(ひとり当たりの量)を半分に減らす。また生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす」という項目がピンポイントで掲げられています。
自分の生活の中にどれだけの食品ロスが生まれる機会があるのか、それを可視化してくれる便利なサービスをご紹介します。
食品ロス、どれだけ意識している?「使いきり 食べきり すっきり診断」(富山県農林水産部)
使いきり 食べきり すっきり診断(富山県農林水産部)
URL:https://foodlosszero.jp/consumer/check
「とやま食ロスゼロ作戦」を掲げる富山県では、県全体での消費者と事業者が力を合わせて、食品ロス削減に向けた活動を行っています。
「使いきり 食べきり すっきり診断」は、そのひとつ。15つの設問に「はい/いいえ」で答えることで、食べ物をすっきり使い切れているか、パーセンテージで知ることができます。
ご自身の意識が数字で表れるため、手始めとしておすすめです。家族で数字を比べ合いながら、楽しく意識改革を始めるのもいいですね。
食品のレコーディングダイエット「計ってみよう!家庭での食品ロス」(消費者庁)
計ってみよう!家庭での食品ロス(消費者庁)
URL:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/pamphlet/pdf/pamphlet_191129_0001.pdf(PDFファイルが開きます)
消費者庁が作成・提供している、出力して使用するチェックシート。自分が捨てた食品を記入し、見返すことで、自分の食品ロスの原因と傾向を知り、改善に役立てるのが目的です。
まずは1週間、いつ・何を・どのくらい・どんな理由で捨てたのかをメモします。
そのメモをもとに、食品を捨ててしまった状況を振り返り、自分のライフスタイルに合った食品ロスを減らす方法を考えます。
また生活の傾向からタイプを診断し、それに合わせた改善方法の具体的なアドバイスも掲載されているので、とても参考になります。
ロスの可視化はなかなかハードルが高いですが、その分気づきも多く、目に見えた改善が図れるのも素晴らしい点です。
小さな積み重ねが大きな達成に!SDGsに直結するおうちでできるエコ活動
日々の暮らしの中で実行できる、SDGsに直結するエコ活動は他にもあります。それが、「節電・節水」「ゴミを減らす」「二酸化炭素の排出を減らす」の3つ。
「そんなの当たり前!」「家庭でできることなんて微々たるものなんじゃ」と思うかもしれませんが、それぞれきちんと理由があるのです。
節電・節水
日頃の生活で欠かせない水と電気。節電や節水を心がけた暮らしは、電気代や水道代に直結して家計にすぐに反映されるエコな活動です。お財布にもやさしい行動になりますよね。
実は節水は水資源の保全だけでなく、社会の節電にも役立っているのをご存知でしたか?
蛇口をひねるといつでも豊富に出てくる水ですが、浄水場や下水処理場で水を処理するとき、家庭や学校、オフィスに水を供給するときなどにも、たくさんの電力が使われています。
1リットル節水した場合、約0.98Whの節電に貢献できることになるという試算もあります。約0.98Whとは具体的にケータイで音楽を約3時間聴けるくらいの電気量です。結構大きいと思いませんか?
ゴミを減らす
ゴミを多く出すということは、それだけ不要なもののためにエネルギーを費やしてしまったということ。またゴミを焼却炉で処理すればCO2を排出し、埋め立て処分をするとなれば土壌や海洋の汚染にもつながりかねません。
買い物時はエコバッグを持ち歩く、ゴミをきちんと分別してリサイクルできるものはする、食べ物や生活用品などは必要な分だけ買うなど、ゴミの量を減らすことを意識しましょう。
もし不要なものが出てきたら、食べ物ならフードドライブ、衣服なら洋服の交換会など、上手に循環させるのも方法です。
二酸化炭素の排出を減らす
CO2の排出の削減というと、身近なところでは車や電車などの移動手段の改善を思い浮かべる方も多いはず。またエネルギー太陽光や風力など、電力に再生可能エネルギーを選択するという方法も広がってきました。
でも、それだけではありません。購買活動にもCO2削減の方法があります。
第一には、エコマーク、グリーン購入マークなど、環境ラベルがついた商品を選ぶこと。
「カーボン・オフセット認証ラベル」や「エコリーフ環境ラベル」など、環境に配慮した製品に付けられた環境ラベルは、国や第三者機関の審査を通過したうえでCO2排出量を公表し、環境配慮に努力している商品の証。何かを買うのに迷った際は、ラベルを指針にしてみましょう。
第二に、どこで作られたものかにも注目。なぜなら輸送時にもCO2が排出されているからです。
輸入品よりも国産、国産でもなるべく地産地消を心がけるようにすると、製品や原材料の移動にかかるCO2排出の削減に貢献できます。
ただ買うだけでなく、手元に届くまでの背景まで考えを巡らせてみましょう!
まとめ
家庭で取り組むSDGsを、エコな取り組みに着目してご紹介しました。
地球規模では一人ひとりは小さな単位。けれど、紛れもない地球の一員です。日々の生活という身近なところから自分事としてエコに目を向けて、みんなに良い暮らしを目指してみませんか?
既存の記事でも、エコな暮らしのヒントをお伝えしています。ぜひ参考にしてみてください。
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