くらしの歳時記【2019年4月・卯月】

今年もまた春がめぐってきました。
長く厳しい冬を越え、生命の萌え出づる4月は、進学や引っ越し、異動などで、人間もまた新たなスタートを切る季節です。
そんな4月を楽しく過ごすための「くらしのエッセンス」、そして暦と行事を紹介します。

4月の和名「卯月」の由来

卯木

卯の花が咲く月「卯の花月(うのはなづき)」を略したもの。卯の花とは空木(うつぎ)の別名。白くて小さな、可愛らしいお花です。

2019年4月の暦と行事

春分 1日 エイプリルフール 清明 16日
2日 17日 春土用入り
3日 18日 春土曜の間日
4日 19日
清明 5日 清明 穀雨 20日 穀雨
6日 21日 イースター(復活祭)
7日 22日 アースデイ
8日 花祭り 23日
9日 24日
10日 25日
11日 26日 春土曜の間日
12日 27日 春土用の間日
13日 十三参り 28日
14日 29日 昭和の日(祝日)
15日 30日 春土曜の間日

「土用」は雑節のひとつ。土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間とされ、土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を忌む習慣です。とはいえ、18日もの間それが続くのは、さすがに実生活に影響が出ますよね。そこで土公神が地上を離れる日=「間日」を設け、その日は作業をOKとしました。
ちなみに土用は年4回あり、立春・立夏・立秋・立冬の直前の約18日間がその期間です。

今月の味覚│桜を味わい尽くす

春爛漫の象徴といえば、やはり「桜」。フワフワと柔らかく淡いピンクの花は、「いつ咲くんだろう」「お花見はいつごろできる?」「まだ散ってしまわないかな」と毎年私たちをソワソワさせます。
毎年、たった10日間ほどの間に多くの人びとの気持ちを振り回し、そして散っていく。そんな儚くも愛らしい桜を、見て楽しむだけでなく味わうことでも楽しんでみましょう。

桜茶と、さくら・菜の花の和菓子

まずは桜をまるごと塩漬けにした「桜茶」から。
澄んだ薄紅色のお茶を口に含めば、ふわりと鼻に抜けていく桜の香りが春の訪れを実感させます。

桜茶

基本の淹れ方は、塩漬けの桜を1ー2輪、茶碗の中に入れてお湯を注ぐだけ。
そのままでは塩っぱすぎることがあるので、丁寧に淹れるのならば先に塩抜きを。小さめの器を別に用意してそこに桜を入れ、ぬるま湯を注いで余分な塩を流します。このときに長すぎる”がく”などは切っておくと、仕上がりも綺麗に。
塩抜きが終わったら、改めて茶碗に桜を入れてお湯を注ぎます。味見をして薄く感じたら、塩抜きに使ったお湯をひと匙ほど入れて味の調整を。

菜の花と桜のきんとん風

お茶のお供には、手作りの和菓子。桜と菜の花を模した「きんとん風」です。
本来、きんとんはヤマノイモを使う手のかかるお菓子ですが、白あんと白玉粉でつくる「練りきり生地」を目の粗い金ザルなどに押しつけるお手軽レシピなら、自宅でも簡単に作ることができますよ。
練りきりのレシピは「【動画レシピ付き】お花見気分を盛り上げる簡単「桜の和菓子」の作り方」を参考にどうぞ。

春を感じるテーブルコーディネート
モダンな色使いの萩焼の茶碗に、アンティークのプレスガラス製のプレートを組み合わせて、和モダンなスタイリングに。クロスには春の空のような柔らかいブルーを選べば、部屋の中でもお花見の気分が味わえます。
桜茶と和菓子

桜と苺のベスト春コンビ

続いてはホテルのパティシエが作る、4月限定のドルチェ「春風薫る桜のムースに苺のソースを添えて」。
桜風味のムースには、桜リキュールで作ったジュレと塩漬けの桜をのせて。横に添えたバニラアイスクリームには、香川県産の苺「さぬき姫」をふんだんにあしらい、同じ苺で作ったソースがたっぷりかけられています。

春風薫る桜のムースに苺のソースを添えて

柔らかでジューシーな果肉と、香りの豊かさが特徴の「さぬき姫」。それを活かした苺のソースは果肉感がしっかり残っていて、苺の甘さと酸味を堪能できる逸品。生の苺の食感との差も楽しく、「春が来た!」と心から思わせてくれる味わいです。

桜のムース

ほんのりピンクの桜のムースはフワフワと柔らかく甘く、甘さ控えめのジュレとの相性は抜群。
口に含めばまずムースの甘さが。その後にジュレの桜リキュールの風味が追いかけてきます。桜味というと和風の味わいのものが多い中、「洋」を感じる風味はとても新鮮です。さらに塩漬けの桜が味を引き締めて、最後まで美味しくいただけました。

撮影協力:リーガホテルゼスト高松 ARGO

香川県高松市の中心市街地に位置し、地元の人にも愛されるシティホテル「リーガホテルゼスト高松」。
その1階にあるARGO(アルゴ)は、ゆったり落ち着いたインテリアの中で、豊かな香りが自慢のコーヒーを愉しむ空間です。

今月のイベント│イースター(4月21日)

今やすっかり定番化したハロウィンイベントの、その次に”くる”新たなイベントとして注目されているのが【イースター(復活祭)】です。
近年ではテーマパークなどでイベントが開催されるようになったこともあって、日本では楽しいイベント面だけが強調されますが、本来は、十字架にかけられたイエス・キリストが死後3日目に復活したことを祝う、キリスト教最古であり最大の祝日です。
復活の日が日曜日であったことから、「春分の後、最初の満月から数えて最初の日曜日」がイースターと定められています。ちなみに2019年は4月21日で、2020年は4月12日。毎年日付が変わるので、春が来たらチェックしてみてくださいね。

キリスト受難

Easter(英)の表記は、ゲルマン神話の春の女神「Ēostre(エオストレ)」、あるいはゲルマン人の用いた春の月名「Eostremonat(エオストレモナト)」が由来とされています。これはイエス・キリストの「復活」と、春の「再生」のイメージ(すべての生命が沈黙する「死」の象徴である冬が終わるため)が結びついたためと考えられています。
イースターはイエス・キリストの復活とともに、春の訪れを喜び、その年の豊穣を祝う日でもあるのです。

そんなイースターのシンボルといえば、カラフルにペイントされた「イースターエッグ」、そして「イースターバニー」。卵は殻を割って生まれ出る生命力の象徴、ウサギは多産であることから豊穣の象徴です。

イースターのモチーフ

春の到来を謳歌し、豊穣を祈るイースター。具体的に何をすれば良いのでしょう?
ヨーロッパでは祝日になる国が多く、イエス・キリストの受難日である「グッドフライデー」からイースター当日、さらにその翌日の「イースターマンデー」まで4日間ほど休暇になる国もあるのだとか。そのため、クリスマスのように家族で過ごすことが多いようです。
グッドフライデーには教会でミサが行われますが、この日からイースターまでの間は肉類や乳製品を食べない習慣があることから、イースター当日は「解禁日」として肉や乳製品、卵をふんだんに使ったご馳走を食べて祝います。自宅でパーティーを開催することも多いですね。

私たちは、そのエッセンスを取り入れて楽しんでみましょう。
もっとも手軽なところでは、テーブルのクロスやプレースマット、食器類を春らしいパステルイエローやグリーン(あるいは花柄でも◎)に変える

春らしい色のコーディネート

あるいは春の花をブーケにして飾る、あたりがチャレンジしやすいのではないでしょうか。
お花は、春に咲くものなら何でもOKですが、ヨーロッパではチューリップやスイセン、ネコヤナギが多く使われるようです。

チューリップのテーブルフラワー

もう少し凝るなら、イースターエッグやイースターバニーを飾ったり、子供がいる家庭ならイースターエッグを探す「エッグハント」を行っても楽しいでしょう。

最近は100円ショップでもイースターグッズが充実しているので、エッグハントに使える卵形のプラスティックケースが手軽に入手できます。中に小さなおもちゃやチョコレートなどを入れて庭や家の中に隠せば、大人も楽しいイベントに。ホームパーティーの余興にもピッタリです。

朝食のボイルドエッグをペイント&デコレーションするだけでも「らしく」なりますよ。
ただし卵を茹でてしまうと傷むのが早くなるので、ずっと飾っておくのはNGです。あくまでも盛り付けアイデアのひとつとして楽しんで、すぐに食べてしまってくださいね。

ゆで卵にデコレーション

次回の「くらしの歳時記」は5月皐月編。
お楽しみに!

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