5月の和名「皐月」は、早苗を植える時期「早苗月(さなえづき)」を略したもの。「早苗」とは稲の苗で、苗代(なわしろ)から田に移し植えるころのものを指します。
気温もぐんぐん上がり、5月5日の「立夏」を迎えると、暦の上では初夏になるこの月。新緑も爽やかな5月のくらしの歳時記を紹介します。
目次
穀雨 | 1日 | 八十八夜 | 立夏 | 17日 | |
2日 | 春土用の間日 | 18日 | |||
3日 | 憲法記念日、春土用の間日 | 19日 | |||
4日 | みどりの日、春土用明け | 小満 | 20日 | 小満 | |
立夏 | 5日 | 立夏、端午の節句 | 21日 | ||
6日 | 22日 | ||||
7日 | 23日 | ||||
8日 | 24日 | ||||
9日 | 25日 | ||||
10日 | 母の日 | 26日 | |||
11日 | 27日 | ||||
12日 | 28日 | ||||
13日 | 29日 | ||||
14日 | 30日 | ||||
15日 | 31日 | ||||
16日 |
二十四節気と雑節
5月1日「八十八夜」(雑節)
立春から起算して88日目。 唱歌「茶摘み」で「♪夏も近づく八十八夜」と歌われるように、春から夏に移り変わる節目の日です。この日を目安に住まいの夏支度をはじめます。
そして八十八夜といえば新茶。
秋に収穫が終わった後、長い冬の間にじっくり養分を蓄えて出てきた新芽は風味が豊なだけでなく、苦み成分であるカテキンが少なく、旨み成分のテアニンが豊富。そんな新芽からできる新茶は、古来から不老長寿や無病息災の縁起物とされてきました。
このことから、八十八夜の日に新茶を飲むと縁起が良いと言われています。
新茶特有の甘みや旨みを堪能したいなら、水出しがオススメ。 なぜなら、甘みや旨み成分であるテアニンは水温に関係なく抽出される一方で、苦み成分であるカテキンは高温でしか抽出されないから。つまり低温でじっくり淹れることによって、渋さや苦みを抑え、より甘み・旨みの強い味わいのお茶を愉しめる、というわけです。
1リットルに対して10グラム程度の茶葉を入れたボトルに冷水を注ぎ、そのまま冷蔵庫で3時間〜6時間ほど抽出が基本の淹れ方。そのままグラスに注いでいただくだけでなく、フルーツやハーブでアレンジしても楽しめます。意外に思われるかも知れませんが、水出しの緑茶は包容力が高く、様々なアレンジとの相性が抜群なのです。
詳細な淹れ方やアレンジ方法は「作り方&アレンジレシピ付き☆コールドブリューで楽しむ緑茶とコーヒー」緑茶編にて紹介しています。
5月5日「立夏」(二十四節気)
暦の上で夏が始まる日。 新緑の季節の本格的なスタートです。蛙の声が聞こえてくるようになるのも、このころ。
とはいえ、本格的な夏はまだすこし先。日差しが強く、気温が高くなる日もありますが、基本的には過ごしやすい気温と低い湿度で、爽やかな日が続きます。
5月20日「小満」(二十四節気)
「陽気がよくなり、草木などの生物が次第に生長して生い茂る」時期のことを指します。秋播きの麦の穂がつき始め、初夏の風物詩である梅が実をつけはじめるころ。
梅の実は6月初旬ごろに収穫の時期を迎え、梅干しや梅シロップ・梅酒などの保存食を拵える「梅仕事」が始まります。
土用(雑節)
雑節のひとつ「土用」は、土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間のこと。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、期間中は土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を忌むことになっています。
とはいえ、18日もの間ずっと作業ができないのでは、さすがに実生活に影響が出ますよね。そこで土公神が地上を離れる日を設け、その日に限っては作業をしてもOKとしました。それが「間日」です。
年中行事と5月のイベント
5月5日「端午の節句」
端午は五節句(伝統的な年中行事をおこなう節目となる日)のひとつ。日本においては、古く奈良時代から伝わる風習です。
元は魔除けのために葵や菖蒲を飾るものでしたが、江戸時代頃に「菖蒲」と「尚武(武道を重んじること)」が結びつき、男の子の節句になりました。この日に鯉のぼりを飾るのは、鯉が清流ではない池や沼でも生きていける生命力の強い魚であること、また「登竜門」の故事(竜門の滝を登り切った鯉は竜になる)になぞらえて、子供の成長と立身出世を願うためです。
しかしマンション住まいであったり、戸建て住宅であっても庭がないなど、住宅事情によっては外に飾れないことも多くなりました。そこでアルファジャーナルがオススメしているのが、室内で楽しむ鯉のぼり。今年はさらに手作りしてみてはいかがでしょうか。子供と一緒に作れるように、難易度別に7つのアイデアを集めました。
5月10日「母の日」(5月第2日曜日)
日ごろの母の苦労を労り感謝の気持ちを表す日ですが、実は母の日は世界各国にあって、その由来も日付もバラバラ。 日本における母の日は、アメリカから伝わったものです。
1907年、南北戦争中に活躍した社会活動家である母親の追悼のために、娘が教会でカーネーションを配ったのが始まりとされています。これをきっかけに全米に母親に感謝するムーブメントが広まり、1914年に米国議会が祝日に定めました。
日本に伝わったのは1913年、大正時代。しかし全国的な行事になったのは、もう少しあとの時代のようです。
母の日のギフトとして代表的なものといえば、カーネーション。
郵送にも対応するブーケの作り方をこちらの記事で紹介しています。ブーケ以外のフラワーギフトの提案もありますよ。
こもっている今だからこそ、くらしのQOLを上げる工夫をしよう
例年なら、旅行やアウトドア・アクティビティなどの楽しみな予定が詰まっている大型連休。でも今年はおうちで過ごすという人も多いでしょう。
だからといって「家にこもっているから楽しみがない」とは思わないで。ちょっとした工夫で日常生活はもっと楽しくなります。そのためのアイデアをアルファジャーナルの記事からピックアップしました。
おうちでアウトドア気分を楽しむ
自宅でアウトドア気分を楽しむなら、迷わずバルコニーへ!
テーブルと椅子を持ち出して、あるいはもっと簡単に済ませるならレジャーシートを敷くだけで、オープンエアなリビングダイニングが完成します。
すでに定着した感のある「ベランピング」ですが、改めて始めてみませんか。
バルコニーで過ごすことが多くなると、花や緑が欲しくなりますね。
「とりあえずお試しから」な、DIYでできるプチガーデニングと、もう少し本気で取り組みたくなった人向けの記事を2本紹介します。
おうちごはんを充実させる
せっかく時間がたっぷりあるのですから、いつもと違った料理にも挑戦してみましょう。
ライター自慢のレシピや、ホテルの料理長が監修したレシピを紹介します。
バルコニーで食べるなら、お弁当箱やフードコンテナに詰めて、お弁当風に仕立てても楽しいですよ。ちょっとしたピクニック気分に。
ついでに家飲みスタイルにもひと工夫。
材料とグラスさえあれば簡単に作れるカクテルレシピと、コーヒー・緑茶のいつもと違った楽しみ方レシピをどうぞ。
次回の「くらしの歳時記」は6月・水無月編。
お楽しみに!