これで安心!!マンション売却費用と流れの概要

長年住んだマンションから、新たなマンションに住み替えるという方は、筆者が長年マンション販売をしている中で少なくありません。しかし、多くの方々が必ずマンション購入の喜びに比例して、現在の住まい売却の不安が出てきます。売却をする場合の不安として、筆者はよく、「売却にかかる費用はどのくらいかかるの?」「費用がかかるタイミングは?」 という相談を受けます。

そこで今回は、現在の住まいを売却する為の手順をご紹介しながら、「どれだけの費用」が「いつ必要になるのか」を解説いたします。こちらのコンテンツで売却にかかる費用を掴んで、希望に近い売却額の決定に役立てていただければと思います。

1.売却手続き完了までに発生する費用と具体例

1-1.売却完了までに発生する売主負担費用

自己所有のマンションを売却する際、売却に向けた活動、売買契約の成立、諸々の売却手続き完了までに掛かる売主負担費用は、大きく4つの費用 に分けられます。

1.仲介手数料

不動産売買時、仲介者として広告掲載や顧客商談など行った不動産業者へ支払う費用です。
仲介の手数料額は宅建業法で(売買価格)×3%+6万円×消費税までとする事が定められています。ここでのポイントは、仲介手数料の手数料上限額は定められているが、下限額は定められていないという点。

不動産業者へ売却依頼相談を行う際、マンションを購入した不動産業者が仲介業も行っている場合は、まずそちらで相談する事をおすすめします。なぜなら不動産業者で仲介業を行っている場合は、物件の詳細をより深く把握していますし、自社マンションでの依頼は多い可能性があるので、査定額に関してもより近似値がでる場合が多いからです。高く売る事ができれば、費用に見合う売買価格で売却できる可能性があります。

また、仲介手数料は必ず成功報酬となりますので、売買が成立しなかった場合は費用は発生しませんのでご安心ください。

2.契約印紙代

無事に買主が見つかり売買契約を交わす際、契約書へ貼付する印紙が必要となりますが、この印紙代は原本を保有する側の負担となります。2通作成する場合は売主買主の双方が負担します。
税額は売買価格により定められています。平成26年4月1日から平成32年3月31日までの間に作成される不動産譲渡契約書に関わる印紙税の税率は、下表の「契約金額」欄に掲げる金額の区分に応じ、「軽減後の税率」欄の金額となります。

『国税庁HP』より引用

3.登記費用

不動産売却に際して登記費用を売主負担となる場合も多いです。登記費用は、登録免許税・所有権移転登記費用の2点となります。登記費用については、次の2章にて事例を元に解説いたします。

4.その他、売却時まで銀行借り入れがある場合に発生する登記関係費用

住宅ローン借り入れがある場合、抵当権や担保権が設定登記されている場合があるので、「抵当権抹消登記」を行う必要があります。不動産登記において、自己所有マンションに所有権移転登記することを阻害する抵当権などの担保権が設定されている場合、不動産売買による所有権移転登記することはできません。すなわち、所有権移転登記する場合は、それらを阻害する権利をすべて抹消登記する必要があります。

費用:1つの不動産につき登録免許税1,000円(司法書士に依頼した場合の報酬目安12,000円~32,000円)

また、現住所が登記の記載住所から変更となっている場合は、抵当権抹消登記の前に「住所変更登記」が必要となります。

費用:1つの不動産につき登録免許税1,000円(司法書士に依頼した場合の報酬目安12,000円~32,000円)

一般的に、これらの手続きは上記で述べたように必須登記手続きと併せて司法書士事務所へ依頼するケースが多く、事務所により報酬額は異なりますが、相場としては「抵当権抹消登記」「住所変更登記」各1万円前後が多いようです。少しでも費用を抑えたい方は、各司法書士事務所にて、報酬額が異なりますので、報酬額を確認の上依頼する事をお勧めいたします。

1-2.事例で分かる売却の費用

※上記は存在しない物件の広告のダミーです

中古マンションで検索するとヒットする上記のような広告。みなさまもご覧になられた事があると思います。
上記の販売価格2,000万円で所有マンションを売却 することに決めたアルファさんの事例をもとに解説してまいります。

1-3.売買価格2,000万円のマンションを売却した場合の売却費用はこれ!!

【アルファさんの諸費用まとめ(アルファさんは住宅ローンを組んでいたものとする)】

ジャーナルマンション ○○○号室 売買価格2,000万円の場合の諸費用

仲介手数料:712,800円(税込)
契約印紙代:10,000円

登記費用:約69,000円~109,000円
(内訳)所有権移転登記費用 約35,000円
    登記原因証明情報通知書 約10,000円
    抵当権抹消費用 約12,000円~約32,000円
    住所移転登記費用 約12,000円~約32,000円

計 約791,800円~831,800円

上記のように、自己所有のマンションを2,000万円で売却した場合、諸費用合計で約80万円前後かかります。こちらが売却する場合必須費用となりますので、こちらを見越した売買価格の設定をする事をおすすめ 致します。

2.任意でかかる費用

2-1.室内美装、リフォーム費用(任意費用)

売却依頼時に、不動産業者はまず土地の評価・部屋の状態を内覧し、依頼物件の査定を行います。
査定結果を基に参考価格を提案し、売主の希望価格を勘案しつつ売買価格を決定しますが、数ある競合物件の中から売主のマンションをいち早く売却するために、必要に応じてお部屋の美装・リフォームの提案をする場合があります。

しかし、この提案を受けるか否かは任意です。そのため必ず費用が発生するということではありません。リノベーションが流行している近年は、買主が自ら負担してリフォームを行いたいという希望も多いため、担当者と相談の上、必要に応じて使い分けましょう。

2-2.広告宣伝費(告知費)

原則として販売活動において行う広告宣伝費は、売主から特別依頼しない限り支払う必要はありません。例外として、特別にオープンハウスを依頼した場合に、不動産業者によっては宣伝広告費などの名目で請求される場合があります。
不動産業者に広告宣伝を依頼する場合は、依頼している不動産業者の告知活動を確認する事が費用を抑えるポイントのひとつとなるでしょう。各不動産業者も依頼を受けた物件に対しての告知活動・販売活動は行うはずなので、重複しないよう注意しましょう。

3.マンション売却までの費用の流れ

売却手続きを進める場合に、どういったタイミングで費用が発生するのかをご紹介いたします。
マンション売却を依頼した場合の流れを時系列に沿って詳しくみていきましょう。

4.知らないと損をする4つの戻ってくる費用

マンションの売却時に忘れてはいけないのは、購入した時に支払った各費用が戻ってくるものもあるということです。税金や毎月支払っているものが日割りで清算される費用の概要を紹介いたします。

■固定資産税・都市計画税

これらは1月1日時点の所有者に対して納税義務がありますが、売却時は引渡し日以降の分は、買主に清算する場合があります。その清算方法は、不動産会社に依頼している場合は、不動産業者が起算日を基に負担費を決定するのが一般的です。契約の際は、注意してこちらを確認する事が大切だといえるでしょう。

■管理費・修繕積立金の清算

管理費及び修繕積立金は、基本的に翌月分の支払いをするのが一般的です。しかし引渡し以降からは、その日割り分を売却時に買主に清算してもらえる場合があります。清算の際は、引渡し日~月末までの日数を確認し、管理費・修繕費の返金額を確認しましょう。

■住宅ローン保証料の返金

マンション購入時住宅ローンを利用し、保証契約を結んだ場合限定で戻ってくる費用があります。
保証料の支払い方法には分割と一括の2種類がありますが、住宅ローン期間分を一括で支払った場合、残りの保証期間に応じて返金されます。返金金額は利用する銀行により異なりますので、確認する事をお勧めいたします。

■火災保険の返金

住宅ローンを組む場合に必要に応じて火災保険に入りますが、これも返金対象となります。
定められた保険期間のうち、残りの保険期間に応じて返金を受けることができるのです。返金額は保険会社ごとに異なりますので、まずは確認することをおすすめいたします。
またこの返金に関しては、申し出が必要な場合が多いことにも注意してください。

5.マンション売却での注意点

5-1.ローンの残債があっても売却できる!?

住宅ローンの残債があるマンションを売却する場合は、売却代金で一括返済を行うか、自己資金で返済する事で売却が可能になります。マンションの売却を検討する方の多くが、住宅ローンの残債がある中で売却を選択されています。諦めずに残債の状況を確認し、売却の諸経費を計算して売却価格を決定することが重要です。

5-2.売却時に税金がかかる!?

売却の内容によっては譲渡所得税(所得税+復興特別所得税+住民税 以下「譲渡所得税」)がかかる場合があります。

譲渡所得税=譲渡価額-[取得費(減価償却後)+譲渡費用]-特別控除

(注)

  1. 譲渡価額とは、土地や建物の売却代金などをいいます。
  2. 取得費とは、売った土地や建物を買い入れたときの購入代金や、購入手数料などの資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費、設備費などの額を加えた合計額をいいます。
    なお、建物の取得費は、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。また、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ないときは、譲渡価額の5%を取得費(概算取得費)とすることができます。
  3. 譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用をいい、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、売却するときに借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用などです。
  4. 特別控除は、通常の場合ありませんが、マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除など各種の特例があります。

譲渡所得金額がある場合には譲渡所得税が課税されます。

■居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例■

自己所有のマンションを売却する場合、利益が発生しても3,000万円までの範囲で利益から控除されます。
ただし、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を、過去2年以内に受けていないことが条件であることに注意が必要です。

詳しい適用要件は国税庁のウェブサイトにてご確認ください。

■買換え特例■

自己所有のマンションを売却し新居の買換えを行う場合、新居の購入価格が売却価格を上回れば、課税を繰り延べることが可能となります。ただし注意点として、売却する自宅に10年以上住んでいることが条件になります。

詳しい適用要件は国税庁のウェブサイトにてご確認ください。

■マイホームを売った時の軽減税率■

3,000万円の特別控除や買換え特例を利用しても利益が出た場合でも、売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えているなど一定要件を満たしていれば通常の所得税率より軽減されます。

所有期間 所得税及び復興特別所得税 住民税 合計
5年以内 30.62% 9% 39.62%
5年超10年以内 15.315% 5% 20.315%
10年超(利益6,000万円まで) 10.21% 4% 14.21%

詳しい適用要件は国税庁のウェブサイトにてご確認ください。

■売却損が発生した場合■

計算した結果、売却損が発生した時には損をしたままかというとそうではありません。
「居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除」や「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除」という制度があり所得税が還ってくる場合もあります。

詳しい適用要件は国税庁のウェブサイトにてご確認ください。

まとめ

マンションの売却費用について解説してまいりましたが、全体的な流れはご理解いただけたでしょうか?
少しでも売却への不安が和らぎ、一歩前へ進んで頂けると幸いです。このコンテンツをしっかり読んでいただければ、マンション売却の際に思わぬ費用を請求されてびっくりする、ということはないと思います。
みなさまの希望に沿うマンション売却ができることを願っております。

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