12月の和名は「師走」。「師が忙しく東西を馳せる」という意味です。
この「師」とは僧侶のこと。12月は家々で僧を迎えて読経などの仏事を行うので、とても忙しかったことに由来するそうです(諸説あり)。
毎年この時期になると、一年が過ぎることのなんと早いことかと驚嘆せずにはいられません。クリスマスの華やかさと、年の瀬の慌ただしさが同居した街の空気感に、ちょっと気が急くような気分にもなる今月です。
今月の注目イベント
12月のこよみ
12月7日「大雪」(二十四節気)
山間部だけでなく、平野部でも雪が降り始めるころという意味。お正月飾りに使う南天の実が赤く色づきはじめる時期です。
大雪の七十二候(二十四節気をさらに約5日ずつに分けた期間。気象の動きや動植物の変化を表す短文)は、
- 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
- 熊蟄穴(くまあなにこもる)
- 鱖魚群(さけのうおむらがる)
それぞれ、空が厚い雲に覆われ冬の気配が強まる様子、熊が冬ごもりの時期に入って穴にこもる様子、鮭が川を遡上する様子(北国の冬を代表する風景なのだそう)を表します。本格的な冬の到来を感じさせますね。
12月22日「冬至」(二十四節気)
太陽が軌道上の最も南に来るときで、北半球では夜が最も長く、昼が最も短くなる日です(冬至日)。
こよみ(二十四節気)の冬至は、冬半ばという意味。しかし「冬至冬中冬始め」という諺にもあるように、この日を境にいよいよ寒さが本格化していきます。
冬至日は南中高度が最も低くなるため、太陽の力がいちばん弱まる日と考えられてきました。しかし冬至を境に再び力を取り戻すことから「太陽がよみがえる日」「太陽の死と復活」として、世界の各地で冬至祭が行われます。
易の考え方でも、この日は陰が極まる日であり、また翌日から再び陽に転じる(これを一陽来復といいます)ことから、上昇気運に転じる日とされています。
寒くなってきて気分が沈みがちなこの時期、「明日からは良いことがやってくる」と気分を切り替えるキッカケになりそうですね。
年中行事と12月のイベント
12月13日「正月事始め」「煤払い」(年中行事)
この日は鬼宿日といって、婚礼以外は万事吉とされる日。煤払いや餅つきなど、本格的にお正月準備を始める日でもあります。
クリスマスもまだ先なのに、もうお正月準備を始めるなんて早すぎる気がしますが、「備えあれば憂いなし」といいます。今の時期から予定を立てておくだけでも、年末になってバタバタと慌てることなく余裕を持って過ごせますよ。
12月24日「クリスマスイブ」25日「クリスマス」
待ちに待ったクリスマス!クリスマスカラーでデコレーションされた街並みや、美しいイルミネーションに心が躍ります。
自宅にクリスマスツリーやリースを飾る方も多いでしょう。
クリスマスアイテムはショップで選ぶ楽しみもありますが、DIYすれば愛着もひとしおです。アルファジャーナルの記事から大人も子供も楽しめるDIYレシピを紹介します。
クリスマス気分を盛り上げるデコレーションをDIYしよう
✅クリスマスオーナメント
身近な材料で、子供と一緒に楽しめるクラフトアイデア。
作ったオーナメントが映えるツリーの飾り方もあわせて紹介します。
✅生花でスワッグやリースを作る
クリスマスらしさが出て、お部屋もぐっと華やぐスワッグやリース。生花で作ればさらに存在感が出ます。
✅冬のインテリアコーディネートテクニック
作ったアイテムは可愛く飾りたいもの。
暖かな冬らしさを演出しながら、クリスマスアイテムを飾るテクニックを紹介します。
12月31日「大晦日」「大祓」
旧暦では毎月の最終日を晦日(みそか)と呼びました。
1年の最後の晦日だから「大晦日」です。
かつては各家々にやってくる年神様をお迎えするために、寝ないで待つ習わしがありました。ウッカリ眠ってしまうと白髪やシワが増える(!)という恐ろしい俗信などもあったようですよ。
大晦日の歴史は古く、平安時代ごろから様々な行事が行われてきたようです。
もとは6月の夏越しの祓のように、一年の間に受けた罪や汚れを祓うための大祓の儀式を行ったり、年神様をお迎えし、食事をともにするために「年籠り」をして家で過ごしたりなど、神様をお祀りするものでした。やがて仏教の浸透とともに、寺院で除夜の鐘をつくなどの風習も生まれたそうです。
年越しそばを食べる風習はさらに新しく、はじまったのは江戸時代ごろなんだそう。
冬至とクリスマスの意外な関係
12月25日はクリスマス。イエス・キリストの降誕を祝う日です。
ところが実は、聖書にはイエスがいつ生まれたかについての記述はありません。にもかかわらず、この日を降誕祭として祝うようになったのは、ヨーロッパの土着信仰として根付いていた冬至の祭りから転じたから、という説があります。
ヨーロッパの土着信仰「冬至の祭り」
冬至の頃は太陽の南中高度が低くなり、北極圏では日中も太陽が沈んだままの「極夜」が続くことから、太陽の力がもっとも弱まる時期だと考えられてきました。しかし、太陽は冬至を境に再び力を取り戻します。
その様子を「太陽がよみがえる日」「太陽の死と復活」として盛大に祝ったのが冬至祭です。
4世紀半ば、冬至祭と「イエス降誕」が融合
時代は下って4世紀半ばごろ。当時まだ新しかったキリスト教を広めるために、冬至を境に太陽がよみがえって新しい年になることを、イエスの降誕によって新しい世界が訪れたとする信仰と重ね合わせる流れが起こります(これが現在のクリスマスの始まりです)。
北欧諸国では現在でもクリスマスのことを、かつての冬至祭の名前「ユール(Jul / Yule)」と呼んでいるそう。
クリスマスのご馳走として丸太を模したブッシュ・ド・ノエルを食べるのも、ユールで大きな木の幹(ユール・ログ)を燃やして魔除けにしていた名残りなんですよ。
クリスマスは「24日の日没」から始まる
ちなみにクリスマス・イブの「イブ」は「Evening」、夜のこと。
これはキリスト教会の暦において、日が沈んだときから新しい1日が始まることに由来します。つまりクリスマスは「24日の夜から25日の日没まで」のことを指すというわけですね。
2021年12月のほしぞら
12月4日は、宵の明星(金星)がひときわ明るく輝く
今年の5月から夕方の空で輝いていた金星が、12月4日に最大高度(明るさが最大)になります。
その明るさは実に1等星の100倍以上。1等星といえば、いまの季節に見やすいのがオリオン座のベテルギウスとリゲルですが、それらの100倍以上です。かなり明るいことが分かりますね。

金星は日没後、南西の空を見上げればすぐに見つかるので、観察は容易です。ただし高度20度程度の低空なので、なるべくひらけた場所で探すのがポイント。また沈む時間も早いので、夕暮れの空で探すのが良さそうですね。
ちなみに最大光度のころの金星は、昼間の青空でも見つけることができるそうですよ。
12月14日から15日未明にかけて「ふたご座流星群」がみごろ
毎年12月の恒例、ふたご座流星群が見ごろを迎えます。
今年は14日の1時6ごろが極大(流星群の活動がもっとも活発になること)です。ふたご座流星群の活発な時期は長く続くので、13日の夜から14日の明け方にかけてと、14日夜から15日の明け方にかけての2日間が見ごろ。

しかし残念ながら今年は上弦の月が深夜ごろまで空に残るので、観察条件はあまり良くありません。確実に見たい人は、放出点(流星が放射状に飛び出してくるように見える天球上の点)のふたご座が空高くのぼり、月が沈む深夜がオススメです。
流星は空全体で見られますので、方角は気にしなくても大丈夫。街明かりの影響が少なく視界が開た場所で、肉眼で空全体を広く見渡すのが見つけるコツです。
今月のアンケート
みんなの暮らし聞いてみました!
\こんなとき、どうしてる?/
わざわざ聞かない。聞けないけど、ずっと気になっている日常生活のアレコレ…「そういえば、みんなどうしてる?」をリサーチしてお届けします!
今月のお題は「冬の食卓」
寒い季節はみんなで食卓を囲んで、身も心もあたたかくなりたいですね。
そんなときの定番メニューはなんですか?みなさんのご家庭の「冬の食卓事情」について教えてください!
回答期限:2021年12月14日(火)
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先月の「読書習慣」の集計結果をみる
「普段どれくらい本を読む?」「本を読むときは紙書籍派?電子書籍派?」など、みんなの読書習慣と読書をするときのこだわりをチェック!
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次回の「くらしの歳時記」は1月・睦月編。
いよいよ2022年、新しい年の始まりです。お楽しみに!