くらしの歳時記【2019年9月・長月】

日中の残暑はまだまだ厳しいものの、朝夕にはひんやりした空気が漂い、虫の声がきこえるようになってきました。
あぜ道や土手に彼岸花が咲き、金木犀の芳しい香りがあたりに満ちてきだしたら、いよいよ秋も本番。そんな9月のくらしの歳時記を紹介します。


9月の和名「長月」の由来

日増しに夜が長くなってくる季節であることから「夜長月(よながづき)」。それが転じて「長月」と呼ばれるようになったそうです。
他にも長雨が多くなる時期だから「長雨月(ながめつき)」が転じた説、収穫の時期に当たることから「稲刈月(いねかりづき)」「稲熟月(いねあがりづき)」が転じた説などもあります。


2019年9月の暦と行事

処暑1日二百十日白露16日敬老の日
2日17日
3日18日
4日19日
5日20日彼岸の入り
6日21日
7日22日
白露8日白露秋分23日秋分・秋分の日
9日重陽の節句24日
10日25日
11日二百二十日26日彼岸明け
12日宇宙の日27日
13日十五夜28日
14日29日
15日30日

8月のお盆を過ぎたあたりから高くなった空が、澄んだ水色に変わってくるころ。庭の草木に朝露がおりるなど、ふとした瞬間に季節の移り変わりを実感するのが9月です。
七十二候でも「玄鳥去(つばめさる)」(9月17日ごろ)=春に南からやって来た燕が去って行き、「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」(9月28日ごろ)=虫が冬ごもりのために土に潜り始めるなど、暑く湿潤した季節の終わりを示唆しています。


9月は夜空を見上げよう│宇宙の日・中秋の名月(十五夜)

9月12日は宇宙の日。
1992年の国際宇宙年(世界各国の地球気象衛星を利用し、地球環境とその変化を明らかにしようという宇宙国際協力)を記念して、当時の科学技術庁(現・文部科学省)と宇宙科学研究所(現・JAXA)が制定しました。9月12日という日付は、毛利衛宇宙飛行士が日本人として初めてスペースシャトルで宇宙へ飛び立った日です。

また少し先の話になりますが、10月4日から1週間「世界宇宙週間(World Space Week)」も始まります。これは1957年10月4日の旧ソ連の人工衛星スプートニク1号の打ち上げ、1967年10月10日の宇宙法施行を記念したもので、国内での知名度はまだ低いですが、海外では宇宙開発に携わる企業や博物館がイベントを行うようです。

どちらも馴染み薄く感じる人が多いであろう記念日ですが、この秋は夜空を見上げて宇宙を身近に感じてみませんか。

……といっても、明るい星が多くて華やかな夏や冬の夜空と違ってやや地味目な秋の夜空は、ふだん夜空を見上げない人にとってはあまり面白くないかもしれません。
そこでオススメなのが、お月見どこにいても空さえ見えれば楽しめるお月見は、街明かりで眩しい都会の夜でも大丈夫。大気中の水蒸気量が減り、夜空がクリアになるこれからの季節の月は冴え冴えと明るく美しく、見応えがありますよ。

折しも9月13日は十五夜、中秋の名月です。
今年の中秋の名月は、満月1日前のほんの少しだけ左下が欠けた月。中秋の名月といえば満月のイメージですが、実は満月とは限らないのです。その理由については2018年9月のくらしの歳時記で解説していますので、気になった方はご一読を。とはいえ天体望遠鏡などを覗いたときに欠けているのが分かる程度で、肉眼ならほぼまん丸のきれいなお月様に見えると思います。

中秋の名月2019
出典:国立天文台/ほしぞら情報(2019年9月)

当日の月は日没と前後してのぼってくるので、お仕事帰りなどに空を見上げればすぐに見つかるはずですが、各地の月の出時刻を知りたい方は国立天文台暦計算室の「こよみの計算」ページで調べてくださいね。

また十五夜翌日の月は、今年で最も小さく見える満月です。ただし肉眼で見る分にはいつもの月と変わらないので、心の中で「いつもよりちょっと小さいんだな」と思いながら眺めるのが楽しむコツ(?)です。


9月1日は防災の日 │ 備えよう・見直そう

1960年に制定された防災の日。
9月1日の日付は、大正12年の関東大震災の発生日にちなんでいます。二百十日の台風シーズンにもあたることから「災害への備えを怠らないように」との戒めも込められています。

「防災グッズは既に用意している」という人は多いでしょう。
でも定期的に点検・見直しはできていますか?
持ち出し袋に入れた食品や水の賞味期限、乾電池などの使用期限のチェックはもちろんのこと、小さな子供やお年寄り、ペット用に特化した防災・避難グッズも、年齢や目的に合うように忘れずに点検・見直ししておきましょう。

防災グッズは揃えたらそれでOKではありません。定期的な中身の点検・見直しが必要です。防災グッズの管理方法としては「ローリングストック方式」をおすすめします。

ローリングストックとは、新旧を回転させるように蓄えることを意味します。日常的に古いものから消費しておくようにすると、いざという時の賞味期限切れや使用期限切れを防ぐことができるほか、非常時に使い慣れたもの、食べ慣れたものと、そうでないものでは、避難生活を送る上でのストレスの度合いも違ってきます。

出典:これだけは揃えておきたい!いざという時の防災グッズリスト

防災・避難グッズはそれなりの価格のものが多くて、必要なものとは分かっていても頻繁に買い換えるのは躊躇する……
そんなときは、100円ショップの出番です。
もちろん全てのアイテムを100円ショップのものに取り替えることは不可能ですが、いくつかは代替品になるはず。実際に使ってみた、レビュー付きのこの記事を参考にどうぞ。

【徹底検証】100均で防災グッズを揃えられるのか!?

また防災の日をを含む前後1週間(8月30日〜9月5日)は「防災週間」として、様々な啓蒙活動や防災訓練が行われます。
普段なかなか体験できない、大がかりな訓練に参加できる機会があればぜひ参加を。「いざというときは、自分が想像していたよりも動くことができない」「平時に想像していないことが起こる」という感覚を体験しておくのは、防災パンフレットやウェブサイトの情報を読むだけでは得ることのできない実感です。

防災訓練イメージ

「防災訓練に参加するのは大変だし……」という方は、地震や風水害などが体験できる災害シミュレーターを備えた、各自治体の防災センターにお出かけしてみるのもオススメです。筆者も体験したことがありますが、充分に安全に配慮された屋内のシミュレーターであるにも関わらず「果たしてこの状況に実際に直面したとき、冷静に安全な避難を行えるのだろうか」と考え込んでしまいました。

防災・減災のために私たちにできることは、いざというときのための備えをし、定期的に点検すること。そして、地域や住まいの防災対策を確認したり見直しておくことです。分かってはいても、日常生活の中では取り紛れて忘れがちな防災のこと、折に触れて思い出し、見直してみたいですね。


今月の味覚│初秋の風を思わせる、爽やかな甘さと酸味

ホテルのパティシエがつくる9月限定のドルチェは「洋なしのブランマンジェ」。
秋に旬をむかえる洋なしをふんだんにつかった、瑞々しくも甘やかな、繊細な洋なしの香りと味を存分に楽しめるドルチェです。

洋なしのブランマンジェ

フランスの伝統的なレシピに忠実に、アーモンドミルクをベースにしたブランマンジェはパティシエのこだわり作。さらに今回は、洋なしのリキュールで風味を追加。フルフルと柔らかく口の中で溶けていく食感、それに伴って鼻腔に抜けるアーモンドと洋なしの香りが自慢とのことなので、まずそのまま味わいます。

別添えのソースも、かけてしまう前にまずは単体で味わって。
フランス産の洋なしのピュレを丁寧に裏ごしして作ったソースは、香り高い甘さ。まるでポタージュのようなとろみからは想像できないような、爽やかな口当たりが後を引きます。

味わったあとは、いよいよソースをブランマンジェに。
すると、パティシエが計算し尽くしたブランマンジェとソースのマリアージュが本領を発揮し出します。
やわやわととろけるブランマンジェと、舌で押すとスッとほどける洋なしの食感の組み合わせ。アーモンドミルクのナッティな風味に絡む、洋なしの香りと甘み。複雑に何層も折り重なる味と香りに、「美味しい…」としか言えなくなるほど語彙力を喪失させられてしまう筆者なのでした。

まだまだ暑さが残るものの、すっかり外の空気は秋の風情。
窓際の席に座って、ひとあし早く初秋の味を楽しんできました。

撮影協力:リーガホテルゼスト高松 ARGO

香川県高松市の中心市街地に位置し、地元の人にも愛されるシティホテル「リーガホテルゼスト高松」。その1階にあるARGO(アルゴ)は、ゆったり落ち着いたインテリアの中で、豊かな香りが自慢のコーヒーを愉しむ空間です。

次回の「くらしの歳時記」は10月神無月編
お楽しみに!

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