くらしの歳時記【2020年7月・文月】

7月の和名は「文月」。
梶の葉に和歌をしたためてお祀りする「七夕」の行事にちなんだ「文披月(ふみひらきづき)」が転じたものと言われています。
色鮮やかに朝顔や凌霄花(ノウゼンカズラ)の花が咲き始め、海開きが行われるなど、本格的な夏の到来を感じさせる時期。そんな7月をより楽しむための、くらしの歳時記を紹介します。

夏至1日半夏生小暑 17日
2日18日
3日19日夏土用入り
4日20日
5日21日土用の丑の日
6日大暑22日大暑
小暑7日小暑七夕23日海の日、夏土用の間日
8日24日夏土用の間日
9日25日
10日26日
11日27日
12日28日夏土用の間日
13日29日
14日30日
15日旧盆31日
16日

二十四節気と雑節

7月1日「半夏生」(雑節)

ハンゲショウ

夏至から数えて11日目。ドクダミ科の植物「ハンゲショウ」の葉が白くなり、梅雨明けを間近に控える頃です。

半夏生は気候の変わり目だけではなく、農作業の大切な節目でもあります。
昔から「田植えは夏至の後、半夏生に入る前までに終わらせるもの」とされ、それを過ぎての田植えは秋の収穫量が減ると言われてきました。田畑の仕事が一段落した農家は、この日の天気で農作物の出来を占ったり、豊作を願って神様に食べ物を捧げたりしたそうです。

またこの日には関西地方では蛸を、福井県(一部)では鯖を食べる習慣がありますが、アルファジャーナル編集部のある香川県では「うどん」を食べます(…半夏生に限らず、いつでも食べてはいるのですが)。

半夏生のうどん

この風習は、その年に収穫(小麦の収穫時期は6月)した小麦を使って打ったうどんで豊穣を祝ったのが始まりだと言われています。さらに、そのうどんを農作業を手伝ってくれた人たちにも振る舞ったことから、田植えを終える半夏生の頃にうどんを食べる習慣が定着したそう。
1980年には、本場さぬきうどん協同組合が7月2日を「うどんの日」と定めています。

7月7日「小暑」(二十四節気)

二十四節気の11番目で「しょうしょ」と読みます。暑さが本格的になる頃。蝉が鳴きはじめたり、蓮の花が咲きはじめたりと、いよいよ夏の気配が濃厚になります。

7月22日「大暑」(二十四節気)

本格的な夏の到来を感じる頃。
今日から8月7日(2020年)の立秋までが「暑中」。この間に暑中見舞いを出します。オンラインで手軽に繋がれるこの時代に、あえて素敵なハガキやカードに近況をしたためて出してみる、なんていうアナログな方法で連絡してみるのも楽しいかもしれません。

土用(雑節)

雑節のひとつ「土用」は、土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間のこと。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、期間中は土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を忌むことになっています。

とはいえ、18日もの間ずっと作業ができないのでは、さすがに実生活に影響が出ますよね。そこで土公神が地上を離れる日を設け、その日に限っては作業をしてもOKとしました。それが「間日」です。


年中行事と7月のイベント

7月7日「七夕」(節句)

七夕

七夕は「星祭り」とも呼ばれる五節句のひとつで、そのルーツは中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という、織女に対して手習いの上達を願う行事です。奈良時代に遣唐使によって日本に伝わり、詩歌や裁縫の上達を願って梶の葉に和歌をしたためる宮中行事になりました。
その後、時代が下って江戸時代に、幕府によって五節句のひとつに定められます。

年に一度の逢瀬の伝説で知られる織姫星はこと座のベガ、牽牛星(彦星)はわし座のアルタイルです。これにはくちょう座のデネブを加えたものが「夏の大三角」。

天の川銀河

七夕の夜は、天の川銀河を挟んで1等星が結ぶ三角形を見つけてみてください(残念ながら、夜空の明るい街中からは天の川は見られません)。


夏負けしない「養生」のススメ

梅雨も明け、いよいよ炎暑の時期を迎える今月は、夏の暑さに負けない工夫をしたいところ。
古来から7月には、養生のための習慣が根付いています。

半夏生と食養生

半夏生の時期は「天から毒気が降る」とされていて、井戸に蓋をしたり農作業をお休みする風習がありました。つまり、農繁期後の休息の時期だったわけです。湿度も温度もぐっと上がる季節の変わり目のこの時期は、身体がまだ慣れていないことから体調を崩しがち。仕事が一段落したと思ったら、無理をせず休もうという意識が昔からあったんですね。

蛸を食べるという風習も「良質なタンパク質や、疲労回復に効果のあるタウリンが豊富なものを食べる」という食養生の一種だと言えます。
暑くてなんだか食欲がわかない……そんな時には、さっと用意できてツルッと食べられるおうどんがピッタリですね。しっかり食べることは養生の基本です。

土用の丑の日の「丑湯」

夏の土用は暑さの厳しい時期であることから、特に十二支の丑の日に当たる日を「土用の丑の日」と呼んで、養生する日にあてられました。土用の丑の日といえば誰もが鰻を思い浮かべますが、実際は「う」のつく食べ物(瓜・うどん等)ならなんでもよい様です。

食べるだけではなく、お灸を据えたり(土用灸)、薬草を入れた湯につかったり(丑湯)するのも有効なのだとか。先人の知恵に倣って、この日はゆったりと自分の身体をメンテナンスする日にしてみましょう。

実は夏こそ湯船にゆっくり浸かるべき。
気付かないうちに冷房で冷えてしまった身体を温め、汗をかいた肌の汚れをしっかり落としてトラブルを防ぐには、湯船に浸かることが効果的なのです。夏はシャワーだけで済ませているという人も、たまにはゆったりお湯にたゆたってみませんか。

次回の「くらしの歳時記」は8月・葉月編。
お楽しみに!

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